健康生活TOP 栄養 緑茶カテキンと癌の不思議な関係?女性に厳しく男性に優しいかも

緑茶カテキンと癌の不思議な関係?女性に厳しく男性に優しいかも

“緑茶の健康効果はもう充分に知れ渡っていますね。お茶由来のカテキンやポリフェノールを強化した茶飲料の中にはトクホを取得しているものもあります。

そんな中、国立がん研究センターが行った研究で、ちょっと変わった関係が見いだされたようです。

驚くほど多くの効果があるかも?緑茶の示唆されている効力はたくさん

緑茶に関する研究データは、さまざまな効果を示唆しています。ただ、飽くまで示唆であって確定した効果ではありませんから、幾分は効果に対する結果が矛盾するデータもあります。

それでも、緑茶についてはかなり多くのことが期待できそうですよ。

お茶を飲んではいけないとされる禁忌対象者は見当たらない

国立健康栄養研究所によると、緑茶を飲んではいけない禁忌対象者と言うのは、様々な研究論文の中に見当たらなかったそうです。ですので、緑茶と言うのは安全な飲み物であることがよく判りますね。

一方、飲み過ぎには注意が必要です。緑茶にはカフェインが含まれますので、主にそれが原因ですね。普通の場合でも、あまりたくさん飲み過ぎると依存性が出ると言うことがあるようです。

妊娠・授乳中においても、摂取量に注意すれば問題ありません。ただし、緑茶エキスのサプリなどは危険性があるかもしれませんので、お茶として一日に適量を飲む程度にしておきましょう。

カフェインは胎盤を通過して胎児にも届きますし、血液中の濃度の半分くらいは母乳に移行します。ですからそのことを念頭に置いて控えめに飲む分には問題ないと思われます。

子供の場合、カフェインの影響もさることながら、カテキンが悪さをすることがあります。幼児では一日当たり250mL以上飲むと貧血になることが見られました。

これはカテキンが重合してできるタンニンが鉄の吸収を阻害するからです。成人ではこうした影響は見られません。念のため、貧血治療で鉄製剤を摂る時は、同時にお茶を飲まないようにする程度の注意で良いでしょう。

期待される効果は下痢の治療からがんの予防まで

国立健康栄養研究所の研究によって効果が示唆されていると言う病気には次のようなものがあります。

  • 血中コレステロールの低減
  • 血中中性脂肪の低減
  • 血圧の調節(高血圧/低血圧の別は記載なし)
  • 認識能力の向上
  • パーキンソン病の予防と進行抑制
  • 食道がん、胃がん、膵臓がん、膀胱がん、卵巣がんの予防
  • 乳がんの再発予防
  • 口の中の粘膜の角化障害の治療(前がん性のものが多いそうです)
  • 子宮頚部異形成の治療(前がん性のものが多いそうです)
  • 大腸がんの予防

素晴らしい効果の数々ですが、別のデータによると「結腸直腸がん(≒大腸がん)の予防には効果がない」ともありましたので、それは外しておきましょうか。

肝がん・前立腺がん・甲状腺がんにどのような効果があったか?国立がん研究センターが見つけた不思議な関係

お茶に関する効果効能については、またあとで補足するとして。国立がん研究センターが見つけた関係についてお話ししてゆきましょう。

ここで明らかにされたのは、男性特有の前立腺がんと、女性に多いとされている甲状腺がん、そして比較的治療が難しい肝がんとの関係です。

肝がんは緑茶には影響を受けずコーヒーによって罹患数が減っていた

肝がんと嗜好性飲料との関係は、それまでほとんど研究されたことがなかったそうで、改めて研究対象にしたと報告書にはあります。このサイトでも以前にご紹介したことがありますね。この時はフォローアップの3年を加えたデータで紹介しています。

約2万人の人を対象におよそ13年間追跡した研究では、コーヒーをよく飲む人は肝がんにかかりにくく、緑茶については良く飲む人でも肝がんが減ると言う効果はなかったと言うデータが得られています。

