健康生活TOP 食べ物の栄養・効果効能 オリーブオイルは美容目的の外用もOK!肌や髪がうるおう使用方法

オリーブオイルは美容目的の外用もOK!肌や髪がうるおう使用方法

「日本薬局方オリブ油」と言う医薬品があるのをご存知でしょうか。処方箋薬であると同時に第3類医薬品としても市販されています。中身は精製オリーブオイルです。

オリーブオイルですが、肌の水分保持や、塗り薬の機材として使われることもある外用薬なのです。また、赤ちゃんのケアにもよく使いますね。乾燥肌の対策や耳掃除、便秘対策で綿棒につけて肛門を刺激などです。

でも、赤ちゃんにも使えるぐらいだから安心、と油断してはいけません。どんなものにも合う・合わないは存在するのです。

肌や髪にいい影響が期待できる!オリーブオイルは石鹸原料にもなる

石鹸というのは、油脂に水酸化ナトリウムを反応させて加水分解し、脂肪酸ナトリウム(純石鹸)とグリセリンに作り変えたものです。ここからグリセリンを取り除くと硬い石鹸になります。

その石鹸の原料として、オリーブオイルはヨーロッパで古くから使われているものですので、オリーブオイルを外用に用いることには、過敏症でない限り何の問題もなく、むしろ肌や髪にいい影響が期待できるのです。

マルセイユ石鹸とキャスティール石鹸

名前からある程度は想像がつくと思いますが、マルセイユ石鹸はフランスの、キャスティール石鹸はスペインの石鹸の名前です。

いずれも中世の帝政スペインや革命前のフランスでは、王様が命令を下して、その石鹸の品質を保っていたということです。いずれもオリーブオイルをふんだんに使った高品質の石鹸です。

現在では特段の法的規制はないようですが、メーカーの努力で70%~100%オリーブと言う品質がキープされているようですね。

こうしたことから判るように、オリーブオイルは外用に使っても全く問題はありませんし、地中海地方では髪油として使われていた歴史もありますので、お勧めかもしれません。

オレイン酸が豊富だというメリット

お相撲さんの鬢付け油は櫨(はぜ)蝋と菜種油、ヒマシ油などのブレンドだそうですが、伝統的で一般的な髪油というと椿油ですね。興味深いことに、オリーブオイルと椿油は脂肪酸組成がよく似ているのです。

どちらも、オレイン酸が70%から80%と支配的であることが特徴です。もちろん、髪油の印象が強い椿油ですが、食用としても美味しいんですよ。

日本とヨーロッパの髪油について、これはあくまで脂肪酸組成からの推論ですが、このオレイン酸が支配的であることに理由があるのかもしれません。

オレイン酸は1価の不飽和脂肪酸です。1価というのは、分子の中に1か所だけ不飽和結合を持っているという意味です。脂肪酸は不飽和結合が少ないほど酸化されにくいという性質があります。

髪油は太陽が当たるところに付けているだけでなく、昔の人は洗髪を頻繁に行いませんでしたから、酸化しやすい油を髪油に使うと、すぐに酸化して生臭くなってきます。

だからといって、飽和脂肪酸が豊富なものは、油ではなく脂、つまり常温で固体になるため、使いにくいというデメリットがあったと考えられます。

もちろん、ヨーロッパなら比較的柔らかい獣脂やバターという選択肢もありますが、どちらも臭いの点で問題ありですね。

逆に、普通の植物油では2価の不飽和脂肪酸であるリノール酸が多いため、オレイン酸に比べるとずっと酸化しやすいです。最近人気のαリノレン酸は3価ですから、さらに酸化されやすいです。

魚油は臭いの点でもそうですが、健康に良いとされているDHAやEPAなどは5価・6価ですから、あっという間に酸化されてしまいます。髪に塗る前に、容器の中でだめになってしまうでしょう。

そんな特性から、オレイン酸が支配的な椿油とオリーブオイルは、髪や肌に残っていても、紫外線や熱によって酸化されにくいというメリットがあったのではないでしょうか。

これらのことは推論ですので、学術研究による根拠があるわけではありません。しかし、長年の使用経験という裏付けは重いと思います。

オリーブオイルの外用は経験則に基づく

オリーブオイルを塗ったら肌に良いんじゃないかと言うことを考える人は多く、実際に肌のお手入れに利用されている方もたくさんいます。

一方で、明らかにオリーブオイルの効用によって、お肌の調子が良くなるというメカニズムについては判っていないことが多いので、あまり科学的な裏付けはないと言って良いかもしれません。

