健康生活TOP 肝機能 肝臓が悪いと便秘で昏睡!?肝性脳症の症状と今からできる肝機能改善法

肝臓が悪いと便秘で昏睡!?肝性脳症の症状と今からできる肝機能改善法

突然ですが、肝性脳症という肝臓病の症状をご存知でしょうか。肝臓で処理されるべきアンモニアが脳にまわってしまった結果あらわれる重篤な合併症です。

気分の異常や人格の変化などに始まり、最後は死に至るかもしれない意識障害でもあります。ですので「怖い」、「最後は死ぬしかないのか」というような暗いイメージを持たれることはもっともだと思います。

確かに肝炎や肝硬変などを罹っている方にこの症状が現れるとリスクは非常に高まります。しかし地道に「より良い」生活習慣を維持することにより、症状の軽減が期待できるのです。

今回はまず肝性脳症についてご紹介し、肝機能を健康に保つために今からできることについてお話します。

肝機能不全の行く末…?肝性脳症は非常に怖い

肝性脳症は、肝臓が解毒しきれなくなった毒素(アンモニア)が脳にまわった結果引き起こされます。

肝性脳症は肝硬変などにあらわれる重篤な症状です。以下、具体的にどのような症状があるのかリストアップします。

  • 気分の異常(抑うつ、不安、多幸気分など)
  • 暴力をふるう
  • 暴言を吐く
  • 徘徊
  • せん妄(激しい体動、意識の混乱、幻覚など)
  • 言語障害
  • 人格変化
  • 羽ばたき振戦
  • 意識喪失
  • 昏睡

などなど…

いかがでしょうか。人格変化や暴言や暴力などは他の病気でも起こる可能性があります。ですので早期に肝臓が原因だと気づけないところが怖いですね。

また詳しいことは下記しますが、便秘により意識が朦朧として昏睡状態になることもあり得るのです。

羽ばたき振戦とは、肝性脳症が進行していく途中で見られる特徴のある発作のことです。患者さんの両腕を上げさせ横に保ってもらおうとしても姿勢を保つことができず、まるで鳥が羽ばたくような動作を繰り返してしまうことです。

徘徊したり、ケースによっては尿失禁や便失禁などもあることから認知症と間違われ、諦めて放置されてしまうこともあります。しかし肝性脳症は「意識障害」ですので、認知症とは全く違うものです。

アルツハイマーなどの認知症の一部は一時的に病状が良くなることがあっても、全体としては進行性であり、脳の萎縮など器質的な変化は元に戻りません。しかし肝性脳症は原因を取り除けば症状が軽減する可能性があります。

区別をする際に役立つ主な項目として、以下のような事柄を参考にすると良いでしょう。

  • 飲酒歴の有無と頻度
  • 睡眠覚醒リズムの乱れの有無
  • 人格は変わっていないか

など

落ち着いて!肝性脳症は治る

具体的な症状をいくつか挙げさせていただきました。肝性脳症は重篤で怖いものというイメージをいくらかは持っていただけたかと思います。

症状が悪化していく患者さんを目の前にしてびっくりされると思います。でも放置せず、適切な処置を取れば患者さんは助かるかもしれません。

疑わしいと思ったら、病院にかかることがまず第一です。肝臓の働きを補うための点滴などの治療、便秘のコントロールも含めた薬物療法、食事療法が必要になります。

放置は絶対ダメです。症状をつぶさに観察して医療機関を受診してください。

アンモニアに注意!腸内環境の整備も大切

最近、腸内環境を整えることが健康に良いと盛んにメディアで取り上げられていますが、ここでも腸内環境は関わってきます。

私たちがタンパク質を摂取すると、消化の最終過程でアンモニアが発生します。

このアンモニアを解毒(分解)するのが肝臓なのです。肝臓が機能不全に陥り、解毒できなくなると、血中にアンモニアが溶け出し、アンモニアの血中濃度が高くなります。

通常は毒素など脳に良くないものは、「血液脳関門」という関所でブロックされるのですが、アンモニアは分子量が小さいのでこの血液脳関門を通過してしまい、脳内に回ってしまうという事態になります。

