健康生活TOP 更年期障害 素人判断で摂るのは危険!更年期に強い効果のブラックコホシュ

素人判断で摂るのは危険!更年期に強い効果のブラックコホシュ

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女性ホルモンと似た働きを持ち、あるいは女性ホルモンの分泌を促進すると言う効能が謳われ、アメリカを中心に人気の薬用植物、ブラックコホシュ。アメリカショウマの和名の通り、アメリカ原産の薬草です。

もともとはネイティブアメリカンがリウマチやマラリア、咽頭痛、出産に伴う合併症など、さまざまな病気の治療に用いて来たものです。ヨーロッパでは更年期症状の改善に使われたと言う歴史もあります。

今でも原材料のブラックコホシュは、野生種の収穫によるものが多いと聞きます。しかし、サプリメントとしてエキス化され使われるようになった現在では、副作用の方が目立ってきているようです。気をつけましょうね。

ブラックコホシュが人気の理由

欧米での利用の実績から、更年期障害や月経前症候群に有効ではないかと考えられてきました。その理由として、ブラックコホシュ抽出物に含まれるフィトエストロゲンの効果が挙げられています。

大豆イソフラボンとは異なる成分ですが、実際に女性ホルモンのような働きをすることが確認されたからだと言うことです。現在ではエストロゲン様作用と言う表現に改められているようですね。

豊胸サプリとしても売られています

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女性ホルモンと似た働きをするのだからという理由からでしょうか、主として若い女性向けに豊胸効果を謳ったサプリとしても販売されています。

でも、これまでに確認された薬効は、40歳以上の女性に対しての更年期に伴う症状の軽減だけです。若い女性に対して、そのような美容効果があると言う研究報告は、少なくとも学術的に意味のあるレベルでは見当たりません。

後ほどお話ししますが、ブラックコホシュは、ハーブ医療の治療薬としては非常に強力で副作用も多いものですから、美容目的で摂取することはお勧めできません。

更年期障害やPMSには効くの?ブラックコホシュが有効な例

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ブラックコホシュは、現在では女性ホルモンのバランスを整える働きがあると考えられています。このため、更年期障害と月経前症候群の症状の緩和に有効性が期待されています。

しかし、さまざまな研究データによると、更年期障害には有効性が示されているものの、月経前症候群に対しては充分な研究データが見当たりませんでした。

効きだしは遅い

治療薬としての有効性は認められていますが、効くまでには少し時間が必要なようです。だいたい効き目が出てくるのは4週間くらい必要だと言われているようですね。

また、個人の体質との相性に結構バラツキがあるようで、効く人にはホルモン剤なみの効果がある場合も見られたようです。まあ、一般の治療薬でも体質に合う合わないがありますから、これは自然なことなのかも知れません。

効き目が期待できる状態・更年期障害チェック

ある研究によると、クッパーマンの更年期指数で中等度以上の人には、更年期障害の症状の抑制が見られたとあります。そこで、さっそく、その指数の計算をしてみましょう。

次の症状があるかどうかで点数をつけます。その症状が強くある場合は、症状の後ろにある数字の中の最も大きいものを、症状がない場合は0を選んで下さい。

その中間の場合、やや強い場合は大きい方の数字を、やや弱い場合は小さい方の数字を選んで、11項目の数字を合計しましょう。

チェック項目 点数
顔がほてり、よく汗をかく 12・8・4・0
手足が痺れ、感覚が鈍い 6・4・2・0
寝付けない・目を覚ます 6・4・2・0
興奮しやすく、神経質になった 6・4・2・0
くよくよする・憂鬱になる 6・4・2・0
めまいや吐き気がある 3・2・1・0
疲れやすい 3・2・1・0
肩・腰・手足の節々が痛い 3・2・1・0
頭が痛い 3・2・1・0
動悸がする 3・2・1・0
皮膚の上を虫が這うような感じがする 3・2・1・0

いかがでしたか?合計が16未満の人は更年期症状がほとんどないと言うことです。16~20は軽症の更年期障害、21~34は中等度の更年期障害、35以上は重症と言うことになります。

そして、中等度以上の人にはブラックコホシュが有効である可能性が強くなります。

流産のリスクも高まる!副作用はかなり多いので注意したい

まず、使用してはいけない人ですが、妊娠中の人は使ってはいけません。月経促進・子宮刺激作用があるので流産のリスクが増えてしまいます。授乳中の人も使用してはいけません。

さらに女性ホルモンに影響を受ける女性特有のがんや、ホルモン補充療法を受けている人も使用を避けなければいけません。

一般的な副作用の例

まず、基本的に6か月を超える連続使用は安全性が確認されていませんので、それ以上の期間にわたる使用は避けてください。

通常起こる副作用としては、

  • 胃腸の不調
  • 発疹
  • 頭痛
  • めまい
  • 体重増加
  • 下肢のだるさ
  • 痙攣

の報告がありますね。

さらに、過剰摂取すると、激しい頭痛、めまい、視覚障害、心拍数の減少、吐き気・嘔吐、発汗を引き起こしますので注意が必要です。

日本でも警告が出ている

日本では幸い健康被害の報告はありませんが、平成18年には海外での事例に基づいて、厚生労働省から地方自治体に向けて注意喚起が行われています。

それには、

  • 肝機能異常
  • 肝炎
  • 黄疸

などの、肝障害による症状が起こる危険性が示されています。

海外での個別事例をみると、たった1週間の摂取で肝不全を起こした47歳の女性の例や、3年間間欠的に使っていた51歳の女性が2か月間増量して毎日使ったところ急性肝障害を起こした例などがあります。

