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メタボ解消!痩せるホルモンGLP-1のダイエット方法でデブ卒業

GLP-1と言うホルモンが話題になったのは2010年ごろでした。そのころは新しいタイプの糖尿病治療薬として、GLP-1受容体に働きかけるお薬が承認されたからです。

そして、2014年にはアメリカでこのお薬が「抗肥満薬」として承認されたため、一躍注目を集めるようになりました。日本ではまだ、肥満治療については承認されていません。

でも、もともと体内で分泌されるホルモンなので、それを促進する方法があれば、肥満解消法として有効である可能性は高いですよね。

今回はGLP-1と言うホルモンについて、メタボ解消のためにどう利用できるのか?というお話をしましょう。

GLP-1を飲んだり食べたりしても意味がない!そもそもGLP-1の働きとは?

GLP-1は多くの動物にも存在しています。だったら、多く含むものを食べればいいじゃないかと思われるかもしれませんね。しかし、GLP-1を食べることにあまり意味はありません。

GLP-1はGlucagon Like Peptide-1(グルカゴン様ペプチド-1)の略号です。ペプチドと言うのは、アミノ酸数が少ない、短いたんぱく質と考えてもらえれば差し支えありません。

つまり、GLP-1自体を口から摂ってもすぐに消化分解されてしまって、吸収されるときには栄養成分のアミノ酸としての効果しか存在しないのです。

GLP-1とはどんな働きを持っているホルモンなのか

GLP-1のGが示すグルカゴンと言うのは、やはりペプチドホルモンの一種で、主に膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されます。血糖値を下げることで有名なインスリンとペアで働くホルモンで、グルカゴンの方は血糖値を上げる方向に働いています。

このことから想像できるでしょうが、インスリンもやはりペプチドホルモンなので内服薬にはできません。飲んでも消化されるだけなのです。だから重い糖尿病の人はインスリンの自己注射を行うのです。

そしてこのGLP-1についても毎日自分で打つ自己注射薬が承認されています。週1回タイプのものも存在しているようですね。つまり、もし日本で肥満の対策についてGLP-1が承認されたとしても、自分で注射する必要があるのです。

また、先行してアメリカで承認されている抗肥満薬としてのGLP-1も、対象が「肥満による合併症が複数存在する患者」に限られていますから、ダイエット目的で使えるようなものではないのです。

さて、このGLP-1の働きですが、一番はインスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制するというものです。つまり血糖値を抑える方向で働くホルモンなのです。ですから糖尿病に治療薬として活躍しているわけです。

次に、GLP-1は胃の内容物を十二指腸に送り込むスピードをゆっくりにします。つまり消化の速度を下げるということになりますね。

口から食べたものは、胃で強力な胃酸と混ぜ合わされ、細菌やウイルスなどを殺菌すると同時にたんぱく質を一部消化する働きを持っています。また、脂質などが多い場合は腸での消化に時間がかかるため、胃からの排出速度を調節して消化の調節を行います。

脂質がたくさん十二指腸に送り込まれると、それを感知した十二指腸からは、胃に対して食べ物の送りこみをゆっくりにするような指令が出されます。そうやって脂質の消化のコントロールも行われるのです。

これにGLP-1による影響がかかわっているのかどうかは未知数ですが、GLP-1が分泌されると消化がゆっくりになるため、「腹持ち」が良くなって食事の総量が抑えられる可能性は充分にあります。

GLP-1は血糖値を上げる糖質だけではなく、脂質が多く含まれたものが小腸下部に届くと、小腸下部や大腸にたくさん存在するL細胞から分泌されます。

しかし、GLP-1の分泌はそこに届く前から起こるので、まだ未知のスイッチがどこかにある可能性が考えられています。

その他、GLP-1は中枢神経系に働きかけて、食欲を抑える効果があることもわかっています。また、中性脂肪の合成を抑える働きから、肥満を抑制できるのではないかとも考えられているようですね。

お薬のGLP-1は体内で分泌されるものとは少し違う

GLP-1製剤として使われているものは、「アナログ製剤」と言って、GLP-1の働きを模倣し、同時にGLP-1そのものよりも人間に取って便利なように改造された物質です。

