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副鼻腔炎の症状と原因!放置は危険なので薬か手術の治療を受けよう

副鼻腔炎(ふくびくうえん)と言う病気があります。多くの場合、昔よく使われた名前の「蓄膿症(ちくのうしょう)」と同じものであると言うふうに受け取られています。

鼻詰まりや臭い鼻汁、頭痛や歯痛に至るまで、様々な不快症状を伴う病気です。昔は口の中からの切開手術が良く行われましたが、今は手術を行わざるを得ない場合でも、内視鏡を使って鼻の穴から行えることが多いので、ずいぶん楽になったと言えるでしょう。

一方、昔には目立たなかった、アレルギーとの関係が疑われる難治性の副鼻腔炎があって、2015年7月には難病に指定されたと言うものもあるのです。

副鼻腔炎には急性と慢性があり蓄膿症は慢性の方

急性副鼻腔炎とは呼吸器感染症で、鼻水・鼻づまり・咳・後鼻漏などの呼吸器症状に、頭痛・頬の痛み・顔面の圧迫感などを伴うものです。発症から4週間以内のものを指しています。

この病気は、副鼻腔だけの症状ではなく鼻腔の症状と連動しているので、現在では急性鼻副鼻腔炎と言う呼び名になっています。違いが判りにくいですが、副鼻腔の前に「鼻」という文字が追加されています。

一方、何らかの原因で副鼻腔の炎症や化膿による様々な症状が長期間続いているものを慢性副鼻腔炎と言います。こちらが昔「蓄膿症」と呼ばれる病気です。

副鼻腔は顔の奥にある大きな空洞

副鼻腔と言うのは頭蓋骨の中にある空洞です。おそらく進化の過程で、頭蓋骨と言うものが作り出されるときに、形と重さのバランスをとるためにできたものではないかと考えられています。

鼻腔の構造と副鼻腔の位置

この副鼻腔に炎症が起こり、長期間症状が長引いてしまったものを慢性副鼻腔炎と呼んでいます。この副鼻腔は鼻腔とは小さな穴でつながっていて、普段から副鼻腔の中でできる粘液を鼻腔の方に押し出しています。

副鼻腔炎・蓄膿症でみられる症状

慢性副鼻腔炎と言えば、鼻詰まりがもっとも典型的な症状です。また、臭いのする汚れた感じの鼻水の排出が続きます。さらに、その鼻水がのどの方に落ちる「後鼻漏」と言う症状によって、のどの不快感や咳などが出ることもあります。

さらに頭痛や頬の痛みなど、顔に関する痛みが出ることも少なくありません。

とにかく鼻がつまる

蓄膿症の代名詞ともいえる「鼻づまり」が慢性的につきまとうのが大きな特徴です。慢性化した鼻づまりは「鼻茸(はなたけ)」という病気の原因にもなり、実際蓄膿症の患者さんには鼻茸を持つ人が多いです。

鼻をかんでもまだ残っている感じがする(鼻をかみきれない)

膿がたまっているため、いくら鼻をかんでもまだ中に残っている感じがするのが蓄膿症の特徴です。そのため、何度も鼻を強くかもうとし、それによりさらに副鼻腔の炎症が悪化するという悪循環を招きやすくなります。

鼻汁の色と形質が異常

蓄膿症の患者さんの鼻汁は、黄色っぽいドロリとした色・形質の物質を分泌します。重度な蓄膿症になると、分泌する鼻汁が緑色に変わる場合もあります。ふつうの風邪やアレルギー性鼻炎では、透明に近く水っぽいサラリとした「鼻水」です。

鈍い頭痛などの異変

鈍い頭痛や頭が重い感じがするのも蓄膿症の大きな特徴であり、弊害でもあります。火照ったようにぼーっとすることが多く、何をしても集中できない、疲れやすいといった特徴から、仕事や勉強をはじめとする日常生活にも支障をきたします。

のどのほうまで鼻汁が流れ込む

風邪やアレルギー性鼻炎でものどのほうに鼻汁が流れ込む(この症状を特に「後鼻漏(こうびろう)」と呼ぶ)ことがありますが、蓄膿症のほうがその頻度が高く、しかも鼻汁はドロリとして粘つき、イヤなにおいを伴い、強い不快を感じることが多いです。

