健康生活TOP 腰痛 高齢者の腰痛予防!日常にひそむ気をつけたい動作と楽々ストレッチ

高齢者の腰痛予防!日常にひそむ気をつけたい動作と楽々ストレッチ

高齢者の多くは、なんらかの理由で病院にかかっています。その理由を見てみると、高血圧、腰痛、関節痛が上位に挙げられます。

「月」という部首は体のことを表しますから、「腰」という漢字は「体」の「要」という意味をそのまま表しています。それほどに、腰は体の中で重要な部分であり、その分だけ負担もかかりやすいということです。

腰痛の原因となる動作を知り、まずは予防に努めましょう。そして、その痛みを少しでも和らげて、苦痛のない日常生活が過ごせるように体をつくっていきましょう。

高齢者に腰痛はつきもの。若年層と違い危険をはらむ理由

医療費の圧迫が社会問題となっている昨今、厚生労働用によって行われている統計調査の内訳を見てみると、高齢者の長期にわたる受診が大きな割合を占めていることがわかります。

高齢になるほどに、病院にかかる方の数は増え、その受診期間も長期にわたることが報告されています。

高齢になると、それまでの生活により骨格に歪みが生じたり、年をとって骨がもろくなったことで変形や骨折をしやすくなったりします。それらのことが原因で腰痛を発症することも多いのです。

若い方にも腰痛は頻繁に見られます。若い方で腰痛をお持ちの方には、「腰が痛いけれど、休んでいるわけにはいかないから」と、無理に体を動かしている方も多いでしょう。ですが、高齢者は若年層とは違った問題を抱えています。

高齢者の体は全体的に脆く弱っているので、一箇所が弱るとほかの場所にも影響が出やすい側面があります。それは精神面への影響も含めてのことで、体が弱ると心も弱り、「痛くても頑張ろう」と思えなくなっていくのです。

若年層では体に無理をきかせることができても、高齢になると「痛くても無理にでも動く」ということができにくくなり、「痛いから動けない」という状態に陥りやすくなります。

そうして、受診回数の増加や、受診期間の延長していきます。それが悪化していくと、活動性の低下や、要介護状態・寝たきりへとつながっていくのです。

腰痛の原因となる疾患には脊椎や骨に関係のないものまである

「腰痛は多くの人が持っているもの」と思っても、それでその人の腰痛が軽くなるわけではありません。「辛いのは自分だけではない」と思えることは心の支えにはなりますが、できることなら体そのものを楽にしたいものですね。

腰痛を楽にするためには、腰痛の原因となる疾患について知りましょう。

腰痛の原因となる疾患

腰痛の原因として明確にわかりやすいものは、腰椎の変形や病変、骨折などの疾患です。骨格にかかわる疾患は、レントゲンなどで発見できるので、診断がしやすいでしょう。

腰椎圧迫骨折
脊椎は、いくつものちいさな骨が連なって形成されています。その骨が上下からの圧迫でつぶされてしまっておこるのが、圧迫骨折です。しりもちをついたり、無理に曲げたりして腰椎が圧迫されたときに、おこりやすい骨折です。

通常の骨折では、枯れ枝を折ったようにぽっきりと折れたり亀裂が入ったりしますが、圧迫骨折はそのような折れ方ではなく、ひしゃげたようにつぶれます。

椎間板ヘルニア
脊椎を形成するいくつもの小さな骨と骨の間には、椎間板というクッション材のような存在があります。この椎間板が変形してしまうのが、椎間板ヘルニアです。

そもそもヘルニアとは、内臓などが本来あるべき場所からはみだして出っ張ってしまうことを指します。椎間板ヘルニアのほかにも、鼠径ヘルニアや食道裂孔ヘルニアなど、さまざまなヘルニアがあります。

いずれにしても、あるべき場所から体の部品が逸脱してしまっている状態ですから、さまざまな体調不良を及ぼします。椎間板ヘルニアでは、脊椎の神経を圧迫してしまうことから、下肢のしびれや歩行動作の困難などが見られます。

腰部脊柱管狭窄症
脊柱管とは、背骨をつくるいくつものちいさな骨の中を通っている管です。脊柱管のなかには、神経が入っている袋があります。脊柱管は、その神経を保護する役目を持っているのですが、脊椎が変形すると、脊柱管が圧迫されてしまいます。

神経が圧迫されることで、腰痛や下肢のしびれなどがおこります。神経が圧迫されるという点では、椎間板ヘルニアに症状が似ていますね。

化膿性脊椎炎
細菌が血の流れにのっていき、脊椎を化膿させる疾患です。泌尿器や婦人科系疾患、胆嚢炎などからの感染が多く、頸椎よりも胸椎や腰椎に炎症を起こすことが多いです。