良く判る例として、インスリン注射でもインスリンアナログが用いられています。これはインスリン注射の効いている時間を設定するためにいろいろなものがあるのです。

ゆっくり効いて、ほとんど一日中有効な持続型から、打ってすぐに効くため食事の直前にも使えるけれど持続時間が短い超即効型まで、様々なものがあります。

GLP-1は、まだそれほどたくさんの種類があるわけではなく、日本国内では2016年11月現在で4種類が上市されているだけです。糖尿病の治療薬としてどれが用いられるかはお医者さんの判断によります。

アメリカで複数の合併症をもつ肥満症の患者に投与される抗肥満薬はリラグルチド(商品名:ビクトーザ皮下注18mg・ジェネリックなし)、です。

このように、GLP-1は肥満に対する効果が期待されるものではありますが、糖尿病治療以外の部分では、まだまだ判っていない部分が少なくないのです。

GLP-1を分泌させる脂肪酸は具体的にどんな食べ物に含まれているの?

脂質を投与するとGLP-1の分泌が多くなることは様々な研究から明らかになっています。そこでは脂質が直接GLP-1の分泌を促進するのではなく、Gタンパク質共役受容体と言うホルモンなどを受け取る物質の1つが関与しています。

それはGPR120と名付けられた脂質センサーの1つで、主に小腸下部から大腸にかけて分布しています。これに脂肪酸が反応すると活性化され、GLP-1の分泌を促すのです。

GLP-1は「健康に良い脂肪酸」だけが分泌させるのではない

テレビの健康バラエティなどを見ていると、EPAやDHA、αリノレン酸などがGLP-1の分泌を促すといった情報が得られます。もちろんこれは事実ですが、そうした脂肪酸だけがGLP-1を分泌されるのではありません。

われわれはマウス及びヒトのゲノムDNAからオーファンGPCRとしてGPR120を単離した。また、受容体のインターナライゼーションアッセイにより、その内因性リガンドが中、長鎖の遊離脂肪酸であることを同定した。

GPR120はC16~22の不飽和脂肪酸、及びC14~18の飽和脂肪酸により活性化される。

(オーファンGPCR:何と特異的に結びつくのかがまだ判っていないGタンパク質共役受容体・インターナライゼーションアッセイ:取り込みについての解析・リガンド:受容体に結びつく物質)

論文の一部なので難しい言葉が並んでいますが、要するにGPR-120は炭素数14~18の飽和脂肪酸と、炭素数16~22の不飽和脂肪酸によって活性化され、GLP-1の分泌を招くということです。

ではこの脂肪酸には具体的にどんなものがあるのかを見てみましょう。

C18:1のような表記は、炭素数が18で不飽和結合が1か所であることを示しています。また、不飽和脂肪酸はω-3などの分類や、全体としてどんな食べ物に多いのかの例も併記しておきます。

分類 数値表現 慣用名 多く含まれる食べ物
飽和 C14:0 ミリスチン酸 パーム油
バター
クジラ皮
生クリーム
飽和 C16:0 パルミチン酸 パーム油
バター牛脂
ラード
飽和 C18:0 ステアリン酸 牛脂
ラード
ホワイトチョコレート
ミルクチョコレート
ω-7 C16:1 パルミトレイン酸 マカダミアナッツ
牛脂身
クジラ皮
鶏皮
ω-9 C18:1 オレイン酸 ハイオレイック食用油
オリーブオイル
キャノーラ油
椿油
ω-6 C18:2 リノール酸 ハイリノール食用油
グレープシードオイル
綿実油
コーン油
ω-3 C18:3 αリノレン酸 エゴマ油
亜麻仁油
クルミ
ω-6 C20:2 アラキドン酸 豚スモークレバー
卵黄
からすみ
豚腎臓
ω-3 C20:5 エイコサペンタエン酸
(EPA)
クジラ皮
アンキモ
さば
いくら
ω-3 C22:6 ドコサヘキサエン酸
(DHA)
アンキモ
クジラ皮
まぐろ腹身
さば

ここにはメジャーな脂肪酸だけを紹介していますので、もっと詳しく知りたい方は、最新の日本食品標準成分表を見て下さい。

EPA・DHAはGPR120に抗炎症作用を持たせる

上の研究では、GLP-1の分泌に関してGPR120が活性化されるためには、多くの脂肪酸がかかわっていることが判りましたが、別の研究では、非常に興味深い結果が得られています。

