健康生活TOP ノロウイルス 緑茶カテキンのノロウイルス予防効果!猛威を振るうノロの毎日の予防に

緑茶カテキンのノロウイルス予防効果!猛威を振るうノロの毎日の予防に

「お茶に含まれるカテキンがノロウイルス感染症を予防してくれる」と言うと、「またその手の話題か」と訝しむ向きも少なくないでしょう。実際に、こうした「○○に含まれる何かが健康に良い」と言う情報は往々にして過剰表現であることが多いようです。

これには2つの理由があって、一つは古くから言われてきたと言う、伝承的な物に科学の名前をかぶせて宣伝すると言う手法に、定性的な効果の疑わしさが残るからだと言えます。つまり「迷信ではないのか」と言う疑いの視点ですね。

しかし、茶カテキンについては抗ウイルス効果のほか、様々な薬効が確認されていますので、少なくとも定性的な効果は信じても良いのではないかと考えます。(定性的な効果:効果の有無について見た場合、効果があると言うこと)

ウイルス対策にはワクチンが重要ですが、まだノロウイルスワクチンは完成していません。そこで、今回はカテキンの働きと免疫について見ることにしましょう。

茶カテキンには抗ウイルス効果があるが確実な薬効は不明

茶カテキンには抗ウイルス効果が見つかっていて、そのメカニズムもある程度は判っています。また、民間企業の研究室レベルですがノロウイルスにも効果が期待できると言う発表も行われています。

しかしながら、残念なことに定量的なデータがありません。つまり「どのくらい摂ればノロウイルスに効くのか」と言うデータがそろっていないのです。

カテキンはポリフェノールの一種

そもそもカテキンと言うのは、(2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,4-ジヒドロ-2H-クロマン-3,5,7-トリオールと言う名前の特定の化学物質なのですが、そういう意味ではあまり使われず、この物質の誘導体のグループ全体を指すことが多いようです。

この物質グループは、いわゆるポリフェノールで、様々な生理活性を持つことが知られています。その中でお茶に含まれる物は全部で4種類です。上のような長ったらしい名前ではなく、私たちになじみのある呼び方をすると次のような名前になります。

  • エピガロカテキンガラート(EGCG)
  • エピガロカテキン(EGC)
  • エピカテキンガラート(ECG)
  • エピカテキン(EC)

これらは含有量の多い順に並べてありますが、特に生理活性効果が高いとされているのは、最も含有量が多いEGCGなのです。

このEGCGには強い抗菌活性・抗ウイルス活性があることが知られています。このEGCGに長鎖脂肪酸を組み合わせることで、ノロウイルスに近いウイルスを不活化できると言う研究もおこなわれています。

そもそもその発想が出てきたのはEGCGにノロ近縁ウイルスに対する抗ウイルス活性が見つかっていたからです。その効果を100%に近づけるため長鎖脂肪酸を組み合わせたと言うことです。

この時に使われたカテキン液の濃度は、一般的な緑茶とさほど変わらなかったようですので、緑茶にはある程度ノロ近縁ウイルスを抑える効果があったと考えても良いでしょう。

なお、名前の頭についている「エピ」と言うのは、同じ化学式で構造が違う「異性体」を示す時の接頭辞の一つです。

ノロウイルスの培養ができるようになったのは2016年夏

さて、疑問に思っている人も多いでしょうけれど、なぜノロウイルスそのものではなく、ノロ近縁ウイルスで研究が行われたのかと言うことです。これはノロウイルスを培養する方法が、健康な人を使う以外になかったからなのです。

つまり、何かの物質にノロウイルスを殺す効果があるかどうかの実験が非常に行いにくかったと言うことから、「ノロウイルスに有効なお薬」ですら開発できていなかったのです。

お医者さんが処方する抗ウイルス薬ですら、実験ができない事から開発できていなかったわけですので、「ノロウイルスをやっつける飲食物」などと言う物はあり得なかったと言っていいでしょう。

今回話題の緑茶カテキンも、その効果の確認はネコカリシウイルスと言う、培養が可能でノロウイルスに近い、猫の感染症のウイルスを使って行われたものなのです。

しかし、2016年8月にはついに人間の培養細胞を使ったノロウイルスの培養に成功したと言う報告がありました。ですので、今後ノロウイルスに対する治療薬の開発や、有効な食品成分の確認は進むでしょう。

