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メタボ対策の食事に漬物!乳酸菌が体脂肪を減らし動脈硬化を防ぐ

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共役リノール酸(きょうやく りのーる さん)と言う脂肪酸があります。身体に悪いと言われるトランス体であることも多い脂肪酸なのですが、意外にも身体に悪いどころか、好ましい影響が観察されています。

その好ましい影響とは、ずばり体脂肪率の低下なのです。メタボに悩む皆さん、注目ですよ。

共役って何?まずはリノール酸についてちょっと詳しく見てみましょう

本来は分子の中で原子が結合している状況において、電子がどのようにふるまうかのことなんですが、ちょっと判りにくいので、リノール酸の中の話に絞って説明しますね。

リノール酸はω(オメガ)6不飽和脂肪酸と呼ばれていて、分子の中に2か所の二重(不飽和)結合があることはご存知の方も多いでしょう。

二重結合と単結合

必須脂肪酸でありながら、最近では摂りすぎが問題になっているリノール酸。これは18個の炭素がずらっと並んで、そのわきに水素がくっついた一本の鎖のような形をしています。

脂肪酸として脂肪を構成する部品になる際に、グリセリンと結びつく側と反対側から数えて6番目の炭素同士の結合が最初の二重結合になっていることからω6不飽和脂肪酸と呼ばれているんですね。

リノール酸には2か所の二重結合があります。もう一つは、普通9番目の結合が二重結合になっています。つまり、-10=9-8-7=6-(数字は○個目の炭素、-は単結合、=は二重結合)と言う形ですね。

慣例として、グリセリンと結びつく側を左に持ってくるので、数字の並びが逆になるのはご容赦ください。

一方、共役リノール酸の場合3パターンあります。トランス型とシス型の違いは省略して説明しますね。

a) -8=7-6=5-

b) -9=8-7=6-

c) -10=9-8=7-

この3種類です。ご覧のとおり、単結合と二重結合が交互に出てきていますね。これを共役と呼んでいるのです。そして、上下の二つはω5位とω7位で始まっていますが、すべて共役リノール酸です。

共役リノール酸の働き

共役リノール酸が体脂肪率を低下させると言うお話を最初にしましたが、実はちょっと変わった数値が現れています。例えば2001年に北欧最古の大学、スウェーデンのウプサラ大学で行われた研究です。

この研究には23歳から63歳までの健康な男女53名が参加しています。この人たちを2つのグループに分け、片方には毎日4.2gの共役リノール酸を、もう一方には同じ量に相当するオリーブオイルを摂ってもらいました。

12週間後、共役リノール酸を摂っていたグループの方は対照群に比べて体脂肪率が3.8%低くなったと言う結果が得られています。

ここまでならダイエット効果があるのかなと思うところなのですが、実は体重や腹囲などは全く変わっていなかったそうです。つまり、体重そのままで体脂肪率だけダウンしたと言うことなのです。

同様の研究結果は同じ北欧のノルウェーにある臨床研究所でも得られています。さらにノルウェーの研究では過体重(BMI=25~30)の人において、最も効果があったとしています。

また、摂取する共役リノール酸の量ですが、毎日1.4gと言うのが効果が明らかであった最少量ですが、0.9gの場合でも、ある程度の効果は期待できそうな状態ではあったと言うことです。

そして、ギリシャの研究でも同じ効果が得られていますが、北欧の研究ではそれほど影響が出なかったHDLコレステロールが、共役リノール酸の投与開始初期に減少したと言う、ややネガティブな現象が観測されています。

いずれの研究においても、体重や腹囲の他、血糖値など肥満・過体重によって影響される他の指標には影響が出なかったと言うことです。純粋に体脂肪だけを減らしてくれるようですね。

共役リノール酸は食事で摂ろう!・・・でもちょっと難しそう?

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共役リノール酸は人間の代謝系の中ではほとんど作られません。そうなってくると食べ物から摂ると言うことになるのですが、どんなものに多く含まれているのでしょう。

ヒントは最初にお話ししたトランス型脂肪酸にありました。実は天然に存在するトランス型脂肪酸で、私たちに最もなじみが深いのが共役リノール酸とtrans-バクセン酸なのです。

いずれもトランス型脂肪酸でありながら、天然由来の成分で身体への悪影響はないとされています。そして、そのいずれもが反芻動物の体内で作られているものなのです。

反芻動物と言えば牛に羊

そこで牛肉と羊肉、牛乳やバターに注目してみましょう。参考までに他の食べ物も含めて比べます。100gあたりどの程度含まれているかと言うと…

  • 牛もも肉:0.51mg
  • 羊もも肉:0.83mg
  • 豚もも肉:0.11mg
  • 鶏もも肉:0.17mg
  • 牛乳:0.21mg
  • バター:3.8mg
  • 練乳:0.56mg
  • ナチュラルチーズ:1.18mg
  • プロセスチーズ:1.30mg

こうして見てみると、やはり反芻動物である牛や羊は、そうではない豚や鶏より多く含んでいます。しかし、グラム単位で共役リノール酸を摂るのは不可能ですね。

最も多く含んでいるプロセスチーズでも、先の研究で使われた中で効果の明らかだった最も少ない量の1.4gを摂ろうと思うと毎日100kg以上食べる必要が出てきます。

ならばサプリメントを

脂肪燃焼効果をうたったサプリメントはたくさん出ています。日本の有名油脂メーカーから出ているものは、一日量で1.35~2.025g程度となっています。

仮に1.8g/日とした場合で、30日分8000円余り、一日にして270円弱と言う価格設定でした。

一方、アメリカの有名サプリメーカーの物も見てみると、一日量2.4gで60日分4362円、一日にして73円弱ですね。もっと割引もあるようです。

さすがのサプリ大国アメリカですが、国産ほどの含有量の精度が求められるかと言うと、少ないだけでなく多すぎる可能性も含めて、ちょっと不安な部分があるかもしれません。

共役リノール酸の副作用

共役リノール酸は、食品中のものはもちろん、医療用の高品質のものならグラム単位の高用量でも安全性が高いようです。いくつかの実験観察によると一日当たり3g~6g程度であれば安全だったと言う報告もあります。

