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ほくろかメラノーマ癌かの診断はえんぴつで!簡単チェック法

鉛筆を持つ女性

急にほくろができた、ほくろが急に大きくなった…こんな症状があれば、それは通常のほくろではなく「メラノーマ」という皮膚がんの可能性があります。

メラノーマはほくろとよく似た癌です。どうすればほくろと見分けることができるのでしょうか。受診の目安として使える簡単なセルフチェック法と、メラノーマの特徴や治療法について紹介していきます。

実は悪性度の高い癌!ほくろと似ているメラノーマとは

ほくろは、メラニン色素が含まれる良性の細胞「母斑細胞」が増殖したものです。正式には、平べったいものを「単純黒子」、盛り上がっているものを「母斑細胞母斑」と呼びます。

母斑細胞は生まれつき皮膚に存在しているもので、何らかのきっかけで増殖すると色が濃くなったり盛り上がったりして、ほくろに変わります。ほくろは生まれた時からすでにある場合と後天的に生じる場合があります。

ほくろと似ているものに、メラノーマ(悪性黒色腫)があります。メラノーマは、表皮内のメラノサイト(メラニン細胞)が癌化して増殖した時に起こる、皮膚癌の一種です。

皮膚癌は2種類。メラノーマのほかには、表皮の有棘(きょく)層または基底層に生じる「表皮癌」があります。

表皮の構造とメラノサイトが発生する箇所

表皮癌は進行が遅く転移しにくいため、進行する前に発見して治療することが容易となっています。皮膚癌の7割は表皮癌なのですが、ほかの癌と比べても死亡率はそれほど高くありません 。

しかしメラノーマは進行が早く転移しやすいため、発見した時にはすでに治療が困難な場合が多く表皮癌より悪性度が高いです。メラノーマは少ない癌ですが、皮膚癌による死亡者のほとんどを占めています。

ほくろはほとんどの人の体にある良性腫瘍の一種で放置しておいても問題ないなく、癌に変わる心配もありません。

ほくろとメラノーマは、どちらもメラニン色素が含まれて褐色~黒色をしており外観が似ていることから、メラノーマをほくろと間違えて放置してしまう危険性があります。

メラノーマはあっという間に進行して転移する心配が大きいため、なるべく早く発見して治療を始めなければなりません。

私達が問題ないほくろと危険なメラノーマを見分けるには、どうすれば良いのでしょうか。

鉛筆1本で簡単チェック!ほくろとメラノーマを見分ける方法

気になるほくろがある時には、簡単なセルフチェックをおすすめします。

用意する物は鉛筆1本。消しゴム付きの鉛筆があると、なお良いです。

消しゴムつき鉛筆

気になるほくろの上に鉛筆のお尻(または消しゴム)を当て、鉛筆からほくろがはみ出さないかチェックしてみてください。

ほくろが鉛筆に隠れていたら問題ありません。ただし、ほくろが鉛筆からはみ出ている場合はメラノーマの可能性が出てくるので皮膚科の受診をおすすめします。

ただし中には、直径6mm以下のまだ小さいメラノーマ、直径6mmを超える大きなほくろ(俗に黒あざと呼ばれているもの)もあるので、併せてほくろの外観をチェックすることもおすすめします。

鉛筆に付いている消しゴムの直径は約6mm。実は直径が約6mm以下のほくろからメラノーマはほとんど見つからないため、鉛筆でチェックすればほくろかメラノーマどうか大まかに見分けることができるというわけです。

ABCDEルールでメラノーマをチェック

メラノーマには、ほくろやしみとは違う特徴があります。世界中の医療機関で広く用いられるメラノーマの診断法「ABCDEルール」を見ると、メラノーマの最大の特徴5つが分かります。

気になるほくろがあったら、ABCDEの項目に該当していないかチェックしてみてください。メラノーマ以外の良性の病変でも項目に該当する場合はあるのですが、項目に多く該当するようならメラノーマの疑いが高くなると考えることができます。

ABCDEルール

Asymmetry
(左右が非対称)
病変の形態が左右非対称である。
Border irregularity
(境界線が不鮮明)
境目がぼやけている、またはでこぼこや縁のギザギザがみられる。
Color variegation
(色調が多彩)
色調にむらがある。
Diameter enlargement
(病変が大型)
長径が6mmを越えている。
Evolving lesion
(進行する病変)
病変の大きさ,色、形などの症状が変化していく。

ほくろと皮膚癌を見分けるABCDEルール

メラノーマは左右が非対称でいびつな形をしていますが、ほくろは左右対象な形をしているといった違いがあります。また、ほくろは濃淡がなく黒または茶褐色の単色ですが、メラノーマは色に濃淡があり、赤みが混ざることも多くなります。

