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おから料理で心筋梗塞予防!活性酸素と水素の関係とおからのお話

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おからと言えば、たんぱく質がしっかり残っているのに食物繊維がたっぷりで低カロリー、様々な健康効果が期待できるのにお値段は安い、と言う素晴らしい食品ですね。

最近の研究成果を見ると、その素晴らしい機能にもう一つ、心筋梗塞の予防が付け加えられそうです。

もうおからが気になってしかたないですね!この記事ではおからのパワーを紹介しますので、少しの間お付き合いいただけたらと思います。

発見は薬の副作用から

糖尿病の治療薬にα(アルファ)グルコシターゼ阻害薬と言うものがあります。これはでんぷんを食べた際、最終的にグルコース(ブドウ糖)にまで分解されて吸収されると言う消化のプロセスを邪魔するお薬です。

そのプロセスを邪魔するため、血糖値の上昇が遅くなり、糖尿病の治療に効果を発揮すると言うものですが、副作用が原因でこの薬を中断する人が多いのです。

ある意味強烈なその副作用、それは「おなら」です。

恥ずかしい副作用

お米や小麦粉の主成分であるでんぷんは、唾液と膵液に含まれるアミラーゼによって二糖類のマルトース(麦芽糖)にまで分解されます。中学の理科で学びますよね。唾液は口の中で、膵液は十二指腸で働きます。

アミラーゼは、かつてジアスターゼと呼ばれた酵素で、夏目漱石の名著「吾輩は猫である」にも市販医薬品(消化剤)として登場した歴史ある消化酵素です。

そして二糖類は小腸の表面に存在するマルターゼなど、αグルコシターゼと言うグループに属する酵素によってグルコースに分解されると同時に吸収されるのです。

αグルコシターゼが小腸の表面で働くのは、分解と同時に吸収してしまう事で、小腸にいる腸内細菌に栄養を横取りされないためなのです。

ところが、この糖尿病のお薬はそれを妨害しますから、二糖類にまで分解されても、次のステップに進めませんので、小腸にも小腸にいる腸内細菌にも吸収されずに大腸へ送り込まれてしまうんですよ。

大腸にはもともとオリゴ糖(三糖類や四糖類)や多糖類の食物繊維も発酵させてしまう善玉菌が棲んでいます。ですから、小腸で吸収されなかったでんぷんやマルトースは、ここで発酵されてしまいます。

そして、その際に水素ガスやメタンガス、二酸化炭素などがたくさんできてしまうのです。そして、これらのガスの一部は「おなら」となって盛大に出てきてしまうと言うわけです。

実はメタンガスを含めてこれらのガスには臭いがありません。しかし、腸の中には他に臭いのある成分もありますから、出てきてしまうと、多少なりとも臭うかもしれません。

そしてそれ以前に、音響効果が大変恥ずかしいものでもありますので…ちょっと困りますよね。

統計の意外な結果

ある研究で、上でお話ししたαグルコシターゼ阻害薬を投与した境界型糖尿病の患者さんたちは、投与されなかった患者さんたちより心臓の血管に病変が起こった件数が50%近くも少なくなりました。

これは非常に大きな数字なのですが、単に糖尿病の状態が改善したから、血管のトラブルが減ったんだろうと言うイメージで受け取られていたんですよ。

ところが、ある先生が気付きました。なぜ、他の糖尿病治療薬ではこれほど大きな効果が得られていないのだろうか、と言う事です。

もちろん糖尿病が改善すれば心臓の血管に病変が起こる可能性は減ります。しかし、他の薬ではこれほど大きな差が現れなかったのです。

仮説と検証

そこでこの先生は一つの仮説を立てます。もしかすると、他の糖尿病治療薬にはない作用、ガスの発生にヒントがあるのではないか、と。

注目したのは水素でした。これまで腸内の水素は、消化不良の指標程度にしか見られてこなかったと言う事もあります。あるいは、上でお話ししたαグルコシターゼ阻害薬の好ましくない副作用の一つとも。