でも、現段階ではまだ、緑茶カテキンがノロウイルスに対して「必ず有効である成分」とは確認できていないと言わざるを得ないのです。

それでも、緑茶カテキンにはさまざまな健康効果が知られていますので、お茶を生活の中で有効に活用してゆくのは、とても健康に良いことだと言えるでしょう。

ウイルスの培養ができていなかったと言うのは意外かもしれませんね。毎年日本だけでも万の数を数える患者数があるのに、30年以上もそれができていなかったのは驚きです。

ノロウイルスに対する獲得免疫は期間が短い

私たちは何かの感染症にかかると、その病原体に対する免疫を獲得します。これは身体の中にある免疫システムが病原体の特徴を記録して、次にその病原体が入ってきた時にすぐに対応できるようにしているからです。

しかし、病原体の突然変異が多いと、その獲得免疫も長く続かないこともあるのです。たとえるなら、毎日髪の長さや色、体重や身長が大きく変化するような指名手配犯がいたとしたら、そんなのなかなか捕まりませんよね。それに似た状態だと思って下さい。

人間には自然免疫と獲得免疫がある

私たちの身体には、病原体などの外敵から自分を守るための様々なメカニズムが備わっています。その中でも最大の物は「皮膚」ですね。皮膚のおかげでほとんどの外敵は体内に侵入することができません。

また、粘膜も皮膚と同じように重要な役割を果たしています。例えば鼻の奥の粘膜は、吸気と一緒に入ってきた細菌やウイルスを粘膜に分泌した粘液で捉えて、繊毛の運動によってそれを強力な酸で満たされた胃に送り込んで殺菌してしまいます。

このような働きは数多く存在していますが、その中で最後の防壁と言うべきものが免疫機能です。すべての防壁を突破して、血液などの体液や組織に侵入した病原体を迎え撃ち、それを排除するのが免疫の働きなのです。

この免疫には大きく分けて自然免疫と獲得免疫の2つがあります。自然免疫は私たちの身体にあらかじめ備わった外敵を排除する機構、獲得免疫は特定の外敵に侵入されることによって作られる、その外敵専用の排除メカニズムなのです。

いわゆる「免疫力アップ」は自然免疫を指すことが多い

私たちが免疫を獲得するには、その病原体に感染することが必要になりますが、そのたびに発病していたのでは命がいくつあっても足りません。そこで活躍してくれるのが自然免疫です。

自然免疫は生物が生まれた時から持っている機能で、驚くべきことに細菌ですら自然免疫機能を持っていて、ウイルスに感染しないように酵素を働かせると言う自然免疫を持っているのです。

私たち人間には、化学物質によるものと、免疫細胞によるものの2種類の自然免疫が存在しています。自然免疫は自分のものではない異物が体内に侵入してきた時に活動を開始します。

化学物質による免疫は免疫細胞を呼び寄せることが主な役割

まず異物が体内に侵入すると炎症が起こり、アラキドン酸と言うリノール酸から生合成される脂肪酸を骨格に持つ化学物質が分泌されます。これによって、異物が侵入した場所に血液がたくさん送り込まれ、免疫細胞が集中しやすくなります。

血液が集まってくるわけですから、赤くなりますし腫れます。炎症と言う症状はこれが原因で起こっているのです。この物質は白血球を炎症部位に呼び寄せる働きも持っています。

この物質と同時に分泌されるのがサイトカインと言うホルモンに似た物質です。これによって免疫細胞間の情報伝達が行われますし、あとでお話しする外敵を食べる細胞を呼び寄せることも行われます。

さらに、身体の組織を破壊するウイルスに対して、抗ウイルス活性を持つインターフェロンと言う物質の分泌も促すのです。

そして、病原体の表面に目印となるたんぱく質をくっつける化学的な働きも存在します。これによって、そのラベルが付いた異物を、後からやってきた免疫細胞が攻撃対象として選定しやすくなるのです。

まるで銀行やコンビニに置いてあるカラーボールのようですね。カラーボールをぶつけられ、そのペイントが付いた人や車を警察が捕まえると言うのによく似ています。

カラーボールでも当たり所が悪いと一発KOがあり得るように、ラベル付けによって病原体をやっつけてしまえることもあるそうですよ。

自然免疫で大きな役目を果たす様々な免疫細胞

このように化学物質によって外敵をやっつける準備が整うと、免疫細胞がやってきて侵入者を排除にかかります。

その方法は酵素によって分解したり、活性酸素によって殺したり、あるいは外敵そのものを食べてしまうと言う排除方法もあるんです。

有名なナチュラルキラー細胞は自然免疫担当

ナチュラルキラー細胞(NK細胞)と言う名前は免疫力アップの話題でよく耳にしますね。「生まれながらの殺戮者」と言う、いささか物騒な名前を持つこの免疫細胞は、私たちにとっては非常に心強い存在なのです。

