健康生活TOP まさかの事態になる前に!高齢者に多い薬の副作用・飲み合わせ

まさかの事態になる前に!高齢者に多い薬の副作用・飲み合わせ

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毎日のように病院に行くお年寄り同士が顔見知りになり「今日は○○さんがいないねえ・・病気でもしたのかね?」というジョークがありますが、高齢になれば誰でも持病が増え、飲む薬の種類も多くなります。

当然、医師や薬剤師は薬の飲み合わせによる副作用を配慮して処方薬を調剤しますが、患者が服用している薬を正確に把握していなかったり、市販薬や健康食品などとの組み合わせにまでは注意を払っていないことも多いものです。

そこで、特に高齢者が注意すべき医薬品、健康食品、食品などの副作用や、薬との飲み合わせの注意点についてご紹介します。

薬は諸刃の剣!100%安全だとは言い切れない

どんな薬でも治療の効果というプラスの面がある一方で、副作用というマイナスの面があります。そのため全ての薬は「諸刃の剣」とも言われます。

特に高齢になるほど持病も多くなるため、飲む薬の種類や量が増えますし、健康志向が高い人ほど、健康食品や特保、体に良いと言われる食品などを積極的に摂っています。

多くの人は「医師が処方箋を出した薬なら安全だ。指示通りに飲んでいれば副作用の心配はない。」などと、つい考えてしまいがちです。

しかし、薬の作用は必ずしも一つの作用だけが起こるわけではなく、同時に様々な作用が起こります。薬による最も大きい作用を主作用、それに伴って同時に起こる作用を副作用といいます。

また、複数の薬を飲み合わせると薬の効き目が互いに影響し合う場合もあります。これを薬の相互作用といいます。

相互作用は医師から出される処方薬だけでなく、市販されている一般用医薬品(OTC)、健康食品、普段の食事から摂る食品など、様々な組み合わせによって起こることもあります。

インターネットで薬が買える時代の問題

最近ではインターネットで医師や薬剤師に相談することなく、薬や健康食品などを買うこともできますが、その薬自体の副作用や他の薬との相互作用による影響にはそれほど注意することなく、薬や健康食品などが買われているように思えます。

パソコンや電話で注文し、家で待っているだけで必要な薬や健康食品が手にはいることはとても便利です。手軽で便利だからこそ、健康に良いと言われれば、つい購入してしまう。

そして、いつの間にか、薬や健康食品などの種類や量が多くなり、思わぬ副作用が起こる、ということもあり得えるのです。

なぜ副作用が起こるのか?薬が効くしくみ

そもそもなぜ薬の副作用が起こるのでしょうか?それには体の中で薬がどのように作用しているかを理解する必要があります。

口から飲む薬(経口薬)の場合、薬を飲むとまず胃の中で胃酸によってできるだけ小さくされ体内に吸収されやすい状態になります。

例えば、錠剤の薬であれば、細かく砕かれ、粥状や液状になることで胃や小腸で吸収されやすくなるということです。

胃や小腸から体内に入った薬の成分は、血液の中に送られ全身に回ります。そして病気や症状の原因となる場所で効果を発揮し、再び肝臓へ戻ります。肝臓に戻った薬は肝臓で代謝され無毒化されるので、薬の効果がなくなります。

また、血液中の薬の成分が、腎臓でろ過されてそのまま排泄されることもあります。いずれにしても、薬の成分は時間とともに効果がなくなり、最終的には排泄されます。

しかし、もし肝臓の機能が悪くなっていて無毒化がスムーズにいかない場合、肝臓で代謝されず再び血液中に送られることになります。

また、腎臓でもある程度の成分が排泄されることがあらかじめ予測されて薬の成分や量が調整されていますので、腎臓の機能が悪化していれば、肝臓と同様、予測を超えた量の成分が体に周ることになります。

つまり、肝臓や腎臓など体が薬を代謝する能力が弱くなっていると、本来必要な量を超えた成分が体内で作用することになるので、予測を超えた薬の成分が影響するため副作用という形で余計な悪さをするのです。

高齢者に薬の副作用が起こりやすいのは、誰でも歳を重ねれば、肝臓や腎臓の機能が低下するため、若いときには起こらなかった副作用でも起こりやすくなるからです。

また、別々の薬が体内で影響し合いお互いの薬の作用を強めたり弱めたりすることもありますし、健康食品や明らかな食品でも、薬の代謝や無毒化を行なう酵素の働きを弱める場合もあります。

その他にも血流が悪ければ、薬の成分が必要な場所まで届かなくなることもあります。こうした様々な理由によって、若い頃に比べれば体の機能が衰えている高齢者ほど薬の効き目にブレが起こり、副作用が起こりやすくなるといえるのです。

