健康生活TOP 腎臓病 高血圧は腎臓に負担をかけ、逆に腎臓病は高血圧を引き寄せる!

高血圧は腎臓に負担をかけ、逆に腎臓病は高血圧を引き寄せる!

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血圧が多少高くても気になる症状はなかなか出ないかもしれませんが、全身の血管は徐々に傷ついていきます。そうした影響があるうちのひとつが腎臓で、高い血圧がかかり続けると腎臓の血管は徐々に傷つき、正常に働けなくなっていってしまいます。

逆に腎臓病になって腎臓が十分に機能していないために、血圧がコントロールできずに高血圧になってしまうこともあります。腎臓は血圧を調整する働きをする臓器でもあるのです。

このように血圧と腎臓には深い関係があります。どちらかが悪化してしまうと、他方も悪化してしまう危険性があるのです!

お互いどのように影響を与え合っているのでしょうか。

血圧と腎臓の関係によっておこる細動脈硬化と腎硬化症

腎臓はたくさんの細い血管が集まってできた臓器です。高血圧状態が長く続いているというのは、その細い血管に常に強い圧力がかかり続けている状態ということになります。

長期間に渡って強い圧力がかかり続けた血管の内側の細胞は、徐々に傷ついていってしまいます。そして傷ついた部分の細胞は異常に増殖して、少しずつ血管の壁は厚くなっていってしまうのです。これを「細動脈硬化」と言います。

細動脈硬化が起こって血管の壁が厚くなってしまうと、血液の通り道は狭くなっていってしまいます。そうなると、腎臓へ流れ込む血液の量は減ってしまいます。

腎臓は流れ込んできた血液をろ過して尿を作るという働きをしている臓器ですから、血流が悪いとこれらの働きが十分にできなくなってしまいます。そして腎臓の機能は少しずつ低下していってしまうのです。これを「腎硬化症」と言います。

腎硬化症には「良性腎硬化症」と「悪性腎硬化症」があります。

良性腎硬化症

良性腎硬化症は軽度から中等度の高血圧の患者さんに発症することが多くなります。初期には自覚症状はあまりなく、動悸やめまい、肩こりなどといった症状が現れた時にはすでにかなり進行してしまっています。

ただ良性腎硬化症では、血圧をきちんとコントロールすることで進行を遅らせることが出来ます。

悪性腎硬化症

悪性腎硬化症は重度の高血圧患者さんに発症することが多くなります。急激に悪化しやすく、すぐに治療を行う必要があります。激しい頭痛や吐き気、意識障害が起こり、目の血管にも影響することで眼底出血などが起こることもあります。

さらに腎臓は、血圧が下がってしまったために血流が悪くなっているのだと勘違いしてしまいます。腎臓はきちんと血液をろ過する働きが出来るようにと、血圧を上げて血流を良くしようとしてしまいます。

腎臓には血圧を調節する役割もあります。血圧が下がった時には、レニンというホルモンを分泌して血圧を上げます。血圧が高くなり過ぎてしまった場合にはカリクレインやキニンといったホルモンを分泌して血管を拡げて血圧を下げます。

血流の悪くなった腎臓では間違えて、血圧を上げるためのホルモンであるレニンを分泌してしまいます。それによって血圧はさらに上がってしまいます。

血圧が上がっても、血管は狭いままです。腎臓にはさらに負担がかかり続け、その機能は低下していきます。こうして高血圧が腎臓に負担となって、腎機能は低下していってしまうのです。

腎臓病が高血圧を引き寄せる!「腎性高血圧」の恐怖

逆に腎臓病が原因となって腎臓が正常に機能しなくなり、そのために高血圧になってしまうこともあります。

先ほども言ったように、腎臓にはホルモンを分泌して血圧を調節する役割があります。また体内の水分やナトリウムの量を調節する役割もしています。

血液中に水分が増えると、血液の量が増えることになるため血圧が上がります。また血液中にナトリウムが増えると、ナトリウム濃度を一定に保っておこうと血液中の水分を増やすために血圧が上がります。

血圧が上がると腎臓は血圧を下げるホルモンを分泌し、水分やナトリウムを尿としてどんどん排泄して血圧を下げます。血圧が下がった場合には逆に血圧を上げるホルモンを分泌し、水分やナトリウムの排泄も抑えて血圧を上げます。