NK細胞は、先にお話しした「ラベル付けされた細胞」を攻撃します。さらに、ラベル付けされていなくても「ウイルスに感染してしまった」と言う目印を出している自分の細胞も攻撃します。

つまり、「生まれながらの」と命名されてはいるものの、自分の身体のほかの細胞からの信号があってはじめて攻撃対象を判断しているのです。

それでも、過去に感染した経験があるかどうかを判断することなく、異物であればお構いなしに即座に攻撃してくれる、心強い味方です。

ノロウイルスの場合、ウイルスですし獲得免疫が長続きしないと言う傾向もあるので、このNK細胞がしっかり働いてくれるとありがたいことに疑いの余地はありません。

このNK細胞もやはり、加齢とともにその活性が弱って行きます。それに対して茶カテキンを摂取すると、加齢によるNK細胞の活性低下が抑制されたと言う報告がありますので、ノロウイルス対策の一つにはなり得ると考えて良いでしょう。

顆粒球はウイルスに対しての役割は少ない

顆粒球と言うのは5種類ある白血球のうちの3種類です。酸性の染料で染まるのを好酸球、中性で染まるのを好中球、アルカリ性で染まるのを好塩基球と言います。そして、好中球が白血球の半分以上を占める一番メジャーなものです。

しかし、好中球の攻撃対象は主に細菌でウイルスに対する働きは限定的です。また、好酸球は寄生虫やアレルギーに関与していますが、好塩基球については働きが充分確認できていません。

白血球の残り2つはリンパ球と単球です。リンパ球はウイルス感染に対して最も大きな働きを持っていて、NK細胞もリンパ球の一つです。

また、単球はそのままでは大きな役割を持っていません。しかし、血液中から組織に移動する時にマクロファージなど他の細胞に姿を変えます。マクロファージは大食細胞とも呼ばれます。

何でも食べるから大食細胞と言うわけではなくて、昔の分類で「食細胞」のうち大きな方と言う意味で名づけられたのです。でも、本当にウイルスや細菌だけでなく、体内で不要になった細胞や酸化したコレステロールなど、何でも食べてしまう細胞です。

他にも自然免疫に関わる細胞はありますが、ノロウイルスに関わってきそうなものはこれだけですので、そろそろ「獲得免疫」についての話題に切り替えたいと思います。

大食細胞とか肥満細胞とか言うネーミングは、今となってはちょっと誤解を生みそうですよね。だから、マクロファージやマスト細胞と言う名前に呼び替えられるようになっています。

獲得免疫はリンパ球が大きな役割を果たす

ナチュラルキラー細胞もリンパ球の一つでしたが、リンパ球には他の種類もあります。そして、それらは私たちが「免疫」と呼ぶ時のイメージ、「一度かかった病気にはかかりにくくなる」と言う働きに大きく関与しているのです。

特にウイルスに関しては自然免疫だけで対処しきれないことが多く、この獲得免疫に頼ることが多くなります。とは言え、自然免疫と獲得免疫は独立したものではなく、互いに深いかかわりを持っています。

リンパ球は当初は自然免疫の指示によって働く

リンパ球にはNK細胞のほかB細胞と2種類のT細胞があります。先に少し触れたマクロファージは、初めて出会ったウイルスなどを食べたあと、細胞の表面に「こんな外敵を食べました」と言う情報を化学物質の形で表現します。

それを読み取って対応するのがB細胞とT細胞です。B細胞は骨髄で分化するリンパ球で、その情報から外敵と判断した物に対して、大量の抗体を作り出してやっつけると言う動作を行います。

同じようにマクロファージなどからの情報を読み取ったヘルパーT細胞は、他の免疫細胞に「敵がいるからやっつけなさい」と言う指示を飛ばします。一方でCTLと言うT細胞は、その敵に感染してしまった細胞を破壊する酵素を出します。

