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オリーブオイルソムリエが伝授!健康効果が期待できるお勧め&選び方

オリーブオイルが健康に好ましい影響力を持っていることは言うまでもありませんが、最近では商業的なバイアスがかかった、無茶な使い方でオリーブオイルを宣伝する芸能人がいたりして、オリーブオイルが身体に悪いという噂まで出る始末です。

しかし、そうした使い方はオリーブオイルの誤った食べ方です。海藻が健康に良いからと、巻き寿司が海苔100枚で巻いてあったりしたら食べられませんし、無理やり食べたらお腹を壊します。それと同じことがテレビで流されるのはちょっと情けないですね。

今回はオリーブオイルソムリエの資格を持った筆者が、オリーブオイルのあれこれや、高品質な商品の選び方、見極め方などをご紹介します。

食品としてのオリーブオイルの健康効果

オリーブオイルは食用植物性油脂です。ですので、カロリーの面では他の食用油脂と全く変わりはありません。油脂ごとの特性で、微妙な差異が出る場合がありますが、脂質については1gあたり9kcalと言う、一般的な栄養素のカロリー換算係数で計算すれば良いです。

オリーブオイルの比重は25℃で約0.91g/cm3±0.03ですので、500mL瓶1本のオリーブオイルのカロリーは、およそ4100kcalほどになります。大さじ1杯では約123kcalですね。

油脂としての性質と不けん化物による性質

食用油脂の成分は、けん化物と不けん化物に分けられます。けん化と言うのは、漢字で書くと鹸化で、英語でも”saponification”、つまりいずれも石鹸になるという意味から来た言葉です。

例えば、強いアルカリ性の水酸化ナトリウムを脂肪に加えることで、脂肪酸ナトリウム(純石鹸)とグリセリンができます。こうした反応を起こす成分をけん化物と呼んでいて、それは油脂の大半を占めています。

オリーブオイルの場合、エクストラバージンで98.8%から99.4%くらいがこの純粋な油脂成分で占められていて、残りの0.6%~1.2%くらいが不けん化物と呼ばれる不純物で構成されています。

不純物と言っても、その内容はカロテン類やビタミンE、ポリフェノールなど、私たちにとって好ましい成分がとても多いです。こうした不けん化物によって得られる効果もあります。

一方、けん化物は油そのものの性質を決めます。よく飽和脂肪酸がどうこう、不飽和脂肪酸がどうこうと言う話題を耳にしますが、これはこの部分の性質を表しているのです。

つまり、オリーブオイルを含めて食用油脂の特徴は、油脂そのものの性質と、混じっている不純物によって得られる性質の、2つを合わせたものなのです。

オリーブオイルの脂肪酸組成

オリーブオイルは農産品ですから、その原料の品種や生産地、生産年度、原料の加工環境などによって油を構成する脂肪酸の内容にはある程度ばらつきが出ます。かと言って、それをある程度規定しないとオリーブオイルの品質が保たれません。

国際オリーブオイル委員会(IOC)は、オリーブオイルの脂肪酸組成の範囲を次のように定めています。カッコ内は2015年版/七訂日本食品標準成分表に示されている数値です。下限値の順に記載しました。

  • 18:1-ω9・オレイン酸:55.0%~83.0%(73.0%)
  • 16:0・パルミチン酸:7.5%~20.0%(9.8%)
  • 18:2-ω6・リノール酸・3.5%~21.0%(6.6%)
  • 18:0・ステアリン酸・0.5%~5.0%(2.9%)
  • 16:1-ω7・パルミトレイン酸:0.3%~3.5%(0.7%)
  • 18:3-ω3・αリノレン酸:0.1%~1.5%(0.6%)

(表記について:18:1などのような表記については、炭素数:不飽和結合数です。:0は飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸について「-ω」の表記は最初の不飽和結合の位置を示します。ω6系不飽和脂肪酸などの表現に用いられます。)