高齢者に起こりやすい処方薬の一般的な副作用

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では具体的にどのような薬の副作用があるのか、高齢者に起こりやすい副作用をみていくことにしましょう。

処方薬にも様々な種類があり、それぞれの薬によって副作用が違いますが、一般的に考えられる比較的頻度の高い副作用には次のような症状がありますので注意しなければいけません。

  • 高血圧の薬(降圧剤)・・めまい、ふらつき、貧血
  • 心臓の薬(強心剤)・・食欲不振、嘔吐
  • 糖尿病の薬・・冷や汗、ふるえ、脱力感
  • 血液凝固防止薬(血液をサラサラにする薬)・・胃や腸からの出血、皮膚の内出血
  • アレルギーの薬(抗ヒスタミン薬)・・尿が出にくくなる、便秘、眠気
  • 抗うつ薬・・手足のふるえ、ふらつき、便秘
  • 睡眠導入薬・・ふらつき、物忘れ、認知障害
  • 咳止め薬・・血圧の上昇

高齢者は医薬品の過量服用に注意

こうした高齢者に起こりやすい医薬品の副作用は、代謝の問題だけでなく過量服用も関わっています。服用する薬の量が多くなれば、飲み忘れや飲み間違いが起こりやすくなります。

また、認知機能が低下することによって、薬を飲んだかどうかが分らなくなる場合もあります。飲む薬の種類が多い場合は、処方薬なら薬剤師に頼めば1回分に分けて処方してくれる薬局もあります。心配な人は利用しましょう。

薬を飲むことを忘れてしまった場合には、2回分を1回にまとめて飲むようなことは絶対にしてはいけません。

市販薬の服用時に注意すべき副作用

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薬の副作用は病院などで出される処方薬だけではありません。市販の薬でも副作用が起こることがあります。特に注意すべき市販薬の副作用をあげていきます。

風邪薬での副作用が最も多いので注意

市販の薬の副作用で最も多いのは風邪薬です。これは風邪薬の成分が問題というよりも風邪薬の使用頻度が高いからだと考えられます。誰でも1シーズンに1回くらいは風邪を引きますよね。

風邪薬で最も多い副作用は急激な胃の痛みです。場合によっては急性の胃潰瘍を起こすこともあります。高齢者は胃の働きが低下していることが多く、風邪薬によって胃が刺激され、突然激しい胃の痛みが起こるのです。

副作用というのは、いつも起こるというものではなく、体の健康状態によって突然現れることが多いので、胃の働きを低下させる何らかの原因があり、そのタイミングで風邪薬を服用したことが副作用につながったということになります。

風邪薬を服用するときは、できるだけ胃の粘膜を保護する薬を一緒に飲むようにすると、胃への刺激が和らぎ副作用を起こさずにすみます。

お酒を良く飲む人が注意すべき副作用

お酒をよく飲むという人は風邪薬や解熱鎮痛剤を服用するときは、薬物性肝障害とう副作用に注意しなければいけません。薬物性肝障害とは肝臓の機能に問題がある人が薬を服用したときに起こる副作用です。その症状は次のようなものです。

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 全身の倦怠感
  • 黄疸

また、まれに劇症肝炎を起こすこともあります。高齢になると自然に肝機能が低下していきますが、さらに普段の飲酒量が多いと肝臓にも負担がかかるのです。高齢でお酒をよく飲むという人は注意しましょう。

漢方薬でも副作用は起こる!漢方薬で起こりやすい副作用

市販の薬でも副作用が心配だという理由で漢方薬を利用する人は多いと思います。しかし漢方薬でも市販の薬と同様、副作用がないわけではありません。漢方薬で多い副作用には、呼吸障害があげられます。

漢方の風邪薬や胃腸薬に入っていることが多い「甘草」という成分が、呼吸器や肺に炎症を起こし、息苦しくなったりカラ咳が出ることがあります。頻度は低いのですが、漢方薬は副作用の心配がないわけではないことを覚えておきましょう。

貼り薬・シップ薬でも起こる副作用

副作用というと飲み薬(経口薬)だけに注意しておけば良いというものではありません。肩こりや腰痛などのときに利用するシップ薬など貼り薬でも副作用が起こることがあります。

特に起こりやすいのは、シップ薬を使っている人がお風呂に入ったときに起こる副作用です。シップ薬をはがしても薬の成分が皮膚の表面に残っていると、お湯の刺激と反応して、皮膚が赤くはれ上がることがあります。