・脂肪酸は炎症反応を調節する内因性リガンドとして機能することができるが、すべての脂肪酸が同じように機能するわけではない。

 一般に、飽和脂肪酸は炎症誘導性であり、不飽和脂肪酸は弱い炎症誘導性または中性であり、ω-3不飽和脂肪酸は抗炎症性であり得る。

・GPR120はGαq/ 11結合レセプターであり、腸内分泌L細胞において発現されるので、このレセプターにおける過去の関心は、L細胞GLP-1分泌を刺激する潜在能力に集中している。

・我々はω-3不飽和脂肪酸のDHAおよびEPAがGPR120のリガンドであることを見出した。 ω-3不飽和脂肪酸は、マクロファージにおいて強力な抗炎症効果を発揮する。

(今回の内容に関連する部分を抜粋翻訳しています。詳細は全文をご覧下さい。)

これはどういうことかと言うと、いろんな脂肪酸がGPR120を活性化させGLP-1の分泌を促すが、インスリン抵抗性などにかかわる炎症に関して見た場合、脂肪酸の種類によってGPR120の働き方が変わるということです。

そして、飽和脂肪酸や一部の不飽和脂肪酸(おそらくω-6)では炎症を起こす方向に働き、一部の不飽和脂肪酸(おそらくω-7や9など)は炎症に関与せず、ω-3不飽和脂肪酸は炎症を抑制する方向に働くのです。

炎症に関しては中性脂肪の蓄積にかかわる部分で、肥満にはよくない方向で働きますから、GLP-1はω-3不飽和脂肪酸で分泌を促すのが好ましいと考えられたのでしょう。

ω-3不飽和脂肪酸が健康に良いのは言うまでもありませんが、オレイン酸のようなω-9もGLP-1について考える場合、同じように有効と言えるでしょう。炎症にかかわらないのですから糖尿病リスクにも関係しないわけですしね。

GLP-1は体内に長く存在してくれないホルモンなので分泌させ続けることが大事

実はGLP-1と言うホルモンは、分泌されてから1~2分で分解されてしまうホルモンですので、一度分泌されたら肥満が簡単に解消するというものではありません。なぜそんなに短時間で分解されてしまうかと言う理由は判っていません。

糖尿病の治療薬の中には、このGLP-1を分解するジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)の働きを抑え込むものがあります。DPP-4はその名の中にペプチターゼと言う言葉が含まれていますね。

ペプチターゼは、たんぱく質やペプチドからアミノ酸を切り出す働きのある酵素です。

GLP-1を長く働かせるには分泌させ続けること

DPP-4はGLP-1の末端からアミノ酸を2個切り取って、ホルモンとしての働きを失わせます。糖尿病のお薬では、このDPP-4の働きを抑え込むことで、GLP-1を長く働かせ続けるようにして、インスリンの分泌を継続させるようになっています。

しかし、糖尿病の患者ではない人がGLP-1を利用してメタボ解消を狙うのであれば、GLP-1が長時間分泌され続けるようにするしかありませんね。

GLP-1を分泌させるGPR120は先にお話ししたように小腸下部や大腸の細胞に発現しています。一方、舌の上にある味蕾の表面細胞にも発現していることが判っているので、脂質を含んだ食べ物を口に入れると、GLP-1が分泌されるきっかけになります。

これはあくまで可能性の話ですが、例えばEPAなどを多く含むサバの缶詰を口に入れ、すぐに飲み込んでしまうのと良く噛んでから飲み込むのとでは、口の中でGPR120が脂肪酸に触れる時間が変わってきますね。

1~2分で分解されてしまうと言うGLP-1の性質を考えた場合、この少しの時間差が意外に大きくなるかも知れません。さらに、良く噛んで食べると食事の時間がその分長くなりますので、小腸下部や大腸を脂肪酸が通過する時間も長くなります。

ですので、食事はよく噛んで、ゆっくり時間をかけて食べることがGLP-1による効果を高めると言えるでしょう。

DPP-4を邪魔する食べ物はないのか

糖尿病のお薬にαーグルコシターゼ阻害薬と言うものがあります。これはでんぷんが分解されたマルターゼが、最終的にブドウ糖に分解されることを邪魔して、血糖値を上げないようにするお薬です。

そして、最近トクホの飲み物などによく配合されている難消化性デキストリンにも、このαグルコシターゼ阻害作用があるので、血糖値の上昇を緩やかにする効果があるという訳です。

