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小児型ネフローゼ症候群の原因、治療法は?食事制限が不要の場合も

笑顔の家族

ネフローゼ症候群と言う病気の名前は割合有名なので、聞いたことのある人がほとんどだと思います。しかし、その割にはどういう病気なのかと聞かれると良く判らなかったりもします。なんとなく腎臓病かなと言う程度の認識の人が多いんじゃないでしょうか。

また、ネフローゼ症候群は年齢層を問わずに発生するものなのですが、特に子供の病気としてのイメージが強いように思います。実は、ネフローゼ症候群は発症年齢によって異なるタイプの症状を示します。

今回は子供に多く見られるタイプのネフローゼ症候群で、原因になっている病気が見つからない「小児特発性ネフローゼ症候群」について見てゆきます。

ネフローゼ症候群の一番の症状はむくみ

ネフローゼ症候群は原因やメカニズム、治療法はまだ100%解明されたとは言えない状況です。しかし、子供の病気のうち腎臓病領域では非常に重要な疾患として扱われているため、様々な治療法が行われています。

ネフローゼ症候群の典型的な症状は「むくみ」です。これは腎臓のトラブルでたんぱく質が尿に出てしまい、間質液から血液への水分吸収が上手く行われなくなって、身体に余計な水分が溜まることで発生します。

小児ネフローゼ症候群の症例写真

ネフローゼ症候群はたんぱく尿が典型的な異常

尿検査を受けると、もっとも簡単なものでも尿たんぱくと尿糖だけは必ずチェックされます。この尿たんぱくが陽性になったことで精密検査をして、その結果と出ている症状によってネフローゼ症候群と診断されます。

ネフローゼ症候群の診断基準は、大人と子供では異なります。子供の場合は次の2つを満たした場合にネフローゼ症候群と診断されます。

  • 夜間蓄尿で40mg/hr/m2以上の高度たんぱく尿、または早朝尿で尿蛋白クレアチニン比2.0g/gCr以上
  • 血清アルブミン2.5 g/dL以下の低アルブミン血症
難しい言葉が並んでいますが、「尿にたんぱく質がたくさん出てきてしまったために、血漿中に最も多く含まれるアルブミンと言うたんぱく質が血液の中で不足している状態」と言うことを表しています。

大人のネフローゼ症候群も考え方としては同じような方法で診断しますが、数値や参考になるデータ、測定タイミングなどが大人と子供では異なるのです。

実際に症状が出る前に、学校などの健康診断の検尿で尿たんぱくを指摘されて見つかるケースも少なくないようですね。

アルブミンは血液中に最も多く含まれるたんぱく質

血漿(血液の上澄み成分)は血液のおよそ55%を占める液体です。残り45%は赤血球や白血球、血小板などの血球成分です。この血漿の91%までは水ですが、7%ほどはその水に溶け込んだたんぱく質です。

そのたんぱく質のうち、60%ほどがアルブミンと言う、比較的小さな分子のたんぱく質です。血液に含まれているたんぱく質は100種類以上あるので、アルブミンの占める割合は非常に多いと言えるでしょう。

このアルブミンは、いわゆる必須アミノ酸はあまり含んでいません。ですので、例えば医療用のアルブミン製剤をたんぱく質源として使っても意味がありません。アルブミンには別の働きがあるのです。それは次のようなものです。
  • ミネラルの運搬
  • ホルモンの運搬
  • 脂肪酸の運搬
  • 酵素の運搬
  • 薬物の運搬
  • 物質の一時保管
  • 毒物の結合中和
  • 血液の膠質浸透圧の維持

アルブミンによる浸透圧がむくみを防いでいる

様々な運搬などの働きの他に、最後に難しい言葉が出てきていますね。「膠質浸透圧」とは、比較的大きな分子が水に溶けていることによって、水分を保持したり引き込んだりする働きのひとつです。

血管の内壁のように、ミクロの穴が無数にあいているごく薄い膜を隔てて、物がたくさん溶けている濃い液体と、あまり溶けていない薄い液体があった場合、液体の濃さが均一になるように物質が移動しようとします。

この時、水分は膜を通れますが、溶けている成分の中には分子が大きすぎて膜を通れない物があります。この時、薄い膜を通過できない物質によって膜にかかる圧力を浸透圧と言います。