重度化すると変声、声が出ない、咳などの症状がみられることもあります。

顔の痛み、歯、目、鼻の周りなどにも痛みを感じる

副鼻腔の炎症が進むと、副鼻腔の痛みを伴うことがあります。そのレベルにまで副鼻腔炎が進行していると、すでに膿がたまった蓄膿症を発症している可能性が極めて高くなります。

また、蓄積した膿が神経を圧迫することで、顔全体、歯、目、鼻の周囲などに鈍い痛みを伴うこともあります。

どこからともなく悪臭を感じる

蓄膿症の患者さんが分泌する鼻汁は悪臭を伴うことが多く、鼻汁の悪臭を感じることがあります。

しかしにおいの感覚が鈍っている蓄膿症患者さんは、それがどこから漂うにおいなのかわからなかったり、あるいは自分の口臭のせいだと感じたりすることもあります。

においがしない、食べ物の味がしない

蓄膿症の患者さんは、においの感覚が鈍っていることが多いです。そのため、鼻ではなく口からにおいを感知するという不思議な感覚器官のつかい方をする患者さんもいます。においの感覚が鈍ると、食べ物の味がしなくなることも多いです。

以上からもわかるとおり、蓄膿症は非常に不快な症状を伴う重い疾患なのです。しかしどういうわけか、これだけ不快な症状でも「仕方ないこと」とあきらめてしまう患者さんが多いのも蓄膿症です。

上記の症状を自覚しているのであれば、できるだけ早く医療機関で検査・治療すべきです。

副鼻腔炎が治らないと鼻茸による症状も出る

鼻茸と言うのは鼻の粘膜の一部が腫れてできるポリープの一種です。慢性副鼻腔炎が長期間に及ぶと、この鼻茸ができることで鼻詰まりがひどくなり、場合によってはまったく鼻で呼吸することができなくなります。

さらに、鼻茸が神経を圧迫することで匂いの感覚が鈍ったり、まったく感じられなくなったりすることもあります。また、鼻汁がより粘りのあるものになってしまうことも鼻茸の発生と連動します。

匂いの感覚がわからなくなると、間接的に味覚障害に近い状態になります。実際、風邪で鼻が詰まっただけでも味が判らなくなりますね。

副鼻腔炎の頭痛は頭が重い感じが特徴

頭重感(ずじゅうかん)と呼ばれる、頭がだるいような重いような、あるいはじわじわ締め付けられるような頭痛が、副鼻腔炎の症状の一つとしての頭痛です。

また、物が二重に見えたり、視力が落ちたりすることもあります。これは副鼻腔炎の炎症の場所が眼窩に近いことで起こっている可能性もありますので注意が必要です。

重い全身症状が現れたら、すでに副鼻腔の中だけではなく周辺に病気が広がっている可能性がありますのですぐに病院へ行って下さい。

慢性副鼻腔炎を放置すると取り返しがつかなくなる

懸念される状況の一つに、慢性の副鼻腔炎を治療せずに放置していたために、細菌が脳に感染して膿が溜まる脳膿瘍(のうのうよう)と言う病気が引き起こされたというものがあります。

この場合、頭痛・発熱のほか、意識もうろうとしたり、痙攣や手足のまひ、しびれ、痛みなどが起こります。さらに嘔吐したり、言語障害が起こったり、精神に障害が起こることもあります。

また、発熱・うなじの硬直・意識障害・頭痛のうち、2つ以上が当てはまると細菌性髄膜炎を起こしている可能性が出てきます。とはいえ、絶対にこれらの症状が出るかと言うと100%とは言いきれません。

とにかく気になる症状があったらすぐに受診して下さい。細菌性髄膜炎は死亡率の高い病気ですし、慢性副鼻腔炎との関係も薄くない病気です。たかが鼻詰まりと放置していると手遅れになるかもしれません。

