健康生活TOP 腰痛 ストレスに弱い筋肉がある!ストレスが原因となる意外な痛みの改善法

ストレスに弱い筋肉がある!ストレスが原因となる意外な痛みの改善法

ストレスを感じている女性

ストレスは、体に悪影響を及ぼすことはよく知られています。ストレスによる交感神経の興奮により筋肉が過緊張して硬直するとともに、血流が低下し、体の随所に痛みや不調を引き起こします。

ストレスにもいろいろありますが、精神的ストレスが影響しやすい筋肉があることがわかってきています。精神的ストレスは、筋肉の緊張がなくても様々な痛みを引き起こすことがあります。

精神的緊張が続くと、脳に備わっている痛みをコントロールする機能に誤動作が起こり、筋肉が緊張していなくても痛みが起こるようになってしまうのです。

または、ストとレスにより鎮痛物質の分泌が抑制されることで、腰痛などの痛みが慢性化するという考えが医学界でも発表されています。

今回はストレスの影響を受けやすい筋肉の硬直を緩めることで痛みを改善する方法を解説します。

ストレスで交感神経のスイッチが切れないと腱が痛みを起こす

体の神経支配は、

  • 闘争時や頑張る時の神経である交感神経
  • リラックス時に働きメンテナンスの神経である副交感神経

このふたつのバランスにより成り立ちます。

昼間は交感神経が働き、夜には副交感神経が働くようにできています。しかし、ストレスが長時間続くことで交感神経の緊張状態が強くなり、本来働くべきところで副交感神経が働かなくなります。

そうなると筋肉は収縮状態が続き、痙攣状態に陥り硬くなります。痙攣した筋肉は腱となって関節を構成する骨に付着するため、関節が歪んでしまいます。

このように、交感神経のスイッチが切れないことで筋肉のこわばりや関節の痛み、動きの異常につながるのです。

痛みをコントロールする機能の異常でさらに痛く…

日常的にストレスを受け続け、交感神経のスイッチが切れない状態が続いていると、脳内物質のバランスが崩れ、ドーパミンシステムが働かなくなります。

ドーパミンシステムとは、近年、医学の進歩により解明されてきたもので、痛みをコントロールする脳のメカニズムのことです。

これは、「痛みを感じる状況にあっても、痛みを抑制するドーパミンという脳内物質が大量に分泌されて感じる痛みを軽減させる」という、もともと脳に備わっている機能です。

交感神経のスイッチが切れないことで脳内物質のバランスが崩れ、ドーパミンの分泌が減って痛みを抑えられなくなり、痛みを強く感じるようになります。

その痛みがさらにストレスとなり、ドーパミンの分泌がさらに減少することで、痛みが慢性化するという悪循環に陥ってしまうのです。

痛みを引き起こすストレス、身体的ストレスと精神的ストレス

痛みを引き起こすストレスとして、身体的ストレスと精神的ストレスがあげられます。これらは、神経や筋肉の緊張を高めるとともに血流を低下させ、痛みの原因・誘因となります。

身体的ストレス

日常生活、仕事上において、強いられる動作や態勢。中腰姿勢の継続、椅子に座り続けてのパソコン操作、長時間の車の運転、合わない寝具による就寝など。

また環境条件によるもの。寒すぎる、または暑すぎる環境、気圧の変化、湿度、引っ越しや旅行による環境の変化など。

精神的ストレス
  • 家庭内でのトラブル…看病、介護、育児、夫婦間の不和
  • 近所、親戚づきあいにおいての問題
  • 仕事上のトラブル
  • 金銭上のトラブル、貧困
  • 看病、介護、育児
  • スポーツ、勉強、仕事においてのプレッシャー

ストレスの影響を受けやすい筋肉「大腰筋」

ストレスや不安を抱える人は、大腰筋が過緊張するということが解ってきています。腰椎の前側(腹側)から骨盤の前を通り、太ももの骨の内側に付着する上半身と下半身をつなぐ筋肉です。

人体における大腰筋の位置

大腰筋が過緊張すると、筋肉の長さが短縮し仙骨が前に傾きます。身体のバランスが崩れ、重心が内側、前側に偏ります。腰椎が前方に引かれ、脊柱が過剰に前弯することで反り腰の状態になります。

大腰筋の緊張と弛緩による仙骨の開き

左の図、「腰仙角」が大きくなっているものです。仙骨が前傾になってしまいます。そうなると、腰部に絶えず無駄な力が入って緊張しているため、血行が悪くなり腰痛が生じます。

筋肉の血流が悪くなることで筋肉中に老廃物が溜ります。それが周囲の神経を刺激し痛みを起こすのです。

なせ大腰筋がストレスの影響を受け易いのか?

