健康生活TOP 角膜炎 目に異物が入ったら!失明を避ける最善の対処は15分以上洗う事

目に異物が入ったら!失明を避ける最善の対処は15分以上洗う事

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突然ですが、失明についてお話するにあたって、『風が吹けば桶屋が儲かる』と言うフレーズについて説明させてください。古くに言われた「こじつけ」の代表みたいな論法のことですが、最近ではそういう表現をすることも少なくなったかもしれませんね。

風が吹く ⇒ 土埃が上がる ⇒ それが目に入る ⇒ 失明する ⇒ 視力を失った人は三味線を弾く ⇒ 三味線の需要が増える ⇒ 原材料の猫が減る ⇒ ネズミが増える ⇒ ネズミは桶をかじる ⇒ 桶屋が儲かる。

目に異物が入ると失明するのか?

この「こじつけ論法」で最初に引っ掛かりを感じるのはこれでしょうね。確かに土埃が目に入ると痛いです。しかしそれだけで失明するとは思えません。

他のことは時代とともに習俗が変化しましたから、ご存知ない人が多くても仕方ないでしょう。案外、三味線の胴には猫の皮が張ってあることだって、ご存知ない方がおられるかも知れませんね。(現在は犬の皮の方が多いそうですが。)

こすらない・目を洗うと言う常識のおかげで失明が減った

このこじつけ論法は18世紀の終り頃から19世紀にかけての江戸時代に言われ始めたものです。義務教育の教科書でも紹介されている、十返舎一九の名著、東海道中膝栗毛にも似たような話が載っています。

このころにはまだ目をこすってはいけないと言う常識が、充分普及していなかったのでしょう。また、目を洗うにしても清潔な水が、いつでもどこでもすぐに手に入ったかどうかは疑問です。

そのため、土埃が目に入った時に洗わずこすることで角膜を傷つけたり、土埃と一緒に目に入った細菌などによる感染症で失明したりしてしまうと言うことも、少なくなかったのじゃないかと想像できます。

その点、現在では子供のころから「目をこすってはいけない」「異物が入ったら目を洗う」と言うしつけが行き届いているので、ずいぶん安全になったと言えるでしょう。

異物が目に入ったら目を洗うのが基本中の基本

おそらく目に入る異物で一番多いのは、抜けた自分のまつ毛ではないかと思います。普通なら目の外へ落ちるのですが、何かのはずみで目の中に入ったりするとゴロゴロしたり痛かったりして大変ですね。

たまに入る程度なら誰にでもありますが、あまり頻発するようなら、一度眼科を受診してみて下さい。案外「さかまつげ」がクセになってるのかもしれません。

その他、やはり風の強い日などにほこりが目に入ったり、粉じんなどが舞う環境で作業している時に、それが目に入ったりして痛むことも少なくありません。

そうした場合、基本は、まず目を洗う事です。

異物が入って目が痛い場合は、水道水で洗って下さい。洗面器などがあればそれに水を張っても良いですし、服が濡れるかもしれませんが流水でも良いです。

もちろん良く洗った手に流水を受けながら洗うのは好ましい方法だと言えるでしょう。何もない場合はやむを得ませんが、痛みのある時に洗眼液などは使わない方が良いですね。

コンタクトレンズをしているから洗えないと言うのは本末転倒です。異物が入ったら外せるときはコンタクトは外して、無理な時はそのまま目を洗いましょう。もちろん外せた時はコンタクトもしっかり洗って下さいね。

目に入ったものが固形物であった場合もとにかくしっかり水洗い

まず目に入ったものが何かと言うのが重要ですが、水に溶けるものや液体のものが目に入ると言うのは、そうしたものがすぐ近くにないと滅多にあることではありません。

ですからそうした場合を除いては、水に溶けない固形物が入ったと考えて行動しましょう。

異物は貼り付いているだけのケースが多い

水に溶けない固形物の場合、二通りのことが考えられますが、いずれにせよ、まずはしっかり水洗いして下さい。

異物の入り方の第一の可能性として、目の表面に異物が貼り付いていた場合、水洗いすることで取れることがほとんどです。

痛みが引いて、取れたかなと思っても、もうしばらくは洗い続けましょう。これは異物についていた細菌などが角膜に取り付いている可能性を減らすためです。

単純に目の表面にくっついただけなら、角膜の上皮組織と言うバリアのおかげで、細菌やカビなどが目に入り込むことはありません。

しかし、うっかりこすったりしていて角膜の上皮組織に傷がついていると、角膜の中に入り込まれる可能性もあります。そうした場合でも、最初のうちに菌の数を減らしておけば少しでも安心ですよね。