つまり、物がたくさん溶けている側は浸透圧が高くなります。その結果、水分は浸透圧が低い側から高い側へ移動することになるのです。

この時、例えば塩分(塩化ナトリウム)のような、簡単に結晶化させて取り出せる物質によって起こる浸透圧を「晶質浸透圧」と呼びます。

一方、このアルブミンのようなたんぱく質は、他のたんぱく質とより分けるのも難しく、アルブミン自体に他の物質が吸着されていることもありますから単独では取り出しにくいものです。こうしたものによる浸透圧を膠質浸透圧と呼んでいます。

アルブミンが一定量血液に溶け込んでいる健全な状態であれば、血管外に水分が多くなった場合、浸透圧によって水分を血管内に引き入れ、むくみの原因になる水分を回収します。

そして、その水分は血液として腎臓に送られ、尿として排泄されるのです。しかし、ネフローゼ症候群の場合、本来排泄してはいけないアルブミンも尿への排泄が進んでしまって、血清アルブミンが低値になり浸透圧が下がってしまうと言う現象が起きます。

浸透圧が下がると、血管への水分の回収が充分行えず、細胞の間にある間質液が増えてしまってむくみとなって表れるのです。

アルブミンは肝臓で作られますので、肝臓病によっても血清アルブミン濃度は低くなってしまいます。また、たんぱく質ですので、低栄養状態が続くとアルブミンの量は減ってしまいます。

ネフローゼ症候群でも腹水は見られますが、肝臓病による腹水は有名ですね。また、飢餓状態にある人は全身がやせ細っているのに、お腹だけが異常に膨らんでいます。これは栄養失調による低アルブミン血症で腹水がたまった状態なのです。

このように血液中のアルブミンと言うのは非常に重要な役割を持ったたんぱく質です。それが尿に捨てられてしまうネフローゼ症候群は大変深刻な病気なのです。

子供のネフローゼ症候群の大半、微小変化型の特徴や治療法は?

ネフローゼ症候群にはいくつかの種類があります。そのうち、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)と言うタイプのものが、小児特発性ネフローゼ症候群の大半を占めています。80%前後がこのタイプだと言う報告もありますね。

また、このタイプは大人になっても比較的多く見られ、日本では成人型ネフローゼ症候群の40%近くがこのタイプだということです。

微小変化型ネフローゼ症候群の発症

このタイプのネフローゼ症候群は、突然強いむくみが出ることで発症することが多い病気です。尿検査では高度の尿たんぱくが見られます。さらに血液検査では低アルブミン血症が見られます。

大人に多いのですが、脂質異常症が見られたり、腹水や胸水などが溜まっているということもあります。尿たんぱくを分析すると、アルブミンが大半を占め他のたんぱく質はあまり検出されません。

一方、次のようなパターンにひとつでも当てはまる場合は、別のタイプのネフローゼ症候群が疑われますので、さらに突っ込んだ検査が行われるでしょう。

  • 1歳未満の赤ちゃんである場合
  • 目で見て判る血尿が続く場合
  • 高血圧や腎機能障害がある場合
  • 免疫にかかわる「補体」が血液中で減っている場合
  • 紫斑や発疹を伴う場合

なお、補体とは外部から入ってきた細菌に抗体が取り付いた時、活性化されて細菌の細胞膜を破壊したり、逆に先に病原体に取り付いてマクロファージなどを呼び寄せたりするたんぱく質のことです。免疫システムで重要な働きを担っています。

微小変化型にはステロイドが効く

この微小変化型は副腎皮質ステロイド薬が非常によく効くことが知られていて、実際に90%以上の患者に有効だとされています。ですので、ネフローゼ症候群だと言う診断がついたら、ステロイド薬を使った治療が開始されます。

お薬としてはプレドニゾロン(商品名:プレドニン・先行医薬品複数あり)が第一選択薬となっています。このお薬を4週間使い、少し量を減らしてさらに4週間投与するという方法が採られます。

あるいは、さらに徐々に量を減らしながら最大半年間投与を続けるという治療法が行われることもあります。さらに、お薬を内服することが難しい場合は、注射による治療が行われることもあります。

ステロイド薬は副作用が出やすいお薬の一つですが、先にお話しした通り微小変化型ネフローゼ症候群にはとても良く効くので、これは避けて通れません。

ですので、副作用についてあらかじめ良く聞いておいて、気になる症状が出たらすぐにお医者さんに連絡して、服薬指導など対処を依頼して下さい。自己判断でお薬をやめてはいけません。重篤な反発症状が出ることがあります。