大腰筋はスポーツ選手にとって大切な筋肉ですが、ストレスの影響を受けやすいため、勝敗や記録のプレッシャーと戦う人は、大腰筋の硬直が原因となる腰痛が多いようです。

バスケットボールの県大会の出場メンバーを決める大事な選考会の前日に、階段を上っていたら左腰と左股関節に痛みが入って、脚が上がらなくなった学生さんが来院されました。

この子の場合ストレスによる大腰筋の痙攣だったので、明日は痛みが残るけど何とか試合に出れそうなことを、お迎えにお母さんが来られてから、2人に伝えました。

痙攣を解く施術を行って迎えた翌日、少し痛みが残るものの、足腰は動くようになり、2試合にフル出場し県選抜代表メンバーを勝ち取ったそうです。

本人は休まなければならないとあきらめたせいか、かえって体の緊張が解けて施術の効果も入りやすく、良い結果をもたらしたのです。

また、大腰筋は冷えにも弱く、お腹を冷やすと腰が痛くなる場合は冷えにより大腰筋が緊張して硬くなることが原因と考えられます。

以前、居酒屋でビールの大ジョッキを一気飲みしたとたん、腰に痛みが走って椅子から立てなくなって来院された患者さんがみえましたが、このパターンだと思われます。

さて、なぜ大腰筋がストレスの影響を受け易いのか?につきましては、次の理由が考えられます。

  • 大腰筋が交感神経幹のすぐ近くを縦に並走している事
  • 大腰筋は呼吸筋である横隔膜の脚部と連結している事

交感神経幹は脊椎の傍らを縦走する神経線維の束で、左右に一本ずつあり、この線維束の中に交感神経の神経節が並んでいます。交感神経はこの神経節から全身の器官に広く分布します。

交感神経節の緊張は大腰筋の過緊張を引き起こします。その緊張が継続することで大腰筋が痙攣して、腰部や股関節の痛みを引き起こします。

ストレスによる横隔膜の過緊張による呼吸時の運動低下による影響は、脚部で連結している大腰筋にも伝わります。その結果、筋肉が過緊張することで大腰筋が付着する腰椎にも影響を及ぼします。

大腰筋と同じ「屈筋」の筋肉はストレスに弱い

大腰筋は股関節を屈曲に働く「屈筋」で、息を吸った時に力を発揮し息を吐いた時に緩みます。この屈筋に分類される筋肉は、ストレスを受けると過緊張しやすく全身の様々な痛みに関係します。

筋緊張性頭痛 ― 僧帽筋

いわゆる首・肩のコリがひどくなって起こる頭痛です。ストレスや冷えなどにより僧帽筋が過緊張して後頭部やこめかみに痛みを起こします。後頭部に付着する僧帽筋の上部が過緊張すると、後頭骨を引き下げて歪みを引き起こします。

顎関節の痛み ― 咬筋・側頭筋・外側翼突筋

精神的・身体的ストレスにより咀嚼筋が過緊張し、歯ぎしりを起こします。パソコン作業中やイライラとした時に起こる昼間の歯ぎしりは咬筋・側頭筋が関与し、就寝時の奥歯をこすり合わせる夜間の歯ぎしりは、外側翼突筋の上頭が関与します。

咀嚼筋の緊張は、顎関節の痛みや違和感はもちろん、こめかみの痛み、耳鳴り、めまいにも関与します。

肩甲間部の痛み

肩甲間部にあり、胸椎と肩甲骨に付着している小菱形筋、大菱形筋も、大腰筋と同じ理由でストレスにより過緊張します。さらに、重心の偏りにより猫背になることで筋肉が引っ張られて痛みを起こします。

とくに肩甲骨の閉じている側-内重心側は、パソコン作業などで肩を前に出すことでさらに筋肉が伸張され痛みを起こします。

肋間神経痛

精神的に緊張、または身体的に緊張すると呼吸が浅くなります。 呼吸が浅くなるとリラックスすることなく、息が上がっているている状態になります。

ストレスが長く続いた状態では、背中や肋間の筋肉に大きな負担を掛け続ける事になります。その結果、背中との筋肉は常に収縮して硬くなり、肋間神経痛になり易いのです。

季肋部やみぞおちの痛み

ストレスが続くと、横隔膜が緊張します。横隔膜が緊張すると、みぞおちや季肋部に痛みを生じます。横隔膜の胸骨部―みぞおちは、息を吐いたときに緊張し、横隔膜の肋骨部―季肋部は息を吸ったときに緊張します。