ところが、最近になって、水素はどうやら体内で強力な抗酸化物質としての働きを持っているらしいと言うことが明らかになってきたのです。

既に動物実験では、人為的に心臓の血流を悪くした実験動物に水素を吸収させると、心筋梗塞が減ったと言う結果も得られているようです。

念のため、この記事を読んだからと言って、水素を吸ったりしないでくださいね。酸欠で死ぬかもしれません。飽くまで腸管からの吸収が前提です。

身体を痛めつける活性酸素

抗酸化物質が病気の予防に有効なのは、身体に悪影響をもたらす活性酸素を除去してくれるものだから、と言うことはもはや常識になっていると思います。

しかしながら、そもそも活性酸素ってなんなんでしょう?

元気な酸素?

普通、活性と言う言葉にはポジティブなイメージがありますよね。なのに、なぜか活性酸素と言われると悪者扱いです。

それに学校では酸素と言う元素や気体のことは習いましたが、活性酸素なんて物質のことはあまり聞いたことがありません。いったいどう言うものなんでしょうか。

活性酸素は4種類の物質の総称です。その中で一番有名なのは過酸化水素でしょう。3%くらいの水溶液は、オキシドールとして保健室に常備の消毒薬です。

この過酸化水素、人間の身体の中ではエネルギー代謝の際にできることが多い物質です。毒性が強いので、身体の中ではカタラーゼと言う酵素やビタミンCなどの抗酸化物質によって酸素と水に分解されます。

傷口にオキシドールを付けるとぶくぶく泡が立ちます。あれは体液に含まれるカタラーゼによって、オキシドールの過酸化水素が酸素と水に分解されて出てくる酸素の泡なんですよ。

ですから、私たちは既に小学生の頃には、活性酸素を抗酸化物質が分解するのを目で見て知っているんですね。

一方、分解されなかった過酸化水素はヒドロキシルラジカルと言う、活性酸素の中でも最も反応性の高い(=毒性が強い)もので、酸化力が強く細胞を傷つける物質に変化します。

人間の体内でヒドロキシルラジカルを分解してくれるのはビタミンEやβカロテンなどの抗酸化物質です。

さらに三つ目の活性酸素、超酸化物は過酸化水素の前段階で、ビタミンCやポリフェノールによって除去されます。

フリーラジカルと言う呼び方をされることもある活性酸素ですが、4つ目の活性酸素はフリーラジカルではない一重項酸素と言う物質で、紫外線を浴びた時に身体の色素が反応して生み出される物質です。

一重項酸素はビタミンCやE、βカロテンの他ビタミンB2によっても分解されます。

つまり、活性酸素は身体の細胞を傷つける能力が活性化した酸素と考えればいいでしょう。非常に反応しやすいから身体を傷つけられるわけですが、その分不安定で他の物質に変化しやすくもあります。

ですから、身体の細胞を傷つけて変化を起こす前に、抗酸化物質にぶつけて無害なものに変化してもらおうと言うのが、抗酸化物質を摂って健康にと言うフレーズの主旨なのです。

新たな強力抗酸化物質

言われてみれば「なぁんだ」と言う感じですが、新たな抗酸化物質は上でお話ししたように水素なのです。

確かに水素ならば、反応性が高まった酸素と出会っても、出来上がるものはただの水ですから安全そうですよね。

水素ガスは腸で吸収される

おならの原因になるとは言いましたが、実のところ腸の中で発生したガスは、結構腸で吸収されてしまうんです。

ちょっと汚い話ですが、おならを我慢しすぎると腸で吸収されて血液に乗り、肺から排出されるので、息がおなら臭くなることもあるそうですよ。

水素を含めて、それでも吸収しきれなかったガスはおならとなって出て行きますが、腸で吸収された水素などはそのまま身体の中を巡ります。

そしてその結果、先にお話ししたような心筋梗塞のリスクを下げる働きができるのではないかと期待されているのです。

意外に役に立つ水素ガス

水素ガスは触媒がないと他の物質と化合したりすることが少ない安定な物質です。例えば酸素ガスと混ぜてもそのままでは何の反応も起こりません。密閉した容器に入れて火をつけると爆発して水ができます。

