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更年期障害に効果的なローヤルゼリーはアレルギーに気を付けて!

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ローヤルゼリーと言えば更年期障害に効果があるとして、その年代の女性に愛用されてきました。残念ながら、科学的な根拠には乏しく、更年期にある女性の体調を整える直接的な理由は判っていません。

でも、更年期障害のように十人十色の症状が出る物に対しては、主観的なものであれ、数多くの人が効果を実感するのであれば、それはそれで良いのじゃないかとも思います。

今回はちょっと化学のお話が多くなるので読みづらいかもしれませんが、食べ物について「イメージに騙される」と言うことを予防する意味もありますので、最後までお付き合いください。

ローヤルゼリーって詳しく言うとどんなもの?

もうほとんどの方がローヤルゼリーについてはよくご存知かもしれませんが、やはり一応簡単な説明だけはさせて頂いた方が良いと思いますので、簡単に説明させていただきますね。

ローヤルゼリーと言うのは、三大栄養素の比率としてたんぱく質・アミノ酸を最も多く含む、ミツバチ由来のクリーム状物質です。舌がしびれるような酸味がありますが、これは以降にご説明しますデセン酸によるものです。

ハチミツとローヤルゼリーとプロポリス

ハチミツはご存知の通りミツバチが花から集めてくる蜜で、糖質が80%以上を占める蜂の食糧です。それを人間様が横取りして美味しく頂いていると言うわけですね。

ローヤルゼリーは先にお話ししたような成分で、幼虫と女王蜂にだけ与えられる特別な餌なのです。

その後、働き蜂は餌が花粉になり、一人前になりますが、女王蜂だけは一生ローヤルゼリーだけを食べて生きるのです。そのため普通の働き蜂よりずっと体も大きく長生きします。

プロポリスは蜂の巣を補強するための樹脂です。最近では抗菌活性や抗腫瘍作用などが期待されていますが、もともと蜂の食物ではないため純粋なものの取り出しは難しいそうですね。

なお、ニホンミツバチはプロポリスを作り出しません、セイヨウミツバチの巣からだけ採れる物です。

乾燥か生か調整か

ローヤルゼリーには、ミツバチの巣から取り出しただけの生ローヤルゼリーやそれをフリーズドライした乾燥ローヤルゼリーがあります。

また、それらに添加物を加えて扱いやすくした調整ローヤルゼリーもあります。

特にどれが良いと言うことは、科学的根拠が得られていないので、ここではお話ししません。

価格と品質と満足感、扱いやすさや品質保持期間などを基準に皆さんで選んでいただいて、若々しさをキープする役に立てて下さい。

売らんがための強引なウソには注意しよう!ローヤルゼリーの成分について探る

さて、冒頭でお話ししました「食べ物について「イメージに騙される」と言うことを予防する意味もあります」という話に移りましょう。

ローヤルゼリーに特徴的な栄養素として、先ほどちょろっと出たデセン酸と略称される脂肪酸があります。ひどい宣伝になると、このデセン酸が女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をしているから効果があるなどと謳っていました。

しかし実際のところ、これはあまりにもかけ離れた「類似点」です。何とか更年期障害に効果があることを表現したいがために採った苦肉の策とも言うべきでしょうか。

広告宣伝には誤った知識や誘導があふれかえっている

デセン酸は10個の炭素が鎖のようにつながった骨格の片方がカルボキシ基(-COOH)である「直鎖型炭化水素」です。ローヤルゼリーのものは反対側にヒドロキシ基(-OH)が付加されています。

それに対してエストロゲン3種類は、いずれも炭素6個でできた環状構造3つと炭素5つでできた環状構造1つがくっついた、ステロイド核と言うものを中心に構成される「多環式炭化水素」です。

ローヤルゼリーのデセン酸と共通するのは、炭素と水素と酸素で構成されていること、片端にヒドロキシ基が付いていることだけです。

これをして「構造が似ている」と言うのはあまりにも強引な付会ではないかと思いますね。

デセン酸から「トランス型」を伏せるのはイメージ戦略

上の小見出しを見て「ローヤルゼリーを摂るのはやめよう」と思ったあなた、イメージに騙され過ぎですよ。ローヤルゼリーの宣伝などで使われているデセン酸と言う言葉は、間違いではない物の、少し説明不足なんです。

普段私たちは脂肪酸の名前について、ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・αリノレン酸などの名前で呼んでいますね。でも、無数にある生化学にまつわる物質に対して、一々名前を覚えるのは大変です。

