健康生活TOP 更年期障害 若年性更年期障害の対策に使われるアマニ油は妊娠中は絶対NG!

若年性更年期障害の対策に使われるアマニ油は妊娠中は絶対NG!

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アマニ油は必須脂肪酸のαリノレン酸を多く含むところから、さまざまな効果を期待されてエゴマ油と並び健康的な優良食品の代表になってきています。

しかし、このアマニ油を摂取してはいけない人がいます。それは妊娠中の人。

健康食品だと思われているのにどうして妊婦さんにはNGなのか?その理由と成分について、詳しくみてみましょう。

食物に女性ホルモンの様な働きが…!?たくさんうたわれるアマニ油の効果

αリノレン酸を多く摂ることで動脈硬化を予防したり、うつ病の発生を予防したりする効果が知られています。

さらにアマニ油の原料である亜麻には、女性ホルモン様の働きをするリグナン前駆体で、名前が長いためSDGと略されることも多いセコイソラリシレシノールジグルコシドも豊富に含まれているのです。

どうしてもアマニ油と言うと、健康食品やサプリの宣伝のせいでαリノレン酸の効果を期待してしまいますよね。しかし、実際に若年性を含む更年期障害の改善の可能性があるのは、リグナン前駆体SDGのほうなのです。

さまざまな実験によると、女性の尿中エストロゲン量に影響が出たのはアマニ油だけで、同じようにαリノレン酸を多く含むエゴマ油ではそのような報告はないようです。

主な効果は4種類

アマニ油に期待される主な効果は4つです。

  • 血中脂質の改善による動脈硬化やそれによる心臓脳血管疾患の抑止
  • うつ病の改善
  • 高血圧の改善
  • 若年性を含む更年期障害の改善

このうち、上の2つはαリノレン酸による効果とされていますが、下の2つはアマニ油に含まれるセコイソラリシレシノールジグルコシドがリグナンに変化することで得られる効果だと考えられています。

この他にもαリノレン酸の効果として、

  • 抗がん作用
  • 視力改善
  • 記憶力向上
  • ダイエット効果

…などなどが健康食品の宣伝では多く見かけられます。

実際に効果があった例などもあるのでしょうが、研究機関による発表などではあまり見かけられないので、今回の話題からは外します。

自分では生成できない必須栄養素についてちょっと勉強しましょう

身体の中で合成できないため、かならず食物から摂らなければいけない栄養素を必須栄養素と言います。有名なのは必須アミノ酸ですね。

三大栄養素の一つ、たんぱく質は20種類のアミノ酸からできていますが、そのうち9種類は人間の体内で合成できないため、必須アミノ酸となっています。

また2種類は体内で合成はできますが、その量が少なくて不足するので、食べ物から摂ることを推奨される、準必須アミノ酸となっています。

必須脂肪酸・αリノレン酸

三大栄養素と言えばもう1つが脂肪ですね。脂肪を形作る成分のうち、数十種類もある脂肪酸の中に、2つだけ人間の身体の中で作れないものがあります。

  • ω3不飽和脂肪酸のαリノレン酸
  • ω6不飽和脂肪酸のリノール酸

がその2つ。健康成分として有名なω9不飽和脂肪酸のオレイン酸は必須脂肪酸ではありません。

生き物の体の中では、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸のステアリン酸を出発原料にして、Δ9-脂肪酸不飽和化酵素と言う酵素の働きでオレイン酸が作られます。

そのあと、Δ12-脂肪酸不飽和化酵素の働きでオレイン酸はリノール酸に、Δ15-脂肪酸不飽和化酵素の働きで、リノール酸はαリノレン酸に作り替えられます。

私たち人間を含む動物の身体の中には、リノール酸とαリノレン酸を作るΔ12とΔ15の脂肪酸不飽和化酵素が存在しません。ですので、この2つは、基本的に植物を食べることで外から得なければならないのです。

しかしながら、私たち人間が普段口にする食べ物には大変多くのリノール酸が含まれています。動物性食品であっても、その動物がエサから取り込んだリノール酸が含まれていますので、まず不足することはありません。

