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水虫ってなぜうつるの?家族への感染を予防する家庭での水虫対策

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ジメジメ、ムシムシとした季節になると増えてくるのが水虫です。

日本人の4人に1人は水虫に感染するといわれ、感染者のほとんどは家族や同居者から感染しています。家族同士での水虫感染を予防するにはどうすれば良いのでしょうか?

水虫菌は菌というよりカビ!?

水虫の感染を予防するには水虫の原因となる白癬菌のことを正しく知っておく必要があります。白癬菌は菌という名前がついていますが、一般的な細菌とは異なり、菌というよりカビ(真菌)と考えたほうが正しいです。

では細菌とカビとでは何が違うのかというと、それは菌の構造と増え方です。細菌は1つの細胞が単体でできていて細胞分裂を繰り返しながら増殖します。

一方、カビは細胞同士が役割を持って結合している多細胞生物で、菌糸という根っこにあたる部分を伸ばしながら大きくなっていきます。

またカビは多細胞の構造なので、少なくとも細菌よりも10倍以上の大きさになります。水虫の感染予防において、細菌とカビの違いを理解することはとても重要です。

細菌とカビ(真菌)の違い

  • 細菌:単細胞。細胞分裂によって増殖する。
  • カビ:多細胞で菌糸(根)を伸ばし増殖する。大きさは細菌の少なくとも10倍以上。

白癬菌の正体、カビの特徴は水で簡単には流せない!

細菌もカビも同じようなものではないかと考える人がいるかもしれませんが、細菌は大きさが小さく単細胞なので、たとえ皮膚の表面に付着したとしても、石鹸などで手を洗えばほとんどの細菌は流されて、人の手に残るのはごくわずかです。

一方、カビの場合は一旦皮膚に付着すると菌糸という足を出して皮膚の表面に食い込み根を張ります。大きさも細胞の10倍以上である程度しっかりした構造をしているので、水で洗ったくらいでは、ほとんど流されることはありません。

一度水虫にかかるとそう簡単に治らないのは、水虫を引き起こす白癬菌がカビの性質を持っていることにあるといえるのです。

白癬菌のエサは何?大好物はなんと角質

ところで水虫の原因となる白癬菌は何をエサとして生きているのでしょうか?水虫の場合で考えると、白癬菌は主に人や動物の皮膚やアカをエサにして生きています。

皮膚といっても正確には、皮膚の一番外側にある角質をエサにしています。角質はケラチンというたんぱく質でできていて、白癬菌の大好物なのです。

角質は時間が経てばアカとなって剥がれ落ちますが、その分、新しい角質も作られますから、白癬菌は新しい角質をエサにしてどんどん大きく、拡がっていくので、なかなか治らないのです。

水虫はなぜうつるのか?

では、そもそも人はなぜ水虫になるのでしょうか?生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚には、水虫はおろか白癬菌の1つも存在していません。そして体の中から白癬菌がわいて出てくるということもありません。

ところが、誰しもいつのまにか水虫にかかってしまうのは、すでに水虫に感染している他の人の白癬菌が何かを介してうつるから、水虫になるわけです。

これは当たり前かもしれませんが、水虫はアレルギーのような内因性の皮膚病とは異なり、あくまでも他から原因菌がうつって発症する感染症だということを理解しておきましょう。

水虫はどこからうつるのか?様々な感染経路3つ

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では水虫はどうやって人へうつるのでしょう?人の足に感染する水虫の場合、感染経路は3つ考えられます。

1.地面から人へ

さきほど白癬菌は人のアカをエサにして増殖するといいましたが、人のアカは主にたんぱく質でできていますから、たんぱく質のような培養地があれば増殖できます。ですから白癬菌は有機物のある土の中ならどこでも生きられます。

裸足で地面を歩いたり、靴の中に土や泥が入り込むような状況があれば、土から人へ白癬菌が感染することも十分あり得ます。例えば農業や土木のような土に触れる機会が多い職業の人の場合は土を媒介して水虫がうつる可能性もあります。

2.人から人へ

白癬菌が最もうつりやすいのは、やはり人から人への感染です。足の水虫の場合、水虫の人の足のアカと一緒に剥がれ落ちた白癬菌を、他の誰かが何かの拍子で踏んでしまったときに白癬菌は見事に人から人へうつるということになります。

3.ペットから人へ

ペットを飼っている人の場合、白癬菌の感染経路として最も忘れがちなのがペットから人へ感染です。

人間が裸足で地べたを歩き回ることはあまりないと思いますが、犬や猫のように家の外へ出て足を直接土につけるような動物の場合、家の外から白癬菌を室内に運び入れてくる場合も考えられます。

またペットが家の中で床などに付着した白癬菌を家中に拡散させている場合もありますし、ペット自体にも白癬菌が住み着いている場合もあります。人の皮膚も動物の皮膚も白癬菌が大好物のエサであることに変わりはないのです。