特に注意しておくべき副作用は、肥満・成長障害・白内障や緑内障などの眼の症状です。さらにお医者さんで診察を受ける際には高血圧や骨粗鬆症についてもチェックして下さるでしょう。

漢方薬は用いられないことが多い

漢方薬の「柴苓湯」(さいれいとう)は、ひどい風邪や胃腸病から肝臓病などにも使われる「小柴胡湯」(しょうさいことう)に利尿薬である「五苓散」(ごれいさん)を配合したものです。

以前はネフローゼ症候群の再発防止効果を期待して処方されることがあったのですが、子供のネフローゼ症候群に対する有効性を示す充分な医学的証拠がないため、あまり処方されなくなっているようです。

お祖父さんやお祖母さんなど、年配の方が小さい子供のネフローゼ症候群には、漢方薬の柴苓湯が良いはずだとアドバイスされるかもしれませんが、最近では有効性が充分とは言えないと判断されていると言うことを知っておいて下さい。

もちろん、治療の進み方次第では使われる可能性はゼロではありません。優先的に使われることはないと言うだけです。

免疫抑制剤を使う場合もある

それほど多い症例ではありませんが、子供であっても、そもそも微小変化型ではないネフローゼ症候群である場合があります。もちろんこの場合にもステロイド薬は有効なので、まずはステロイドの投与が行われます。

しかし、40歳以上の成人に多いタイプの「膜性腎症」と言うネフローゼ症候群が子供で発症した場合は、ステロイド薬だけでは効き目が足りないことが多いので、免疫抑制薬を同時に投与します。

また、どのタイプのネフローゼ症候群であっても、ステロイド薬が効かない「ステロイド抵抗性」と呼ばれるタイプのものがあります。この場合にも免疫抑制薬で対処します。

さらに、ステロイド薬で一旦は寛解するものの、再発を繰り返すタイプの頻回再発性ネフローゼ症候群にも免疫抑制薬は用いられます。

使われるお薬はシクロスポリン(商品名:ネオーラルなど・ジェネリックあり)です。このお薬は、最初の発症の際にステロイド薬と併用すると、再発を抑えやすいので使われることもありますが、副作用が強いため慎重投与が求められています。

ネフローゼ症候群は腎臓の病気ですが、シクロスポリンのメジャーな副作用は腎障害です。それだけに、血液検査や腎機能検査を行いながら注意深く処方されるでしょう。

このお薬が処方されたら、絶対に処方通りに飲んでください。自己判断で飲み方を変化させると、副作用発生の際にお医者さんの判断が狂ってしまいます。例えばシクロスポリンは食前服用が指示される場合が多いです。

同時に処方されているお薬が食後服用の指示であっても、食前服用の指示があるお薬は必ず食前に飲み、食後服用のお薬と同時に飲むことをしてはいけません。

ネフローゼ症候群に使われるお薬は使い方が難しいので、お医者さんや薬剤師さんの服薬指導には厳密に従って下さい。特にお子さんの場合は親御さんの監督が非常に重要になります。

新しいタイプの治療薬も開発されて使えるようになっている

ネフローゼ症候群には難治性のものがあって、様々な治療を行っても症状が改善しないと言う困ったタイプのものが存在します。

そうした中、これまで抗がん剤として用いられてきたお薬が、小児型の難治性ネフローゼに有効であることが判り、2014年に承認されました。

専門性の高い施設で治療を受けるのが安心

ネフローゼ症候群の治療には費用が掛かりますが、半年以上治療を受けていて、一定以上の症状が継続するなど、所定の要件を満たしている患者さんには公費による医療費助成があります。

まずは主治医の先生や病院の医療費助成担当の部署に相談してみてください。そうしたことを前提に、新しい治療法があることも知っておきましょう。

ネフローゼ症候群診療における近年最大のトピックスは、リツキサンという新しいタイプの薬の導入です。この薬は生物学的製剤と言って、体の中の特定の物質に反応して効果を発揮します。

リツキサンはBリンパ球という白血球の一種を認識しBリンパ球を一時的に破壊することによって効果を発揮します。ネフローゼ症候群に対してはこれまでのどの薬よりも効果が強いと考えられ、今後の治療に大きく貢献することが期待されています。