シップ薬を使っている人は、入浴する直前にシップ薬をはがすのではなく、少なくとも入浴の1時間くらい前までにはがしておくようにしましょう。

ジェルや液剤など塗るタイプの薬の場合でも同様の副作用が起こる場合がありますので、入浴するときはタオルで薬剤を拭き取ってから入浴するよれば安心です。

こんな飲み合わせはNG!薬と食品との組み合わせで起こる副作用

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処方薬でも市販薬でも食品との組み合わせによっては、副作用が起こることがあります。副作用が起こりやすい薬と食品の飲み合わせをご紹介します。

1.便秘薬と牛乳を一緒に飲まない

高齢になると胃腸の働きが悪くなるので便秘がちになる人は多いものです。便秘薬の多くは腸で溶けるように作られているのですが、牛乳と一緒に飲むと便秘薬のコーティングがはがれ便秘薬の効き目がなくなってしまいます。

副作用が起こるというわけではありませんが、効き目がなくなってしまうので、便秘薬を服用するときは水か白湯で飲むようにしましょう。

2.お茶と精神安定剤を一緒に服用しない

精神安定剤を使用している人は、緑茶を一緒に飲むと緑茶に含まれるカフェインの影響で薬の効き目が弱くなる場合があります。緑茶に限りませんが、コーヒーやコーラなどカフェインが入った飲み物とは時間を空けて飲むようにしましょう。

3.骨粗しょう症の薬を使っている人はヨーグルトに注意する

特に高齢の女性に多いのですが、骨粗しょう症の薬を使っている人は、ヨーグルトや牛乳、チーズなど乳製品との組み合わせは控えるようにしましょう。

骨粗しょう症の薬に入っている成分とカルシウムが結合し、薬の効き目が弱くなってしまいます。ヨーグルトや牛乳は骨を作るので、多く摂ったほうが良いと考える人が多いのですが、実際には効果が弱くなってしまうのです。

4.血圧の薬を使っている人はタバコを控える

年齢を重ねると血管が硬くなるので血圧が上がる傾向があります。血圧の薬を使用している人がタバコを吸うと、降圧剤が排泄されやすくなり効き目がなくなってしまいます。食べ物だけでなくタバコによる副作用もあるので注意しましょう。

5.狭心症の薬を使っている人はウコンに注意する

狭心症の薬は血管を拡張させたり、血液の流れを良くする成分が入っているのですが、ウコンを一緒に摂ると血圧が下がりすぎたり不整脈が起こることがあります。

ウコンなど健康食品は体に良いと思って気軽に使いがちですが、健康食品と医薬品との相互作用による副作用が起こることもあるのです。健康食品にも注意する必要があります。

6.女性ホルモンの薬とアセロラを一緒に摂らない

更年期障害など女性ホルモンの薬を使用している人は、アセロラを一緒に摂ることは控えましょう。アセロラは美容によいので女性には人気の食品です。

しかしアセロラは薬の吸収量を高めすぎる場合ばあり、吐き気や頭痛、発疹、指先のしびれなどの副作用が起こることがあります。女性に起こりやすい副作用なので注意しましょう。

7.血圧を下げる薬を使っている人は天丼に注意する

食材だけでなく献立にも注意が必要なものがあります。血圧を下げる利尿剤を利用している人は、天丼を控えるようにしましょう。天丼の材料に使われるエビやイカは利尿剤と反応して、腎臓に障害が起こる場合があります。

単品としての食材だけでなく、献立や料理にどのような食材が使われているのか、ということにも注意する必要があります。

8.皮膚病薬を使っている人は牛乳に注意する

全ての皮膚病薬というわけではありませんが、皮膚病薬の多くには皮膚を柔らかくして薬の吸収を良くする成分が使われています。牛乳を飲むと薬の成分の吸収が高まりすぎて、肝機能障害が起こる場合があります。

これも飲み薬だけでなく塗り薬でも副作用は起こりうるということです。

9.コンドロイチンは効き目を過信しない

コンドロイチンは関節の痛みなどを軽減するとして高齢の人には特に人気のある成分です。骨や関節の機能が衰えないように摂る人も多いのですが、コンドロイチンは本来体内で作られるもので、年齢に伴って減少していきます。

コンドロイチンを多く摂る心掛けは良いのですが、あまりに効き目を過信していると変形性膝関節症などが悪化する場合もあります。

膝の場合、治療の基本は体重を減らすことにあります。コンドロイチンさえ飲めば大丈夫ということではありません。

10.降圧剤を使用している人はビールに注意する

降圧剤を使用している人がビールを飲むと通風の発作が起こることがあります。降圧剤は処方薬ですが、ビールの成分が利尿作用を低下させ通風の発作が起こる場合があります。

食品や健康食品はもちろんのこと、医師の処方によって起こる副作用を忘れてはいけません。

薬を使うときはこんなことにも注意!薬の常識を再チェック

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副作用の予防するためにも、万が一の事態に備えるためにも、薬を使うときには次のようなことに注意しましょう。