繰り返しますが、鼻づまりや臭いのある鼻水を治療せずに放置していて、万が一このような症状が出たら、すぐに受診して下さい。

細菌性髄膜炎の危険性は急性劇症型で特に大きくなります。発症から半日~2日でショック症状を起こし、死に繋がる極めて危険なタイプです。ですので、慢性副鼻腔炎は、早期に治療を行って完治させないといけないのです。

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慢性副鼻腔炎は様々な原因で引き起こされる

もともと慢性副鼻腔炎は急性鼻副鼻腔炎の症状が長引いてしまったものという受け止められ方をしていました。実際、急性の鼻副鼻腔炎では次のような細菌感染によるものであることが判っています。

  • 肺炎球菌
  • インフルエンザ菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • モラクセラ・カタラーリス

こうした細菌感染症は、ウイルスによって風邪をひいた際に、二次的に感染したものだと考えられています。そして、こうした細菌感染症が長引いてしまったものが、慢性副鼻腔炎であるという風に考えられたのです。

細菌感染であるということは、膿が出やすいですし、抗菌薬が有効です。慢性副鼻腔炎でも抗生物質などの抗菌薬が治療に使われることが多いですね。

細菌が関係しない副鼻腔炎が増えている

一方、最近注目されているのはアレルギーに伴う好酸球性副鼻腔炎です。この好酸球と言うのは白血球の一種です。

血液中で外敵を食い殺すタイプの白血球には3種類あって、好酸球はそのうちのひとつです。主にアレルギーや寄生虫感染で増えるものです。

従来から知られる細菌感染による副鼻腔炎では好中球と言うもっとも数の多い白血球が増加することが知られています。にもかかわらず、慢性副鼻腔炎で好酸球が増えているケースが見られることが増えているのです。

これはアレルギー性鼻炎や気管支喘息など、アレルギー疾患が原因で慢性副鼻腔炎を引き起こしているのだと考えられています。

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慢性副鼻腔炎は原因をしっかり突き止めて、どのような治療方法にするかを決めなければいけません。その中には血液検査も含まれることがあるのです。

慢性副鼻腔炎の治療はお薬と内視鏡手術

慢性副鼻腔炎の治療は、軽症であれば保存的治療と言って、手術を行わずお薬で治療するところから始めます。症状が非常に重かったり、お薬だけの治療では完治が望めない場合に手術が行われます。

副鼻腔炎の手術も昔とは違って、内視鏡を使って行う比較的患者の負担の小さいものになっていますので、お医者さんの説明をよく聞き、充分理解して取り組んでください。

飲み薬は抗生物質の少量長期投与

細菌感染による、好中球が増えるタイプの昔ながらの慢性副鼻腔炎では、マクロライド系の抗生物質を、標準的な服用量より少なめにして長期間飲み続けると言う治療法が摂られます。

具体的な服用量や服用期間はお医者さんが決めて下さいますが、マクロライド系の抗生物質は炎症を鎮める働きもあるので、慢性副鼻腔炎には適したお薬なのです。

具体的なお薬としてはエリスロマイシン(商品名:エリスロマイシン・ジェネリックあり)やクラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド・ジェネリックあり)などがよく使われます。

これと並行して、鼻汁を分解して排出しやすくする消炎酵素剤のリゾチーム塩酸塩(商品名:ノイチーム・ジェネリックあり)などが使われます。

さらに カルボシステイン(商品名:ムコダイン・ジェネリックあり)などの粘液溶解剤も合わせて処方されることがあります。これも痰を溶かして排出しやすくするお薬です。

ネブライザー療法は手術をしてもしなくても有効

ネブライザーと言って、耳鼻科のお医者さんで薬液の吸入に使う機械をご覧になったことのある方も少なくないでしょう。薬液とアタッチメントを変えれば喘息用の吸入器としても使えます。

この機械のメリットはステロイドなどのお薬を使っても、微粒子として噴霧されたものを患部に直接吸い込むだけですので、非常に少量のお薬で済むということです。

オムロンネブライザー
(出典…オムロン 超音波式ネブライザー NE-U17)

この写真は医療機関向けのものですが、安価な家庭用も発売されています。お医者さんに相談して、薬液が購入できるようであれば自宅で吸入するという方法もあります。機械自体は1万円以下からありますね。