腰や背中の痛みや高熱を伴います。脊髄の周囲に膿がたまり、病巣の部位に応じて、麻痺やしびれなどの症状があらわれます。腰椎で炎症を起こした場合は、腰を叩くと痛みます。慢性的になってしまうと、痛み自体は比較的軽い場合もあります。

腰の骨ではない場所に原因がある腰痛

「腰が痛い」と思って病院に行ってレントゲンをとっても、具体的な理由がわからないこともあります。レントゲンで映るのは限られた部分ですから、無理はありません。そんな場合は、腰部の骨以外に原因があるかもしれません。

内臓疾患によるもの
内臓の疾患でも、腰痛を発症するものがあります。原因のわからない腰痛があるとき、胃や十二指腸、胆嚢、腎臓、子宮など、腰に近い臓器には特に注意が必要です。

胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆嚢炎や結石、腎盂腎炎や尿路結石、子宮筋腫などが代表的なものとして挙げられます。もちろん、これらに限ったものだけではないかもしれません。

長引く腰痛に不安を覚えた場合や、整形外科に受診しても原因が特定できず症状も緩和できない場合などは、これらの可能性も視野に入れて、別の科に相談してみてはいかがでしょうか。

筋肉の炎症によるもの
腰周りの筋肉が原因でおこる腰痛を、筋性腰痛といいます。腰の負担が大きい姿勢を続けていると、腰の筋肉に負荷がかかり続けて痛むようになります。田植えの作業を思い浮かべるとわかりやすいですね。

腰の筋肉が緊張して固くなっている状態なので、この状態のときにいきなり腰を伸ばしたりすると、ぎっくり腰にもなりやすく、怪我をしやすい状態です。血の流れも悪くなり、炎症がおこりやすくなり、痛みを発生させます。

その他にも、神経を痛めたことによる腰痛や、帯状疱疹などによって腰痛が起こる場合もあります。また、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアが要因となって、坐骨神経痛などもおこしてしまうかもしれません。

これらの疾患について、まずはこういった理由で腰痛がおこるということを知っておきましょう。加療を続けていても治らない場合には、ほかの疾患の可能性や対応方法について、医師に相談してみることも大切です。

腰痛の予防はできる?日常で起こりやすい避けるべき動作

腰痛の予防については、普段からの動作に気をつけておくことが重要です。座っていたり、立っていたり、腰を曲げて床のものを拾ったり、普段は何気なくおこなっている動作が、腰の負担になっている場合もあります。

日常生活こそ要注意!腰痛になりやすい動作とは?

まずは、普段の動作のやりかたを見直してみましょう。

  • イスに座るとき、足を組んで座ったり、猫背になったりする
  • 膝を伸ばしたまま背中を丸めて、低い場所の荷物を持ち上げる
  • いきなり腰を伸ばしたり、急激に動いたりする

これらの動作は、いずれも背骨に負担をかけるものです。

悪い姿勢を長時間続けていると、骨格は歪み、脊椎を正常な形に保てなくなっていきます。そうなると、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった、背骨の歪みを原因とする疾患になります。

背中を丸めて膝を伸ばしたまま床の荷物を拾うことは、背骨に過剰な負担をかけます。凝り固まった筋肉を急激に伸ばすなどの唐突な運動は、ぎっくり腰や捻挫の原因にもなるのです。

これらの行動をよくする方は、腰痛に気をつけなくてはいけません。もしかしたら既に、腰痛をお持ちかもしれませんね。

腰痛になりやすい動作を改善しよう。具体的な方法は?

「腰痛を防止したい」「すでに腰痛持ちだから、この痛みをなんとかしたい」という方は、まずは日常生活でおこなう動作を改善しましょう。

普段から馴染んでしまった方法を変えることは、なかなかに大変かもしれません。ですが、普段からの動作を見直して腰への負担を軽くしなくては、いつまでも腰に負担がかかり続けてしまいます。それでは痛みも軽くならないままです。

慣れるまではつい姿勢を崩してしまったり、慣れたやり方でやってしまったりするかもしれません。が、できるだけ気をつけながら行動していれば、そのうちに新しいやりかたが身につきます。身についてしまえば、無意識にでもできるようになるでしょう。

