健康生活TOP 筋肉痛

腕や足・ふくらはぎが痛い!全身に現れる筋肉痛の原因と治し方

朝起きた時に、思わず「痛たたた」と声が出てしまう筋肉痛。そう言えば昨日は普段しないような、身体を動かす作業をしたんだっけと思い出したりします。この筋肉痛を予防したり、早く治したりできない物でしょうか。

実は筋肉痛のメカニズムはまだ完全には解明されていないのです。ですので、これをやれば筋肉痛にならないとか、すぐに治るとかいうものはありません。でも、軽減することは可能ですので紹介してゆきましょう。

筋肉に溜まる乳酸が筋肉痛の原因であるかどうかは不明

昔からよく言われてきた説に「筋肉を酷使すると疲労物質である乳酸が溜まって筋肉痛を引き起こす」と言う物があります。ところが近年、乳酸自体は疲労物質ではなく、疲労回復物質として存在しているのではないかと見られています。

また、筋肉痛が起こっている段階では乳酸濃度はそれほど上昇していないと言うデータが得られたこともあって、乳酸が筋肉痛の原因であると言う説には疑問符が付いています。

乳酸は筋肉疲労物質ではなかった

乳酸が筋肉痛の原因であるかどうかはまだ確定していません。どうやらそうではないようだと言う考え方が主流にはなってきていますが、乳酸以外の発痛物質だけで筋肉痛が完全に説明し切れるまでは、完全にシロとは言い切れないのです。

一方、筋肉疲労に関しては乳酸が疲労物質であるとは考えられなくなってきています。

東京大学大学院によると、1~2時間は継続して運動が行われるサッカーなど球技も、多くの筋グリコーゲンが使われているということです。

サッカーの前半と後半を比較したとき、より筋グリコーゲン濃度が低下したのは後半で、血中乳酸濃度も低下しています。

このように、長時間続ける運動では、続ければ続けるほど乳酸はよりできないようになっているのです。

乳酸の発生が疲労であり、乳酸が発生しないことが疲労しないということになるのであれば、長時間の運動はどんどん疲労しない状態になっていくということになってしまいます。これは乳酸が疲労の原因でないことを示しています。

(参照…「通常の疲労は乳酸とは無関係」東京大学大学院 総合文化研究科 生命環境科学系 八田秀雄教授より)

このように、筋疲労については様々な要素が推定される物の、一般的な運動においては、少なくとも乳酸は原因になっていないと言うことが示されています。

ですので、乳酸が筋肉痛の原因であろうとなかろうと、乳酸対策は少なくとも筋疲労対策にはならないと考えた方が良いですし、筋肉痛対策としても弱いと言えるでしょう。

むしろ乳酸を摂取した方が筋肉のパフォーマンスが上がる

上で紹介した引用文の筆者である東大の先生は、別の研究でマウスに乳酸を飲ませながらトレーニングすると言う動物実験を行っています。その結果、飲ませなかったものよりトレーニング効果が高かったそうです。

この先生は乳酸や、乳酸の原料になる糖を事前に摂らせておくことで良い結果が得られる可能性を指摘しています。

このことは、マラソン選手などが試合に向けてカーボローディングやグリコーゲンローディングと言う、試合一週間ぐらい前から体内に糖をため込むような生活を行ってパフォーマンスを上げることの有効性を良く説明しているのではないかと思います。

このように、乳酸を排除すると言う方向での筋肉疲労対策は誤った方向性と言わざるを得ません。また筋肉痛対策としては効果の有無が不明ですので、やらなくても問題ないでしょう。

乳酸は糖が分解して作られますし、その際には酸素を必要としません。ですので、酸素の供給に関わらず、糖がたくさん分解されると乳酸は体内に増えるのです。

筋肉痛解消のための休息はじっとしているばかりではない

筋肉痛のメカニズムはまだ完全に判ったわけではありませんが、おおまかな方向性は考えられています。まず考えられるのは、筋膜の中にある筋繊維の一部に傷がついたために痛みが出ているのではないかと言う物です。

しかし、筋繊維には感覚神経はありませんので、強いて言えば筋繊維が傷んだことがそれを包む筋膜に影響して痛みが出ていると言うことになります。なお、筋膜自体が傷ついた場合、「肉離れ」と呼ばれる状態になっていて、筋肉痛とは異なる病態です。

傷がついたのなら悪化を防いで自然治癒を待つことになる

筋肉痛は、何らかの発痛物質が筋肉の中に溜まって、それが筋膜にある感覚神経を刺激して痛みを出している可能性が指摘されています。これはもしかすると1つ目の筋繊維の傷から出ているのかもしれません。

筋繊維に傷がついたにせよ、なんらかの発痛物質が筋肉内に存在しているにせよ、悪化しないように筋肉への負荷が大きくなりすぎないように注意しながら休息し、自然に治るのを待つことになります。