ですので、肝がんについては、緑茶は毒にも薬にもならないと言うことですね。ちょっと気になるのはそれを説明した文章の中にビタミンCと肝がんについて触れられていた部分です。

ビタミンCは抗酸化作用で肝がんを予防すると同時に、鉄分の吸収を高めます。鉄分が過剰になると肝臓の線維化(肝硬変に進む変化)が促進されます。

もしかすると、この両方の効果が互いに打ち消しあって効果が出なかったのではないかと言う推論が書かれていました。

いずれにせよ肝がんの最も大きな原因は肝炎ウイルスですから、しっかり検診を受けて感染していたら治療することが大事です。

男性に朗報!緑茶をよく飲む人は進行前立腺がんのリスクが低下する

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全国およそ5万人の男性を対象に約14年間追跡した研究によると、緑茶を1日あたり1杯未満しか飲まない人に比べて1日当たり5杯以上飲む人では、進行前立腺がんのリスクは約半分になりました。

進行前立腺がんとは、前立腺の範囲を超えて他の部位に拡がってしまったがんを指します。それに対して前立腺の中にとどまっている、まだましなものを限局前立腺がんと言います。

この限局前立腺がんに対しては、緑茶をよく飲む人でも、それほどリスクが下がらなかったので、効果があったのはより悪い方のがんだったと言うことですね。

何に効果があったのかと言うことになりますと、まだ推論の範囲を出ていません。それでももっとも有力な候補はお茶に含まれるカテキンだと考えられます。

まず、試験管レベルの実験ではカテキンががん細胞を細胞死に導く力がある事が判っています。一つはこれが奏功しているのではないでしょうか。しかし、それだと効果のあるがんが限定的なのが疑問になります。

カテキンは男性ホルモンの一種であるテストステロンのレベルを下げる働きがあります。また、カテキンはテストステロンを含む男性ホルモン全体の受容体、アンドロゲンレセプターが形作られるのを抑制する働きもあります。

特に進行がんではアンドロゲンレセプターがより多く作られるため、効果がはっきり表れたのではないかと推定されています。

しかし、こうなってくると何とか限局前立腺がんを予防できる食べ物がないかと言う気持ちになりますよね。実はあるんです。

カテキンが男性ホルモンを抑制して進行前立腺がんを抑えるなら、もしかすると女性ホルモンが効くことはないんだろうかと考えるのが自然です。

そう、大豆を食べてイソフラボンを摂ると限局前立腺がんを抑制できると言う研究もあるんですよ。そして、こっちは進行前立腺がんには効果がありませんでした。

と言うことで、世の男性諸氏、緑茶カテキンと大豆イソフラボンの組み合わせで前立腺がんを予防しようじゃありませんか。

女性に多い甲状腺がんは緑茶の摂取量に影響を受ける

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甲状腺がんは女性が全体の70~80%を占めるくらい女性に多いがんです。一方で、全体の95%を占める分化がんの場合、10年生存率(がんで一般に使われる5年でないところに注目です)が92~100%と言う治療成績の良いがんでもあります。

なぜ女性に多いのかと言うのは、女性ホルモンの影響を受けるがんだからだと考えられています。このがんに対して、緑茶を飲む頻度がどのくらい影響するのかと言うと、全体で見た場合、影響はありませんでした。

しかし、閉経前と閉経後のグループに分けてデータを分析したところ、全く異なる傾向が見えたのです。

閉経前の女性は、緑茶の摂取量が多くなるほど甲状腺がんにかかるリスクが高くなっていたのです。相対的なリスクで見た場合、1日1杯未満の緑茶を飲む人に比べて3杯以上飲む人のリスクは1.6倍以上になっています。

ところが、同じことを閉経後の女性で見た場合、3杯以上飲む人で0.7くらい、5杯以上飲む人では0.5以下と、大きくリスクが下がっていたのです。

これは気になるデータですよね。特に閉経前の女性にとっては心配の種だと言えるでしょう。

しかし、一方で甲状腺がんの好発年齢を見ると治療成績の良いがんで52歳~54歳の50代前半、治療成績が悪くがんの広がりも大きいタイプのものは59歳以上の高年齢の人に多いものです。