一般的には、血中のアンモニア濃度が上昇したからといってすぐに肝性脳症になるということはありませんが、その状態が慢性的に続いてしまうとリスクが高くなるので注意が必要です。

日ごろからお通じを良くしましょう、便秘を改善しましょうというのにはこうしたワケもあるのですね。

肝臓は人体の化学工場!肝臓の機能あれこれ

肝臓は人体で最も大きな臓器です。正体は毛細血管のかたまりです。その多様な働きと、機能の多さから「人体の化学工場」と称されます。以下にその主な働きを挙げます。

  • 合成… 食べたものを身体に必要な物質に合成する
  • 解毒… 有害物質を分解し排出する
  • 胆汁の分泌… 脂肪の消化を助ける
  • 不要になったホルモン、古くなった赤血球を分解する
  • 鉄分を貯蔵し、血液を生成するのに利用する
  • ビタミン類を貯蔵、活性化する
  • 血液中の細菌を除去する

などなど

いかがでしょうか。働きは全部で2000以上あると言われています。驚異的な数ですね。私たち人間が生きていく上で重要な臓器ということがお分かりになると思います。

肝臓はタフで寡黙な臓器

肝臓は危険をあらかじめ回避しようと沢山の予備細胞を持っています。肝臓は重さが1200gあります。臓器が大きい理由はダウンする危険を避けるためです。

肝臓の再生能力にも目をみはるものがあります。手術で80%を切除されても、数ヶ月後には元の大きさに戻りなんと機能までも回復するのです。

ところが、それでも何らかのダメージによりこの肝臓が機能不全に陥ると大変なことになります。

先ほど主な肝臓の働きをご紹介しましたね。その通り、肝臓は実に様々な機能、重要な働きを担っています。しかし肝臓はギリギリ耐えられるところまで何とか自分でやっていこうとするのです。

ちょっと具合が悪いと表現してくれれば(症状として)、私たちはその危険信号を自覚症状として認知し、対処できるのにと思いますよね。でも、なぜか肝臓は我慢強いのです。

ですから、私たちは常日頃から意識して無口な肝臓の負担を減らしてあげたり、小さな変化を見逃さず観察しなければなりません。

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれているのをご存知の方も多いでしょう。無口で頑張り屋な肝臓に私たちがしてあげられることは何でしょうか。次に、私たちが肝臓のためにできることをお話ししたいと思います。

無口な肝臓をいたわるためにできること

先ほど述べたように、肝臓はなかなか危険サインを出してくれません。肝臓病の有名な自覚症状として「黄だん」があります。白目の部分や肌が黄色くなる状態を指します。

ところが、この黄だんなどの症状に気づく頃には既に肝臓病は進行しているのです。これを放っておいても良くなることは殆どなく、病気は更に悪化します。

そうならないためにも、日頃から肝臓の機能を健康に保つ必要があることは述べさせていただきましたね。

では、具体的にどんなことに注意すれば肝臓の機能を健康に保つことができるか、例をあげてお話ししていきます。

百薬の長でもあるアルコールは飲み方を工夫して

20歳を過ぎると何かにつけてお酒を飲む機会が増えていきますよね。お酒の好きな人は毎日のようにお酒を楽しみ、普段飲む習慣がない人も付き合いで…ということもあるでしょう。

お酒は場合によっては大事なコミュニケーションツールです。春はお花見、夏は暑気払い、忘年会、新年会…などなど行事というもののほとんどについて回る習慣です。

お酒は「百薬の長」と言われますが、健康的に付き合わなければいけないことは誰でも承知しているはずです。健康、特に肝臓の機能に漠然とした不安を持っている人も少なくないでしょう。

肝臓病になると禁酒は避けて通れません。特にアルコール性の肝臓病、ウィルス性肝炎、肝硬変の患者さんは症状が飲酒によって悪化するため、禁忌です。

健康診断などで肝機能を表す数値が高めの方は、お酒の飲み方を見直す必要が大いにあります。

まず自分の「お酒の飲み方」を知ることが大切です。人によってお酒の飲み方は色々ですが、例えば次のようなタイプに分けて見直してみると良いでしょう。

毎日晩酌をする人 週に1~2日は休肝日を設けましょう
お酒に強く、いくら飲んでも平気な人 おつまみを食べながら飲みましょう
お酒が好きで、飲む量を減らすのが辛い人 ウィスキーや焼酎を薄めて少しずつ飲みましょう
お酒を飲んでいる雰囲気を味わいたい人 ノンアルコールのものに少しずつシフトしていきましょう

