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肝斑は血栓を溶かす!シミや肝斑に悩むあなたは薬の副作用に注意

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肝斑と言う顔にできるシミは、それに対応した医薬品が、処方箋薬から一般薬に降りてきて、7~8年前から薬店でも買えるようになったことから一気に有名になりました。

肝斑ができるメカニズムはまだ明らかではありませんが、どうやら脳梗塞や心筋梗塞とも関わりがありそうだと言う事がわかってきたのです。

シミと肝斑の判別

肝斑は頬骨あたりに拡がるシミで、左右対称にできるのが特徴です。完全な見分けは皮膚科のお医者様に頼らなければなりませんが、ある程度自分でも見分けを付けることができます。

何と見分けるかと言うと、老人性色素斑(いわゆる普通のシミ)や後天性真皮メラノサイトーシス(細かいアザが集まってシミに見えるもの)などと区別することになります。

肝斑の特徴

肝斑は、その名の通り肝臓のような形をしたシミなのです。肝臓が悪くてできるシミだと勘違いされる方も少なくないようですが、肝斑自体は肝臓とは何の関係もありません。

肝臓が悪くて顔色が変化するのは、初期のうちは赤ら顔、肝硬変に進むと灰色からどす黒い顔になります。しかし、顔全体の色調変化であって、シミのようには見えないことがほとんどですね。

さて、肝斑の特徴を見てみましょう。

  • 肝臓のような三角形
  • 左右対称にできる
  • 茶色
  • 頬骨の上
  • 点が集まったものではなく面状である
  • 妊娠・出産がきっかけででき始めた

これらが肝斑の特徴です。必ずしも全部が当てはまるものではありませんが、二つ当てはまったら肝斑を疑っても良いでしょう。

肝斑の原因

はっきりした原因はまだわかっていません。しかし、女性ホルモンとの関係が深いのではないかと考えられています。

一方、少数ではありますが男性患者もいることや、化粧をよくする年齢層であることに着目して、物理的に顔をよくこすってしまう事が原因と考える美容関係者も少数ながらおられるようです。

ホルモンの影響

男性患者がいること自体は、女性ホルモンが原因であることを否定する要因にはなりません。と言うのも、少量ですが男性にも女性ホルモンは分泌されているからです。

例えば女性ホルモンの代表エストロゲンは、男性ホルモンであるテストステロンから作られて分泌されています。単に男性ホルモンの量の方が多いため、女性ホルモンとしての働きが前に出ないだけなんですね。

また、黄体ホルモンであるプロゲステロンも糖や骨の代謝に関わる要素があるため、男性でも副腎から少ないながら分泌されています。

これらのことから、女性ホルモンが肝斑の原因であってもおかしくないですし、むしろ女性ホルモンの量の差が、肝斑の発生数の差になっているようにも見えますね。

ただ、男性の身体の中に分泌される女性ホルモンの量を考えると、女性ホルモンに何か別の誘引物質が絡んでいる可能性が高そうですね。

お化粧の影響

女性ホルモンの影響が良く出るであろう年代と言うのは、お化粧のキャリアが顔の皮膚に影響を与えやすい時期とも一致しています。

中高生の頃にお化粧を始めたとしても、その頃は皮膚の代謝も活発で悪影響は出にくいでしょう。しかし、30代となってくると中高生の頃のような皮膚のターンオーバーの勢いは期待できません。