他にも複数の種類の脂肪酸が含まれていますが、微量であるため、規定は設けられていません。

オリーブオイルに関しては、特にヨーロッパで厳しい規定が定められています。しかし、それがきちんと運用されているかどうかはまた別の問題なのです。

オリーブオイルと健康・不健康の関係

オリーブオイルに限らず、すべての食用油脂には「食べ過ぎると太る」と言う大きな弱点があります。これはどんなに高価な健康油であっても、その差はほとんどありません。

身体につきにくい健康油というものは確かに存在します。しかし、それはその油だけがカロリー源であった場合に言えることなのです。

通常は炭水化物やたんぱく質と一緒に脂質を摂ります。その合計カロリーで肥満するかどうかが決まりますし、脂質は他の2つの2.25倍の重量あたりカロリーを持っていることを忘れてはいけません。(脂質:9kcal/g、炭水化物・たんぱく質:4kcal/g)

オリーブオイルに必須脂肪酸は少ない

オリーブオイルには必須脂肪酸であるリノール酸とαリノレン酸はそれほど含まれていません。ですので、その2つについては、不足分を他の食品から摂る必要があります。

とは言うものの、リノール酸については厚生労働省が「日本人は過剰摂取である」と認めているぐらい、摂られ過ぎています。これはほとんどの植物性油脂において、支配的な脂肪酸だからです。

αリノレン酸が支配的で、リノール酸が少ないことがセールスポイントのえごま油や亜麻仁油ですら、日本食品標準成分表では12%~14%の含有量が示されています。

必須脂肪酸としてのリノール酸の摂取目安量は成人女性で8g/日、成人男性で10g/日くらいです。この量は、例えば大豆油なら20g(大さじ1.5杯)で満足します。

実際には植物性の食品であれば大抵のものに含まれているため、口から栄養を取れている健康な人であれば、リノール酸について過剰になるリスクこそあれ、不足することはありません。

一方、αリノレン酸は不足気味です。えごま油や亜麻仁油は1日に小さじ1杯程度でOKであるくらい、効率的に摂取できるものですので、利用することがお勧めではあります。

ただ、αリノレン酸ブームで、偽物と思しきえごま油や亜麻仁油が見つかったと、国民生活センターが警告していますので注意が必要です。

また、毎日20グラムのくるみを食べれば、αリノレン酸は間に合います。くるみの偽物は作りにくいと思うので、そうした方法で対策するのもいいでしょう。

脂肪酸組成から見た場合のオリーブオイルの使用法

先のリストを見て頂いておわかりの通り、オリーブオイルの脂肪酸の効果というのは、ほとんどオレイン酸の効果と言っても過言ではありません。

一方、オレイン酸自体は体内にあるΔ9不飽和化酵素によって、飽和脂肪酸のステアリン酸から作り出すことができるので、必須脂肪酸には数えられていません。

しかし、原料になる飽和脂肪酸の摂り過ぎは動脈硬化を引き起こし、インスリン抵抗性を生じさせて糖尿病の原因にもなるとされています。一方で飽和脂肪酸が不足すると脳出血リスクが高まることが知られています。

ですので、飽和脂肪酸は全摂取カロリーの4.5%~7.0%くらいの摂取量が好ましいとされています。

一度整理してみましょう。1日の摂取カロリーが2000kcalの人であった場合、脂質の上限量は600kcal相当ですので67gくらいになります。リノール酸の摂取上限は200kcal相当ですから22gくらいですね。

αリノレン酸は上限設定はされていません。これは、もともと摂取が難しいためで、成人女性の2gと言う量すら摂れていないことがあるためです。そして、飽和脂肪酸の上限は16gくらいです。

これを合計すると40gになります。脂質の上限量との差は27gです。逆に下限量で見た場合、差は30.5gになります。この差の分を摂るには、オレイン酸に代表されるω9一価不飽和脂肪酸で摂ることになるのです。