この薬は昨年に日本でネフローゼ症候群に対する薬として承認されましたが、その際の治験(薬を承認するために必要な治療研究)は本施設を中心に行われました。

その経験もあり、特にリツキサンの使用経験は本施設が本邦で最も多く、様々な発表も行っています。

(注釈:引用文中の昨年とは2014年のことです。このお薬は2014年8月29日に、再発を繰り返したりステロイド薬が効かなかったりする、難治性のネフローゼ症候群に対する承認が下りています。)

この病院は東京都世田谷区にある、完全予約制外来の病院です。初診で診察されたお医者さんからの紹介状も必要になります。ですので、今かかっている先生に上の引用リンク先のページを見せて、相談してみるのが良いでしょう。

他にもさまざまなお薬があるので根気よく治療に取り組む

小児型ネフローゼ症候群は、ステロイド薬による治療で80%が1~2週間で改善すると言われています。一方、そのうちの半分が再発すると言うデータもあります。

再発した場合にもステロイド薬は有効なんですが、中には何度も繰り返して再発してしまったり、再発を繰り返すうちにステロイド薬が効かなくなってきたりすることもあります。

そうした場合には免疫抑制剤を使うことがあることはお話しした通りですが、これもまた副作用の強いお薬です。

それに、副作用にもさまざまな種類があるため、効き目はあるけれど副作用によるリスクの方が大きくて、そのお薬が使えなくなることもあります。

しかし、上で紹介したように、他にも新しいお薬や既存のお薬の新しい使い方などで、様々な治療が可能になってきています。引用文中にあるリツキサンは一般名リツキシマブと言うモノクローナル抗体です。主に抗がん剤として使われてきました。

分子標的薬としてがん治療のベストセラーになっているお薬です。そのお薬がネフローゼ症候群に有効だと言うのですから、医療も日進月歩です。

このお薬は注射薬で高分子製剤なのでジェネリックと言う物はありませんが、似たような使われ方をするバイオシミラー(ジェネリックより厳しい条件で認められる後発医薬品)は現在承認待ちですね。

お医者さんは学会で報告されたデータなどをもとに、治療方法の選択にも手順を持っておられます。ですので、なかなか思うように治らなくても、根気よく治療を続けて行くことが大切なのです。

ここまではネフローゼ症候群本体に対する治療のお話でしたが、次は生活習慣の改善やむくみなどの症状に対する対症療法を見てみましょう。

重度のむくみは対症療法でむくみを取ることも大切

子供のネフローゼ症候群では、ステロイド薬の効きが良いため、軽いむくみであればむくみ自体の治療を行わなくても、ネフローゼ症候群本体の治療だけでむくみも取れて行きます。

しかし、体重の7%~10%以上と言う重度のむくみがある場合には利尿薬などを使って、積極的にむくみを軽くする必要があります。

利尿薬はむくみ取りの定番

尿をたくさん出すことによって、むくみの水分を排泄してしまうと言うのは定番の治療だと言えるでしょう。子供のネフローゼ症候群に使われるお薬はフロセミド(商品名:ラシックス・ジェネリックあり)が第一選択になります。

このお薬は新生児から成人にまで使えるお薬ですし、腸や腎臓のトラブルによって飲み薬で効き目が出ない場合には注射することもできます。

注意すべき副作用としては、聴力の異常が挙げられます。聞こえに異常が出たらすぐに主治医の先生に連絡しましょう。

その他にもスピロノラクトン(商品名:アルダクトンA・ジェネリックあり)やメフルシド(商品名:バイカロン・ジェネリックあり)なども使われますが、高・低カリウム血症などの危険な副作用があるため、組み合わせるなどして慎重に処方されるでしょう。

アルブミンが足りないならアルブミン製剤を使う

腎臓でアルブミンを尿に出して捨ててしまっているのなら、アルブミンを補ってやれば膠質浸透圧は保たれるのではないかと言う考え方もあります。

そこでアルブミン製剤を点滴で血液に送り込んで膠質浸透圧を維持すると言う治療もあります。但し、この方法はかなり副作用が多いので、利尿薬に効果がない場合などに限って行われます。

