健康生活TOP 喉頭がん 治らない声枯れと喉の違和感に要注意!風邪と喉頭がんの症状の違い

治らない声枯れと喉の違和感に要注意!風邪と喉頭がんの症状の違い

喉に違和感を覚える女性

声が枯れると言う経験は誰にでもよくあります。カラオケの歌い過ぎでも、スポーツの応援のし過ぎでも起こりますし、風邪を引いたときに声が枯れると言うこともあります。

お医者さんたちの世界では、この現象を声が嗄(か)れると言う本来の字を当てて、嗄声(させい)と呼んでいます。今回は、声が嗄れると言う現象が危険な病気の兆候である可能性についてのお話です。

声に異常が出る理由は病気だけではない?まずは心配ない声嗄れについて

最も健康的な声嗄れの原因は、「声変わり」です。特に男の子で目立つ現象ですね。これは身体が急激に成長することに伴って、声帯も長く伸びて大人の声になるのですが、その途中において上手く声が出なくなる時期があると言う物です。

またカラオケで盛り上がった翌日の声嗄れも、楽しかった上でのことですから不健康とは言えないですね。でも、正しい発声で歌を歌っていたら声は嗄れにくいそうですよ。

声が嗄れると言う現象には4パターンあるが多いのはガラガラ声

声が嗄れたと言うのは、本来の声が出にくくなっていることを指す言葉ですが、良く観察してみると、おおまか4つに分けられることが判ります。それぞれについて見てみましょう。

粗造性嗄声(そぞうせいさせい)と言うのは、荒れた声のことです。ガラガラ声と言われることが多いと思います。4種類の声嗄れの中で、最も多く見られるものですね。

(粗造性の真ん中の字は、本来は「米」へんに「造」に似たつくりを組み合わせた漢字です。荒れたと言う意味の漢字ですが、機種依存文字ですので文字化けすることがあります。そのためやむなく「造」で置き換えることがありますので、それに倣いました。)

この粗造性嗄声の原因は、声帯の粘膜が炎症を起こして腫れることです。炎症を起こして腫れると言うのは非常に広い範囲の原因で起こります。

風邪をひいても起こりますし、喉頭がんでも起こります。また、カラオケやスポーツの応援、大声での議論など喉を使いすぎることでも声帯の粘膜に炎症が起こってガラガラ声になります。

喉頭がんが声帯にできた場合には、そのかすれ声は独特のもので、耳鼻咽喉科のベテランのお医者さんなら、電話で声を聞くだけでも診断がつくぐらいなのだそうです。声嗄れが1か月以上続いたら他の症状が全くなくても、必ず受診してください。

さらに、いわゆる「ハスキーボイス」もこの範疇に入れられます。何らかの理由で粗造性嗄声になった人が、それを表現の一つとして利用していると解釈できるでしょう。体脂肪率の高い人にハスキーボイスが多いのは、脂肪が声帯に付いたからだと考えられています。

その他、もちろんたばこやお酒によっても声帯粘膜にトラブルを起こす原因になりますから、粗造性嗄声が起こったらたばこやお酒はやめておきましょう。

このように、多くの原因によって起こるので、声質だけではなく、他の要素を考えないと粗造性嗄声の原因は特定しにくいのです。もちろん前日に宴会で大騒ぎしたと言ったことに身に覚えがあれば、それが原因と言って差し支えありません。

気息性嗄声は声帯が閉じなくなって起こる

声帯と言うのは肺からの空気を通す部位で、開閉することができる左右のひだでできています。それが閉じたときに空気を通すとそこが振動して音が出ます。

トランペットなどの金管楽器ではマウスピースに唇を押しあてて、空気を吹き込むことで唇が振動して音が出ます。基本的にはこれと同じ原理で音が出ているということです。

そして、金管楽器では共鳴管によって共鳴する音の高さを変えて楽器としての音を出しますが、人間の体では、喉頭から口・鼻に至るまでの「声道」で音を共鳴させたり、言葉として音を作ったり(構音)します。

この振動で音を作る部分が荒れていると粗造性嗄声になりますが、何らかの事情で声帯がきちんと閉じないと、空気が漏れて声がちゃんと出なくなります。いわゆる「息漏れ状態」になるわけですね。これを気息性嗄声と言います。