その結果、肝斑が現れるのだと言う説にも頷ける部分はありますね。そして閉経を迎えるころになると、お化粧自体の頻度も下がってくると言う説明にもなるほどと思えます。

ただ、経口避妊薬の服用や妊娠・出産を契機に肝斑が現れたと言う例も少なからずありますので、やはりホルモンの影響の方が大きそうです。

いずれにせよ、顔の皮膚を強くこすることは決して良い事ではありませんので、肝斑対策の一環として顔の皮膚を強くこすり過ぎないことを意識するのは良い事です。

紫外線対策

紫外線は肝斑の原因にはなりません。しかし、肝斑対策を行う上での大きな障害にはなりますので、しっかり行っておきましょう。

なぜ障害になるかと言うと、肝斑に重なって日焼けによる色素沈着や老人性色素班(普通のシミ)が起こってしまうと、肝斑かどうかの判別が付けにくくなるからです。

また、肝斑の治療を行っていても、他のシミと重なっていると治療効果が出ているのかどうかが判りません。ですので、今まで通り紫外線対策はしっかりお願いします。

肝斑と血栓症

さて、肝斑の大きな原因が、どうやら女性ホルモンにあるらしいと言う見当がつきましたね。では女性ホルモンについて少し見てみましょう。

女性ホルモンはエストロゲングループの卵胞ホルモンとプロゲステロンなどの黄体ホルモンの2つです。これらは、単に女性的な働きだけに関わっているものではないのです。

女性はホルモンに守られている

エストロゲンは、排卵周期を制御すると同時に女性らしい体つきや肌理の細かいお肌を作るほか、様々な代謝機能に関わっています。

  • 悪玉コレステロールの減少
  • 善玉コレステロールの増加
  • 動脈硬化の抑制
  • 糖質の代謝
  • 脂質の代謝
  • 心筋梗塞の抑制
  • 血液凝固作用

上の5つは、女性の生活習慣病への耐性の高さをもたらしていると言えそうですね。特に動脈硬化を起こし難くしてくれていると言えるでしょう。

一方、気になるのは一番下の血液凝固作用です。血液が固まりやすいと言う事は血栓ができやすいと言う事ですね。

幸いなことに、更年期以降のホルモン補充療法に関する研究から、エストロゲンがもたらすのは静脈にできる血栓であることが判りました。静脈にできる血栓はほとんど心筋梗塞・脳梗塞の原因になりません。

さらに、そもそも他の要因によって動脈硬化や血栓症の予防効果があるので、悪くてもそれを相殺してしまう程度だろうと言う事でした。

血流の早い動脈にできる血栓をエストロゲンが増やしてしまうのは、あらかじめ動脈硬化が起こっている時に限られると言う事が判ったそうです。

一方、黄体ホルモンのプロゲステロンは、妊娠出産に関わらない部分ではエストロゲンほど多くの機能を持っているわけではありません。

  • 体脂肪を減らす
  • 血糖値を正常化する
  • 骨の代謝を調節する

それでも、このような重要な役割を担っているんですよ。ここでも生活習慣病から女性の身体を守ってくれていることが見て取れますね。

肝斑の治療法は二つ

肝斑の治療は、現在のところ大きく分けて二つの方法があります。

一つはレーザートーニングと言う、レーザー治療機を用いて肝斑を焼き切る方法。もう一つはトラネキサム酸と言うお薬を飲むことで治療する方法で、これが肝斑を有名にしたお薬ですね。

レーザー治療

刺青を消すのと似たような手法で、レーザー光線を用いて肝斑を焼き切る治療です。焼き切ると言うと怖いイメージがありますが心配ありません。

実際のところ、低出力で水に良く吸収される波長のレーザーを使う事で、肝斑の部分を刺激して皮膚のターンオーバーを早めることが目的ですから、熱さを感じたりすることはないそうです。

2012年に出されたアメリカの論文を見ると、有効性は高いものの100%有効とは言い切れないことや、複数あるレーザー治療機の種類のどれが最終的に最も有効なのかの結論が出ていないことが示されています。

また、その論文によるとレーザートーニングが好んで行われているのは日本を含むアジア諸国だそうです。同時に、レーザートーニングが肝斑に対して効果がなかった例や、副作用についても報告されていますね。

報告された副作用は次のようなものです。

  • 一旦消えた色素沈着が後により濃いシミになって現れた
  • 物理的な刺激に起因する蕁麻疹
  • ざ瘡様皮疹(細菌感染を伴わないニキビ)
  • 皮膚表面からの点状出血
  • 単純ヘルペスの再発

信頼できる皮膚科を選ぼう

レーザー治療はかなり高度な技術ですので、機械さえ持っていればOKと言うわけにはいきません。かと言って、私たち素人にはお医者様の技術を知る手立てはありませんね。

そこで、お医者様の腕はお医者様に教えてもらうのが一番です。レーザー治療を行っていない皮膚科医院や病院に行って肝斑の診断をしてもらい、その際に良い技術を持っている病院を紹介してもらいましょう。

もし、あなたの状態がレーザー治療に適さないなら内服薬など他の方法を教えてくれるでしょうし、適しているなら、その病院の威信に掛けて技術の高いところを紹介してくれるはずです。

止血剤トラネキサム酸がシミに効く…?