オリーブオイルは乾燥肌の対策になる

日本薬局方オリブ油の添付文書を見ると、さまざまなお薬を練り込んで、塗布剤にする時の基材としての用途と、皮膚・粘膜の保護剤としての用途が示されています。

つまり、オリーブオイルで皮膚や粘膜の表面を覆うことで、乾燥を防いだり、外来の物質が直接触れないようにしたりという効果があると言うことですね。

また、市販薬として売られている「オリブ油」には、日焼け炎症の防止・やけど、かぶれ・皮膚の保護が効能・効果として示されています。

日本薬局方オリブ油は食用のオリーブオイルを原料に、医薬品レベルにまで精製したものです。つまり、オリーブオイルの純粋な油の部分は、皮膚を守る医薬品としての効果が認められているのです。

日本薬局方にはその他にもさまざまな植物油脂が収載されています。その多くがオリブ油と同じように、他のお薬の基材として使われるためのものです。

ごま油やピーナッツ油、コーン油、大豆油などもあるんですよ。また、飲みにくいお薬に香りを付ける油のハッカ油やウイキョウ油などもありますし、下剤のひまし油と言うのもありますね。

しかし、油自体が皮膚の治療に使われるものは少ないと言えるでしょう。

食用オリーブオイルには刺激成分も入っている

特にエクストラバージンオリーブオイルには、オレオカンタールやオレウロペインと言った、辛味や苦味をもたらす物質が含まれています。これがオリーブオイルの美味しさを引き出すと同時に、食べることで健康に寄与する成分でもあります。

しかし、辛味や苦味と言うのは刺激ですので、傷や炎症がある皮膚につけると、場合によっては症状を悪化させてしまう可能性もあります。

一方で、これらの成分は抗酸化物質でもありますので、健康な皮膚であれば良い状態を保つのに役立つと言う働きも期待できるのです。

さらに、エクストラバージンには天然のビタミンEが含まれていますので、これも肌に良い効果をもたらす可能性があります。

ですので、食用のオリーブオイルをフェイシャルなどに使う場合は、まず自分の皮膚でトラブルが起こらないかのパッチテストを行ってみましょう。

お風呂から上がったら、肘の内側の皮膚の柔らかいところに綿棒でオリーブオイルを塗り、日に当てないよう長袖などで覆って24時間様子を見て下さい。入浴で落ちてしまうと思いますが、もう24時間様子を見て、赤くなっていなければ大丈夫でしょう。

オリーブオイルの成分に光毒性があるという情報は見当たりませんでしたが、肌の弱い人は、念のため更にテストをしておいて下さい。

天気の良い日に、綿棒で今度は手の甲に少しだけオイルを塗って、日に当たってみて下さい。それでもトラブルが出なければ、そのオイルは肌に使っても大丈夫である可能性が高いです。

このテストは、オリーブオイルの銘柄を変更するたびに行うことをお勧めします。オリーブには多種多様な品種がありますので、一応念のために、銘柄ごとにテストしておいたほうが安心です。

オリーブアレルギーも存在している

ほとんどの場合、オリーブのアレルギーは花粉症の形で現れます。日本にはそれほどオリーブの木がありませんので、初夏の花期にも、オリーブの花粉症というのはめったに聞きません。

一方、それほど多くはないものの、食品アレルギーや接触皮膚炎の形でオリーブに対する過敏症を持っている人がいます。

オリーブオイルを使った料理を食べると体調が悪くなるという人は、アレルギーの可能性もありますので、肌や髪につけることも避けておいて下さい。

幸か不幸か、日本ではオリーブオイルを避ける生活はそれほど難しくありません。残念ですが、そういう人は縁がなかったと思って、他のスキンケア・ヘアケアを試して下さい。

ちょっと大げさなように思えるかもしれませんが、皮膚に対する刺激は、個人個人で反応が変わりますから、最初だけでもテストしたほうが安心なのです。

薬ではないので具体的な効果効能は示せない

先にお話した日本薬局方オリブ油でない限り、オリーブオイルは医薬品ではありませんので何に効くとか、何が予防できるということを明示することはできません。

それでも、皮膚の保護効果については充分期待できるのではないかと推測することは可能ですね。そして、地中海地方で髪油として使われた歴史があるのですから、ヘアケアにも有効性が示唆されていると考えても良いでしょう。