塩素ガスと混ぜ、やはり密閉した透明容器に入れて、紫外線を浴びせると、爆発的に化合して塩酸の素である塩化水素になります。しかし、いずれにせよ火や紫外線が必要なんですね。

しかし、上でお話しした人為的に心臓の血流を悪くした実験動物では、最も悪影響の大きい活性酸素、ヒドロキシルラジカルが発生していたのですが、吸収させた水素ガスはこの活性酸素に素早く結びついたそうです。

安定な水素ガスであっても、ヒドロキシルラジカルの強い反応性のおかげでうまく化合することができたようです。

水素ガス発生の秘訣

もともと糖尿病のお薬の副作用が、実は一番いい効果を持っていたと言うところから始まったわけですが、では、糖尿病じゃない人はどうしたら良いのでしょうか。

大丈夫です、もともと水素の原料になったのは小腸で消化吸収されなかった炭水化物でしたよね。もともと消化吸収されずに大腸まで届く炭水化物があります。そう、食物繊維です。

古典落語にもヒントが

演目は忘れましたが、上方落語の貧乏長屋の噺の中に「金がなくておからばっかり食べてるから屁が良く出る。しかも他に良いものが食べられないから臭いもしない。」というくだりがあります。

笑い話の中に重要なヒントがありますね。そう、おからが水素の供給源になるのです。食物繊維豊富なおからは大腸まで届いて腸内細菌による発酵で水素ガスを生み出します。

上でお話しした実験研究の報告は、これが血液に吸収されて心筋梗塞を予防してくれる可能性を強く示唆していると言うわけなのです。

おからを一工夫、毎日食べましょう

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卯の花は美味しいけれど、料理するのも大変だし、毎日食べるのはちょっとと言う方も多いと思います。しかしながら、毎日食物繊維を確保するにはとっても便利な食材なんですよ。

そこで利用するのが「おからパウダー」です。おからを乾燥して、小麦粉並みの細かさに粉砕した食材です。

ネットのレシピサイトなどで「おからレンジ蒸しパン」で検索してみて下さい。小麦粉の代わりにおからパウダーを使って、電子レンジで作る蒸しパンのレシピが大量に紹介されています。

もともとは低糖質の食事をテーマにはじめられたものだと思いますが、ここに来てついに心筋梗塞の予防にも使えるんじゃないかと言う大出世です。

私は糖尿病の治療の一環として、糖質を制限するために利用していますが、完成したものをシール容器に入れてチルドルームで保存すれば10日~2週間くらいは持ちます。

そして、気が向いたときにおやつや主食代わりに食べられますから、毎日の食物繊維確保にはもってこいですよ。

水素水の効果

近年、健康効果を謳った水素水なる健康飲料を見かけるようになりました。これは効くのでしょうか。

まだ明快なデータは見当たりませんでしたが、やはり効果があるとする報告は上がっています。腸内で発生しようと、水に溶けたものであろうと、身体に入れば同じ水素ですから効果も同じなのでしょう。

しかしながら、水素水自体の効果は30分程度だと言われています。それに比べれば、毎日おからを食べていれば、長時間大腸で水素が発生し続けるわけですから、そちらの方が効果的でしょう。

水素ガスは大変小さな分子ですから、水素水の作り置きは結構大変です。ペットボトルぐらいでは簡単にしみだして抜けてしまいます。

いわば、水素水は電池だけど、おからは大腸と言う発電所に燃料を供給していると言う事なんです。ですから、水素は身体の中でつくる方が効果的で経済的だと思いますよ。

「きらず」と呼ばれるおからの効果

私の年代などはおからと言えば豆腐屋さんの店頭で無料で配っていたものと言うイメージがありますが、いまでは買うものなんですよね。

それでもお安くて栄養豊富ですから利用しない手はありません。パウダー化したものであっても1kgで4~500円程度で買えますよ。

関西の古い言葉で、おからのことを「きらず」と言う事もあるそうです。包丁なしで調理できると言う意味だそうですが、心筋梗塞を予防してくれると言う事は、身体も「切らず」に済むと言う意味になるかもしれませんね。

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