この休息には、おとなしくしておくと言う「消極的休息」もありますが、お風呂に入ったり、マッサージしたり、ストレッチしたりして血行を良くして改善する「積極的休息」も良い手段です。

発痛物質は筋繊維から出てくる炎症物質の可能性が高い

昔は乳酸が発痛物質ではないかと言うのが定説でした。これは酸性環境での方が筋肉や神経が刺激を受けやすいと言うこともそう考えられた理由の一つです。

しかし、運動直後には筋肉中に増えている乳酸も、筋肉痛が起こるころには通常レベルまで減ってしまっていることが判って、乳酸原因説はずいぶんと弱くなったようです。

それに代わって発痛物質ではないかと考えられているのが炎症物質です。炎症物質は筋繊維が傷ついたときに、血液成分から作り出されます。つまり上で示した原因の仮説が連動していると言う考え方ですね。

筋繊維が傷つき、そこに炎症物質が発生して痛みを出していると言う物です。その炎症物質とは次のようなものです。

ヒスタミン 免疫細胞であるマスト細胞や好塩基球から放出される
セロトニン 腸で作られ血小板に保存されていて、痛みを調節する
ブラジキニン ペプチドの一つで神経に痛みを感じさせる
プロスタグランジンE2 痛覚伝達物質でブラジキニンの働きを増強する

こうしたものが筋繊維の傷に集まってきて炎症を起こし、それが筋膜に届くために筋肉痛が発生すると言う可能性が示唆されています。このため、炎症を早く引かせるためにクールダウンや水分補給などをしっかり行うことが筋肉痛の予防につながります。

▼関連記事
運動後のケアが重要!筋肉痛の予防法と早く治すための3つの行動
筋肉痛の痛みを50%カット&回復促進できる5つの事

ストレッチの有効性は研究によってまちまち

運動の後のストレッチは疲労回復を早くしてくれて、筋肉が固くなるのを防ぐなど、運動によるパフォーマンス向上に貢献してくれるものだとこれまで考えられてきました。

しかし、筋肉疲労や筋肉痛の予防改善に関する複数の研究では、ストレッチが効果的であったとするものと、何もせずに安静に過ごしたほうが良かったとするものとか併存しています。

これはもちろん、その研究においての運動負荷やストレッチの方法などに差があったのも一因でしょう。ですから現段階では、ストレッチが筋肉痛対策として絶対に有効だとも、無効だとも断言できない状況です。

いずれ研究が進んで「どのようなタイミングで行う、どのようなストレッチが有効であるか」が明らかになる時が来るとは思いますが、それまでは自分に合ったストレッチやクールダウンの方法をつかんでおくことが望まれます。

▼関連記事
我慢せず治したい…本当に辛い「筋肉痛」を早く治す方法
筋肉痛を簡単に解消する方法があった!今から始めるストレッチ法

現在のところ、自分に合った方法を見つけておくしかないと言うのが歯がゆいですが、これまでに言われてきたことにも有効なものがありますので、上手く利用して下さい。

スポーツをする人は普段からサプリを摂っておくと予防になる

さて、こうした運動に伴う筋肉痛を予防改善すると言うことになると、何か有効な食べ物はないのであろうかと言うことが気になります。これについては研究から有望な物質がいくつか見つかっています。

筋肉はたんぱく質で構成されていますから、やはりそうした物質もたんぱく質を構成するアミノ酸やペプチドなのです。

BCAAはやはり運動パフォーマンスを上げてくれる物質だった

BCAAと言う略語はスポーツ飲料などでよく目にするかと思います。これは3つの必須アミノ酸をその特徴でまとめた呼び方です。バリン・ロイシン・イソロイシンと言うこの3つのアミノ酸は、立体構造が途中で枝分かれしています。

そのため、「分岐鎖アミノ酸」(Branched Chain Amino Acids)の頭文字を取ってBCAAと呼ばれているのです。このBCAAは筋肉を形作っているたんぱく質の内の1/3強を占める重要なものです。

このBCAAをあらかじめ継続的に摂っている人では、筋肉痛が起こりにくく、起った場合でも回復が早いと言う研究結果が得られています。ですので、スポーツを良く行う人で、筋肉痛に悩まされている人はBCAAを含んだサプリやドリンクを摂ることがお勧めですね。

サプリなどはできるだけ避けたいと言う人は食べ物から摂ることになります。乾燥したものではなくそのまま摂れる食べ物でBCAAを多く含むものには次のようなものがあります。

  • 鶏胸肉
  • 豚肉(ヒレ・もも)
  • 牛肉(ヒレ・もも)
  • 羊肉(マトン)
  • 魚卵(すじこ・かずのこ・たらこ)
  • ナチュラルチーズ(パルメザン・ゴーダ・チェダー・エダム・エメンタール)

