健康生活TOP 腎臓病 高血圧や糖尿が腎臓病の原因に!腎臓に影響する病気とその改善法

高血圧や糖尿が腎臓病の原因に!腎臓に影響する病気とその改善法

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普段の生活を送っていく上で、あまり腎臓のことを気にする機会はないかもしれません。でもこの瞬間も、腎臓は地味に働いてくれています。

腎臓は血液をろ過してその老廃物を尿として排泄したり、体内の水分や電解質のバランスを調整したり、血圧を安定させたりしています。もし腎臓に問題が発生するとこれらの働きができなくなり、最終的には人工透析も必要になってしまいます。

腎臓病の発症原因はいろいろとあります。場合によっては、腎臓以外の病気が原因で腎臓病になってしまうこともあるのです。

今、腎臓病が増えている!腎臓以外の病気から腎臓が悪くなる・・・?

近年、腎臓病患者は増加しています。そして腎臓病が進行したために人工透析が必要になる患者さんも増加しています。新たに人工透析を始める患者さんは、なんと毎年約1万人ずつくらい増えているのです。

腎臓の働きが悪くなってしまう原因にはいろいろなことが考えられますが、大きくわけると以下の二通りになります。

  • 腎臓自体に異常が起きてしまっている場合
  • 腎臓以外の別の病気が原因で腎臓に異常を起こしてしまっている場合

腎臓自体の異常とは、腎臓の中で血液をろ過する働きをしている「糸球体」という部分や、ろ過により作られた尿の通り道である「尿細管」などに現れる異常です。糸球体や尿細管に異常が現れると、腎臓は正常に働けなくなります。

IgA腎症などがこれにあたります。IgA腎症では糸球体に異常が起きていて、そのために血尿やタンパク尿が出てしまいます。

腎臓以外の病気が原因となって、腎臓に異常が現れてしまうこともあります。全身にもともと何らかの病気があり、その病気が進行してしまうことで腎臓にまで異常が現れてしまうのです。

そして近年腎臓病患者が増加している理由として、このような腎臓以外の病気が原因で腎臓病を発症してしまっている人が増えているということがあります。

腎臓に影響を与える病気とは?全身の様々な病気と悪化させないために意識したいこと

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では、腎臓に影響を与えてしまう病気にはどのようなものがあるのでしょうか。全身のいろいろな病気が腎臓の機能にも影響し、働きを悪くさせています。

高血圧

高血圧が原因となって腎臓の細い血管で動脈硬化が起こり、それによって腎臓の働きが悪くなってしまうことがあります。これを「腎硬化症」と言います。

腎臓は細い血管がたくさん集まってできています。血圧の高い状態が長く続くとこの細い血管に強い圧力がかかり続け、やがて血管の内部が傷つき、血管の壁が厚くなって血液の通り道が狭くなっていってしまいます。

血液の通り道が狭くなってしまうと、腎臓の血流は悪くなっていきます。腎臓の中の糸球体では血液をろ過し老廃物を尿として排泄する働きをしているのですが、血流が悪いとここで十分な働きができなくなってしまうのです。

そうして腎機能は低下していってしまいます。血流が悪い状態が続くにつれ、腎臓は次第に硬く小さくなっていきます。

腎硬化症には以下の種類があります。

  • 良性腎硬化症
  • 悪性腎硬化症
良性腎硬化症

良性腎硬化症は、高血圧の原因がはっきりしていない「本態性高血圧」から起こります。日本人の高血圧患者のうち、80~90%はこの本態性高血圧とされています。軽度から中等度くらいの高血圧の方でも発症しますので気をつけてください。

初期には自覚症状はほとんどありません。症状が進行して腎臓にかなり負担がかかるようになってから、動悸や頭痛、肩こり、不眠などの症状が現れるようになります。このころになるとタンパク尿も出るようになります。

