健康生活TOP 川崎病 川崎病の危険な症状、後遺症!感染原因やかかる子供の4つの特徴とは

川崎病の危険な症状、後遺症!感染原因やかかる子供の4つの特徴とは

眠っている赤ちゃん

川崎病は小さな子どもを中心に患者数が年々増え続けている病気です。

流行したり心臓に後遺症が残ったりすることのある心配な病気なのですが、かかる人には特徴があるようです。川崎病にかかりやすい人の特徴4つと、症状・治療法について説明いたします。

年々増加中!原因不明の病気「川崎病」をご存知ですか?

子供がかかりやすい病気に「川崎病」があります。病名は聞いたことがあるけど、どんな病気かよく知らないという人も多いのではないでしょうか。

川崎病はその名前から、川崎市で起こった公害病による喘息や気管支炎と混同されることもあるようですが、まずは全く別の病気であることをご理解いただきたいと思います。

川崎病は、全身の血管に炎症が起こる病気。1967年に医師の川崎富作氏が発見した「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」のことで、日本では川崎病、世界ではKAWASAKI DISEASEという名前で呼ばれることのほうが多くなっています。

原因は未だに特定されておらず、医療の進歩にも関わらず国内の患者数が年々増加している病気です。

日本川崎病研究センター 川崎病全国調査担当グループ(自治医科大学公衆衛生学教室)は、1970年から1年おきに全国を対象として川崎病の調査を行ってきました。

川崎病の患者数は年々増加しており、平成25年に発表された「第23回川崎病全国調査成績」により、川崎病の患者数は2014年で過去最高になっていることが分かります。

川崎病の患者数と死亡者数の推移グラフ

川崎病の怖いところは、発症するとまれに「冠動脈瘤」という心臓の重篤な後遺症を残す点です。

血管の炎症が進むことで冠動脈の血管壁に強い負担がかかり、その部分に瘤(こぶ)が形成されやすくなります。瘤が巨大化すると心臓に栄養を送る冠動脈が詰まり、心臓が大ダメージを受けてしまうのです。

日本人の男の子は要注意?川崎病にかかりやすい子供の特徴4つ

川崎病はしばしば流行を繰り返してきましたが、川崎病自体は感染症ではないため周囲で流行しても必ず発症してしまうわけではありません。川崎病にかかりやすいタイプの人がいるのです。

川崎病にかかりやすい人の主な特徴は次の4つです。

川崎病にかかりやすい特徴1.4歳未満

川崎病は、患者のほとんどが4歳未満の子供です。第23回川崎病全国調査成績のデータによると、2013~2014年では患者の約67%が4歳未満で、特に発症のピークは月齢9~10カ月となっています。

大人が発症する場合もありますが、10歳以上の患者数は全体の約1%程度とわずかです。

川崎病にかかりやすい特徴2.男児

川崎病は女児より男児に多くみられる病気です。4歳未満の罹患率は女児より男児のほうが約1.3倍高くなっています。

ただし、男児のほうが川崎病にかかりやすい理由ははっきり分かっていません。

川崎病にかかりやすい特徴3.遺伝

川崎病の原因は特定されていませんが、遺伝も原因の1つと考えられています。

川崎病は、発症のメカニズムや因子については研究が進められて謎が少しずつ解明されてきており、個人的素因(遺伝など生まれつきの体質)と単因子(細菌感染など)が組み合わされた時に発症しやすい病気ではないか、と考えられるようになっています。

細菌感染で特定の免疫機構が過剰に反応する体質の人が、川崎病にかかりやすいのではないか、と考えられているのです。

実際に親子やきょうだい間といった家庭内で川崎病が発症しやすいことから、「独立行政法人 理化学研究所」は、川崎病の発症に遺伝的な要因が関係しているのではないか、と考えて日本人の川崎病患者と川崎病患者ではない人を対象に調査研究を行ないました。

そして遺伝子を解読してみると、 川崎病患者は、12番染色体のORAI1遺伝子、4番染色体上のCASP3遺伝子、19番染色体上のITPKC遺伝子…などに、川崎病の発症や重症化と連鎖している傾向が発見されました。

遺伝子は親から受け継ぐ情報です。つまり「川崎病の発症しやすさ」は親からの遺伝が関与しているということになります。

ITPKC遺伝子に特定の型を持つ人は細菌に感染すると免疫機構が過剰に反応しやすく、そうでない遺伝子の人と比べて川崎病を1.4倍発症しやすいことが分かっています。また CASP3遺伝子に特定の型を持つ人は、そうでない人と比べ1.9倍発症しやすいとも言われています。

もちろん親やきょうだいが川崎病を発症したことがあるからといって、必ずその子供やきょうだいが発症するというわけではありません。 あくまでも、発症しやすい遺伝子を受け継いでいる可能性が高くなる、ということです。

川崎病にかかりやすい特徴4.日本人

川崎病は、欧米やアフリカには少なく、日本や中国など東アジアに多く見られる病気です。その理由は、やはり遺伝子の型が関係しています。

理化学研究所の統合生命医科学研究センター循環器疾患研究グループは、ORAI1遺伝子の型が人種によって大きく異なり、東アジア地域の人種には川崎病の発症に関連する型のORAI1遺伝子が多く見られることを発見しました。

また、その遺伝子は日本人に最も多く見られました。

かつて、東アジアに川崎病が多い理由は謎とされてきましたが、この発見により川崎病は人種によって発症しやすさが異なり、東アジア地域、特に日本には生まれつき川崎病を発症しやすい人が多いということが分かったのです。