細菌と違って、ウイルスは人間の細胞に感染しないと増えることができません。なので、感染して中で増えているうちにその細胞を破壊すると、娘ウイルスは成熟できずに消えてしまうのです。

ただ、ウイルスをやっつけるためとはいえ、自分の細胞を破壊するわけですから、いろいろ症状が出てくるのは仕方ないことと言えるでしょう。

リンパ球は敵をやっつけたあとそれを記録する

こうして、初めて感染したウイルスをやっつけたB細胞とT細胞は、その記録を自分の中に持ちます。その結果、次からは自然免疫からの指示を待たずにすぐ対応できるので、感染しても発病しなかったり、発病しても軽く済んだりするのです。

この原理を利用したのがワクチン接種なのです。低毒化・無毒化した病原体を接種して、発病させずにこの流れを一度作っておくことで、免疫を獲得できると言うことですね。

ところが、先にも少しお話しした通りノロウイルスは物凄い勢いで突然変異を繰り返すので、獲得免疫が得られにくく、得られても無効になる時間が数年程度と短いのが特徴です。

ですから、ノロウイルスに対応するには、自然免疫の力を強化してくれる茶カテキンを利用するのも一つの方法だと言うことになるのです。

そして、そもそもノロウイルスに感染しないようにすると言う対策が最も求められるものです。別の記事に対策について詳しいので、そちらも是非ご覧ください。

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免疫と言うのは複雑なものですね。ここに紹介したのはウイルスに関するものだけですが、病原体に対するものだけでなくアレルギーや自己免疫疾患も、免疫に関する現象ですので、大変複雑で難しいです。

茶カテキンはたくさん摂れば良いと言う物ではない

最初にお話ししたように「どれだけ茶カテキンを摂ればノロウイルス感染症を予防できるのか」と言う定量的なデータはありません。

一方で、毎日200mL~400mL程度の緑茶を飲むとインフルエンザ予防効果があるとされていますので、同程度の量で免疫力の向上は期待できると想像することはできますね。

飲むのはペットボトル緑茶でOK

市販のペットボトル入り緑茶には、普通に急須で淹れたのと変わらないカテキンが含まれています。ですので、ペットボトル入りのもので充分だと言えるでしょう。

特にメジャーなメーカーの物は製造工程において酸化対策がされていますので、カテキンの変質も少ないと思われます。また、脂肪蓄積を防ぐと言う効果でトクホをとった緑茶もありますが、そこまでの物を利用する必要はないのではないかと個人的には考えています。

それと言うのも、カテキンとは「お茶の渋み成分」なので、カテキンの多いお茶は渋すぎて美味しく飲むのが難しいからです。

また、サポニンと言うお茶の成分にも免疫力の向上が期待されていますが、これもまたとても渋い成分ですので、いくら健康に良いからと言っても、あまり渋いとそのうちに嫌になってしまうかもしれません。

ですので、美味しく飲めて毎日飽きずに続けられると言うことが最も重要だと考えてお茶を選んで下さい。

なお、安全な摂取量に関するデータは見当たらないので、サプリなどで高濃度にした茶カテキンを摂るのは危険性があるかもしれません。必ずお茶で摂るようにして下さい。

毎日飲むなら煎茶がお勧め

お茶と一口に言ってもさまざまなものがありますね。もっともカテキンが期待できるのは、釜炒り茶の中でもあまり上等でない中級品です。釜炒り茶は九州に多く見られる製法で、青柳茶や嬉野茶では一般的です。

また、中国緑茶も釜炒り茶の一種ですが、地方によって製法が様々なのでカテキンの量については判りません。

とは言え、こうした限られたお茶は日常的に入手できるかどうかは、皆さんそれぞれの環境によって変わってきます。そこで、ある程度安定して入手できるものとして普通の煎茶をお勧めします。

ペットボトル茶でも、きちんと煎茶をブレンドしているメーカーもありますので、好みの物を選んでもらえればいいでしょう。

なお、台湾で一般的な緑茶にはあまりカテキンは含まれていませんし、ウーロン茶や紅茶などの発酵茶にも、ECGCなど茶カテキンとしての有効成分は少なめです。

お茶を普段の生活にしっかり取り入れることで、ウイルス感染症の予防にうまく役立てて下さい。

緑茶を美味しく飲んで免疫力を向上、ノロウイルス対策にもなるのであれば良いですね。しかもゼロカロリーですから安心して飲めます。
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