こうしたものを普段からしっかり摂っておくことで、筋肉痛の予防改善を図ることができるのです。

但し、研究によるとあまり強い運動負荷の場合、筋肉痛の予防効果はあまり見られないようですので、筋肉痛が出てからの改善のためとして摂ることになるかも知れません。

イミダゾールジペプチドは抗疲労だけでなく抗筋肉痛効果がある

人間の物差しでは測り切れないほどの長距離を移動する、渡り鳥や回遊魚の筋力をサポートしている物質として注目を集めたイミダゾールジペプチドも、筋肉痛を予防改善すると言う研究データがあります。

イミダゾールジペプチドとして注目されているのは3種類のペプチドです。渡り鳥や鶏の胸肉に多いカルノシン、マグロの尻尾など回遊魚の赤身肉に多いアンセリン、鯨肉(ヒゲクジラ)に多いバレニンです。

このうち、実験ではカルノシンとアンセリンが用いられましたが、これを摂っていた人は筋肉痛になりにくく、なっても早く解消しているようです。

この2つのイミダゾールジペプチドは、サプリメントにもなっていますのでそちらから摂っても良いですし、食べ物から摂りたい人は鶏の胸肉やマグロやカツオの赤身(背の方)を食べると良いでしょう。

その他にも補助的に効果のある食べ物などもありますから、関連記事をご覧ください。

▼関連記事
もう筋肉痛にならない!筋肉痛を予防する食べ物と運動前後のケア
筋肉痛は5つのポイントで予防する!筋肉痛改善もできるその方法

様々な食べ物が有効だと言われていますが、やはり筋肉を作っているたんぱく質・ペプチド・アミノ酸が最もダイレクトに有効であるようですね。

筋肉痛のようで筋肉痛ではない病気がある

普段全く運動をしない人が、地域の運動会などで盛り上がってしまったと言う時などを除けば。全身に筋肉痛が出ることはあまりありません。

また、高いところから落ちたとか、自転車やバイクで転倒したと言う時にも、身体を守るため反射的に力が入って、翌日には全身筋肉痛で、事故による怪我よりひどく痛むと言うケースもあります。

しかし、そうした事もないのに全身がひどい筋肉痛のように痛むと言うのは、何らかの病気である可能性もあります。

原因不明の線維筋痛症は診断も難しい

線維筋痛症はまだ原因も完治させる方法も判っていない病気です。対症療法として痛みを抑えることのできるお薬は特定されていますので、それを使いながら痛みをコントロールしてゆくことになるでしょう。

線維筋痛症は中年以降の女性に多い病気ですが、若年性として子供にもみられる場合があります。特徴は全身に18か所ある圧痛点が11か所以上痛むと言うところにあります。これはつらいですね。その圧痛点とは次の場所です。

  • 後頭部
  • 第5-第7頚椎間前方
  • 僧帽筋の上縁中央部
  • 肩甲骨棘部の上、棘上筋起始部
  • 第2肋骨
  • 肘外側上顆の2cm手首側
  • 臀部
  • 大転子突起後部(太ももの上の端の出っぱり)
  • 内膝の上の方で脂肪が溜まるところ

この9か所の左右18か所の内、11か所以上に指で押して痛みがある場合に線維筋痛症と診断されることがあります。この病気はリウマチ性とされていますので、気になることがあった場合、リウマチ科を受診されるようにお勧めします。

他にも筋肉痛かなと勘違いされる病気や怪我はある

先にも少し触れましたが、筋繊維ではなく、それを包んでいる筋膜に損傷が及ぶと強い痛みが起こります。筋肉痛は筋肉が伸ばされてゆくときに筋肉に力を入れていると起りやすい症状です。

つまり、ベンチプレスでバーベルを持ち上げる運動では腕の筋肉痛は起こりにくいのですが、下ろしてくる運動の時には筋肉痛が起こりやすいのです。

それと同じ動作で、筋肉に力を入れている状態で、筋肉が無理に引き伸ばされると筋膜に損傷が起こって、腕にいわゆる「肉離れ」が発生します。たとえるなら、思ったよりはるかにバーベルが重かったと言うような場合ですね。

肉離れも重症になると内出血が起こって表面から見ても判る状態になることがありますが、軽い肉離れの場合、ひどい筋肉痛だと思ってしまうこともあるようです。

肉離れは脚に起こることが多く、その場合、体重をかけるだけで痛むので歩きにくくなることも少なくありません。その痛みのレベルくらいを目安に、肉離れを疑って受診しましょう。