それどころか、リノール酸については必須脂肪酸でありながら、摂り過ぎが問題になるくらい摂れています。

一方、αリノレン酸は不足気味です。もともとリノール酸に比べて、αリノレン酸を豊富に含む食べ物が少ないことが一番の原因です。

準必須脂肪酸・EPAとDHA

αリノレン酸は、体内に取り込まれるとエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)に作り替えられて、これが身体の中で様々な働きをしてくれます。

ところが、αリノレン酸がこれらに作り替えられる割合はせいぜい15%程度なので、どうしても不足しがちになります。一方でEPAやDHAはお魚に大量に含まれていますから、それならばお魚から直接EPAやDHAを摂った方が早いですよね。

なので、体内で合成可能なEPAとDHAですが、食べ物から摂った方が良い、準必須脂肪酸と言うことになるわけです。

ただ、DHA、EPAで得られない効果がαリノレン酸には認められています。それはうつ病の改善効果です。もちろんお薬ほど強い効き目があるわけではなさそうですが、食べ物で改善できるのは良い事ですよね。

余談になりますが、EPAやDHAのとても長い本名は、その構造をそのまま表現しているのです。

エイコサ(炭素が20個)ペンタエン(不飽和結合が5ヶ所)酸、ドコサ(炭素数が22個)ヘキサエン(不飽和結合が6ヶ所)酸と言うことです。

また、αリノレン酸は、オクタデカ(炭素が18個)トリエン(不飽和結合が3ヶ所)酸とも呼ばれます。

飽和脂肪酸は最も酸化されにくく、不飽和の中では不飽和結合が1ヶ所のオレイン酸が一番酸化されにくいことを考えると、不飽和結合が3ヶ所のαリノレン酸や、5ヶ所のEPA、6ヶ所のDHAなんてのはとても酸化されやすい脂肪酸です。

ですから、アマニ油、エゴマ油やお魚などは、とにかく早く食べることが大事ですね。食用油は低温で保管し、遮光瓶に入れるか、透明瓶なら瓶ごと紙箱に入れて光から遮断しておくことも重要です。

必須炭水化物は存在しません

人間にとって最も基本になる炭水化物はブドウ糖です。そして、ブドウ糖は脂肪やたんぱく質を原料にして、肝臓で生合成可能な栄養素です。また、余ったブドウ糖を保存するための多糖類、グリコーゲンの合成も体内で行えます。

強いて言えば、腸内環境を整えたり、エネルギーバランスを良くしたりするために炭水化物の摂取は必要ですが、これがないとダメと言う必須栄養素は炭水化物には存在しません。

若年性更年期障害の原因からみたアマニ油の効果とは?食物で女性ホルモンの補完

アマニ油の亜麻リグナンや大豆イソフラボンなどは女性ホルモンと似たような働きを持っているため、更年期障害に伴う症状の軽減に役立つのではないかと考えられています。

その中でも、なぜアマニ油に注目が集まったのでしょう。

若年性更年期障害の原因

20代や30代で更年期障害の症状が出る場合。原因疾患がある場合と、原因疾患がないのにホルモン分泌が上手くいかなくなっている場合とに分けられます。

原因疾患がない場合の更年期障害症状の発生の原因は、ダイエットやストレスが挙げられることが多いようですね。原因疾患がある場合は、その治療が優先になりますから、いずれにせよ婦人科の受診は不可欠になるでしょう。

ストレスについてはいかんともしがたいのですが、栄養不良による若年性更年期障害の場合、ダイエットをやめるだけで改善されることもあるようです。

しかし、こうした症状が現れるほど無理なダイエットをしてしまうのは、ある意味ダイエット依存症的な精神状態も考えられます。ですのでダイエットをやめることに抵抗感が強すぎるのかも知れません。

しかし、更年期障害症状を改善するためにと言う理由が付けられてアマニ油などを摂れば、その分栄養状態は改善されますので、副次的にその症状が和らぐ可能性があるんじゃないでしょうか。

女性ホルモンはコレステロールから造られるものですので、充分なコレステロールがないと女性ホルモンが不足してしまい、本来なら50代で迎えるべきものを20代、30代で迎えてしまっている可能性すらあるんですよ。

アマニ油に隠れた危険性!妊娠中には摂らないで!