もちろん、αリノレン酸を多く摂ることができれば、その分オレイン酸を減らせるわけですが、オリーブオイルや椿油、ハイオレイックタイプの食用植物油などから摂りやすい、オレイン酸を増やすほうが簡単だと思われます。

αリノレン酸に代表されるω3多価不飽和脂肪酸を摂るには、1日に90gの魚(青魚が好ましい)と、15gのくるみを食べる習慣を付けるだけで、簡単に必要量をクリアできます。くるみの代わりに50gの油揚げでも良いですよ。

その上で、食用油として使うものをオリーブオイルにしておくだけで、脂肪酸のバランスがしっかり取れます。

ヒトが持っているΔ9不飽和化酵素はステアリン酸からω9のオレイン酸を作るだけでなく、パルミチン酸からω7一価不飽和脂肪酸のパルミトレイン酸を作る働きも持っているんです。ですので、リノール酸とαリノレン酸だけが必須脂肪酸なんです。

オリーブオイルに含まれる健康的な不純物

オリーブオイルには原料品種ごとに特有の味と香りがあります。その味を見極めるプロたちがいるのですが、彼らが初心者のうちは訓練の場で、その味と香りを知ろうとオイルを吸い込んだ際に、ひどく咳き込むことがよくあります。

これはオリーブオイルには特有の刺激性を持つ微量成分が含まれているためで、この成分によってオリーブオイルには製品ごとに特徴のある辛味や苦味がもたらされているだけでなく、健康成分としての要素も加えられているのです。

チロソールというフェノール系の抗酸化物質

花の精油に含まれていて、花の香り成分のひとつである、2-フェニルエタノールという物質から導かれるものに、チロソールという抗酸化物質があります。

これらの物質はフェノール系の物質ですが、低分子化合物であって、ポリフェノールとは異なる特性を持っています。チロソールはアルコールですので何らかの酸とエステルを作ります。それがオレウロペインとオレオカンタールという2つの物質です。

辛味成分のオレオカンタールは、消炎鎮痛効果を持つ物質であると同時に抗酸化作用を持つ物質です。まだ予備的報告の段階ですが、これを長期間少量摂り続けることで、心臓病の予防につながることが示唆されています。

また、オレウロペインはオリーブの葉に非常に多く含まれる苦味成分ですが、オリーブオイルにも含まれていて、オイルの独特に苦味付に一役買っています。

オレウロペインも優れた抗酸化力を持つ物質で、健康効果のみならず、オリーブオイル自体の酸化防止にも役立っていると考えられています。

さらに、チロソールにヒドロキシ基がくっついた、ヒドロキシチロソールと言う物質はこのオレウロペインから代謝されてでき上がります。ヒドロキシチロソールは内服する美白成分として化粧品メーカーなどが注目しています。

ビタミンや植物ステロールにも注目

オリーブオイル大さじ1杯には、成人女性の1日目安量の1/6のビタミンEが含まれています。緑黄色野菜にレモン果汁とオリーブオイルを組み合わせれば、ビタミンA・C・Eと言う抗酸化ビタミンがしっかり摂れます。

植物油にはコレステロールが含まれません。これは、コレステロールが動物の細胞膜に存在するもので、植物の細胞膜には極微量含まれる例外はあるものの、基本的に含まれないからです。

植物の細胞膜にはフィトステロールと総称されるステロール類が存在していて、植物の種類によっていくつかのフィトステロールが存在しています。オリーブではβシトステロールが多く見られます。

このため、イタリアではエクストラバージンオリーブオイルはおろか、低級グレードのオリーブオイルでも、会社間の取引の際にはβシトステロールの含有量を商品証明につけることが一般化しています。

それは多くの場合成分分析表の形で提出されますが、例えばコーン油やキャノーラ油に多いカンペステロールや、アブラナ科の油に多いブラシカステロールが一定値未満であることを示すことも行われています。

