健康生活TOP 腎臓病 薬を飲んだらむくみが…?それは急性腎不全からおこる副作用かも

薬を飲んだらむくみが…?それは急性腎不全からおこる副作用かも

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薬には、効きめと同時に副作用もあることはよく知られています。例えば花粉症の薬では眠くなってしまうことがありますし、痛み止めは胃が痛くなってしまうことがあります。

副作用によっては様子を見ながら薬を続けていくこともありますが、中にはとても危険な副作用というものもあります。

もしも薬を飲んでむくんだ、尿が出なくなったなどということがあればすぐに中止するべきです。これはまれにしか起きないものの重大な副作用である「急性腎不全」かもしれません。

薬剤による急性腎不全とは?

腎臓は血液をろ過して老廃物を取り除き、その老廃物を尿として排泄する働きをする臓器です。きれいになった血液は心臓に戻り、その後また体内を巡ります。他に血圧を調整したり、体内の水分や電解質の量を調節したりしています。

薬には、まれに腎臓へダメージを与えて腎機能を低下させてしまうものがあるのです。

普段、腎臓にはとてもたくさんの血液が流れ込んでいます。しかし薬によっては、この血液の量を減らしてしまうことがあります。腎臓に流れる血液が減ってしまうと、腎臓はダメージを受けて正常に働けなくなってしまいます。

正常に働くことのできなくなった腎臓では、血液のろ過がうまく行えなくなります。正常にろ過が行えないために、体内の余分な水分や老廃物を尿として排泄できなくなってしまいます。

そのため薬剤によって腎臓がダメージを受け「急性腎不全」になってしまうと、尿の量が減ってしまったり、排泄できない水分が体内にたまってむくんでしまったりということが起きるのです。

薬によっては腎臓の中にある尿細管という部分の細胞を壊してしまうことで、腎臓を今まで通りに働けないようにさせることもあります。この場合、最初のうちは尿の量が増えてしまうということもあります。

(尿細管は、血液ろ過の後の部分にあります。ろ過されて出て行ったものの中から、必要なものをもう一度体内に取り込む作業をしている場所です。ここが正常に働かず必要なものを取り込めないと、いつもより尿が多くなってしまいます。)

その場合にも腎臓へのダメージがひどくなるにつれて、尿の量は減りむくみが出るようになります。ろ過できないまま体内にたまってしまった老廃物の影響で、食欲がなくなったり吐き気が出てしまったり倦怠感が現れることもあります。

急性腎不全の初期症状

  • 尿の量が少なくなる。ひどいとほとんど出なくなってしまう
  • 場合によっては、一時的にいつもより尿量が増える → その後減ってくる
  • 手足や顔に浮腫(むくみ)が起きる
  • 食欲不振になる
  • 倦怠感が出る

薬によって尿の量が減る、増えるなど多少異なる部分があります。副作用がひどくなるにつれて、尿は出なくなりむくんでくるようになります。

尿の量は、飲んだ水分やかいた汗などの量によっても違ってきます。また食事の内容によっても変わるため、迷うことがあるかもしれません。

むくみは、足の甲やすねを20秒ほど指で押して確認してみてください。指の形が残ってくぼんだままになるようなら、むくんでいると思われます。他にいつものクツがきつい、指輪が入りにくいという症状が出るかもしれません。

どんな薬で起きてしまうのか?

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この急性腎不全の副作用ですが、実はいろいろな薬で起きてしまう可能性があります。ただ起きる頻度としてはまれなものにはなりますので、安心してください。

比較的起きてしまいやすい薬としては、以下のようなものがあります。

非ステロイド抗炎症薬

  • ボルタレン
  • ロキソニン
  • インテバン
  • スルピリンポンタール

など
(通常よく使われる解熱鎮痛剤になります。)

降圧剤

  • レニベース
  • ロンゲス
  • カプトリル
  • タナトリル
  • コバシル
  • アジルバ
  • ブロプレス
  • ミカルディス
  • ニューロタン

など
(ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬と呼ばれるタイプの降圧剤で起きやすくなります。)

抗癌剤

ランダなどの白金製剤に分類される抗癌剤

抗生物質、抗菌剤

  • アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタシン、硫酸ストレプトマイシンなど)
  • ニューキノロン系抗菌剤(バクシダール、タリビット、シプロキサンなど)

ヨード造影剤

CT検査や血管造影などをする際に、血管や臓器の状態を見やすくさせるために使われる薬です。副作用として腎障害を引き起こすこともあったのですが、近年使われているものではその頻度が減少しています。

ここにあげたものは、急性腎不全の副作用が起きる恐れの特に強いものです。この他にもいろいろな薬で起きる可能性があります。気になる症状があれば全ての薬を止め、すぐ医師へ連絡してください。

全て先発品の医薬品名になっています。ジェネリック医薬品は別の名称になるため、注意してください。

この副作用が起きやすい人がいる!?

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これらの薬を飲む患者さん側にも、副作用を起こしてしまいやすい要因がいくつかあります。もともと腎臓の働きが弱っていた患者さんは、この副作用を起こしやすくなっているので注意が必要です。高齢者も若い方よりリスクが高くなります。

他に脱水や、多量の出血をしてしまっている時には念のため注意が必要になります。これらの状態があると体内を流れる血液の量が減ってしまいます。すると腎臓を流れる血液量も減ってしまうのです。

また体内を流れる血液量が減ってしまうと、同じ薬の量を飲んでいても血中の薬の濃度は濃くなってしまいます。すると今までよりも副作用が起きやすくなってしまいます。

途中で一緒に飲む薬が変わったりしたときにも注意してください。薬は体内でお互いに影響しながら効いていきます。場合によっては一緒に飲むことでいつも以上に効いてしまったり、逆に効かなくなってしまったりということもあるのです。

他の病院でもらっている薬があれば最初から主治医に伝えておくのはもちろんのこと、途中で他での薬が変わった、新しい薬が追加されたなどということがあった時にも、必ず伝えるようにしてください。

薬を飲み始めてから副作用が起きてしまうまでの期間は、状況によって様々です。数日以内に発症してしまうこともあれば、数年もたってから発症してしまうこともあります。脱水を起こした時に、突然発症してしまうことも考えられます。

薬を飲んでいて何か気になる症状が現れた時には、必ず主治医に相談してみてください。慢性腎不全では腎機能は徐々に低下していき回復することは難しいですが、急性腎不全では回復できる可能性が非常に高くなっています。

また自分で気がつく症状が出る前に、血液中に異常が現れていることもあります。何の問題もないと思っていても、定期的な血液検査はきちんとするようにしましょう。

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