このお薬が薬店でも買えるようになったことから、肝斑と言うシミの存在が一気に有名になりました。このお薬自体は止血剤として古くから用いられてきた実績のあるお薬で、副作用も少ないものです。

また、トラネキサム酸は肝斑に効果があるだけではなく、老人性色素班(普通のシミ)や傷跡の色素沈着にも効果があるとされていますね。

ですので、うまく働いてくれれば重なったシミにも有効であることが期待できます。

このお薬の主な効果は、止血作用、抗炎症作用、色素沈着の解消です。この止血作用と言うのがちょっと曲者ですね。

肝斑と血栓の関係

トラネキサム酸は効果の高いお薬ですが、それでも100%はありません。効かない人もいます。

そして副作用は少ないですが、そもそも血を止める効果は副作用ではなく、このお薬の本来の効果なのです。

わたしたちがもつ止血作用

怪我をすると血が出ます。出血の量が多くなければ放って置いても血が固まって傷口をふさいでくれ、そのうち傷が治りますね。

これは血液の中にあるフィブリノーゲンと言う物質が、空気に触れることで活性化した物質の働きでフィブリンと言う繊維に変化し、それが網目状の構造に集まることで血餅になり傷口をふさぐことで起こります。

また、身体の中に細菌などが入って炎症を起こした場合、その周囲で同じような現象が起こり、血液を固めることで侵入者が身体の中に拡がらないようにしています。

しかし、血液を固めたままでは具合が悪いので、白血球などが侵入者をやっつけると、プラスミンと言う物質が働いて、フィブリンを溶かしてしまうのです。

トラネキサム酸は、このプラスミンの働きを邪魔することで止血効果を上げるお薬なんですね。プラスミンは炎症にもかかわっていますから、トラネキサム酸は抗炎症効果も持っています。

しかしながら、言い換えれば血栓を溶かす働きも担っているプラスミンの働きを阻害すると、血栓で血管が詰まることも充分あり得るのです。

投与が慎重になる対象

止血効果を求める場合であっても、心筋梗塞や脳血栓のある人には慎重投与が求められています。つまり血液が固まりやすいので危険だと言う事ですね。

また、副作用情報には載っていませんが、血尿が出るような状態の人がこれを飲むと、尿路結石になりやすいと言う情報もあります。

レーザートーニング、トラネキサム酸…どちらが良いのか?

現在のところ、レーザートーニングもトラネキサム酸も、肝斑には有効である部分が存在します。どちらかと言うとトラネキサム酸の方が効果が期待できそうな感じはしますが、数値化された情報はありません。

一方、どちらにもリスクが付きまといます。ですので、安易に利用するのはあまりお勧めしたくありません。

市販薬の怖さ

いえ、肝斑に効くトラネキサム酸の市販薬のことではありません。実はトラネキサム酸は市販の風邪薬や歯磨きにも入っているんですよ。

特に、のどの痛みに効くことを強調した風邪薬には、肝斑用の薬と同じ量のトラネキサム酸が入っていることもあります。

知らずに両方を服用したら、2倍量の止血剤を飲んでいることになりかねませんね。お手元に扁桃腺の腫れやのどの痛みに効くことを強調した風邪薬があったら成分を確認してみて下さい。

参考までに、市販の肝斑用トラネキサム酸は1日量が750mgに設定されています。歯磨きについてはそれほど多くないとは思いますが、医薬部外品なので含有量は表示されていません。

内服薬は診断を受けてから

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トラネキサム酸は、お医者様で処方してもらえます。基本的に保険診療外ですから3割負担と言う訳にはいきませんが、もともと止血剤として歴史のある薬なのでジェネリック医薬品が存在します。

物によるでしょうが、だいたい市販薬の半額程度から同等程度の価格で処方してもらえるでしょう。そしてなにより、副作用関係についていつでも相談できることや、あらかじめ危険性をチェックしてもらえるのが良いですね。

いずれにせよお医者様に相談しましょう

長くなりましたが、肝斑自体、まだ完全に原因が究明できていない症状です。ですので市販薬でリスクを抱えてしまったり、宣伝に乗っかってレーザー治療院へ飛び込まないで、まずは普通の皮膚科へ行くのがベストです。

その上で治療方針を固めるのが、もっとも健康被害に遭わずに綺麗になれる方法だと言えるでしょう。

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