ちなみに休肝日についてですが、一週間の飲酒回数を減らすことが目的です。休肝日を設けるのには、肝臓の負担を減らすという目的があるのは勿論のことです。

お酒を毎日飲んでいると肝臓はそれに”慣れて”きます。肝臓がアルコールを速く分解するようになるためですが、それは肝臓が強くなったのでは決してないのです。

毎日飲酒をする習慣のある人はこの慣れを一度断ち切る必要があります。

自分のお酒の飲み方について考えたこともないという人がほとんどかもしれませんね。肝臓に負担をかけないようにするにはどうすればいいのか、これを機会にふりかえって改善することは良いことです。

快眠のためのルールを作って肝機能アップ!

肝臓の機能と睡眠に関係があるのかと疑問に思われるかもしれません。肝機能を高めるためには、肝臓をしっかりと休めることが必要不可欠です。特に夜に睡眠時間を確保することが重要です。

私たちが眠っている間に分泌される成長ホルモンには弱った肝臓の細胞を修復する機能があります。ただしこの成長ホルモンは、就寝時刻が遅すぎたり睡眠時間自体が短いと分泌されません。

できれば0時までには就寝して、7~8時間の睡眠時間を確保するようにしましょう。パソコンやスマートフォンの画面は就寝時刻の2時間前以降は見ないようにする、室内の照明を調節するなどの工夫をしましょう。

また、寝る前に少し体温を上げておくと寝つきが良くなります。就寝の約1~2時間前までに、少しぬるめのお湯で半身浴をすると血行が促されます。リラックス効果もありオススメです。

夕食をとった直後や寝る直前にお風呂に入ると肝臓へめぐる血液の量が減ります。また寝つきも悪くなります。入浴のタイミングには気をつけましょう。

特に食後30分はむしろ安静にして肝臓に血液が行き渡るようにすると肝臓の負担が軽減されます。動くよりじっとしている、立つより座る、座るより横になる方が負担は減ります。

肝臓のある方の右側を下にした寝方が一番肝臓を休ませることのできる姿勢です。タオルなどで足を高くして仰向けになるのも良いでしょう。

タバコはやっぱり控えて!

喫煙は肝臓の細胞を傷つけます。肺がんに罹るリスクを高めるだけでなく、肝臓がんのリスクも高めてしまいます。

タバコにはタールやニコチンなどの有害物質そのものです。これらの有害物質を解毒する際に肝臓に負担が重くかかります。

肝臓は毛細血管のかたまりですから、タバコの影響を直接受けます。タバコで血管が収縮しているのに、ニコチンやタールを分解しなければならないので肝臓の仕事量は増加し負担が大きくなります。

血液の循環が悪くなった結果、十分な量の血液が肝臓に届かないという状態を引き起こします。肝炎や肝硬変を悪化させる引き金になるのです。

健康診断などの肝機能検査で数値が良くないと指摘されたら禁煙をする絶好のチャンスと捉えてください。

薬局などで簡単に手に入るニコチンガムやニコチンパッチを使って禁煙にチャレンジしましょう。また、健康保険を使って禁煙治療を受けることもできます。禁煙外来を受診するか、主治医に相談すると良いでしょう。

ストレスから肝臓を守って

意外に思われるかもしれませんが、ストレスと肝臓機能は密接に関わっています。肝臓を守るためには、ストレスをできるだけ減らすことも必要です。

ストレスは自律神経に直接影響します。緊張して胃がキリキリ痛むというような経験は誰にでもあるはずです。あるいは試験や面接の前にトイレが近くなったりするのは自律神経のバランスが乱れたせいです。

胃や腸が影響を受けるのと同じように肝臓も影響を受けます。ストレスは肝臓への血流を低下させ、肝臓の働きを鈍くします。

周りの人に話を聞いてもらったり、思っていることを紙に書き出すなど工夫をしてストレスをためないようにしましょう。意識した腹式呼吸で気持ちを落ち着けるのもオススメです。