お薬手帳には市販薬や健康食品の使用履歴を書いておく

薬局では医薬品の副作用を防止するため、お薬手帳を配布しています。これは処方薬だけでなく、市販薬や健康食品を購入するときにも、飲み合わせに問題がないかをチェックする重要な情報になります。

お薬手帳には処方薬だけでなく、市販薬や健康食品も含めて書き込んでおくと万が一の副作用にも対処しやすくなります。できるだけ正確に服用履歴を管理することが重要です。経口薬だけでなく塗り薬や貼り薬も書き込むようにしましょう。

最近ではスマートフォン判のお薬手帳も開発されていますので、利用すると便利です。

薬を飲むときには多めの水で飲む

高齢になるほど唾液の分泌が低下したり食道の繊毛運動の働きが衰えたりするため、薬が喉に詰まりやすくなります。薬が食道に詰まると食道に潰瘍が起こることもあります。

薬を飲む時には少なくともコップ1杯の水か白湯で多めに飲むようにしましょう。最近では薬を飲みやすくする「服薬ゼリー」も販売されていますので、薬が飲みにくい場合は利用しましょう。

また、寝たきりの人など横になって療養している人は、薬を飲んだ後はすぐに寝ないようにして、20分~30分はできるだけ状態を起こしているようにしましょう。

薬を飲む時間が正しいか確認する

薬の種類にもよりますが、一般的に内服薬は食後に服用するものが多くあります。その理由は、空腹時に薬を飲むと胃を荒らすという理由もありますが、食後に飲んだほうが薬の吸収が良いという理由もあります。

空腹のときの胃は強い酸性(ph1~2)ですが、食べ物を食べた後は酸性度がやや弱まります。ちょうど胃の酸性度がph3~4くらいになったときのほうが、薬の溶け方がちょうど良く、成分の吸収も高まるのです。

食後に飲む薬の場合、食事を終えた直後に薬を飲む人が多いのですが、少なくとも30分程度時間をおいて服用するのが正しい服用の仕方です。そうしたほうが薬の効果が正確に現われ副作用も起こりにくくなります。

同様に、漢方薬など食前に飲む薬の場合は、食事の直前ではなく食事を摂る30分程度前に服用し、食間に服用する場合は食事の途中ではなく食後2時間程度経ってから服用するのが正しい飲み方です。薬を服用する時間は正しく理解しましょう。

  • 食前・・食べる30分~1時間前に服用。
  • 食後・・食後30分程度の時間をおき、食後30分~1時間の間に服用。
  • 食間・・朝食と昼食の間、昼食と夕食の間に服用。食後2時間後が目安。
  • 食直前・・「いただきます」のすぐ前に服用。

このように薬を服用する時間についても正しく理解することで、薬の効果が正しく発揮され副作用を防ぐことにもつながります。基本的なことなのですが、意外と正しく理解していない人が多いので、もう一度確認しましょう。

使用期限が過ぎた薬は使わない、期限内でも品質に注意する

医薬品は化学物質ですから、保存状態によっては品質の劣化や成分の変質が起こらないとは限りません。期限内に使用することは当然ですが、期限内であっても薬の状態に異変がないか確認してから使うようにしましょう。

かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師を持つ

複数の病院を掛け持ちで通院している場合でも処方箋は1箇所のかかりつけ薬局で管理したほうが副作用などのチェックがスムーズに行なわれます。

また、かかりつけの薬剤師を持つようにすると、医薬品だけでなく生活全般に関して、健康相談など細かな相談もしやすくなり情報が一元化されるので安心ですね。

信頼できるかかりつけ薬剤師がいれば、副作用の相談もしやすくなります。

ジェネリック医薬品は賢く使おう

薬の量や種類が増えれば、それだけお金もかかりますね。ジェネリック医薬品は先発医薬品の特許が切れた段階で、後発メーカーが同じ成分、同じ効果の薬を低価格で販売している医薬品です。

成分や効き目、品質には変わりはありません。新薬に比べれば2~5割程度価格が安く購入できますから、賢く利用したいものです。

薬は様々な過程を経て安全に作られていますので、実際に副作用が起こることは極めて稀なことです。しかし副作用が全くないとは言い切れません。副作用の危険が少しでもあることを理解して正しく使うことが大切です。

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