つまりオリーブ以外の油の混入がないことを証明する資料になるというわけです。

βシトステロールはコレステロールの吸収を阻害することで、脂質異常症の予防改善に役立つ成分です。

この他、ルテオリンと言う糖尿病の改善に役立つ可能性のあるフラボノイドもオリーブオイルには含まれていますが、オイルから摂る程度の量で効果があるかどうかは不明です。

制度の違いが呼ぶオリーブオイルの真贋論争

最近「偽物のオリーブオイル」という話題が、ネットなどを中心に、雑誌やテレビバラエティなどでも紹介されるケースが目につきます。

確かに世界を見渡せば、偽物のオリーブオイルもたくさん存在しているのですが、日本にはそれほど入ってきていないのではないかと感じています。

偽物には2種類のパターンがある

まず、世界で横行していて、日本にはあまり入っていない可能性が高いものです。それは「オリーブ以外の原料を使った油の混入」が行われた食用油を、オリーブオイルとして売ることです。

こうした偽物製造の手口は、世界中に見られます。一方、日本ではそれは食品偽装に当たる違法行為です。「食用オリーブ油」と表示されるものには、オリーブ以外の原料が使われていてはいけません。

ですから、輸入業者は自分たちに責任が及ばないよう、輸出国側で公的な機関が行った成分分析表の提示を求めます。それによって上でお話したフィトステロールの内容から、別の植物油の混入の可能性のないものを輸入するのです。

もちろん、それでも海外の悪い業者は偽物を送り込んでくることもありますが、そうした業者は淘汰されてゆきますので、その意味での偽物の心配は、日本では少ないと言えるでしょう。

偽物とはいえない偽エクストラバージン

一方、「エクストラバージンでないものをエクストラバージンとして売っている」と言う偽物は、割合多く存在します。と言うのは、日本にはエクストラバージンというグレードを決める法律や公的な基準がないからです。

日本にあるのは「食用オリーブ油」と言う1種類を「普通」と「精製」に分けた2グレードだけですので、いわば「エクストラバージン」と言うのは「元祖丸絞り油」のような、規制されない宣伝文句にすぎないのです。

ですから、仮に国際オリーブオイル委員会の定めた基準に合致していなくても、日本ではそれを「エクストラバージン」として売ることに違法性はありません。

日本の一般社団法人が国際オリーブオイル委員会に籍を置いていますが、他の多くの参加者は国家単位での参加です。これはオリーブの生産国である地中海諸国や南米のアルゼンチン・ウルグアイを中心に、大量消費国であるヨーロッパ諸国が参加しています。

少量ながら生産実績のある日本や、カリフォルニアを中心に、そこそこ生産量を持つアメリカは参加していません。また、政治的な理由からだと思いますが、生産量ベスト5に入るシリアも参加していません。

ですので、そうした国際機関が定めた基準に達していなくても、日本で「自称エクストラバージン」を売ることに違法性はまったくないのです。

日本での食用オリーブ油の主要な基準は、「オリーブの実だけを原料にしていること」と「酸価が2.0以下(精製の場合0.6以下)であること」の2つです。その他に幾つかの条件がありますが、それに合致していなくても私たちには見分けるすべがありません。

余談ながら、ちょっと困った基準もあります。「オリーブ特有の香味を有し、おおむね清澄であること。」という部分です。香味は良いとして、高級エクストラバージンの中にはノンフィルターの製品もあり、向こうが見えないほど濁ったものも珍しくありません。

そう言うのはどうやって検査を通しているんだろうと思いますが、専門店に行くとちゃんと売ってますから、手に入れることは可能です。

本物のオリーブオイルを手に入れる方法

まず、最も確実なのは、原産地名称保護制度を利用している商品を求めることです。これは、それぞれの地域が国際基準や国内基準を超えた、さらに厳しいルールに基づいて生産している証ですから、安心して求められます。