多くの場合、数時間かけて点滴し、一度行ったら24時間以上あけて次を行うと言った感じになるでしょう。つまり2日に1回と言うことですね。

重症で他の方法がない場合人工透析を使うこともある

利尿薬でもアルブミン製剤の点滴でも効果が見られない重症のむくみの場合、心不全や肺浮腫など危険な症状につながりかねません。

そうした場合は専門医の監督の元、腹膜透析や体外循環透析によって余計な水分を取り去る治療を行います。いわゆる腎不全の際の透析ほどスピーディに水分を抜くのではなく、ゆっくりと除水することがこの治療の特徴です。

透析治療は身体への負担も大きいので、お医者さんの説明を良く聞いて治療に取り組んで下さいね。

人工透析と言うと、かなり大変な治療ですが、継続する必要があるのか、短期的なものなのかを含めて主治医の先生の説明をよく理解して下さい。

食事療法・運動制限はそれほど厳しくしないで良い

ネフローゼと言えば水分制限・塩分制限・運動制限と言う3点セットがイメージとして思い浮かびます。しかし、それは過去の話で、今では制限してもそれほど厳しくないですし、軽症であれば制限しないことも珍しくありません。

むしろ、子供の場合、運動を制限すると生活の品質(QOL)が低下し、成長に悪影響が出ることの方が懸念されるのです。

水分は制限しなくてよい

むくみが出るとどうしても水分制限と言うイメージがついて回りますが、ネフローゼ症候群の場合、おしっこが出なくなる腎不全や低ナトリウム血症と言う状態が伴わない限り水分は制限しません。

透析が必要になるぐらいひどいむくみでない限り、生命に関わるようなことはありませんが、中程度のむくみであっても精神的なストレスは大きいでしょう。

そのため、水分を摂らなければ楽になると考えてしまいがちですが、それは誤りです。水分制限が必要な場合はお医者さんが指導して下さいますので、それがない限り水分制限をする必要はありません。

塩分制限は症状の重さ次第

ネフローゼ症候群でむくみが出たら塩分を制限すると言うのは常識のように思われています。しかし、実はそれほどしっかりした根拠があって塩分制限を行っているわけではないのです。

特に子供の場合、多くはステロイド薬による治療で2週間程度で尿たんぱくも減少することが多いため、軽いむくみであれば塩分制限の必要はないのです。

ただ、世間にあふれる子供の好きなお菓子には、大量の塩分が含まれていると言うことがありますので、ステロイド薬が効いて尿の量が増え、尿たんぱくが減りだすまでは塩分を制限した方が良いでしょう。

スナック菓子や加工食品を避けるだけでもかなり塩分は抑えられると思います。病院におられる栄養士さんの指導を受けてみるのも良いですよ。

子供は成長期なので栄養不足にしてはいけない

子供のネフローゼ症候群では腎不全に進んでしまうことはありませんので、基本的にたんぱく質制限を行う必要はありません。お医者さんからの指導がない限り、たんぱく質は子供の成長にとって重要な栄養素ですので普通の量を食べさせましょう。

たんぱく質を制限しないのですから、逆にカロリーを多く摂ると言う大人で見られる食事療法も行いません。カロリーの摂り過ぎは肥満に結びつきますので、標準カロリーを超えないようにして下さい。

特にステロイド薬を使っていると、空腹感が強まって太ってしまうことがありますので、過剰なカロリーには注意が必要です。

運動制限は症状に合わせて実施し可能な運動は行う

ネフローゼ症候群と言うと体育はいつも見学、プール授業も受けられないと言う古いイメージがありますが、現在ではそんなことはありません。もちろん症状が重い場合はダメですよ。

例えば、入院が必要だとか、入院はしない物の通学は無理という重さの場合は、運動は禁止です。そもそも学校へ行けないのですから、体育の見学と言うこともありませんね。

通学が可能になってきても、症状が安定しない場合はお医者さんと相談になります。まだ厳しい状態であれば、昔の感覚通り教室内学習の身と言うことになるでしょう。

一方で、不安定ながら快方に向かっているようであれば、軽い運動程度なら許可されると思います。具体的な内容はお医者さんと体育の先生の間で情報を共有してもらいましょう。

さらに症状は安定してきたけれど、尿たんぱくが(++)以上の場合には中程度の運動までは許可されるでしょう。

そして、症状がなくなっていて、ステロイド薬の長期連用による骨粗鬆症によって骨折する可能性がないのであれば、運動制限はなく、普通の学校生活が送れます。

子供にとって運動できないと言うのは大きなストレスになります。できるだけ普通の学校生活を送らせるのが子供の成長にとって重要だと言えるでしょう。
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