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このように、脂肪酸の面からも、フィトケミカルの面からも、更年期障害に効果が期待できるアマニ油ですが、副作用の危険性も併せ持っています。

それは妊娠に関するものです。

妊娠中に摂ってはいけない理由は月経周期に影響するから

国立健康・栄養研究所のデータによると、アマニ油を妊娠中に医療目的で摂取することは危険である可能性があると示されています。これはアマニ油が月経周期に影響を与える食品だからです。

妊娠が判ったらアマニ油の摂取は控えて下さい。また授乳中の安全性についてはデータが不足しているので、多量摂取は控えて下さい。

その他、亜麻アレルギーによるアナフィラキシーもあると報告されていますので、アレルギーについては妊娠の有無にかかわらず、また年齢性別に関わらず注意が必要です。

脂肪酸のバランスを良く!αリノレン酸を含む食べ物で健康に

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どうしても健康食品の宣伝のせいで、αリノレン酸は特別な食品にしか含まれていないような誤解があります。確かにアマニ油やエゴマ油は突出して多く含んでいます。

例えば、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸、その名を聞くだけで顔をしかめる女性も少なくないようですが、これを摂らないと脳出血を起こす可能性が跳ね上がります。

脳心臓血管疾患を予防してくれるリノール酸も、摂りすぎると逆に動脈硬化や炎症などを引き起こすことが知られています。つまり、本当に大事なのは脂肪酸のバランスなのです。

他の食べ物から摂ってみよう

厚生労働省による目標値を見ると、ω3多価不飽和脂肪酸の摂取目標は以下のようになっています。なお、18歳未満は18歳以上に準じると言う程度で、決まった数値は示されていません。

女性の場合、一日当たり

  • 18~49歳:1.8g以上
  • 50~69歳:2.1g以上
  • 70歳以上:1.8g以上
  • 妊娠中:1.9gを目安に
  • 授乳中:1.7gを目安に

男性の場合、一日当たり

  • 18~29歳:2.1g以上
  • 30~49歳:2.2g以上
  • 50~69歳:2.4g以上
  • 70歳以上:2.2g以上

また、このうち1日当たり最低1g以上をEPA+DHAで摂るように勧めています。つまり、αリノレン酸については女性で1.1g、男性で1.4g摂っていれば間に合うと言うことです。

そこで、αリノレン酸を1.1g摂れる食品を見てみましょう。ただ、高度不飽和脂肪酸にありがちなことなのですが、原料の産地によって含有量に大きなばらつきがありますから、エゴマ油もアマニ油も50%としておきます。

実際には35%程度しか含まれない物から65%も含まれているものまでさまざまなのです。

  • アマニ油:小さじ半分
  • エゴマ油:小さじ半分
  • キャノーラ油:大さじ1杯
  • 大豆油:小さじ4杯
  • 油揚げ:50g
  • 炒ったクルミ:13g
  • 茹でた枝豆:200g
  • シーチキン(油漬):67g
  • すっぽん:200g
  • ポテトチップス:45g
  • マヨネーズ:25g

こうして見てみると、やはりαリノレン酸を多く含む食べ物って少ないですよね。

もちろん、他にも含んでいるものはたくさんあるのですが、例えばピザのクラストやナン、ポップコーンなどだけで一日量を賄うとなると500g以上が必要になってしまいます。

それでも、エゴマ油やアマニ油を食べないとαリノレン酸が摂れないと言うわけではなさそうです。αリノレン酸は酸化しやすいので、開封後に長く保存するのは良くないですしね。

調理用にキャノーラ油や卵黄タイプのマヨネーズ、食材としてシーチキン、青魚、大豆製品の油揚げ、おやつとしてクルミやポテチ、贅沢品のすっぽんなどを上手く組み合わせることで、充分ω3不飽和脂肪酸は間に合うでしょう。

意外と取り入れやすいのではないでしょうか?(すっぽんは置いておいて…)上手に組み合わせて美味しく食事で補いましょう。

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