ストレスは私たちが生きていく上でどうしても避けられないものです。しかし自分なりの対処法をあらかじめ考えておけば、降りかかるストレスと上手く付き合っていくことができるでしょう。

肝臓の悲鳴に耳を傾けられる良い機会!健康診断のすすめ

肝臓はなかなか弱音を吐かない臓器だということはもう何回もこの記事で触れましたね。黄だんなどのサインが出て医療機関を受診する頃にはもう病状が進行しているというのは、なんとも怖い話ですよね。

そうならならないために、定期的に健康診断を受けましょう。肝臓の悲鳴に耳を傾けられる良い機会です。

我が国では集団検診制度が充実しています。以下のような機会にわずかな費用で受けることができます。

  • 職場での定期検診
  • 特定健診(平成20年4月より40歳以上75歳未満の人に対して行われるもの)
  • 健康増進法による健診
  • 長寿健診(75歳以上の後期高齢者)

せっかくの制度です。是非活用をしてください。人間ドックを利用する方法もあります。健診・人間ドックは異常の早期発見になるだけでなく、今の自分の健康状態はどの程度のものなのかが分かります。

~体験談~人間ドックを目標に健康意識を高める

かくいう私も、先日人生初の人間ドックを受けてきました。以前は何か指摘されたら再検査になって面倒だからとか時間に余裕がないなどと言い訳を作って健診を敬遠していました。

お酒が好きで、周りの人よりも飲めるので自分は「お酒に強くてラッキー」と思い込んで気分に任せて大酒を飲んでいました。

過去に受けた健診では肝機能の項目は当然のことながら高め。でもやはり言い訳をして再検査を受けないままやり過ごしてきました。

しかしある時ふと、この「強さ」が不思議に思えて肝臓について調べました。そこでやっとブレーキがかかったのです。このままだと「依存症になってしまう」と…

そこでまず禁酒を自分に約束し、一年後の目標の一つに人間ドックを設定しスケジュール帳に記入しました。

禁酒して間も無く、お酒をいちいち買わなくて済むこと、お酒にかかっていた費用が浮くこと、体調も良くなっていることに気づきました。

そうすると、飲み会などの誘惑があっても断れる、やっぱりやめておこうと思えるようになったのです。

実際に人間ドックを受けてみると、用意されている検査項目(胃カメラ、心電図、腹部エコーなど)はスムーズに進み、こんなにカンタンに終わっていいの?というくらいあっという間に終了。

受ける前は、いくら禁酒をしていても肝機能が良くないことを指摘され、叱られるのではないかと緊張したり、検査が大変なのではないかと不安に思ったりしていました。

“案ずるより産むが易し”という言葉がありますが、まさにその通りでした。

後日、丁寧な結果説明までサービスとしてついてきました。因みに、肝機能はA判定でクリアできましたが、胃と十二指腸の炎症を指摘されました。異常ですが早い段階で分かったので、深刻にならないうちに治療を受けることができます。

問題が分かったからこそ、治療などの対策をとることができます。問題が不明であれば、放置されたまま悪化し体調が悪くなっていたかもしれません。人間ドックのありがたさを感じました。

職場や地域での健診のお知らせが来た時はチャンスと思って是非受けてください。

人間ドックは費用がかさむかもしれないと心配している方もいらっしゃると思います。確かに内容によっては高い項目もありますが、行政で計画されたものなら補助が受けられる場合もあります。事前に調べて自分に必要だと思う検査を選ぶと良いでしょう。

自分の体が今どのような状態かを知る良い機会です。健康への意識が高まり具体的な目標ができます。

早い段階で対処できれば、病気も早く治療できますし、ご自身や周りの人の経済的負担も軽く済みます。せっかくの制度ですし、ぜひ良い習慣の一つとして健診や人間ドックを取り入れてください。

以前の私のように、面倒だからと何かしら言い訳を見つけては健診を敬遠している方は多くいらっしゃると思います。そんな方には特に思い切って扉を開いてみることを強くお勧めします。

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