金属粉は目の表面に刺さることがある

第二のケースとして、いくら洗っても痛みが引かない場合は、金属の粒などが角膜に刺さっている可能性があります。鏡で見て確認できればいいのですが、痛みのある目を鏡で見ると言うのは意外に難しいです。

その場合、5分から10分程度洗ってから、眼科へ直行して下さい。痛みが引いたときでも、少しでも違和感がある場合は眼科へ行って、殺菌効果のある点眼薬を処方してもらうことをお勧めします。

水溶性物質や液体は大きな危険を伴うことも!より長く、15分以上水洗いするべし

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私たちの身の回りにでも、洗剤や有機溶剤、パーマ液などの目に危険な化学物質が存在しています。

特に危険なのはアルカリ性の強い物質です。強いアルカリ性のものは脂肪分を分解し、たんぱく質を破壊します。一言でいうと身体の成分を壊すのです。

この性質が発揮されるのは水溶液などの液体である時が最も大きいので、水溶性の物質や液体が危険だと言うことになるわけです。

ハイターは目にとても危険な化学物質

私たちの普段の生活において身近にあるもので、目に入って最も危険なのは塩素系の漂白剤、つまりハイターです。主な成分は次亜塩素酸ナトリウムですね。パッケージ裏側の表示などでよく目にする名前だと思います。

普通は水溶液の状態で使われますから、跳ねると目に入る恐れがありますね。大変強い酸化力と腐食性を持っていますので、目はおろか、皮膚についた時でもすぐに水で洗い流す必要があります。

しかも、ハイターとして売られているものは、洗浄力を上げるためのアルカリ剤として水酸化ナトリウムが入っています。水酸化ナトリウムはさらに腐食性の強い物質ですから取り扱いには十分な注意が必要です。

塩素系漂白剤として売られているハイターや、それに界面活性剤を加えた台所用ハイターなどを扱う時は、ゴム手袋と保護眼鏡は必須のアイテムです。

万が一目に入った時は、流れ出る水道水を手に受けながらその中で瞬きをするか、弱い水流のシャワーを目に当てて流しながら目を洗います。どんなに目が痛くても絶対に目を開けて洗って下さい。

コンタクトレンズはしたままで洗うのがポイントです。洗いながらコンタクトレンズが外せればそれでOKですが、無理に外す必要はありません。無理に外そうとすると目の表面がはがれる恐れがあります。

最低でも15分以上、流水で洗い続けて下さい。シャワーを使って勢いよく洗っても効果は変わりません。必ず15分以上です。目の洗浄剤や目薬はダメです、洗い流す効果が得られません。

洗い終わったら、痛みなどが残っていなくても、一刻も早く眼科で診察を受けて下さい。

ハイター原液が目に入った場合、たとえわずかであっても目の表面に損傷が発生していることは、ほぼ間違いありません。ハイターが目に入った場合、処置が適切でないと失明する可能性があります。

なお、プールなどで使っている固形の消毒薬は、似たような化学物質である次亜塩素酸カルシウムです。大量の水に溶けているため、特に目に悪影響はありませんがプールの底にあるのを拾ったりはしないで下さいね。

手作り石鹸を作られる方にはおなじみの劇薬・苛性ソーダ

ハイターのアルカリ剤としても使われている水酸化ナトリウムは、昔ながらの名前で苛性ソーダとも呼ばれている、強アルカリの薬剤です。

食用油脂から石けんを手作りされる方なら、必ず薬局でお求めになる薬品ですね。成人が身分証明書と印鑑を持って買いに行けば、普通に買えます。

しかし、元の薬品や、5%より濃い濃度の水溶液が法律で劇物に指定されるなど、かなりの危険性を含んだ物です。

手作り石鹸を作られる方ならご存知だと思いますが、水酸化ナトリウムは高い溶解熱を出しますから、水を掛けると爆発的に沸騰することがあるので危険です。

扱う時は必ず保護眼鏡をかけるのはもちろん、長袖にゴム手袋も必須です。水酸化ナトリウムが目に入ると、失明の危険が非常に高いと思っていただいて良いでしょう。

もし入ってしまったら、もちろんすぐに目を洗うわけですが、同時に誰かに救急車を呼んでもらって、救急車が到着するまでずっと洗い続けて下さい。

また、手作り石鹸なんかは作らないよと言う人であっても、排水管の詰まりを流すクリーナーの中には水酸化ナトリウムが使われていることがあります。大抵1~2%濃度ですが、目に入るとやはり危険です。