これはオリーブオイルだけではなく、お酒などを含むさまざまな農畜産品に適用されます。有名なところではシャンパンがありますね。フランスのシャンパーニュ地方で、規定の製法に則って作られたスパークリングワインだけがシャンパンと呼ばれるものです。

こうした製品には必ず認証マークが付けられています。最も厳しい規制がある原産地名称保護(英略号:PDO・仏略号:AOC・伊略号:DOP)には次のようなマークが付いています。

原産地名称保護マーク

また、生産方法について、少し緩めの基準で作られたものには地理的表示保護(英略号:PGI・仏/伊略号:IGP)があります。このマークでも、もちろん偽物は存在しません。トレーサビリティが保証されているものも多いです。

地理的表示保護マーク

一般社団法人日本オリーブ協会によると、輸入業者や店舗などの単位で、オリーブオイルの検査が受けられるようになっているそうです。検査をパスしたオイルには認定マークが付けられています。

この制度がどの程度普及しているのかはよく判りませんが、そうした認証マークも本物のオリーブオイルを選ぶ参考になるでしょう。

(参照:オリーブオイルの品質について|一般社団法人日本オリーブ協会・https://japan-olive.or.jp/world_standard.html)

避けたほうが良いオリーブオイル

オリーブオイルの賞味期限は、国際規格ではボトリングから18か月です。搾油からでないのは、オイルによってはステンレスタンクの中で、しばらく味を安定させる処理が必要なケースがあるからです。

瓶などに小分けされた日から18か月間が賞味期限になりますので、日本の店頭で見て、18か月以上賞味期限が残っているエクストラバージンオリーブオイルは、あまりお勧めできません。少なくとも国際基準には達していないのです。

また、ペットボトル入りのオイルは、エクストラバージンでなくてもお勧めできません。まず、エクストラバージンの容器としてペットボトルや陶製瓶は認められていません。エクストラバージンを詰めても良い容器は次の通りです。

  • 100mLガラス瓶
  • 250mLガラス瓶
  • 500mLガラス瓶
  • 750mLガラス瓶
  • 1000mLガラス瓶
  • 1.0L金属缶
  • 2.0L金属缶
  • 3.0L金属缶
  • 5.0L金属缶

ただし、これは小売の段階であって、例えば100L簡易コンテナや1000Lコンテナタンクなど、海上輸送用タンクなどでは樹脂製のものも認められています。

ですので、このサイズ以外の容器に詰められているものや、ペットボトル入りのエクストラバージンは本物でない可能性が高いですので、避けておいたほうが良いでしょう。

もちろん、日本は国際オリーブオイル委員会に参加していませんし、法的な規制はありませんから、日本向けにペットボトル入りオリーブオイルはたくさん作られています。

ですから、中身が本物のエクストラバージンである可能性はゼロではありません。瓶の重さを含めて貿易するのはコストが大変ですからね。

でも、ペットボトルはオイルを傷ませます。仮に遮光用の着色が施されたものであっても、ペットボトルは空気を通しますので、酸化が進みます。つまり、油を入れる容器としてペットボトルはあまり適していないのです。

もちろん透明な素材は紫外線によるオイルの酸化を早めます。基本は遮光瓶か、透明な瓶入りであれば紙箱などに入ったものを求めましょう。もちろん酸化が極端に早い、えごま油や亜麻仁油も遮光瓶に入ったものがおすすめです。

どの国のものを選ぶのが良いのか

あまり選択に自信のない人はイタリア産が無難でしょう。オリーブオイルの生産高ではスペインがダントツの1位ですが、品質管理には地方によってかなりばらつきがあります。イタリアは割合品質が安定しています。

価格的にもイタリア産とスペイン産では大きくは変わりませんから、特にお気に入りのオイルがないのであれば、最初はイタリア産が無難です。時々、スペイン産にもチャレンジして、気に入ったものが見つかれば、それを継続すればいいでしょう。