毎日耳鼻科に通って吸入するのは大変ですので、お医者さんとよく相談してみて下さい。

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鼻うがいも有効である場合があるのでお医者さんと相談

耳鼻科に出掛けると、ネブライザーによる薬液吸入の前には、生理食塩水を使った鼻洗浄が行われますし、鼻詰まりがひどい場合にはその前に鼻汁の吸引が行われる場合もあります。

鼻が完全に塞がっていなければ、家庭でも生理食塩水を作って鼻うがいをすることができます。生理食塩水は0.9%の食塩水ですが、鼻うがいに使う程度であれば厳密である必要はありません。

あまり濃度がずれると鼻に浸みますが、真水でやるよりはましでしょう。必ず一度しっかり沸騰させた湯冷まし500mLに小さじすり切り一杯(4.5g)の食塩をしっかり溶かせば出来上がりです。

高級な「○○の塩」よりも、イオン交換樹脂膜製法で作られた最も安価ないわゆる「JTの塩」がこうした場合には適しています。不純物が最も少ないと考えられるからです。現在はJTから独立した「公益財団法人・塩事業センター」は製造販売しています。

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保存的治療の効果が出なければ手術

こうした保存的治療を数か月続けても充分な治療効果が現れなかった場合、手術を行うことになるでしょう。お医者さんから提案されたら、リスクとベネフィットを充分理解して取り組んでください。

手術による治療は、副鼻腔と鼻腔の間にもともと開いている穴を広げる治療が行われます。これは内視鏡を使って行われますので、入院期間も短く患者に対する負担も少ない手術です。

ただし、この手術をして傷が塞がれば完治という訳ではありません。保存的療法を妨げていた要素の1つを取り除くのが目的ですから、手術の後もしばらくはお薬やネブライザーによる治療が必要になります。

内視鏡手術は同じ時に両方の鼻孔について行えますので、さらに入院期間が短くて済むのも特徴の一つです。

一方、症状が進みすぎていて内視鏡手術では追いつかないと言う診断が出た場合は、昔ながらの上顎洞篩骨洞根本手術が行われます。これは大きな手術ですので、場合によっては全身麻酔を使う場合もあります。

この手術は病変部の粘膜を全部取り去って、慢性副鼻腔炎を根本的に治すための手術ですが、顔の一部のしびれなど、後遺症が残ることもあります。さらに、一度に片側しか手術できないことや、切開する範囲が広いことなどから入院期間は長くなります。

ですので、こうした手術を受けなくてはいけなくなるまで慢性副鼻腔炎を放置しないと言うことが大変重要になるのです。

慢性副鼻腔炎は放置すると、手術が大規模になったり、合併症による生命の危険があったりと、とんでもないことになり兼ねません。早いうちに治療を受けて下さいね。

また漢方も効果的なものがあるので、チェックしてみてください。

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蓄膿症に効く市販薬ってあるの?

基本的には、蓄膿症を含む副鼻腔炎は病院で治療することが望ましいといえます。とはいえ、仕事に学校にと忙しくしている人からすると、鼻の不具合で会社や学校を休むとは言いづらいところも正直あるでしょう。

大前提として病院での治療をおすすめしますが、しかし初期的な蓄膿症、もしくは蓄膿症をまだ発症していない段階での副鼻腔炎であれば、市販薬を試してみるのも悪くはないかもしれません。

ということで、ごく簡単にではありますが、初期の蓄膿症を含む副鼻腔炎の治療薬のうち、市販されている代表的なものをいくつかご紹介しておきましょう。以下の表にまとめます。

治療薬名(用途) メーカー名 主成分 効能・副作用など備考
チクナイン(のみ薬) 小林製薬株式会社 辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ) 膿の排出を促し膿を抑える(主成分が漢方なので副作用はほとんどない)
ベルエムピL錠(のみ薬) クラシエホールディングス株式会社 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ) 蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび(主成分が漢方なので副作用はほとんどない)
ナシビンMスプレー(点鼻薬) 佐藤製薬株式会社 オキシメタゾリン塩酸塩 急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による鼻づまり(漢方薬ではないが眠くなる成分は含まれていない)