妊娠授乳中の安全性も高いようです。食べ物に含まれる量であればもちろん、きちんと医療用の品質と量であればそれ以上の量であっても問題ないことが示唆されています。

一方、全く副作用がないわけではなく、便秘や下痢、軟便などの副作用は報告されています。脂肪酸ですからこうした副作用があっても不思議ではありませんね。

さらに、稀な例ですが、肝機能障害をもたらした例の報告もあります。理論上の仮説ですが、共役リノール酸はビタミンAの肝臓への貯蔵を増加させる可能性があります。

ビタミンAを過剰摂取すると肝臓障害が起きることもありますので、滅多にないこととは言え身体が異様にだるいとか、黄疸が出たとかの症状には注意しておきましょうね。

食べ物やサプリで摂れないなら!漬物を食べて腸内細菌に活躍してもらおう

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サプリや医薬品はあまり利用したくないけど、「人間が体内で合成できない」「食べ物からはあまり摂れない」となると、お約束の第三のルートがありますね。

そう、腸内細菌に活躍してもらうと言う方法です。京都大学などの研究によると、いわゆる植物性乳酸菌と言われるものの一つ、ラクトバチルス・プランタルムと言うものが役に立つ事が判りました。

工業的量産を目指して

京都大学での研究は、もともと乳酸菌がどのように脂肪酸を代謝するのかと言うものでした。そこで見つかったのは、生き物の身体の中で起こっている脂肪酸の生合成とは逆の反応だったのです。

例えば、飽和脂肪酸のステアリン酸はΔ9不飽和化酵素によってオレイン酸に変化します。人間にはない酵素ですがΔ6不飽和化酵素によってオレイン酸はリノール酸になるのです。

ところが乳酸菌が働くと、リノール酸がオレイン酸になると言う「飽和化」と言う現象が観測されました。そして、その飽和化の途中でリノール酸が水酸化脂肪酸や共役リノール酸に変化していることも突き止められたのです。

研究はさらに続き、ラクトバチルス・プランタルムがこの働きを持っている事が判ったのです。その中でも特定の株が高効率で変化を起こさせる事が判ったため、それを利用して工業的な生産に結びつけるべく研究は続いています。

生きて腸まで届く

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細かい菌の株種についてまでは、例えばヨーグルトの容器にでも表示しておいてもらわないと、私たち素人には判りませんよね。工業的に作られていないと株種までは特定できないことがほとんどです。

でも、私たちはそうした難しい事にはあまり興味がありません。どちらかと言えば、プロバイオティクス(健康に有用な微生物を含む食品)が何なのかを知って、それを健康的に食べたいと言うことに尽きます。

と言うことで、このラクトバチルス・プランタルムとは何に含まれる乳酸菌なのでしょうか。

答えは漬物です。これは日本の糠漬けはもちろん、柴漬けにも含まれています。ヨーロッパはドイツのザワークラウトの酸味もこの乳酸菌によってもたらされています。さらに、キムチの酸味もこの乳酸菌の働きが大きいですね。

ですから、お漬物を食べましょう。でも、梅酢を使った柴漬けや、糠漬け風調味料のお漬物、食酢で漬けたザワークラウト、キムチ液で漬けたキムチは役に立ちません。

ちゃんと乳酸発酵して酸味が増し、乳酸菌がまだ生きている生のお漬物を食べましょう。ですので、長期保存用に加熱して瓶詰や缶詰にしたザワークラウトや、豚キムチとかキムチ鍋は乳酸菌が死んでるのでダメです。

そういう意味では、原則として加熱するこのとのない日本のお漬物は確実ですね。

柴漬けはナスを中心にした野菜を塩漬けにして、水が上がってきたら塩もみした赤紫蘇を加えてさらに漬け込みます。

でもって、漬物の水の表面に白いカビのような膜が張ってくると、乳酸発酵が進んでる証拠で、だんだん紫色の紫蘇の色が赤く変化してゆきます。

その後の低温熟成の期間を含めて1年近くかかる漬物ですから、お好きな方はレシピを調べてトライしてみて下さい。でも、糠漬けの方が手軽で簡単ですよね。菌の量も糠床の方が多いかも知れません。

腸内フローラの改善でメタボ解消

ラクトバチルス・プランタルムは酸にも強く、生きて腸まで届き、そこで繁殖してくれることが多い乳酸菌です。でも、ある程度は胃液にやられますから、空腹時に食べるより何かが先に入ってる方が良いですね。

まあ日本のお漬物は、たいてい食事の最後の方に食べることが多いでしょうから、普通に食べていれば問題ないでしょう。

最近では動物相(ファウナ)の対義語、植物相(フローラ)と言う言葉を使って説明される腸の中の環境、腸内細菌叢(腸内フローラ)の改善にはもってこいですね。

まだ、具体的にどの程度の量が共役リノール酸に造られるのかはデータがありません。でも、効率よく作ってくれる株だと、工業生産に利用できるかもしれないと言うレベルですから期待はできそうですね。

しかも、最近では摂りすぎが問題になっているリノール酸を原料にしてくれるのですから一石二鳥と言えるのかも知れません。

と言うことで、食事の最後には、きちんと漬けたお漬物で仕上げることで、美味しくメタボを解消しましょう。

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