気息性嗄声で多いのは、声帯をコントロールしている神経にトラブルが起こり、声帯の一部が麻痺して閉じきれなくなっているということです。

必ずしも病的とは言えない気息性嗄声の原因は声帯結節です。歌手や学校の先生など、長時間にわたって大きな声を出し続ける仕事についている人の場合、声帯にタコができることがありますが、これが声帯結節です。

左右の声帯が向かいあった場所の両側にできるので、それが邪魔をして声帯が閉じきれなくなり息漏れが起こります。もちろん手術で治療もできますが、音声に関する専門病院ではリハビリによって治療できる場合もあります。

神経が原因の場合は、悪性腫瘍がかかわっていることも少なくないので、息漏れで声が出にくいという場合は、自分で判断せず、声に関する専門病院の受診をお勧めします。そうした診療科が見つからない場合、初診は耳鼻科・耳鼻咽喉科でOKです。

無力性嗄声は麻痺や筋力低下・心因性も

無力性嗄声は、声に力がなく聞き取りにくいと言うものです。声帯が何らかの神経の疾患が原因で麻痺したり、声帯の筋肉の力が衰えて声になりにくいと言うものです。

また、心因性の場合、最初は声が出ていても、だんだん声のトーンが落ちて聞きとれなくなるといったケースが見られます。声帯麻痺では、症状が重いと呼吸困難を伴う場合もあります。

基本的に原因疾患が存在する症状ですので、声に力がなくなって聞きとれないということを指摘されたら、まずは耳鼻科・耳鼻咽喉科で初診を受けて下さい。

その後適切な診療科を紹介してもらうことになります。

努力性嗄声は振り絞るような声

努力性嗄声と言うのは、本人が頑張って声を出しているというのではなく、聞いていると必死で声を出しているように聞こえる嗄声のことです。

多くの場合、声帯の痙攣によって引き起こされていると考えられ、比較的若い女性によく見られます。受診対症ですので、耳鼻科・耳鼻咽喉科で相談してみて下さい。

また、まれに悪性腫瘍が原因で発生することもありますので、がん年齢になってからこうした症状が出た場合には特に積極的に受診して下さい。

ひとくちに「声が嗄れる」と言ってもさまざまなものがありますね。お医者さんでの検査は内視鏡を鼻から入れて直接観察する喉頭ファイバースコピーが用いられますが、直径2~3mm程度のものですから苦痛は少ないです。

風邪と喉頭がんの初期症状の声嗄れは似ている!共通点と違いとは?

風邪をひいて声が嗄れると言うことは良く起こる現象です。それに対して、喉頭がんと言う病気でも声嗄れはよくおこる症状で、それは風邪の声嗄れとよく似ているのです。専門家なら聞き分けられますが、そうでない場合は難しいようですね。

怖い話のように聞こえますが、声嗄れだけの段階の喉頭がんであれば、完治する率がとても高いので、受診をためらわないようにすることが大切です。

共通する声嗄れは粗造性嗄声である

風邪をひいた時も、喉頭がんの初期も、声帯の表面が荒れますので、同じようにガラガラ声の「粗造性嗄声」が引き起こされます。ダミ声とか、ハスキーボイスとか、良い悪いは別にして様々な表現をされますね。

一方、喉頭がんでは症状の出方によって、それほど高い頻度ではないものの、気息性嗄声や努力性嗄声が現れることもあります。風邪ではこれらの声嗄れはめったに起こりません。

息が漏れて声が出ないとか、頑張ってもいないのに振り絞るような声になるタイプの声嗄れが起こったら、まずは耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診して下さい。

風邪と喉頭がんの初期症状は異なる部分が多い

ガラガラ声の声嗄れが起こったら、まず次のようなことをチェックして下さい。

  • 直前にカラオケなどを長時間楽しんでいないか
  • スポーツの応援やライブ鑑賞で大声を出していないか
  • 大きな声を出すような仕事をしていないか
  • 興奮して大声を出すようなことをしていないか
    • 子供を大声で叱る
    • 白熱した議論
    • 口論など
  • タバコを吸い過ぎていないか
  • お酒を飲みすぎていないか
  • 刺激性のガスなどを吸いこんでいないか