(上表の引用・参考:チクナイン-小林製薬株式会社、ベルエムピL錠-クラシエホールディングス株式会社、ナシビンMスプレー-佐藤製薬株式会社)

上表の説明からもわかるように、初期の蓄膿症を含む副鼻腔炎治療薬のうち「のみ薬」のタイプのものは、漢方薬のほうが多いようです。もちろんどんな成分にしろ、用法用量は厳密に遵守してご利用いただきたいと思います。

それと、ちょっと注意していただきたい点があります。というのも、少し調べてみたところ、いろいろなサイトで「蓄膿症に効く」とする上記以外の市販薬がたくさん紹介されていましたが、すでに販売中止、製造停止になっている商品が多かったからです。

やはり蓄膿症のレベルまで副鼻腔炎が進行してしまうと、正直市販薬に頼るのではなく、病院で治療してもらったほうがよいという意味合いが、そこに含まれているような気がしないでもありません。

ということで、しばらく市販薬を使用しても効果が見られないようであれば、できるだけ早目に迷わず病院に行っていただきたいと思います。とにかく症状を悪化させないことが、蓄膿症治療では重要なのです。

慢性副鼻腔炎は予防できる病気

難治性のものを除けば、慢性副鼻腔炎は充分予防できる病気です。ポイントとなるのは、原因になる呼吸器疾患、つまり風邪を軽く見ないということにつきます。

簡単に言うと、風邪をひいたら、できるだけ短期間に「完全に治してしまう」と言うことが慢性副鼻腔炎を予防する最も重要なポイントなのです。

たかが風邪と思うと落とし穴にはまる

先にも少しお話ししましたが、風邪はウイルス感染によって発生します。そして、ウイルス感染によって傷んだ粘膜に、二次的に細菌が感染すると急性鼻副鼻腔炎が発生します。色のついた鼻水や鼻づまり、顔や頭の痛みなどがその症状です。

ここで注意しなければいけないのが、「熱が下がったからOKではない」と言うことです。多くの人が、風邪は熱が下がったらもう大丈夫と気を緩めて、治療を中断してしまうことが多いようです。

少なくとも色のついた鼻水と鼻詰まりが存在している間は、細菌による鼻粘膜への感染は継続しています。多少極端だと言われるかもしれませんが、ウイルス性の風邪だけなら、体温が39℃を超えなければ家でおとなしく寝ていればOKです。

しかし、鼻水に色がついて鼻詰まりがひどい場合は、たとえ熱が出ていなくても耳、鼻科に出向いて抗生物質などの抗菌剤を処方してもらった方が良いです。

これで、鼻粘膜に感染した細菌を完全に駆逐してしまえれば、風邪を原因とする慢性副鼻腔炎は起こりません。熱がなければ仕事や学校を休む必要はないですが、抗菌剤による治療は継続して下さい。

鼻中隔彎曲症や肥厚性鼻炎の手術は慎重に

鼻中隔彎曲症や肥厚性鼻炎と言う病気があります。どちらも慢性の鼻づまりを引き起こします。これらは慢性副鼻腔炎との関係が深く、慢性副鼻腔炎の治療に際して、これらの病気の手術を勧められることもあります。

ただし、これについてはいわゆる「世間の評判」はあまり良くないようです。割合安易に手術を決定されて受けたものの、手術の効果が限定的であって、むしろ副作用に悩まされたという経験談を聞きます。

これはどうやら、正確な診断に基づかない手術であったのではないかと言うイメージもあります。ですので、最低でもCT検査によって、手術が必要であるという確証が得られた場合にだけ受けた方が良いのではないかと思われます。

もし、不安があるのであれば、CT画像を借り受けて、別の病院でセカンドオピニオンをもらうぐらい慎重に対応するのがいいでしょう。

もちろん、正しい診断と適切な手術のもとでは、鼻中隔彎曲症や肥厚性鼻炎に対する手術は非常に有効な治療です。いわゆる世間の評判の中には古い時代の治療経験と言うのも少なからず混じっています。