また以前はなかったほくろが数ヶ月で大きくなってきた場合もメラノーマが疑われます。通常のほくろはほとんど大きくなることはありません。

初期のメラノーマはほくろと間違える程度で自覚症状はありませんが、進行すると潰瘍やびらんができ、じゅくじゅくしたり出血したりするようになります。

こうなったらさすがに通常のほくろではないことに気付くはずですが、潰瘍やびらんができていたらすでに病期(ステージ)は初期癌を過ぎているため、一刻も早く治療を受けなければなりません。

種類は?生存率は?メラノーマの病型4つと病期について

メラノーマは、それほど発症率の高い病気ではありません。1年間に発症する患者数はメラノーマの多い白色人種で10万人に15~20人、日本人では10万人に2人程度となっています。

しかし進行すると急激に死亡率が高くなるため、メラノーマがどんな病気でどうすれば進行する前に治すことができるのか知っておきたいですね。

メラノーマの種類

メラノーマに4つの病型に分類されており、それぞれ特徴が異なります。

末端黒子型黒色腫

「末端黒子型黒色腫」は日本人に最も多く、メラノーマ全体の半数近くを占める病型です。足の裏、手のひら、爪など四肢の末端に生じるのが特徴。特に爪のメラノーマが多くなっています。

前駆症状として褐色の小さな斑点が生じてから数ヶ月~数年かけて大きくなり、びらんや潰瘍に進行していきます。爪のメラノーマは爪に黒い縦線が生じ、次第に線が太くなったり爪の周辺に黒いしみが広がったりしてくのが特徴です。

好発しやすい年齢は中年期。外的な刺激が原因で進行しやすいといわれていますが、初期に見つかりやすく適切な治療で良好な予後を得ることができます。

結節型黒色腫

「結節型黒色腫」は日本人で2番目に多いメラノーマで、全体の約30%を占めます。発生場所は全身、前駆症状なしに半球状の腫瘍や結節が生じ、潰瘍を伴うことが多くなります。

ほかの病型に比べ、悪性度の高いメラノーマです。進行が早く転移しやすいため、発見が遅れて予後の悪くなることが多くなっています。

40~50代に多く見られますが、どの年代にも起こりやすくなっています。とにかく早期発見による治療が大切です。

表在拡大型黒色腫

「表在拡大型黒色腫」はどちらかというと白人に多く、紫外線を浴びることが原因で起こると考えられているメラノーマです。日本ではメラノーマ全体の20%弱にあたりますが、日本人にもこの病型が増えてきていると言われます。

全身のどこにでも生じ、前駆症状として少し盛り上がった黒褐色のしみが生じて、濃淡のある腫瘍に成長していきます。進行は比較的遅く、40~50代に多く見られますがどの年代にも起こりやすくなっています。

悪性黒子型黒色腫

「悪性黒子型黒色腫」はメラノーマの中で最も少ない病型。前駆症状として黒褐色のしみがあらわれてから、ゆっくり時間をかけて大きくなっていきます。初期は平たんですが隆起や結節を伴うようになることもあります。

60代以上の高齢者の顔にみられ、進行が遅く治療しやすいのが特徴です。

メラノーマの病期

病期(ステージ)とは、癌の状態を把握するための指標のことです。腫瘍の厚さ、リンパ節または他の臓器へ転移しているかどうかで評価されます。病期は0~Ⅳ期の5段階に分類され、癌が進行するほど数字が大きくなります。

癌は他の臓器に転移してしまうと治療が困難になるため、メラノーマの5年生存率はⅠ期までで95%以上、Ⅱ期で約70%ですが、他臓器へ癌が転移するⅢ期になると約50%、Ⅳ期では約10%まで下がってしまうことが報告されています。

悪性黒色腫の病期

病期 臨床症状・転移の有無
0期 癌細胞が表皮内のみに存在する
Ⅰ期 リンパ節や他の臓器に転移が無く
A:がんの厚みが1mm以下で表面に潰瘍がない
B:がんの厚みが1mmを越えるが2mm以下で潰瘍がない
Ⅱ期 リンパ節や他の臓器に転移が無く
A:がんの厚みが1mmを越えるが2mm以下で潰瘍がある
がんの厚みが2mmを越えるが4mm以下で潰瘍がない
B:がんの厚みが2mmを越えるが4mm以下で潰瘍がある
がんの厚みが4mmを越えるが潰瘍がない
Ⅲ期 他の臓器に転移がある
Ⅳ期 大きさ,形態,色調,表面の状態などの症状に変化が見られるもの。

皮膚癌は内臓の癌と異なり肉眼で発見しやすいため、早期癌のうちに治療にこぎつけるチャンスが高い病気といえます。

少しでも疑わしいほくろやしみを見つけたら注意深く観察し、ABCDEルールの項目に該当するようならすぐに皮膚科を受診して、適切な治療でメラノーマの進行を食い止めましょう。