では同じ糖尿病のお薬にDPP-4阻害薬があるなら、食べ物の中にDPP-4阻害作用を持つものがないのかと言うことが気になりますよね。もしあったら、同じようにGLP-1が分解される時間を伸ばしてくれることになるでしょう。

実は、一応候補になるものは見つかっています。ただ、それを食べ物として摂った場合に、どのくらいGLP-1の活性維持時間を伸ばしてくれるのかと言う研究は見当たりませんでした。

参考までに紹介しておくと、それはゼインと言う穀物たんぱく質の1つでトウモロコシに含まれているものです。アミノ酸組成的に見た場合、必須アミノ酸の含有量はそれほど高くなく、栄養価の高いものではありません。

血糖値を下げるだけではなく、食欲を抑え、中性脂肪の合成を抑えるという、メタボ解消に期待が持てるGLP-1ですが、こう言う弱点もあるのですね。

食物繊維とGLP-1の関係

食物繊維は胃や小腸では消化酵素による分解を受けず、そのまま大腸に送り込まれて、そこで腸内細菌による発酵を受けます。その時の代謝産物が短鎖脂肪酸で、それがGPR120を刺激してGLP-1の分泌を促します。

つまり、食物繊維は肥満防止に積極的にかかわってくれることが、この働きの部分でも期待できると言うことなのです。一方、食物繊維はその種類によって発酵されやすさが異なります。

栄養成分分析で0kcal/gと表示されるものは、25%未満の発酵率しかありませんからあまり効果が期待できません。寒天やキサンタンガム、セルロース、サイリウムハスクなどがこれに当たります。

一方、75%以上の発酵率があるものは2kcal/gと表示されます。グアーガムや湿熱処理で作られたレジスタントスターチ、小麦胚芽などがこれに当たります。その中間で半分前後が発酵されるものは1kcal/gと表示されます。

難消化性デキストリンやアラビアガムがこれに当たります。いずれにせよ、他の働きで体に貢献してくれる要素もありますから、食物繊維はしっかり摂って下さい。

乳酸菌とGLP-1の関係は今のところ未知数

海外での研究で、遺伝子操作を行ってGLP-1の分泌を促す乳酸菌の作成に成功したという発表があったのは2015年初頭でした。

このことから、将来的にプロバイオティクスで糖尿病治療が行われる可能性が開けたということで注目を集めたようです。

ただ、その段階ではまだラットによる動物実験でしたので、人間での臨床研究に使えるようになるにはもう少し時間がかかるでしょう。

さて、先の食物繊維のお話で腸内細菌によって発酵した食物繊維から短鎖脂肪酸が生まれるというお話をしましたが、短鎖脂肪酸と言うのは一般的に、酢酸・酪酸・プロピオン酸のことを指します。

ならば、ヘテロ乳酸発酵をする菌のうち、ビフィズス菌のように乳酸と同時に酢酸を生む乳酸菌はGLP-1の分泌を促してくれないのでしょうか。残念ながら研究データは見当たりませんでしたが、もしかすると可能性はゼロではないかもしれません。

そして、酢酸と言えば食酢ですが、酸っぱい味を舌で感じるということにも、好ましい影響が想像できなくもないでしょう。昔からお酢で痩せられるって言いますからね。

ここまで読んでいただいて気づいた方も多いと思いますが、GLP-1でメタボを解消するには、健康的な生活をするということとほとんど同義語なんです。

でも、読んで損したとは思わないで下さいね。これまでに言われてきた健康的な食生活と言うものに、さらに真実味が加わったということですので、安心して「健康的な食生活」を続けて下さい。

GLP-1は健康的な食生活で利用できるお得効果

GLP-1の分泌を利用してメタボの予防改善を行い、血糖値も安定させるということを求めるには次のような食生活がキーになります。

  • EPAやDHAを含む青魚を積極的に食べる
  • ゆっくりよく噛んで食事をする
  • 食物繊維をしっかり摂る
  • オレイン酸をうまく利用しよう
  • トウモロコシも悪くないかもしれない
  • ヨーグルトにも可能性はある
  • 酢の物も悪くない

上の3つはかなり期待できる効果です。残りは他の健康効果と合わせて食生活に組み込んでも良いと思われるものです。

GLP-1は魔法のホルモンではありません。やはり基本はよりよい食生活なのですね。

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