ただし良性腎硬化症は食事療法や薬を飲んで血圧をきちんとコントロールしていくことで、進行を遅らせることができます。塩分を控えた食事を心がけるようにしましょう。

悪性腎硬化症

悪性腎硬化症は重症の高血圧の患者さんで発症しやすくなります。症状が急に進行してしまいやすく、すぐに治療を行わなくては腎不全になってしまいます。

頭痛、吐き気、意識障害、けいれん、貧血、タンパク尿、血尿などの症状が現れます。そして高血圧が原因で眼の血管にも影響が出て、眼底出血が起きたり視力に異常が出てしまうこともあります。 

悪性腎硬化症の場合には入院をしての治療となります。手遅れになると腎機能が低下して、人工透析が必要になってしまうこともあります。

このように高血圧は腎臓に大きな負担をかけてしまいます。またそれだけでなく動脈硬化を引き起こしたり、脳梗塞や心筋梗塞になってしまうこともあります。

これらを防ぐためにも、血圧が高いと言われたら血圧のコントロールをきちんと行っていくようにしましょう。多少血圧が高くても、自覚症状は特に現れません。だからといって放っておいては、全身に様々な問題が起きてしまうのです。

食事を気をつける、適度に運動をする、薬をきちんと服用するなどといったことを続けていってください。そして自宅でもなるべく血圧を測るようにしておきましょう。もしも夜間、早朝などに高くなるようでしたら、医師に相談してください。   

糖尿病

腎臓に影響を与えてしまう病気はいくつかあるのですが、その中でも特に問題になっているのが糖尿病です。現在、糖尿病患者は増加しつつあります。そして糖尿病を発症してしまいそうな状態にある糖尿病予備軍もかなりの数いるとされます。

腎臓がほとんど機能しなくなったために新たに透析を開始した人のうち、約40%は糖尿病が原因になっている患者だとされます。

糖尿病は血糖値を下げる作用をするインスリンの働きが悪くなり、血糖値が十分に下がらなくなってしまう病気です。そして高血糖な状態が全身の血管を傷つけ、いろいろな合併症を引き起こします。

その中でも特に問題となるのが糖尿病の三大合併症と言われる「糖尿病網膜症」「糖尿病性神経障害」、そして腎機能が低下する「糖尿病腎症」なのです。他にも動脈硬化になりやすかったり、感染症にかかりやすくなったりします。

腎臓で血液ろ過の働きをしている糸球体は、毛細血管の固まりです。高血糖な状態が続くと、糸球体の毛細血管は傷つき流れが悪くなってしまいます。またろ過を行うフィルターの目も荒くなってしまいます。

血液の流れが悪くなり、フィルターの目が荒くなることで腎臓は十分に働くことができず、腎機能は徐々に低下していきます。正常ならば漏れるはずのないタンパク質までが漏れるようになり、タンパク尿が出てしまったりするのです。

糖尿病になってから糖尿病腎症を発症するまでには、通常10~20年ほどかかります。そして発症しても自覚症状はほぼなく、異常に気付いたときには手遅れとなってしまうことも多くあります。

糖尿病腎症を防ぐには、定期的なチェックを行っていくことが重要です。糖尿病腎症になるとタンパク尿が出るようになるのですが、それよりも少し前から尿中にはごく少量のアルブミンというタンパク質が出ています。

この微量アルブミン尿を早期発見し、すぐに治療をしていけば糖尿病腎症の進行を防ぐことができるのです。

微量アルブミン尿は通常の検診で行われる尿検査ではチェックすることができません。ただ現在はどの病院でも微量アルブミン尿の検査を受けられるようになっているので、主治医に相談して定期的にチェックをしていくようにしてください。

そしてなりよりも重要なことは、血糖コントロールをきちんと行っていくことです。糖尿病の合併症は全て高血糖状態が続いてしまっていることが原因です。

血糖値が安定していれば血管が受けるダメージを防ぐことができ、健康な人と変わらない日常生活を送ることができます。ある程度以上進行してしまうと手遅れになってしまいますから、そうなるより前に進行を抑えるように心がけましょう。