大腰筋が緊張して仙骨が前傾する人は、横隔膜の肋骨部が緊張します。また、大腰筋が弛緩して仙骨が後傾する人は、横隔膜の胸骨部が緊張し、みぞおちが痛んだりつかえた感じが生じます。

胃の痛みと混同されることもありますが、江戸時代の「按摩手引」に、上腹部が硬くこわばるものを「苦労の腹」と記されてているように、心労による硬結が生じる場所とされてきました。

ふくらはぎの痛み

ストレスの中でも冷えや湿気の影響を受けます。屈筋の作用を持つ、外側の腓腹筋がけいれんによる痛みを起こしやすいです。

生理痛・下腹の痛み

恥骨に付着する腹直筋、恥骨筋は、ストレスを受けると過緊張し、恥骨が前方に突出します。それと同時に、骨盤が後ろ倒しに下がって骨盤内臓を圧迫し、ホルモンの分泌以上による生理痛、下腹の痛みを引き起こします。

ストレスにより硬くなった筋肉を緩める方法

ストレスの影響を受けやすい代表的な筋肉を緩めます。これにより、関連する筋肉も連動して緩みます。これにより、ストレスにより発生した歪みや痛みが改善できるのです。

大腰筋のストレッチ

  • お尻を落として両脚を伸ばす
  • 左つま先を内に入れて脚を捻じる
  • 次に右つま先を打ちに入れて足を捻じる

このとき捻じる角度が大きい側が大腰筋の緊張が起こっている側です。

骨盤の前側のボコっと凸している部分、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)と、おへそを結ぶ線の真ん中辺りが大腰筋のポイントです。

左の大腰筋が緊張している場合

  1. 左手親指以外の四指で左の大腰筋のポイントを押さえる。
  2. 左の膝を曲げて立て、左足を少し外に出しながら膝頭を内に入れる。
  3. お腹を押さえたまま息を吐きながら後ろに体重を掛けて、左大腰筋をストレッチする。
右の大腰筋が緊張している場合

  1. 右手四指で右の大腰筋のポイントをを押さえる。
  2. 右の膝を曲げて立て、右足を少し外に出しながら膝頭を内に入れる。
  3. お腹を押さえたまま息を吐きながら後ろに体重を掛けて、右大腰筋をストレッチする。

菱形筋の腱弾き

ストレスにより肩甲骨の間が凝る、つっぱる場合によく効きます。2人一組で行いましょう。

  1. 大腰筋緊張側の手を後ろに回して肩甲骨を浮き上がらせる。
  2. 肩甲骨の内側に浮いた大・小菱形筋のスジを横に揺すって探す。
  3. それぞれのスジを親指で、息を吐きながら斜め外上に弾いて緩める。
  4. みぞおち(横隔膜)の空(から)はじき

    江戸時代の書物に書かれている、ストレスで固まったみぞおちを緩める秘法です。
    みぞおちがつかえる人、みぞおちが痛い人や逆流性食道炎の場合によく効きます。

    1. 仰向けに寝た状態で、利き手の中指をみぞおちの骨の1㎝位下に垂直に立てる。
    2. 人差し指を曲げて親指につけた状態から、指を勢いよく伸ばし、弾く動作をする。
    3. 息を吸いながらこの動作を3回行った後、息を吐きながら中指を離す。

    ストレスの影響を受けると体が硬くなる

    よく、「私は昔から体が硬い」「この子は関節が硬いので正座できない」などといわれますが、体の硬いのは先天的なものは少ないようです。

    同じ体勢を長く続けたり、繰り返し動作を行うことによる 筋肉にストレスを掛けすぎた事により、筋肉が硬くなったことが理由として挙げられます。

    加えて、精神的ストレスが続くことで、交感神経が緊張し続けることで、筋肉や関節が硬くなるケースも増えてきています。

    この記事で紹介しましたセルフ腱はじきやみぞおちの空はじきは、江戸時代の按摩術の本に記載されているものを、現代人向けにアレンジしたものです。

    ストレスにより、痛みが出ている人はもちろん、体が硬くなった人にとてもよく効きます。ぜひ、お試しください。

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