白癬菌の感染が拡大する!要因2つ

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白癬菌の特徴や水虫は感染症だということはご理解いただけたかと思いますが、水虫が感染を拡大するとても重要なポイントが2つありますのでご紹介します。

1.水虫はかゆくない!?感染に気付かないという落とし穴

水虫になると足がかゆくなる、という人は多いと思いますが、実は水虫になったからといって必ずしもかゆみの症状が起こるとは限らないのです。水虫にかかっている人でかゆみを感じる人はせいぜい10%くらいです。

白癬菌が皮膚表面の角質層にいるときにはかゆみはおこりません。白癬菌の繁殖が拡大して角質層の次に深い部分にある顆粒層に入り込んだときに、ケモカインという物質が作られることで初めてかゆみを感じる仕組みになっています。

ですから水虫が角質層にとどまっている限り、かゆみの症状は全く起こりません。

人が水虫の治療をしようと思うのは、足がかゆくなって不快な気持ちになるからだと思います。たとえ白癬菌に感染していても、かゆみという不快な刺激がないとすれば、慌てて治療しようとは思わない人のほうが普通かもしれません。

仮に水虫になっていても、かゆみがない状態が続けば治療が遅れ、その間に白癬菌は様々な感染経路を通じて感染源の人から他の人へ、次々とうつっていく、ということになります。

かゆみの症状が生じないということは、白癬菌が他の人に感染するための時間的な猶予になっているということなのです。

2.白癬菌のしぶとい生命力!白癬菌を踏んだら乾癬してしまう

細菌の場合、温度や湿度にもよりますが、せいぜい半日、コンディションによっては2~3時間で死滅します。例えば、感染力が強いインフルエンザウイルスの場合でもせいぜい5~6時間で死滅します。

一方、白癬菌は細菌ではなく真菌として進化しているので、エサさえあれば1週間程度は生きていられます。皮膚の中にいる白癬菌はアカとなってはがれ落ちたとしても、はがれたアカの角質を食べながら1週間くらい生き続けるのです。

その間に次の感染先を見つけるのです。白癬菌が付着したアカを他の人がうっかり踏んでしまえば、白癬菌を踏んだ人の足にくっついて新たに根っこをはってしまいます。このような感染が起こる可能性が最も高いのが一つ屋根の下に住む家族です。

家庭間で感染を起こしやすい場所TOP3

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白癬菌は高温多湿の環境を好んで繁殖します。温度が15℃以上、湿度が70%以上の環境になると急激に活動しはじめ感染が拡大していきます。

梅雨から初夏にかけての時期に水虫の症状が起こりやすいのは、気温と湿度が水虫にとって好都合な環境が整いやすいからです。

また家庭内においても、温度と湿度が高くなりやすい場所では、水虫菌の活動が活発になるので注意しなければいけません。

1.浴室

浴室は家の中でも最も温度や湿度が高くなりやすいので、白癬菌にとっては好都合な繁殖場所です。特にお風呂の足ふきマットを共有していると、足のアカがマットに落ち、それを介して家族に感染します。

ですので、水虫の人だけは専用の足ふきマットを使うようにしたり、自分専用の乾いたタオルで足をふくようにする、というような工夫をすることで家族への感染が防げます。

またお風呂の足ふきマットは床に置きっぱなしにせず、使うときだけ敷き、使い終わったらタオル掛けなどに掛けて乾燥させるようにするとマットの湿度が下がり、白癬菌の活動が抑えられます。

お風呂に入る順番を変える方法もあります。水虫の人は一番最後にお風呂に入るようにすれば、バスマットを使う順番が後なるので感染を防げます。

その他に注意がすることは、バスマットを天日で干せば白癬菌が殺菌されると思っている人が多いのですが、白癬菌はバスマットを天日干ししたくらいでは死にません。バスマットを何枚か用意して毎日洗い、白癬菌を洗い流すようにしたほうが感染予防の効果は高くなります。

こうした様々な工夫をすることで、水虫が家族間感染することを防ぐことができます。

2.スリッパ

スリッパも家族で共有すると白癬菌がうつる原因になります。スリッパは共同で使わず、家族それぞれが専用のものを使うようにしましょう。

特にトイレのスリッパが共同使いになっている家庭が多いので、できるだけ別にしたり、水虫の人は専用のスリッパを使うようにしましょう。

3.床

床は、フローリング、たたみ、カーペット、絨毯など床の素材に関わらず、歩くところは、すべて感染を媒介する可能性が高いといえます。床はとにかくこまめに掃除することとお風呂上りなど濡れた足で歩かないことが予防によって大事です。

また室内での靴下やストッキングは履きっぱなしにしないようにしましょう。靴下やストッキングを履きっぱなしでいると足の湿度が高くなり白癬菌の活動が活発になり感染しやすくなります。