川崎病にかかりやすいタイプは「日本人で4歳未満の男の子、特に家庭に川崎病を経験した人がいる場合」というということになります。

川崎病は治せる?気になる治療法と後遺症について

残念ながら、川崎病を予防する薬や治療法は特に見つかっていません。ですから親御さんが「我が子は発症リスクが高いかもしれない」と思っても、先回りして発症を予測したり回避したりすることは難しいのです。

また、川崎病はブドウ球菌、カンジダ菌、溶連菌などの細菌に感染した後に発症しやすいことも分かってはいるのですが、これらの菌は比較的感染しやすくワクチンもないため、感染を完全に予防することもできないのです。

川崎病から子供を守る方法は、子供に川崎病の兆候と思われる症状がみられた時にすぐ受診し、適切な治療を受けさせることです。

川崎病は冠動脈瘤さえ併発しなければ良好な予後を得やすい病気です。適切な治療を受けてすぐ元気になる患者さんも多いです。

しかし川崎病の症状は他の病気とまぎらわしく、適切な治療が遅れることもあります。もしも川崎病の治療を全く行わなかった場合は、20~25%の確率で冠動脈瘤を併発するともいわれ、見過ごすことは非常に危険です。

そこで、いざという時に川崎病を早期に発見できるよう、病気の特徴と治療法をチェックしておきましょう。

川崎病の症状

初期症状は風邪によく似た次のような症状がみられます。

  • 発熱
  • 鼻水・咳
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 不機嫌

この時点で川崎病を疑うことは困難ですが、続いて高熱や川崎病特有の症状が出てくるので、すぐ小児科を受診すると良いでしょう。

次に挙げるのは、急性期の川崎病の判断基準にもなっている6つの特徴的な症状です。6症状のうち5つに該当すれば川崎病と診断されます。

  1. 5日以上続く発熱(38度以上)
  2. 発疹
  3. 両方の目が赤くなる(両側眼球結膜充血)
  4. 唇が赤くなる、イチゴ舌(舌が真っ赤に腫れツブツブが目立つ)がみられる
  5. 病気の初期に手足がはれたり、手のひらや足底が赤くなったりする
  6. 熱が下がってから、手足の指先から皮膚がむける膜様落屑(まくようらくせつ)がある

  7. 片側の首のリンパ節が腫れる

川崎病の症状

そのほかに

  • BCG接種跡が赤くなる
  • 黄疸
  • 関節痛
  • たんぱく尿

などの症状を伴うこともあります。

3~5割程度の患者は急性期に一時的な冠動脈の拡張が起こります。冠動脈の拡張があれば、特有の6症状のうち4つしか出ていなくても川崎病と診断されて「不完全型川崎病」という病名がつきます。

急性期の症状は1~2週間程度続きますが、人によっては1ヶ月くらい強い症状が続く場合もあります。

一時的な冠動脈の拡張は治療で元に戻すことができますが、冠動脈の拡張が進んでしまうと動脈瘤が生じ、成長後も後遺症として心臓の障害が続く場合があります。

川崎病によって生じる冠動脈瘤は「川崎病性冠動脈瘤」といい、小児慢性特製疾患に指定される病気に分類されます。

治療法

血液検査で炎症反応が確認された場合は川崎病と診断され、治療には1か月程度の入院が必要です。川崎病の根本的な治療法はないため、血管の炎症を抑える治療が最優先で行なわれます。

急性期には薬物療法を用いて冠動脈の拡大を抑制します。

川崎病の治療に用いられる薬

  • アスピリン…血液をサラサラにしたり血管の炎症を抑制したりする
  • γ‐グロブリン…動脈瘤の形成を予防する
  • ステロイド薬…アスピリンやγ‐グロブリンで効果が得られにくい場合に併用する

治療で冠動脈の炎症をしずめてその内径が4mm以下におさまっていれば、退院後は特に治療の必要もなくなります。定期的に検査をしながら経過を観察するだけで通常の生活を送ることができるようになります。

ただし急性期に冠動脈の内径が4mmを超えると、冠動脈流の形成されるリスクが高まります。退院後も抗血小板薬や抗凝固薬を投与したり冠動脈バイパス手術などの治療をしたりして、動脈瘤の形成を抑制しなければなりません。

川崎病で心臓の後遺症が残る確率は約3%、冠動脈瘤のできる確率は1%以下とそれほど高くはありませんが、もし動脈瘤が巨大になると冠動脈が狭くなって詰まりやすくなり、成長後に心筋梗塞のリスクが高まってしまいます。

第23回川崎病全国調査成績によると、2歳未満の患者では約70%が発症から4日以内に受診して治療を開始していますが、2歳以上では受診が遅れる傾向のあることが報告されています。

もし治療が遅れると後遺症の残るリスクが高まります。お子さんが高熱を出したらすぐ受診するのが安心ですね!

以前ほど怖い病気ではなくなった川崎病…日常でできることは

かつて、川崎病は原因不明で根本的な治療法もない病気として、幼い子供を持つ親御さんに怖がられていましたが、発見から50年以上経過した今日、検査法や治療法の進歩により、ほとんどの患者は良好な予後を得ることが可能になりました。

しかし罹患率は減ることがなく、心臓という重要な臓器に負担をかけてしまう病気に変わりありません。

日常では手洗いやうがいでなるべく細菌感染を予防したり、健康管理に気を配ったりして、少しでも川崎病の発症を回避するしかありません。とにかく川崎病の兆候が出たらすぐ小児科を受診するに限るのです。

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