オリーブオイルはべたつくのが当然

オリーブオイルは油脂です。ですから、界面活性剤を含んだ乳液のように、脂分がありながら肌にサラッと馴染むことはありません。どうしても最初は油が浮いた状態になります。

一方で、肌のバリア機能が失われてカサついているような場合には、そこを埋めるようにオイルが染み込みますから、肌がなめらかになると同時にベタつきは感じにくいでしょう。

逆に言えば、肌に塗ってべたつく場所に塗る必要はないということでもあるのです。さらに、オイルは保湿効果が期待されるものですので、肌に水分がある状態の時に塗らないと意味がありません。

オリーブオイルを肌や髪につけるのであれば、身体表面に水分が充分存在している入浴直後にするのが一番効果的でしょう。

一方、肌荒れがひどくなって、明らかに傷になってしまっているような場合には食用オリーブオイルを付けることはお勧めできません。そうしてもオリーブオイルを使いたいのであれば、日本薬局方オリブ油を使って下さい。

むしろ、傷薬などの医薬品を用いて先に傷を治してから、オリーブオイルによるお肌のケアを行うことをおすすめします。

髪のケアに使うのも就寝前の入浴後が良いでしょう。もちろん、髪質に合うかどうかを、事前に目立たないところで試してからにしてくださいね。

さらに、ドライヤーの熱風で美味しそうな香りが漂うかもしれませんから、乾かしてから付けて下さい。枕をべとつかせないために、付け過ぎにも注意しておきましょう。

どのグレードを選ぶかは好みの部分

やっぱりオリーブオイルと言えばエクストラバージンよね、とばかりに高価なものを買う必要はないと思います。もちろんビタミンEやフェノール類を期待するならエクストラバージンがおすすめですが、それによる効果は立証されていません。

オリーブオイルの脂肪酸組成から期待できる「馴染みやすくて酸化されにくいオイル」という性質は、エクストラバージンではない安価なオリーブオイルでも、基本的に変わりありません。

個人的な意見ですが、高価だけれど高品質なエクストラバージンは、美味しく食べる方に回したほうがお得だと思いますよ。

どうせなら、日本薬局方オリブ油が、純粋にオリーブオイルの油脂の部分の効果だけになりますから、不鹸化物による過敏症も起こりにくいでしょう。

価格的には、500mL入りで1,000円前後から高くても1,800円くらいまでで売っています。ピュアオリーブオイルよりは高いですが、エクストラバージンよりは微妙に安いというレベルと言っていいでしょう。

またお試しに買う場合、日本薬局方オリブ油は50mLという小容量のものが存在していますので、もったいないということがないので良いですね。

お肌のお手入れに使うとなると、どうしても「魔法の化粧水」のような効果を求めがちですが、それは無理です。でも、非常に長い期間ヨーロッパで使われてきた実績は、重みのあるものだと思います。

これを期に手作り石鹸にチャレンジしてみるのも一つ

手作り石鹸というのは、いわゆる廃油石鹸ではありません。新品の食用油と水酸化ナトリウムを使って作るものです。廃油石鹸のように塩析を掛けて純石鹸分だけの取り出しを行いませんので、保湿成分のグリセリンを持った良い石鹸ができますよ。

その際に作り方を少し工夫すると、石鹸を使うだけでオリーブオイルでお肌や髪のメンテナンスを行う効果が得られます。作り方は、手作り石鹸のレシピ本などで調べて下さい。

石鹸作りは化学実験と同じで正確な知識としっかりした手順が必須

世間には手作り石鹸の指導書はたくさん存在しています。ただ、そうした本にはいろんな作者の方がおられますが、悲しいかな化学的に誤った指導を行っておられるケースもよく見られます。

目安となるものが2つありますので、それについて正しい内容が書かれている指導書を選ぶと失敗が少なくて良いでしょう。

1つは水酸化ナトリウムの溶かし方です。化学実験などに不慣れな方が行う場合は、ゴム手袋と保護メガネを掛けた上、換気扇の下で行います。そしてもっとも重要なのは、水に水酸化ナトリウムを入れるという手順です。

水酸化ナトリウムに後から水を入れると危険になる場合があります。また、樹脂容器や金属容器ではなく耐熱ガラス容器で溶かさなくてはいけません。ここで誤った内容を書いている本は避けて下さい。