同じようにギリシャ産のものも、ばらつきが多いです。比較的海辺の地方のオイルが高品質のようですが、これもチャレンジですね。

一方、トルコやチュニジア、パレスチナあたりのオリーブオイルは、ギャンブル的に楽しめます。お値段は地中海の北側の国に比べるとぐっと安くなりますが、「はずれ」をつかむ確率も高くなります。

価格的には500mLの標準的な瓶入りのもので、1,500円~2,500円くらいのものがコストパフォーマンス的にベストだと思っています。個人的にはアメリカはカリフォルニア州のオリーブオイルが、安くて美味しいので好きですね。

もちろん好みに合うのであれば4,000円でも5,000円でもOKですが、2,000円を超えたあたりから価格と品質は連動しなくなります。例外はオリオ・ノヴェッロとかアセイテ・ヌエヴォと呼ばれる晩秋に出てくる新油ですね。

賞味期限がボトリングから半年程度のこれらの油は、普通500mLで5,000円前後します。これは空輸されることが多いからです。健康効果は判りませんが、美味しいですよ。

大きなボトルに入って398円とかで特売される食用油に比べると、オリーブオイルは高価です。でも、上手く工夫して食生活に取り込みたいですよね。

オリーブオイルのグレードと用途

オリーブオイルの基準が国際規格と日本の規格の間で違いがあるため、ちょっと混乱を招く場合がありますが、多くの場合私たちが手に入れられるオリーブオイルは、国際基準では3パターンに分かれます。

下の説明で分類の後ろに★をつけておきましたので参考にして下さい。ではそれぞれの使い道について見てみましょう。

バージンオイルでも日本では売れないものもある

国際オリーブオイル委員会の基準では、オリーブオイルは9種類に分類されています。基本的な条件は酸度ですが、それ以外にも、オリーブオイルとしての特質に関する基準が細かく定められていて、それに合致することが全グレードで求められます。

まず、バージンオイルについて見てみます。バージンオイルとは、水だけで洗ったオリーブ果実を、機械的に潰して搾っただけの油です。

食品添加物を含めて一切の化学物質の使用は認められていません。そのバージンオイルにも4グレードが存在します。

エクストラバージンオリーブオイル ★
オレイン酸について遊離脂肪酸が0.8%以下であるもの。日本の酸価に換算すると、約1.6に相当します。これは、私たちが一番美味しいオイルとして入手できるものです。

不けん化物による風味や効果も高いため、せっかくですから生食がおすすめです。もちろんもったいないだけで、酸化耐性も高い油ですから、加熱して食べても全く問題ありません。

(ファイン)バージンオリーブオイル
オレイン酸について遊離脂肪酸が0.8%超で2.0%以下であるもの。日本の酸価に換算すると、約1.6~3.9に相当します。2.0以上は日本では食用として販売できません。このため、輸入業者はこのグレードを避ける傾向が強いです。

味に特徴がある、小さな搾油所で作られたものが多いため、個人輸入に近い形でごく稀に輸入されていることがあります。

オーディナリーバージンオリーブオイル
オレイン酸について遊離脂肪酸が2.0%超で3.3%以下であるもの。日本の酸価に換算すると、約3.9~6.5に相当します。このグレードは日本で食用として販売できません。

ランパンテ
オレイン酸について遊離脂肪酸が3.3%超であるもの。国際規格でも日本の基準でも食用にはなりません。精製して使います。

この中でエクストラバージンオリーブオイルは、遊離脂肪酸が少ないだけでなく、一切の化学処理を行っていないため、優れた抗酸化物質が豊富に含まれ、オイル自体の酸化も抑えられています。

精製オリーブオイルは悪い部分を取り去ったもの

バージンオイルのうち、食用には適さないランパンテや、食用にできないこともないけれど酸度が高すぎて品質の劣る物を、化学処理によって遊離脂肪酸や食用に不適な成分を取り除きます。

そうすると精製オリーブオイルができますが、風味に関する特質も失われた、単純な油になってしまいます。そこでランパンテ以外のバージンオイルをブレンドすることで風味付けして、安価なオリーブオイルとして流通させます。