このように腎臓は、血圧の調整に深く関わっているのです。ですから腎臓が正常に機能しなくなると、血圧のコントロールが出来なくなってしまいます。腎臓に何らかの問題があって起きてしまう高血圧を「腎性高血圧」と言います。

腎性高血圧にはいくつかの種類があります。主なものとしては、腎臓自体に問題がある場合と、腎臓へ流れ込む血管に問題がある場合です。

腎実質性高血圧

腎臓自体に問題がある場合を「腎実質性高血圧」と言います。腎炎や糖尿病腎症といった腎臓病によって腎臓の機能が低下したために起こる高血圧です。

腎臓病によって機能が低下しているために、腎臓が本来行うはずの血圧調節や体内の水分量の調節といったことができなくなっています。それにより血圧が上がってしまうのです。

腎血管性高血圧

腎臓へ流れ込む血管に問題がある場合を「腎血管性高血圧」と言います。腎臓に流れ込む血管が動脈硬化によって細くなってしまったりしたことが原因になります。

血液中に悪玉コレステロールが多いと動脈硬化を引き起こしてしまいますが、その動脈硬化が腎臓に流れ込む動脈で起きてしまった状態です。50歳以上の男性に多く見られます。

動脈硬化によって血管が細くなってしまい、腎臓への血流が悪くなってしまいます。すると腎臓は、血圧が下がったために血流が悪くなったのだと勘違いして血圧を上げるためのホルモンであるレニンを分泌してしまいます。

レニンが分泌されると全身の血管は収縮し、水分やナトリウムの排出は抑えられます。それによって血圧が上がってしまうのです。

血圧が上がると、今度はそれによって腎臓に負担がかかります。そして腎臓の機能はさらに低下しやすくなってしまいます。

高血圧と腎臓病の悪循環を断ち切るために!血圧に注意しよう

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このように高血圧は腎臓に負担をかけて腎機能を低下させ、逆に腎臓病になると高血圧を引き起こしやすいという悪循環があります。この悪循環を断ち切るには、両方のことを考えなくてはいけません。

まず腎臓病と診断を受けた方は、高血圧になってしまう可能性があることを自覚しておいてください。まだ特に血圧が高くなかったとしても、定期的に血圧を測るようにしてチェックしていきましょう。

そして高血圧症の方は、普段から血圧管理をしっかりしておくようにしましょう。薬をきちんと服用するのはもちろんですが、食事を気をつけたり運動もするようにしてください。

塩分の摂り過ぎは血圧を上げてしまう原因になります。外食や加工食品には塩分が多くなります。濃い味付けに慣れてしまうと薄味の食事はなかなか美味しく感じられないかもしれませんが、酸味や辛み、だしの旨味を上手に使ってみてください。

体を動かして体重を落とすことも大切です。急に頑張り過ぎる必要はありませんが、無理なく続けられる範囲で心がけてみてください。

血圧を測ろう

血圧は家庭でも測る習慣をつけるとよいでしょう。毎日決まった時間(起床時と寝る前の2回、もしくは起床時の1回)に測るようにし、記録していってください。そして受診時にはその記録を医師に見せて下さい。

高血圧症の方の中には、病院で測ると安定していても家で測ると高くなってしまっている人、薬の効果がきれてくる夜間や早朝になると高くなってしまう人などもいます。

このようなタイプの人は病院での血圧測定だけでは気付けず、医師も高血圧を見逃してしまう可能性があります。しかしこういうタイプの人ほど血圧を安定させておくことが大切です。必ず医師に記録を見せて相談してください。

そしてもし尿検査でタンパク尿が出ていると言われた時には、きちんとその後の検査を受けて下さい。

高血圧症になって長くなるほど、腎臓にも負担がかかっていきます。ただ自覚症状はほとんど現れません。頭痛やめまい、肩こりといったような症状が現れた時には、腎臓の状態はかなり悪化してしまっていることもあります。

なによりも大切なのは日頃から血圧を安定させておくことです。血圧が多少高くても特に気になる症状は出ないかも知れませんが、それが長期間続くことで様々な問題が発生するのだということを知っておいてくださいね。

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