もう1つは、使う油脂についての情報です。それらについて、誤解や思い込みを元に書かれている本が大変多いです。その目安になるのは、牛脂(ヘット)やラードに関する情報です。

これらの動物性脂肪からは、大変品質の高い石鹸ができます。なのに、「動物性脂肪の石鹸は毛穴に詰まる」と言った、化学的な知識なしに考えても、ありえないことを主張している本が結構見受けられます。

イメージ的にイヤだという気持ちは判らなくもないですが、こうした誤りの情報を公にするような指導書では、他の部分にも誤ったことが書かれている可能性が高いので避けて下さい。

いい本が見つかったらいよいよ実践です。そうした指導書で勉強して自分で石鹸を作る際には、アルカリ過剰にならないよう、本来の必要量の95%くらいの水酸化ナトリウムの量に抑えます。

そして、石鹸として完成する直前に1~2%のオリーブオイルを加えてやることで、オリーブオイルの性質を強く残した石鹸ができます。

あるいは石鹸として作るのが少々難しいですが、100%オリーブオイルで石鹸を作る場合には、最初から必要量の92~3%まで水酸化ナトリウムを減らしておくという手もあります。

そうした場合には、いわゆるポマスオリーブオイル(バージンオイルの搾りかすから化学搾油して精製、味を調整したもの)を使うと、エクストラバージンなどより失敗の確率がうんと減ります。

こうして作った石鹸は、シャンプーバーとしても使えますので、肌と髪の手入れが一度にできて便利です。作る時に、アルカリに強い、適当な人工香料を加えておくことで油臭さも消えるでしょう。

もっと簡単なオリーブオイル石鹸の作り方

油脂に強アルカリを反応させて石鹸を作ることはちょっと怖いとか、手間がかかりそうだとかいう人に、お勧めの「簡易オリーブオイル石鹸」の作り方をご紹介します。

ただし、オリーブオイル石鹸はもともと溶け崩れしやすいのですが、この方法で作るとさらに溶け崩れやすくなるので、少量ずつに小分けしておくことをおすすめします。材料は次の通りです。

  • 純石鹸パウダー:40g
  • 水:40g(滅菌水が好ましいが、精製水でも良い)
  • 好みのオリーブオイル:10g
  • 香料・エッセンシャルオイル・着色料など:好みで

材料を耐熱ガラス容器などに入れて、湯煎で20分間練ります。高温にしすぎるより、60~70℃程度が作りやすいです。それを適当な大きさのシリコン型に詰めて5日間乾燥します。その後型から外して、さらに乾燥させると溶け崩れにくくなります。

すでに石鹸になっている素地を使うので、強アルカリによって色素や香料が分解されにくいため、色や香りをつけやすいのもいいですね。この手法では、オリーブオイルの良さを活かしやすいので、便利だといえるでしょう。

オリーブオイル石鹸は5年から10年ぐらい風通しがよい暗所に保存しておくと、シワシワに縮んでしまいます。この状態になった石鹸が、とても肌当たりと使い心地が良いんですよね。見た目と匂いは良くないですが。

オリーブオイルでスキンケアをするときは毎日完全に洗い流す

オリーブオイル自体は皮脂と比べて特に酸化しやすいということはありません。脂肪酸組成だけを見た場合、ややオリーブオイルのほうが酸化しやすいかもしれませんが、皮脂のうち中性脂肪の占める量は半分にも届きません。

残りの一部は酸化に強いワックス分ですが、12%ほども含まれているスクアレンは不飽和結合を6か所も持つ非常に酸化されやすい物質です。オリーブオイルにもごく微量含まれています。

さらに、酸化されやすい状態である遊離脂肪酸は、オリーブオイルの場合1%も未満ですが、皮脂には15%内外含まれています。こうしたことを総合的に見た場合、オリーブオイルが皮脂より酸化されやすいということはありません。

ですので、肌にオリーブオイルが薄く付いていたとしても、毎日洗い流していれば、いわゆる「油焼け」のようなことにはならないと考えられます。

そういう意味で、オリーブオイル石鹸を使うことは、古いオイルを洗い流すことにもつながりますから、お肌や髪の手入れには便利だと言えるでしょう。

いずれにせよ、オリーブオイルをお肌や髪のお手入れに使う前には、必ずテストして、肌や髪質に合うかどうかを見極めてからにすることがもっとも重要です。また、年齢とともにそうした体質も変化しますから、常に自分の状態は慎重に見ておいて下さいね。

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