セスキもアルカリが強いので注意が必要

最近の流行の家庭用品で、比較的危険度が高そうなのはセスキ炭酸ソーダです。これが炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合物ですが、危険なのは炭酸ナトリウムの方なんですね。

炭酸水素ナトリウム(重曹:弱アルカリ)で薄まっているとはいえ、強アルカリの炭酸ナトリウム分が入っているので目に入ると危険性が高くなります。

炭酸ナトリウムは化学物質の安全データシート上の「眼に対する重篤な損傷・眼刺激性」の項目において最も危険度が高い区分1に分類されていますから、目に入ると失明の恐れもあります。

セスキ炭酸ナトリウムは同じ項目で1段階危険性が低い区分2です。しかし、危険性があるものの区分は区分4が最低で、危険性がないものを含めると5段階のうちの上から2番目です。

家庭で手軽に使える洗浄剤ですが、使用するときは大きめのサングラスで良いので保護眼鏡の着用をお勧めします。

シャンプーやせっけんも注意が必要

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界面活性剤の濃度が低いため、シャンプーやせっけんが目に入ったとしても、数分程度シャワーなどで目を洗えば、たいていの場合大丈夫でしょう。違和感が残った場合は念のためその日のうちに眼科を受診して下さい。

夜の入浴中の場合など、受診が困難な場合は違和感の状況に応じて救急車を呼ぶか、目を洗う時間を15分以上に伸ばして様子を見るか、こればかりはご自身の判断になると思いますね。

ハイターの場合などは文句なく救急車コースです。

酸性の場合でも危険はある

最近よく使われるクエン酸や食酢レベルの酢酸であれば、腐食性もありませんから目に入ったとしても、しみなくなるまで数分以上良く水で洗っておけば、まず問題はないでしょう。

違和感が残った場合は眼科と言うことになります。それよりも危険なのは、例えば昔ながらのトイレの洗浄剤です。これの主成分は塩酸です。説明するまでもなく目に入ったら危険なことはお分かりいただけますよね。

そして余談ですが、クエン酸であれ、オレンジ系の洗浄剤であれ、塩酸のトイレ洗剤であれ、すべて「混ぜるな危険」の対象物ですから、塩素系の洗剤と一緒に使ってはいけないと言うことの方が重要です。

ハイターと塩酸の洗剤などを混ぜて使うと、トイレのような狭い場所で混ぜた場合、最悪そこにいた人が死にます。

虫やてんぷら油などの意外なものにも注意!”思うより長い時間洗う事”が大切

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自転車に乗っていて、虫が目に入るなんてこともあります。小さな虫ならともかく、蝶に衝突されると鱗粉が目に入ってひどい目に合うこともあります。

アレルギーさえなければ、良く水洗いしておけば問題ないと思いますが、生き物が入っちゃった場合は念のため眼科を受診しましょう。

目の周りにも被害が及ぶてんぷら油

温度調整を間違ったり、衣が破裂したりして、揚げ物をしている油がはぜて顔に飛んでくることがあります。

目や目の周りに熱い油がかかっちゃうと大変です。眼球はもちろんですが、目の周りの皮膚にやけどを負ってしまうと後々トラブルの元です。

いわば事故ですので、起こらないように注意するしかないのですが、起こってしまったら対応は異物が入った時と同じです。流水を利用して目を洗うようにすれば目の周りを冷やすことにもつながり、火傷の対処にもなります。

けがの程度次第ですが、救急車のお世話になってでも、すぐに眼科へ行ってください。その上で皮膚科と言う順になるでしょう。

基本は長時間の洗浄

異物が目に入ると言う現象は様々なケースが考えられます。しかし、基本は「思うより長い時間洗う事」につきます。特に化学的なものが入った場合は10~15分の洗浄時間は絶対確保して下さい。

単なるゴミであっても、数分程度は洗い続けることをお勧めします。洗い続けることで冷やす効果が得られて、痛みやかゆみがましになることもあります。

大事なのは大量の流水で洗い流すと言う基本を守ることなのです。

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