イスに座るときは、背筋をのばして正しい姿勢で座る
足を組んで座ると骨格が歪みやすく、無理な負担をかけやすい姿勢となってしまいます。ソファなどに座っているときに、腰を座面からずり落とさせて崩れた座り方をするのも、背骨が歪んで負担がかかる、腰痛になりやすい姿勢です。

正しい姿勢を保つのが辛いという場合には、クッションを使ったり、辛くなった時に立ち上がって少し運動をするなど、対策を講じましょう。長い時間座りっぱなしでいるのも、腰にはよくありません。

床からものを持ち上げるときは、腰を落として重心を低くする
床からものを拾うときは、腰を落として重心を低くし、膝の曲げ伸ばしをする力と、太ももの筋力も合わせて使って持ち上げましょう。背中を丸めて持ち上げると、背骨に無理な負担がかかります。
床からものを持ち上げるときは、腰を落として重心を低くする
床からものを拾うときは、腰を落として重心を低くし、膝の曲げ伸ばしをする力と、太ももの筋力も合わせて使って持ち上げましょう。背中を丸めて持ち上げると、背骨に無理な負担がかかります。

医者にかかって加療を受けることも大切ですが、日常的な生活動作を見直すことも大切です。どれだけ加療したとしても、腰に悪い動作ばかりを続けていては、根本的な解決にはなりません。

自分で自分の生活を見直し、腰への負担を軽くしながら動けるように意識しましょう。

腰痛にならない体を作ろう!簡単、座ったままでできるストレッチ

腰痛を予防するためには、日常生活の動作を気をつけるだけでは足りません。

体を健康に保つためには適度な運動が必要ですが、それは腰痛予防についても言えることです。背骨を支える周囲の筋肉を鍛え、柔軟性をつけることで、腰痛が緩和できる場合もあります。

無理のない範囲で、運動を取り入れていきましょう。

全身の筋肉はつながっています。一見すると腰とは関係がないような筋肉も、実は腰痛の一因となっている場合があるのです。全身の柔軟性を高めることを意識して運動しましょう。

イスに座ったままできるストレッチをいくつかご紹介します。基本として、背もたれに寄りかからずに、膝をしっかりと曲げて肩幅程度に足を開き、足の裏がぴったりと床につくように座りましょう。

腕と体の側面を伸ばすストレッチ

両手のひらを体の前で組み合わせ、そのまま手のひらを天井に向けるようにして、上へと腕を伸ばしていきます。左右どちらかに傾くことなく、均等に伸ばせるように意識しましょう。

腕と体の側面を伸ばすストレッチ

肩のストレッチ

腕が水平から下がらないように気を付けましょう。背中はまっすぐ伸ばしてひねらないまま、肩の付け根から伸ばすようにストレッチをするのがコツです。

肩のストレッチ

太ももの裏側を伸ばすストレッチ

まず、正しい姿勢でイスに座ります、片足だけを前方に伸ばし、ゆっくりと状態を太ももに近づけていきます。このとき、つま先をダラリと伸ばしたままにせず、やや持ち上げるようにするのが、しっかりとストレッチをするコツです。

太ももの裏側を伸ばすストレッチ

脇腹のストレッチ

片足をもう片方の膝にかけるようにして、足を組みます。そのまま、かけた方の足側へと体をゆっくりひねります。顔だけを後ろに向けるのではなく、腰を軸にしてゆっくりとひねりましょう。

脇腹のストレッチ

背中と腰のストレッチ

正しい姿勢でイスに座ったら、膝と膝の間に頭を入れるようにして、ゆっくりと前にかがみ込んでいきます。背中と腰の筋肉が伸びるように、意識を集中させておこないましょう。

背中と腰のストレッチ

腰痛を和らげるために、自分でも生活に気を付けよう

腰痛は原因を解明しにくく、解明できたとしても根本的な治療がしにくい場合も多いです。病名がわかり、手術をしたとしても、完全に痛みを取り切れる場合の方が少ないでしょう。

そんな腰痛を緩和するためには、自分でも努力を続ける必要があります。

筋力をつけたり、筋肉に柔軟性を持たせるストレッチを継続するほかにも、血行をよくするために入浴方法を工夫したり、日常生活の動作を見直したり、できることから初めていきましょう。

まさに炎症が起きている場合や化膿している場合などは、温めるより冷やす方がいい場合もあります。温熱療法については、医師に「温めたほうがいいのか、それとも冷やしたほうがいいのか」を相談したほうが良いでしょう。

薬の服用で痛みを和らげたり、医療による加療をうけたりすることも大切です。ですがそれと同じくらいに、自分での努力も重要です。大切な自分の体ですから、自分自身で意識をして、健康を守っていきましょう。
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