室内では裸足で過ごしましょう。自分専用の通気性の良いスリッパを履くようにして、床に直接足が触れないようすればベストです。

いくら水虫の治療をしても感染源に無頓着だと治ってもすぐに感染するので、根本的に水虫を退治することにはつながらないのです。

家庭以外の意外な感染経路

家庭以外でも水虫が感染する場所は意外と多いものです。

  • 共同浴場
  • サウナ
  • スパ
  • プール
  • スポーツジム
  • 料理店などの小上がり

など、生活する上でのあらゆるシーンで水虫がうつる可能性は多分にあるのです。

家族感染を予防する最善の方法は靴から考える

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白癬菌は条件が整えば体のどの部分でも繁殖します。頭にできれば、しらくも、体にできればたむし、股部であればいんきんたむし、というように名前は変わりますが、全て同じ白癬菌が原因で起こる病気です。

でも白癬菌が原因で起こる病気で最も多いのは、やはり足の水虫です。それは人が生活する中で、靴の中が最も高温多湿の状態が長くなり、白癬菌が繁殖する条件が整いやすいからです。

感染防止で注目すべきは一日中はきっぱなしの靴!

男女に関わらず白癬菌が最も繁殖する場所は靴の中です。靴は朝家を出るときから帰宅するまで、基本的には1日履きっぱなしになります。

さらに靴下やストッキングを履くことによって、靴の中の湿度と温度は中だの中で最も高くなり、白癬菌にとっては最も住み心地の良い、絶好の繁殖場所になるわけです。

ほとんどの人は帰宅して靴を脱いで家にあがることが習慣になっているのですが、水虫菌の感染予防のために最も重要なのは、玄関で靴を脱いだときです。

水虫は靴の中で最も繁殖することから考えると、水虫の家庭内感染を防ぐために最も重要だといえるのは、靴の中で繁殖した水虫菌をできる限り家の中に入れない、ということです。

感染したのが家であっても別の場所であっても、1日靴を履いて活動し、白癬菌が最も増殖した状態となるのは、帰宅して家に上がるときなのです。

家の外から持ち込まれた白癬菌や、靴の中で増殖した白癬菌をできる限り家の中に入れないように、玄関先でくい止めるということが最も効果的な感染の予防法です。

こうすることによって、家の中で角質が剥がれ落ちることを予防することができ、根本的に家族間感染を防ぐことができるのです。

ですから感染している人は家に上がる前に玄関先で水にぬらしたタオルなどでしっかりと足を拭いてから家に上がるようにすることです。できれば家族全員で行ったほうが予防効果も高いといえます。

もちろん男性だけではなく、女性の靴も白癬菌の格好の住みかです。水虫菌は高温多湿になりやすい靴の中で活動が活発になり繁殖します。

さらに靴を履くときは靴下や女性であればストッキングなどを履くため、水虫菌にとっては格好の住みかになっています。

ある実験では家に上がる前に水を含んだタオルで足を拭くと、足のアカと一緒に室内に落ちる水虫菌は約80%も減少するというデータがあります。

これは足を水を含んだタオルで拭くことによって白癬菌も足のアカと一緒にふき取ることができるからです。

このように家族間感染を防ぐためには、水虫菌をできるだけ家に入れないことが大切です。

白癬菌が感染するまでの12時間以内に対処すべし

家庭内での予防に取り組んでも、何かのきっかけで白癬菌が足に付着してしまうことは避けられないかもしれません。白癬菌が足についたとしても、完全に感染するまでにはすくなくとも12時間くらいかかるといわれています。

せめて半日の時間がかかりますから、この間に白癬菌を拭き取るなどの対処をすれば良いのです。こまめに足を拭いたり、ウエットティッシュなどを使い足を拭くことができれば、水虫菌の感染は防げます。

細菌とカビのエサ(皮膚)をめぐる戦いに気を付けよう

人間の皮膚には白癬菌だけでなくたくさんの細菌が住んでいます。皮膚の角質は白癬菌のエサになっているだけではなく、細菌のエサにもなっています。実は皮膚の中では、皮膚というエサをめぐって白癬菌と細菌とが縄張り争いを繰り広げています。

もし白癬菌よりも他の細菌の方が生命力が強かったり、エサを獲得するのが上手だったりすれば、白癬菌はエサ場から追い出されて死んでしまいます。

細菌は単細胞ですから生命力の点から考えるとカビよりもずっと小さく弱い構造をしています。ですから、皮膚の中に住む細菌を殺しすぎると白癬菌の縄張りが大きくなり、水虫が治らないどころか増えていくことになるのです。

体を清潔にすることは良いことなのですが、度が過ぎれば皮膚の表面の細菌とカビとのバランスが崩れてかえって、水虫がはびこる原因になってしまうのです。

その加減が難しいところですが、難しいからこそ水虫はなかなか治らないのです。あきらめずに色々と試して自分流の水虫予防策を見つけることが大事です。

水虫は家庭内で家族間感染するリスクが高いわけですが、その感染経路を良く調べてみると、実に様々な経路をたどっています。

家の中で注意することに加え、家の外から持ち込まないようにすることにも注意して家族間感染を防ぐようにしましょう。

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