このようなケースであれば、他に体調の異常がなければ2~3日様子を見てもいいでしょう。そうした一過性の原因であれば数日で自然に治ります。しかし、こうしたことを繰り返すと、声帯結節ができてしまい、気息性嗄声が起こることもあります。

このようなことに思い当たる節がなければ、風邪との見分けが重要になります。

症状 風邪の症状 喉頭がんの初期症状
声嗄れ 粗造性嗄声 粗造性嗄声
気息性嗄声
努力性嗄声
発熱 あることが多い めったにない
頭痛 あることが多い ない
くしゃみ あることが多い ない
鼻水・鼻づまり あることが多い ない
咳・たん あることが多い ない
血痰 咳に伴って見られることもある 見られることがある
のどの違和感 見られることがある 見られることがある
胃腸症状 見られることがある ない

すべてが当てはまるわけではありませんが、概ね風邪と喉頭がんの初期症状の間にはこのような差があります。ですので、不安を感じたら、すぐに受診して下さい。もちろん風邪であっても、早めの受診はお勧めです。

理由が思い当たらないのに血痰が出て声が嗄れたら、すぐに耳鼻科・耳鼻咽喉科医院へ飛んで行って下さい。たいていの医院にはマイクロファイバー内視鏡がありますのですぐ診てもらえるでしょう。

喉頭がんは初期のうちに見つけることが非常に大事

一般に風邪の声嗄れは2週間以内には自然に治るけれど、喉頭がんの声嗄れは1か月以上続くので、1か月以上声嗄れが続いたら受診すべきと言われます。

しかし、何も律儀に1か月を待つ必要はありません。他に全く思い当たる節もなく、風邪の症状もないのに声が嗄れたら、すぐに受診する方が良いです。

喉頭がんは治癒率は高いが声を失うことがある

喉頭がん全体では、およそ70%の治癒率と、決して治りにくいがんではありません。しかし、病期が進んでからの治療では、声帯を含めて全摘出手術が行われますから、声を失うことになります。

そうしたことを防ぐには、何よりも早期の治療開始が重要になります。喉頭がんでは初期の1期・2期では放射線治療が中心で、抗がん剤による化学療法が並行して行われることもあります。この場合、声帯には手が加えられませんから声は残ります。

また、1期の場合、部分切除と言うこともありますが、声を温存する方向での手術です。2期になると、全摘出の可能性がゼロではなくなりますが、それでも2期はまだ早期がんですからリスクは低めです。

進行がんの3期・4期になると全摘出の可能性が高まってきます。もちろん声を残す方向での手術が選択できないわけではありませんが、再発リスクがとても高くなります。

初期のうちの喉頭がんなら通院治療も可能

1期の喉頭がんでは、80%~90%が放射線治療で治ります。つまり喉頭が温存され声を失わなくても済むということですね。しかも、放射線治療は体への負担が少ないため、全身状態が良い場合は、外来へ通院して治療を受けることもできます。

ただし、放射線治療にも副作用はあります。治療開始後1~2週間ぐらいから、声が出にくく声嗄れがひどくなる、唾が出にくい、食べ物が飲み込みにくい、味が判らないなどの症状が出ることが多いようです。

これはのどの粘膜に炎症が起こっているためです。一方、のどの外側では首の皮が赤くなってむけたりすることもあります。特に唾が出にくいとか味が判らないとかの症状は、照射を終えても治らず、一生そのままになることもあります。

これは喉頭がんの病巣に放射線を照射する場合、唾液腺がその照射範囲に入ってしまうために起こる、唾液腺の萎縮が原因です。この副作用については治療前に詳しく説明があるでしょう。

また、起こってしまった場合には、食習慣・生活習慣の改善で対応することになるものと思われます。

喉頭がんは50代から増え始め、高齢の方が多いので、余計に唾液腺の働きが悪くなると苦痛を感じやすいようですね。病院などにもアドバイスのパンフレットがありますから活用してください。

お酒とたばこは喉頭がんの独立したリスク要因

独立したリスク要因と言うのは、お酒だけでもたばこだけでも喉頭がんのリスク要因になるという意味です。ただ、お酒の場合喉頭がんの2/3を占める声門がんではなく、その上の方に当たる声門上がんの原因になりやすいようです。

また、喫煙と言えば肺がんのイメージですが、実は喉頭がんのリスクとしてのほうが圧倒的に高く、死亡リスクで見た場合、肺がんの数倍にも上っているのです。もちろんお酒に比べても喉頭がんへの悪影響度は格段に高くなっています。