また糖尿病腎症の進行を防ぐには血圧の管理も大切です。血圧が高いことでも腎臓に負担をかけてしまうため、血圧を上げないように気をつけましょう。

脂質異常症

脂質異常症(高脂血症)により悪玉コレステロールが増えてくると、血管の壁にはドロドロとした固まりができ動脈硬化となります。動脈硬化が進行すると、血液の通り道が狭くなるため、血流が悪くなります。

腎臓の血管で動脈硬化が起こると、腎臓の血流が悪くなり糸球体でのろ過が十分行えなくなります。また腎臓の血流が悪くなると、腎臓は血圧がさがってしまったと勘違いして血圧を上げようとします。(腎臓の働きのひとつに、血圧調整があります。)

しかし血圧が上がってしまうと腎臓には余計な負担がかかってしまい、ますます腎臓の機能は低下してしまいます。このような悪循環が続くことで「腎血管性高血圧」や「虚血性腎症」になってしまいます。

動脈硬化は腎機能に影響するだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞など全身に様々な問題を引き起こします。検診で脂質異常症を指摘されたなら、きちんと治療をしていきましょう。

脂質異常症を改善するには、日頃の生活習慣を見直すことが一番です。

  • 食べ過ぎない
  • 一日の摂取エネルギーを適正量にする
  • 運動をする
  • 肥満を解消する

などを心がけてください。薬を処方された際には、きちんと続けるようにしましょう。

痛風、高尿酸血症

痛風や高尿酸血症の患者も腎機能が低下することがあり、これを「痛風腎」と言います。これは血液中に増え過ぎてしまった尿酸が原因になっています。

尿酸は主に食事で摂取したプリン体が分解されてできた老廃物です。通常は血液中に溶けていて、腎臓でろ過され尿として排泄されていきます。便中にも排泄されています。

しかし尿酸が過剰に作られるようになったり排泄がスムーズにいかなくなると、血液中に異常に増えてしまいます。血液中に溶けている尿酸があまりに増えてしまうと、やがて結晶化し始めてしまうのです。

この結晶化した尿酸が足の親指の関節にたまって激痛が起きるのが痛風発作です。また足の関節以外にも、手の関節や耳たぶの上部などにたまることもあります。尿管の中で結晶化してしまうと尿路結石になります。

そして結晶化した尿酸が腎臓にたまってしまったのが痛風腎です。腎臓に尿酸がたまってしまうと、腎機能は徐々に低下していってしまいます。

ただ問題は、痛風腎がかなり進行しないと自覚症状が現れないことです。尿路結石のために血尿が出て、それによって痛風腎が発見されることもあります。

しかしそのようなことがないと、かなり悪化するまで気付きません。腎機能の低下によってむくみや尿量の減少が起き、それによってやっと気付くということも多くあります。

痛風腎を発症させないためには、尿酸値を下げることが重要です。検査で尿酸値が高いと言われても、特に症状がないとつい薬を飲み忘れたり勝手に止めてしまったりしがちです。

しかし尿酸値が高いままでは、ある日突然の痛風発作で激痛が起きるかもしれませんし、痛風腎になっても気付かないままに腎機能が低下してしまっているかもしれないのです。

検診などで尿酸値が高いと言われた時には、きちんと医師の指示に従いましょう。そして薬を飲むだけでなく、普段の食事などを見直すことも大切です。

アルコールは控えるようにし、プリン体の多い食品(レバーなどの内臓類、ウニやタラコなど)も控えるようにしましょう。アルコール自体から尿酸は作られるため、「プリン体0」のビールだからと飲み過ぎてしまってはダメです。

肉類は尿を酸性化させて、尿酸を結晶化させやすくします。尿をアルカリ化させて尿酸を結晶化させにくくするためにも、

  • 野菜
  • キノコ
  • 海藻

などを食べるようにしましょう。そして

  • 食べ過ぎないこと
  • 肥満にならないようにすること
  • ストレスをためないようにすること

なども大切です。尿酸の排泄を促すためには水分をたくさんとるようにするとよいでしょう。

運動をすることも大切ですが、急に激しい運動を始めてしまうと逆に痛風発作が起こることもあるので注意してください。

全身性エリテマトーデス(SLE)