精製オリーブオイル
オレイン酸について遊離脂肪酸が0.3%以下であるもの。風味のほとんどない食用油です。国によっては販売できないケースもあります。
オリーブオイル(調整オリーブオイル) ★
オレイン酸について遊離脂肪酸が1.0%以下であるもの。バージンオイルのブレンドによって風味付けされた精製オリーブオイルです。

日本では「ピュアオリーブオイル」として販売されていることが多いようです。不けん化物はバージンオイルより少ないので、炒め物など加熱用に適します。

日本ではオリーブオイルだがそう呼べない国もあるオイル

英語ではポマース(ポマス)、イタリア語ではサンサと呼ばれるオイルは、バージンオイルを搾った残りである搾りかすから、化学抽出によって取り出された油です。

国際オリーブオイル委員会加盟国では、このオイルをオリーブオイルと呼ぶことはできません。ポマースオイルと呼ぶのが一般的ですが、国によってはオリーブポマースオイルとも呼ばれます。

イタリア語で、オリオ・ディ・サンサと呼ばれることも多いようですね。

搾りかすとか化学抽出というとイメージが悪いですが、実はそう悪いものでもないのです。オリーブの実は、バージンオイルを絞る際に、あまりたくさん油を取り出そうとすると、遊離脂肪酸が多くなって品質が下がります。

ですので、エクストラバージンとして高く売れる油の取り出しだけを行うと、搾りかすの方にたくさん油が残ってしまうのです。そこで、その搾りかすにノルマルヘキサンという食品添加物と熱湯を加えて、残った油を抽出します。

ノルマルヘキサンは沸点が70℃以下ですから、沸騰したお湯の温度では揮発して、食品としてのオイルには残りません。これは他の植物油の抽出で行っているのと全く同じ手法ですから、特別なものではありません。

このオイルは3種類に分類されます。

未精製ポマースオイル
化学抽出しただけのオイル。酸度などの指定はなく、基本的な条件を満たしていればOKです。

ただし、そのままでは食用に使えません。原料油としての位置付けになります。精製して食用または工業用に用います。

精製ポマースオイル
未精製ぽマースオイルを食用の条件に合うように精製したものです。オレイン酸について遊離脂肪酸が0.3%以下であるもの。風味のほとんどない食用油。国によっては販売できないケースもあります。
ポマースオイル(調整ポマースオイル) ★
オレイン酸について遊離脂肪酸が1.0%以下であるもの。バージンオイルのブレンドによって風味付けされた精製ポマースオイルです。

日本でも入手可能なオイルです。5L缶で販売されているケースが多いです。だいたい5Lで3,000円~3,500円くらいでしょう。安価ですし不けん化物が少ないため、揚げ物に使っても普通の食用油より高温で揚げ物ができます。

オリーブオイルを使い分けてお得に健康的な食事

先にもお話しした通り、もったいないだけで、エクストラバージンで揚げ物をしても全く問題はありません。しかし、不けん化物の成分は炒め物や揚げ物の温度だと、焦げるなどして、効果が期待できるほどには残りません。

ですので、エクストラバージンは生食用か、せいぜい煮物・炒め物用までにしておきましょう。炒め物には、いわゆるピュアオイルのほうが安価でお得です。

そして、揚げ物にはピュアオイルかポマースオイルが価格的におすすめです。いずれのオイルも脂肪酸組成は同レベルですので、脂肪酸による健康効果はどのオイルでも変わりません。

一方で、不けん化物による健康効果はエクストラバージンの生食が最も高い効果を期待できます。ですから、サラダや温野菜にかけて食べると言う習慣は持っておいて損はないですよ。

オリーブオイルは地中海文化を形成した、スケールの大きい食用油ですので、お話ししだすときりがありませんが、今回はこんなところで終わっておくことにしましょう。

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