現在ではセカンドオピニオンを受けるのは患者の当然の権利ですから、遠慮なく主治医の先生に申し出て下さい。先生にとっても、患者が納得してくれていた方が安心して治療に臨めます。

アレルギー性・喘息性の慢性副鼻腔炎は難治性

最初の方で話題に出した「好酸球性慢性副鼻腔炎」は、喘息やアレルギー性鼻炎に関連して起こる慢性副鼻腔炎です。この病気は症状こそ細菌性のものとよく似ていますが、原因も治療も異なってきます。

この病気は、鼻水や鼻詰まりよりも、むしろ嗅覚障害によって匂いが判らなくなったということを訴える患者さんが多いようです。

好酸球性副鼻腔炎は医療補助の対象になる指定難病

好酸球性副鼻腔炎は、鼻茸がたくさんできるのが特徴の一つです。内視鏡手術によって取り除いても、次々と発生します。そのため、医療費補助の対象になる指定難病に含まれています。

難病情報センターによると、次のように定義しているようです。

▼以下引用

好酸球性副鼻腔炎は、鼻茸を有する慢性副鼻腔炎の一種である。慢性副鼻腔炎は、鼻腔・副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形洞)において少なくとも8週ないしは12週以上継続する慢性炎症疾患と定義されている。

鼻茸を有する慢性副鼻腔炎は、非好酸球性と好酸球性に分類される。これは鼻粘膜もしくは鼻茸組織に好酸球が有意に多数浸潤しているかによって決定される。

好酸球性副鼻腔炎は、内視鏡下鼻副鼻腔手術と術前・術後マクロライド少量長期投与を行っても治療抵抗性で、易再発性であるものを当初定義していた。しかし好酸球浸潤のみで区別すると、好酸球浸潤が強くても予後良好な副鼻腔炎も存在する。

これらは、重症度分類の軽症(好酸球性副鼻腔炎)に該当する。今回の分類で中等症、重症の好酸球性副鼻腔炎が、治療抵抗性で、易再発性、好酸球浸潤優位と定義された本来の好酸球性副鼻腔炎である。

(出典…好酸球性副鼻腔炎 – 難病情報センター)

このように、中等症・重症のものが対象になりますので、条件など詳しいことについては、受診している医療機関に尋ねて手続きを行ってください。医療費の一部が公費から補助されます。

なお、この病気は子供には発生しません、成人発症がこの病気の大きな特徴の一つです。

好酸球性副鼻腔炎は鼻の病気ではなく全身性の病気

好酸球性副鼻腔炎の発生が急激に増え始めた時期と、喘息の治療に吸入薬としてのステロイド剤が使われ始めた時期が一致していることから、この間には関係があるのではないかと考えられています。

吸入薬が悪いのではありません。それまで使われていたステロイド剤の内服薬が使われなくなったことが原因ではないかと考えられているのです。

好酸球は喘息などのアレルギーとかかわりが大きい白血球です。そして、鼻茸の中からその好酸球がたくさん検出されたことから、この病名が付けられています。

つまり、この副鼻腔炎は喘息やその他のアレルギーなど、全身性の疾患の一部ではないかと考えられているんですね。そして、喘息の場合、以前はステロイド剤を内服する治療が行われていたため、偶然副鼻腔炎も抑えられていたのではないかと考えられているのです。

ステロイド薬が有効だが長期投与ができない

そのような事情から、好酸球性副鼻腔炎ではステロイド薬の内服が行われます。そして、これが非常によく効くことが知られています。しかし、健康保険の関係で現在のところ長期投与ができません。

そこで、短期的には内服薬で症状を抑えつつ、症状を見ながら、ステロイド点鼻薬に切り替えると言う治療が行われているようです。ステロイド点鼻薬は、スプレー式で下から上に吹きあげるものですので、前を向いたまま使えます。

そうした治療と、鼻茸を内視鏡で切除する治療を並行しながら、症状を抑えてゆくことになるでしょう。

この好酸球性副鼻腔炎は、2015年7月に指定難病になりました。まだ日が浅いので制度の利用率は充分ではないかもしれません。病院とよく相談して下さいね。
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