SLEは膠原病の一種で、10030代の女性に発症しやすい病気です。細菌やウイルスなどの異物から自分の体を守るために作ったはずの抗体が、間違って自分自身の臓器を攻撃してしまう自己免疫疾患です。

全身の臓器を攻撃してしまうため、関節痛、胃腸炎、倦怠感、貧血、けいれんなどいろいろな症状が現れます。そして腎臓が攻撃されると腎機能が低下してしまうのです。これを「ループス腎炎」と言います。

ループス腎炎では糸球体が炎症を起こしてタンパク尿や血尿が出るようになります。他にもむくみや倦怠感、嘔吐などの症状が出ることもあります。

ただし自覚症状には個人差があり、このような症状が出る人もいれば何もない人もいます。また比較的すぐに治る人もいれば、何度も再発したり悪化しまう人もいます。

以前は腎不全に陥って亡くなる人もいましたが、最近は薬物療法などで進行を抑えられるようになっています。それでも人工透析になるケースも少なくありません。

SLEと診断された方で、

  • 高血圧
  • むくみ
  • 倦怠感

などの症状が現れた時には、すぐに主治医に相談するようにしてください。また薬には副作用が出てしまうものもありますが、自分の判断で減らしたりせず、指示に従うようにしておいてください。

その他、腎臓に影響のある病気

その他にも腎臓に影響を与えてしまう病気があります。

・肝臓病
B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの影響で糸球体に問題が起きることがあります。肝炎ウイルスに対する治療(インターフェロンや抗ウイルス薬など)を行うことで腎臓の症状も改善します。

また肝臓には体内で不要となったものを分解していくような働きがあります。しかし肝機能が悪化し肝硬変、肝不全へと進行していくと不要なものが分解されないまま腎臓へ流れてしまい、腎機能も悪化していきます。

倦怠感やむくみ、血尿やタンパク尿が出たりします。

・結核
肺結核にかかると、その結核菌が腎臓にまで移動して「腎結核」になってしまうことがあります。横腹の鈍痛や発熱、倦怠感などが出ます。

腎臓だけでなく尿管にまで広がると尿の通りが悪くなり、尿がたまって「水腎症」と呼ばれる状態になることもあります。嘔吐、腹部膨満感などの症状が出ます。膀胱まで感染してしまうと頻尿になったり、排尿時に痛みが出るようになったりもします。

治療には結核の薬が使われます。

失われた腎機能は取り戻せない・・・腎臓病を防ぐためにあなたがするべきこと

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腎臓病は高血圧や糖尿病などに比べると、あまり馴染みのない病気かもしれません。しかしそれらの病気と同じ、生活習慣病ということもできます。血圧が高い、血糖値が高い、コレステロールや中性脂肪が多いなどといったことが腎臓にも影響を与えるのです。

近年腎臓病患者が増加している理由として、生活習慣病の患者が増加していることがあります。生活習慣病が進行、悪化することで腎臓の働きにも影響が出てしまっているのです。

そして問題は、腎臓病が静かに発症、進行していく病気であることです。腎臓で何らかの異常が起きていても自覚症状が現れにくく、症状に気付いたときにはかなり進んでしまっていることが多くなります。

また腎臓の機能は、一度失われてしまうともう取り戻すことができません。できることは、それ以上進行してしまわないように守っていくだけです。できれば失ってしまう前に少しでも早く気付くことが大切でしょう。

腎臓病を早期に発見して進行を防ぐには定期検診をきちんと行うこと、そして腎臓病を引き起こしてしまう病気の治療をしっかり行っていくことが大切です。

医師の指示に従って薬を飲んでいくことはもちろんですが、血圧のために

  • 塩分を控えるようにする
  • 血糖コントロールをきちんとする
  • 肥満にならないようにする
  • タバコは止める

などといったことも心がけていきましょう。

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