恐るべき喉頭がんへの喫煙の影響

まずはグラフを見て頂きましょう。これは喫煙によるがんで亡くなるリスクを、年齢などの影響を一定に揃えて比較したデータです。

喫煙によるがんで亡くなるリスクを表したグラフ
宮原裕:喫煙と喉頭癌・咽頭癌.日気食会報56:383-393,2005を引用した、熊本市立熊本市民病院 耳鼻咽喉科木下澄仁:耳鼻咽喉科疾患:喉頭がんについてのデータから作成

たばこと言えば肺がんと言うイメージがありますが、このように喉頭がんのリスクは恐ろしいものがあります。喉頭がん自体の頻度が低いため、これまであまり話題になってきませんでしたが、喉頭がんは増えていますので注意が必要です。

また、データによっては喉頭がんの95%以上に喫煙が関係しているというものもあるので、現在喫煙していたり、過去に喫煙の経験があったりする人では、声嗄れが現れたとき喉頭がんを意識して受診することをお勧めします。

ただし、完全禁煙後2年くらいたつと、かなり喉頭がんリスクは低くなるようですので、他の病気に比べると喫煙の影響は比較的早く下がってくるようでもあります。

放射線治療の副作用もたばこを吸っていると強く出る

放射線治療では唾液が出にくくなったり、のどの粘膜に炎症が現れますが、たばこを吸っていると、この炎症が特に強く出てつらい思いをすることになります。ですので、もちろん喉頭がんが見つかったらたばこは吸えません。

むしろ、そうした不安があるのであれば、一日も早くたばこを完全に止めなくてはいけませんね。

さらに、放射線治療が効いてがんが消滅しても、喫煙を続けていると再発しやすくなります。ただでさえ治癒後1~2年の間は再発しやすい期間なので、たばこを吸い続けるというのはいけません。

そして、治癒後数か月経ってからであっても、喫煙を続けたり再開したりしていると、突然のどに強いむくみが出て呼吸ができなくなり、緊急に気管切開で対処しなければならなくなることもあります。それほどたばこは危険なのです。

電子たばこと咽頭がんの関係は、今のところ充分な研究がそろっていませんが否定はされていません。がんとは関係ないですが、最近では電子たばこが爆発する事故も海外で報告されていますから、避けておいた方がいいでしょう。

完全禁煙と早期発見・早期治療が喉頭がんリスクを大きく下げる

喉頭がんは、進行がんになって喉頭部を全摘出し、声を失うレベルになると口や鼻から呼吸することもできなくなります。これは食べ物や水と空気を消化器と肺により分ける機能が喉頭部にあるからなのです。

それを摘出した後で口から水や食べ物を入れると、ほとんどが肺の方に行ってしまい溺れてしまいます。これは気管は常に筒の形をしていますが、食道は飲食物が通る時だけ開くという性質の差によるものです。

ですので、喉頭を摘出した時には、気管を首の前にあけた永久気管孔と言う穴につなぎ、そこから呼吸するようにしなければなりません。

そうなると、鼻や口のように空気を湿らせてくれていた部分もなくなりますし、お風呂に肩まで漬かると溺れます。そうした不自由さに慣れる訓練が必要になります。

さらに、空気が鼻を通って入ってこないのでにおいもわからなくなります。すると、味覚も非常に弱くなってしまいますし、腐ったものであっても気づかず食べてしまうかもしれません。

これは食道発声法と言う、食道に空気を入れて声を出す訓練に成功すれば、ある程度は回復可能です。しかし、この様に生活の品質が非常に大きく落ちることは間違いないですね。

風邪の症状とよく似た初期症状を持つ咽頭がんは、その段階でがんと診断されれば、声を失わずに治療できる可能性が高い病気です。ですので、異常を感じたらすぐに耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診して下さい。

それ以前に、喉頭がんは喫煙との関係が非常に深い病気ですので、まだたばこを吸っている人は今すぐ止めて下さい。見方によっては肺がんの7倍以上もたばことの関係が深いがんです。

たばこを吸っても良いことは何もありません。もしあなたの目の前にたばことライターがあるなら、この記事を読み終えると同時にごみ箱へ投げ込んで下さい。

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