そうなってくると、閉経前の女性はあまり気にしなくても良いかもしれませんね。リスクの上昇は飽くまで相対リスクですから、もともと閉経前の女性の持っているリスクが低ければ、それが1.6倍になっても知れています。

では、甲状腺がんを減らしてくれる他の食べ物はないのでしょうか。残念ながらそれは見当たりませんでした。

海藻類にはエストロゲンの濃度を下げる働きがあるため、甲状腺がんのリスクを下げてくれるのですが、同時に海藻に含まれるヨウ素が甲状腺がんのリスクを引き上げてしまいます。

このため、閉経前の女性においては海藻を食べる量と甲状腺がんのリスクには関係が見られません。

一方、エストロゲン量が少なくなっている閉経後の女性ではヨウ素のリスクだけが出てくるので、甲状腺がんのリスクは高まります。

ですから、閉経後の女性は海藻を控えめに、お茶は毎日3~5杯と言うのが甲状腺がん予防には効果的であるようです。

緑茶に関するその他の効果や飲みすぎによって起こる多くの副作用

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動物実験や試験管内での実験では、さらにさまざまな効果が期待されています。まだ、人間での臨床試験や要素対照研究などは行われていませんから、そうしたものの結果を待ちたいところです。

でも、世の健康情報ではすでに効果があるように喧伝されている場合もありますから、ちょっと勇み足じゃないのかなと気になったりもします。でもせっかくですから情報は提供させてもらいましょう。

糖尿病に効果があるかもしれません

これについては要素対照研究や無作為化比較試験が人間で行われています。その結果として効果があったと言うものと効果がなかったと言うものが両方存在するため、現段階では緑茶が糖尿病を予防改善するとは言い切れないようです。

一方で、動物実験によると緑茶ではなく紅茶の方に血糖値の低減効果がありましたが、緑茶での効果は判っていません。

強力な抗酸化物質EGCGはメタボを解消するかも

緑茶に含まれるカテキンにはさまざまな種類がありますが、すべての植物の中で緑茶に最も多く含まれるのがエピガロカテキンガレート(エピガロカテキン没食子酸エステル:EGCG)です。

これはお茶に含まれる抗酸化物質であるカテキン類の中で最も強力な抗酸化作用を持っていますが、緑茶に多く、紅茶にはあまり含まれていません。

このEGCGを25%含んだ緑茶抽出物が中等度の肥満症患者の体重減少に役立ったと言う報告があります。抗酸化作用だけじゃなくてメタボ解消に役立ちそうなのはありがたいですね。

体重が気になる方は、飲み物を緑茶にしてみるのがお勧めかもしれません。少なくとも砂糖やミルクなどのカロリーを気にしなくて済みますしね。

健康のため飲み過ぎに注意しましょう

安全な飲み物の緑茶ですが、さすがに飲み過ぎるとよくありません。緑茶を飲み過ぎた場合起こる可能性のある副作用は意外と多彩です。

  • 便秘
  • 消化不良
  • 胸焼け
  • 食欲不振
  • 腹部膨満
  • 腹痛
  • 鼓腸
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 頭痛
  • めまい
  • 興奮
  • 不安
  • 不眠
  • 神経過敏
  • 動揺
  • ふるえ
  • 妄想
  • 動悸
  • 不整脈
  • 利尿
  • 頻呼吸
  • 耳鳴り
  • 血糖値上昇
  • コレステロール値上昇
  • 肝毒性

これらの症状は1日に5~6Lの緑茶あるいはそれに相当する緑茶抽出物を摂取した場合に起こりやすくなるそうです。

とは言え、上の副作用のうち胃腸症状は緑茶じゃなくても、液体を5~6Lも飲めば普通に起こりそうな気もしますね。

むしろ注意すべきは緑茶抽出物を使ったサプリメントです。サプリの形態になっていれば意外と摂りすぎると言う可能性は高くなりそうです。

せっかく日本に住んでいるんですから、お茶はお茶として美味しく頂きましょう。

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