早期の手術が転移を防ぐ!メラノーマの治療法は

気になるほくろやしみがあったら、近くの皮膚科を受診してください。検査で悪性腫瘍かどうか診断することが必要です。

検査

一般に悪性腫瘍が疑われる場合は腫瘍の一部を採取し、病理医が顕微鏡で生検(病理組織検査)を行なうものですが、メラノーマはむやみにメスを入れると転移する危険性があるため、病理組織検査はやむを得ない場合にとどめます。

メラノーマは、まず皮膚の臨床症状を見ながら総合的に診断していきます。

メラノーマの主な検査法は「ダーモスコピー検査」です。これはダーモスコープという拡大鏡で病変を30倍くらいに拡大し肉眼で詳しく診察する方法。患者の苦痛を伴わず、患部の特徴から悪性腫瘍かどうか区別することができます。

ただし臨床症状を見ただけで診断することが難しい場合は手術と並行して病理組織検査を行ない、メラノーマと判断されたら腫瘍より大きめに切除してしまいます。

すでにリンパ節や他の臓器へ転移していることが考えられる場合は、超音波検査やCT・MRI検査などの画像検査で全身を調べます。

治療法

メラノーマの治療法は、いくつかの癌療法の中から病期や患者の体調などに合わせて選択されます。しかしメラノーマは病変を切除せずに残しておくと転移や再発が起こりやすいため、手術で病変を切除してしまうことが根本的な治療法となります。

早期のメラノーマほど小規模な手術で済み、予後の経過も良好になります。病期が進行すると手術以外に複数の療法を組み合わせる必要が出てきます。

病期 主な治療法
Ⅰ期 手術で腫瘍の1㎝外側まで切除する
Ⅱ期 手術で腫瘍から1~2㎝外側まで切除する
Ⅲ期 手術で腫瘍から2~3cmまで切除し、化学療法・放射線療法を併用する
Ⅳ期 病状に合わせ手術・化学療法・放射線療法・緩和ケアなどを組み合わせる

またⅠ~Ⅱ期で転移がないと推測されるメラノーマでも、手術中に「センチネルリンパ節生検」という生検を行なうことが推奨されています。センチネルリンパ節とは最初に転移が起こる部位のリンパ節のことです。

センチネルリンパ節を検査して転移が見つからなければ、まだほかのリンパ節にも転移していないと判断できます。転移が見つかれば、ほかのリンパ節へ転移が広がる前にその部位のリンパ節を全て切除してしまい、全身への転移を予防します。

メラノーマは転移や再発が起こりやすい癌であることから、早期の病変の切除手術に成功した後も化学療法や放射線療法を受けたり定期的に検査を受けたりして転移や再発を予防していくことが一般的です。

メラノーマになりやすい人とは?メラノーマの原因

メラノーマになりやすい人は

  • 白色人種
  • 色白な人
  • 屋外で紫外線を浴び続けてきた人
  • 日焼けサロンを利用している人
  • 40代以上の人
  • メラノーマの家族歴がある人

といわれています。

メラノーマの主な原因は、紫外線と外部からの刺激です。白色人種にメラノーマが多いのは、有色人種より紫外線に対する皮膚の防御力が弱く、紫外線の害を受けてしまいやすいためです。

日本人でも色白で日焼けするとすぐに赤くなって炎症を起こすタイプの人は紫外線に弱いため、しっかり紫外線対策を行なう必要があります。

日焼けサロンの紫外線は無害とも言われていますが、過度に利用すると皮膚の老化や皮膚癌のリスクを高めることが示唆されているので、日焼けサロンは皮膚の健康のためにはおすすめできません。

メラノーマはどの年代にも起こり得る病気ですが、長年にわたって紫外線を浴びてきたことが原因になりやすいため、加齢と共に発症率が高まります。

メラノーマが増える40代以上、特に高齢者は不審なほくろを見つけたら受診することがのぞましいです。

また皮膚を傷つけたり長期にわたって圧迫したりすることも良くないとされ、足の裏に生じやすい「末端黒子型黒色腫」は歩いたり運動したりする時の衝撃で進行しやすいので、見つけたらすぐに治療を受けて切除してしまうことがのぞましいです。

「足の裏のほくろは危険」「ほくろをいじると癌になる」と言われることがありますが、ほくろがメラノーマでない限りは問題ありません。

足の裏に見つかるのは、ほとんどが通常のほくろです。またいじって大きくなるほくろは、通常のほくろではなく最初からメラノーマの疑いが高くなります。ABCDEルールに該当すれば刺激を与えることを避け、すぐ皮膚科を受診することをおすすめします。

入浴や着替えの時に肌のチェックを!家族間でも是非

早期発見のために日頃から肌をチェックする習慣をつけておきましょう。

入浴や着替えの時に全身の肌をチェックするのがおすすめです。背中や後頭部は自分から見えにくいので、家族間で定期的にチェックすると見過ごしが防げます。

メラノーマは珍しい癌ですが日本人にも増えてきているので他人事と思っているのも良くありません。今回紹介した鉛筆やABCDEルールでのチェックは簡単なので、是非活用してみてください。

キャラクター紹介
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