そこで国際純正・応用化学連合(IUPAC)と言う組織が、化学の知識がある人なら、誰にでも名前を聞けば構造が判るような命名法を編み出しました。

ちょっと難しい話になりますが、参考までにお読みください。面倒な人は次の見出しまで飛ばしていただいても良いですよ。

上に紹介した4つの脂肪酸は、いずれも基本骨格に炭素を18個持つ直鎖型と言う形の有機化合物です。有機化合物の命名は母体になる物質の名前で決まります。

18個炭素を持っている直鎖型の炭化水素はオクタデカン(オクタデカは18と言うギリシャ語の数詞です)ですので、この脂肪酸はオクタデカン酸と言うことになります。

このオクタデカン酸は飽和脂肪酸のステアリン酸のことを指します。一方、不飽和結合が一個だけある場合は、その場所を数字で示します。ちょっとややこしいのは、例えばω3の場合、反対側から数えるので15から始まることですね。

ω9のオレイン酸の場合、シス-9-オクタデセン酸と言う名前になります(たまたま、どっちから数えても9番目なのです)。そして、不飽和結合が一個だけの場合語尾の-anが-enに変わると言うルールです。

シス-とついているのは、全く同じ化学式であるトランス-9-オクタデセン酸(エライジン酸)と言うトランス脂肪酸が存在するため、それと区別するためです。

さらに二つ以上の不飽和結合を持つ場合、語尾が○○エン酸となり○○の部分にはギリシャ語の数詞が入ります。リノール酸はシス,シス-9,12-オクタデカジエン酸、αリノレン酸は9,12,15-オクタデカトリエン酸です。

正直言って、普段生化学に縁のない私たちには昔ながらの慣用名(リノール酸やオレイン酸など)の方が判り易いですよね。

ローヤルゼリーのデセン酸はトランス型脂肪酸

長い説明になりましたが、ここで出てくるのがデセン酸です。先ほどのルールに従うと不飽和結合を1ヶ所だけ持っている炭素数が10個の脂肪酸だと判ります。

英語でRoyal Jerry Acid(ローヤルゼリー酸)とも呼ばれるこのデセン酸ですが、炭素の鎖の端っこにヒドロキシ基(昔は水酸基と言いました)がくっついています。

さらに、不飽和結合は基準位置から2つめの結合にあります。そして、それはトランス型結合なのです。

ですので、ローヤルゼリーに特異的に存在する有効成分は10-ヒドロキシ-トランス2-デセン酸と言う名前が本名なんですよ。ただ、名前が長いので、この後も特に区別の必要がない限りこれのことをデセン酸と呼びます。

ローヤルゼリーのデセン酸はトランス型でないと意味がない

トランス型脂肪酸だと聞いた途端に、ローヤルゼリーに不安を覚える人もいるかもしれませんね。しかし、それは完全な勘違いです。

現在、身体への害が取りざたされているのは、植物油などを原料にマーガリンやショートニングを作る、水素添加と言う工程の副産物として発生する不飽和脂肪酸のトランス体です。

ここで発生するトランス脂肪酸は、もともとの油脂に含まれていた脂肪酸のトランス体ですから、その種類はいろいろになものになります。

一方、反芻動物の肉や乳に含まれるもので身体に悪影響はないとされる天然のトランス脂肪酸は、主に共役リノール酸のトランス体、例えばトランス,トランス-9,11-オクタデカジエン酸などですね。

いずれにせよ多く見られるのは炭素数16~22程度の長鎖脂肪酸です。

一方、ローヤルゼリーのデセン酸はその名の通り、炭素数が10、つまり中鎖脂肪酸なんですね。しかもヒドロキシ基を片端に持つ化合物です。

トランス型脂肪酸が身体に悪いと言われたのは、通常のシス型と働きが違うからなんです。と言うことは、言い換えればローヤルゼリーのデセン酸はトランス型でないと意味がないとも言えるんですね。

特にこの「10-ヒドロキシ-トランス2-デセン酸」はローヤルゼリーにしか含まれないと言っても良い物質ですので、その事実は重要です。

実はほかにもデセン酸がある

よくローヤルゼリーの宣伝に「デセン酸はローヤルゼリーにしか含まれない」と書かれていますが、これは間違いです。

ローヤルゼリーにしか含まれていないのは「カルボキシ基から数えて2番目の不飽和結合がトランス型で、カルボキシ基の反対側にある水素がヒドロキシ基に置換されたデセン酸」だけなのです。