また、病気の方では、やはりリウマチ性の物などがありますので、関連記事をご覧ください。

▼関連記事
筋肉痛が治らない?長引く筋肉痛の症状は危険な病気のサインかも

体力を使うような運動をしたわけでもないのに筋肉痛が現れることもありますが、ここに紹介したものは、すべて普通の筋肉痛より強く痛むものばかりですので、その痛みのレベルを参考にして下さい。

筋肉痛に傷み止めのお薬は充分に有効である

筋肉痛と言えばサロメチールのスプレーをイメージする人も少なくないと思います。サリチル酸メチルと言う古典的な痛み止めの成分も筋肉痛には良く効くお薬ですので、サロンパスやトクホンでも痛みを軽減しながら解消するのを待つには充分なお薬です。

一方で、インドメタシンやロキソプロフェンナトリウムなど、第二世代のNSAIDsもすっかり普及しました。もちろんこれらのお薬にも筋肉痛を軽減する効果はあります。

生活の品質を維持するために痛み止めの湿布を使う

筋肉痛があると生活がしにくくなります。ですので、痛み止めの湿布やローションなどをうまく利用して生活に出る悪影響を最小限に抑えることは有効です。

いわゆるNSAIDsとは”Non Steroidal Anti Inflammatory Drugs”(非ステロイド抗炎症薬)の頭文字をとったもので、名前の通りステロイド成分を含まない炎症止めのお薬のことです。

先にお話しした通り、筋肉痛の発痛物質は炎症に関連して傷ついた筋線維に集まってくるもので、それが筋膜に届いてその神経を刺激するために起こっていると考えられています。

ですので、その炎症を抑えることができるNSAIDsは筋肉痛に有効だといえるのです。NSAIDsには外用薬と内服薬がありますが、筋肉痛であれば副作用のリスクが低い外用薬を選ぶのがお勧めですね。

筋肉痛に使うことができる処方箋外用薬には次のような物があります。

冷湿布3-14 商品名:ラクール冷シップなど・ジェネリックのみ
インドメタシン 商品名:インテバン・複数剤型あり・ジェネリックあり
ロキソプロフェンナトリウム 商品名:ロキソニン・複数剤型あり・ジェネリックあり
フルルビプロフェン 商品名:アドフィードパップなど・ジェネリックあり
ジクロフェナクナトリウム 商品名:ボルタレンなど・複数剤型あり・ジェネリックあり
フェルビナク 商品名:セルタッチなど・複数剤型あり・ジェネリックあり
ピロキシカム 商品名:バキソ軟膏・フェルデン軟膏・ジェネリックなし
ケトプロフェン 商品名:モーラスなど・複数剤型あり・ジェネリックあり

(複数剤型ありと言うのは、分厚い湿布のパップ剤や薄い湿布のテープ剤、液状のローションや軟膏、クリーム、スプレーなどから3つ以上の剤型があるものを指しています。)

こうしたものをうまく使って、筋肉痛を「やり過ごす」と言うのも良い対処法の1つです。

ただし、一番下のケトプロフェンはちょっと注意が必要です。

副作用が少ない外用薬にもトラブルは存在している

モーラステープとして有名なこのお薬は、薬が皮膚に残った状態で太陽光を浴びると、光過敏症による重い皮膚症状と言う副作用が現れることがあります。

この筋肉痛カテゴリではありませんが、副作用カテゴリに関連情報がありますので、気になる方はそちらもどうぞ。

▼関連情報記事(別カテゴリ)
モーラステープの怖い副作用!効能より女性に知ってほしい事

また、意外に忘れがちなのがペットとの関係です。飼い主がはがしたシップや、飼い主の身体についている外用薬がペットに悪影響を及ぼしたという例もあるのです。

▼関連記事
湿布薬を使っていたら猫が死んだ!動物に危険な種類の成分もある

近頃の外用薬はよく効きますので、うまく利用して生活の品質を落とさないようにできますが、副作用には注意しておきましょうね。

筋肉痛を完全に防ぐ方法はまだ見つかっていない

このように、筋肉痛を完全に防いだり、誰の筋肉痛にでも有効な治療法と言うのはまだ見つかっていません。しかし、栄養・休養・医薬品・運動をうまく組み合わせることで予防や早期の改善は可能になります。

また、普段からあまり運動していないと、筋線維への血流が充分でないため筋肉痛が出やすくなったり、遅れてやってきたリします。筋肉痛がどのタイミングで現れるかは年齢と関係ありませんが、普段の運動習慣とは関係するようです。

あまり歩かない人がたまに長距離、特に下り坂を長時間歩いたりすると足やふくらはぎに筋肉痛が、それも一日おいてから起こったりします。そういう時は加齢を嘆くのではなく、運動不足を反省しましょう。

新着記事はこちらになります!気になる記事は要チェック!

キャラクター紹介
ページ上部に戻る