この2例とも肝臓移植を余儀なくされたと言うことですから、かなり重い副作用と言えるでしょう。

その他、特に肝臓に関する健康被害が多数報告されています。どの程度の量を摂取していたかを見ると、摂取量が判らなかった例を除いて、5mg~40mg、エキスの場合1mg程度と普通のサプリ1錠に含まれる程度の量でした。

ただ、他のサプリとの併用の例も割合多く見受けられましたし、1000mgと言うとんでもない量を摂って劇症肝炎を起こした例も報告されています。

とは言え、サプリの中には500mg/錠以上の含有量の物も存在していますから、ちょっと怖いですよね。

国立健康・栄養研究所は、ハーブ治療に経験を有する者によってのみ使用可としています。つまり、お医者様や薬剤師さんの指導なしに使うなと言うことですね。

注意喚起情報に注意!

このように、強い効果と強い副作用がある、つまり、一般の医薬品並みに注意が必要なハーブですので、サプリの販売店なども注意喚起を行っています。

しかし、どうしても商売ですから、微妙にずれた方向の注意喚起もありますので、混乱しないようにして下さい。

ブルーコホシュと言う存在

大きな副作用の例として、このブラックコホシュとブルーコホシュと言う良く似た名前のハーブを一緒に分娩促進剤として使用し、自然分娩した子供に重度の多臓器低酸素障害がおこったという例があります。

これについては、ブラックコホシュではなく、一緒に摂ったブルーコホシュが原因だとされています。また、サプリの中にはブラックコホシュと銘打っているものの、近縁種の植物が混入されている例もあります。

このため、ネット通販を含む多くのサプリ販売店では、ブルーコホシュは入っていないので安全と言ったような宣伝をしていることも良く見受けられます。

ブラックコホシュはキンポウゲ科ルイヨウショウマ属の植物ですが、ブルーコホシュはメギ科ルイヨウボタン属の植物でまったく種類の異なる植物です。

さらに一段上の「目(もく)」という分類ではどちらもキンポウゲ目に属していますが、これだけではとても近縁種とは言えません。

例えば食肉目(ネコ目)の中には猫とアザラシが入っていますが、このふたつを近縁種と呼ぶには無理がありますよね。一方、ネコ科の中にいるのは大きな差があるものとしても猫とライオンくらいですから、まだ近いですよね。

つまり、ブルーコホシュが入っていないと言うのは、異物混入がないと言うレベルの話ですので、入ってなくて当たり前なのです。ですから、このことは副作用の危険性がないとする理由にはなりません。

なお、ブラックコホシュが属するキンポウゲ科には毒のある植物が多いんですよね。キンポウゲはもちろん、トリカブトもキンポウゲ科です。

一方、薬効のある物も存在するのですが、量を過ごすと毒になると言うタイプのものが目立ちます。

使うと危険な場合も多い!注意したいポイント

特に若い人には効果よりもリスクの方が多いように見受けられます。効果がはっきり出ているのは、先にもお話しした通り40歳以上で更年期症状のある女性か閉経後の女性だけです。

一方で、例えば流産誘発剤としての効果を期待して服用した、イギリスの24歳の女性が死亡した例も報告されていたり、複合ハーブとして4週間飲んだ、35歳のイタリア女性が胆のう摘出を受けるハメに陥ったりしています。

薬品アレルギーの人は注意

ブラックコホシュはサリチル酸と言う成分を含んでいるため、サリチル酸アレルギーの人は要注意です。

サリチル酸やその化合物は、例えばアスピリンやバファリンなどの解熱鎮痛剤に含まれています。アセチルサリチル酸ですね。

また、サロメチールのような、塗り薬・貼り薬・スプレーの外用消炎鎮痛剤にはサリチル酸メチルが含まれています。

こうした薬品を飲んで気分が悪くなったり、外用してかぶれたりした人はブラックコホシュを使わないようにしましょう。

植物アレルギーの人も注意

またキンポウゲ科の植物にアレルギーのある人も注意が必要です。キンポウゲ科には次のようなものがあります。

  • セツブンソウ
  • キンポウゲ
  • キツネノボタン
  • オキナグサ
  • ユキワリソウ
  • クリスマスローズ
  • デルフィニウム
  • オウレン
  • クレマチス
  • テッセン
  • オダマキ
  • アネモネ
  • シュウメイギク
  • フクジュソウ

一部の例ですが、これらの植物を触ってかぶれたことのある人などはブラックコホシュを避けましょう。

成分偽装にも注意

ニューヨークでの購買調査によると、市販品11種類のハーブサプリのうち、ブラックコホシュがきちんと使われていたのは7種類だけだったそうです。

1種類は近縁種のルイヨウショウマがブレンドされており、3種類はブラックコホシュも近縁種も入っておらず、中身はサラシナショウマや漢方薬のビャクシだったと言う事でした。

ビャクシは漢方薬ですが、婦人科系には効果がありません。主に消炎鎮痛剤です。このような製品もあるので、専門家の指導を受けずに買うことは、結構賭けになるかもしれませんね。

このように、民間薬やサプリとしては強力すぎるくらいの薬効と副作用がありますので、素人が自己責任の名のもとに気安く摂るのはかなりの危険が伴います。

ですので、お医者様や薬剤師さんに相談して、充分安全に配慮した上で治療薬として摂取されることをお勧めします。

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