例えば「カルボキシ基から数えて2番目の不飽和結合がシス型のデセン酸}(シス-2-デセン酸)は緑膿菌と言う細菌が作り出す脂肪酸です。

また、「カルボキシ基から数えて4番目の不飽和結合がシス型のデセン酸}(シス-4-デセン酸)は、ある種の酵素が欠損した病気の人の体内で作られるデセン酸です。

その他、直鎖型だったデセン酸の片側がくるりと環状構造になった4-ヒドロキシ-4-メチル-7-シス-デセン酸 γラクトンと言う物資は香料として使われています。

ですので、デセン酸と言う名前だけを聞いてローヤルゼリーとだけ結びつけて考えるのは良くありませんね。

高血圧や冷え性に?ローヤルゼリーが効くと考えられる病気や症状

さて、宣伝に惑わされないための前置きが長くなりましたが、そろそろローヤルゼリーの効果について見て行きましょう。

国立健康栄養研究所のデータによると、残念ながら医学的に充分な証拠が揃ったローヤルゼリーの効果効能は見当たらなかったそうです。それでも可能性を示唆したデータはいくつか見つかっています。

最も期待が持てるのは高血圧の改善

飽くまで予備的な報告で、限られた条件下での効果効能としながらも、さらなる検証の結果によっては期待が持てそうなのが高血圧の改善でした。

対象となったのは正常高値から軽度の高血圧の人で、1つだけ中等度の人にも効果が見られたと言う報告がありました。

ですので、高血圧の改善や治療と言うより、体質改善による高血圧の予防と言った観点から用いられる方が良いのかもしれませんね。

もしかすると冷え性に効果的かもしれない

日本で行われた20代の女性を対象にした2週間の服用テストでは、偽薬を与えられた人よりも、低用量でローヤルゼリーを摂った人の方が、安静にしている時の手先の皮膚温度が高かったと言うデータが得られています。

さらに、高用量で摂った人の場合、冷たい水で1分間手を冷やした時でも、4分~11分後の手の表面温度が高く、6~11分後の温度回復率が高かったと言います。

しかし、どちらの群も特に血流量に変化は見られなかったと言うことで、血の循環が良くなったと言う原因以外で冷え性を改善するみたいですね。

老化に関する予防改善効果があるかもしれない

アメリカで開発された、健康関連で生活の品質(QOL)をアンケート形式で調査するSF-36と言う様式があります。

中高年の日本人にローヤルゼリー3g入り飲料を半年間飲んでもらったところ、8項目のうち1項目だけ、メンタルヘルスに関するQOLが改善しました。

現在SF-36は全11項目に増えていて、メンタルヘルスに関するものも2項目になっているので、詳細は不明です。

さらに具体的な血液像については、赤血球数・ヘマトクリット値(2つとも貧血に関する数値)、インスリン分泌指数・空腹時血糖値(2つとも血糖値に関する数値)が改善しました。

また、その影響によるものかもしれないと言う但し書きがつくものの、テストステロン/DHEA-S比・DHEA-S値(女性にも関係する男性ホルモンに関する値)も改善しました。

全般的に老化防止効果があったのではないかと考えられるようですね。もちろん、それを証明するにはもっとたくさんの研究が必要です。

抗がん能力や抗菌力を持っている可能性がある

動物実験のレベルですが、腫瘍や白血病に対する強力な成長阻害作用が見つかっています。マクロファージの力を強めることによるもののようですので、いわゆる「免疫力アップ」の効果と言っていいでしょう。

また、試験管レベルや、一部では動物実験によるといくつかのバクテリアに対して抗菌作用を示しています。これはデセン酸の働きが中心になっているものだと判っています。

ローヤルゼリーはアレルギー以外の危険性はほとんどない

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ローヤルゼリーは過剰摂取によって中毒を起こす事が判っています。しかし、最少中毒量は1.29g/kg/30日ですので、体重60kgの人なら、1か月間毎日77.4gのローヤルゼリーを飲んで初めて中毒する可能性が出る程度です。

また、ローヤルゼリーを皮膚につけると皮膚炎が起こったり、すでにある皮膚症状が悪化することがあります。外用する場合はパッチテストを事前に行って下さいね。

このようにほとんど危険性のないローヤルゼリーですが、アレルギーに関してだけは強い反応が現れやすいので注意して下さい。

死亡例もあるローヤルゼリーによるアレルギー反応

花粉症などがあったオーストラリアの11歳の女の子が、ローヤルゼリー500mgを摂ったところ、アナフィラキシーショックで死亡したと言う事例が報告されています。

日本国内でも、

  • 花粉症
  • アトピー性皮膚炎
  • 気管支ぜんそく
  • 食物アレルギー
  • アレルギー性鼻炎

などがある人がローヤルゼリーを原因とするアナフィラキシー症状を起こしたことが複数報告されています。

ですので、何らかのアレルギー症状を持っている人はローヤルゼリーの摂取はやめておいた方がよさそうですね。大半がアナフィラキシーと言う診断がついていますので、一つ間違うと危険です。

このような危険性について気を付けていれば、その効能は一部の方にとってうれしいものかと思います。リスクをきちんと理解し、何が自身にとって有益か選択してくださいね。

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