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野球・テニス・バスケットで…成長期の子供に多い関節痛の予防法

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2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックは、小中学生などスポーツに励む子供たちの大きな夢や目標になっていることでしょう。

一生懸命練習すればオリンピックに出場することも夢じゃない!そんな大きな目標を持てる今の子供たちは幸せですね。

でも、成長期の子供たちが練習に励めば励むほど、体に様々なトラブルが起こることがあります。

成長期の子供がスポーツをする時に特に起こりやすいと言われる、次の3つの症状について取り上げます。

【成長期の子供に起こりやすい関節痛のワースト3】

  1. 野球型
  2. テニス肘
  3. オスグッド病(膝痛)

1.野球肩 バランスのとれた筋肉トレーニングとストレッチ、テーピング使用が大事

野球やソフトボールが東京オリンピックの競技種目に採用されるかどうかは微妙なところですが、オリンピックに限らず、野球は人気があるので野球選手を目指す子供はたくさんいると思います。

野球のようにボールを早く遠くまで飛ばすスポーツで起こりやすいのが、いわゆる「野球肩」です。

野球肩の症状とは?

野球肩は、正確には「棘下筋肩炎」や「肩関節唇損傷」などといい、肩の関節や肩関節を取り巻く筋肉が、損傷したり炎症を起こしたりすることによって起こる障害です。

症状は肩を上げたり回したりすると違和感や痛みを感じます。もちろん、ボールを投げる動作をする時にも痛みを感じます。悪化すると腕が上がらなくなる場合もあります。発症するピークは15歳前後といわれ、男女共に起こります。

野球肩の原因は肩にかかる大きなエネルギー

野球肩が起こる根本的な原因は、成長期の子供は肩の関節や肩の筋肉が成長過程にあるため、あまりに激しい運動や衝撃には、骨や筋肉が耐えられないということが根底にあります。

それに加えて、過度の練習時間や間違ったフォームで球を投げていることなど練習上の問題が加わることで、結果的として野球肩という障害が起こるのです。

野球のボールを思っきり投げた時にかかる肩の負担がどのくらいなのかというと、リトルリーグのピッチャーが投げるボールの速度を加速器で測ると、毎秒6000度という回転速度になります。

これを分かりやすいように例えると、時計の針が1秒間に20周する速さと同じくらいの負荷をかけて回転しているということになります。すさまじい速さですね。

想像しただけでも腕が痛くなりそうですが、小学生や中学生でも、ある程度トレーニングを積めば、このくらいの速度で玉を投げていることになるのです。

大人が想像するよりも、子供の運動能力や運動時のエネルギーは大きいということを理解しておく必要があります。

そして、もし、これを読んでいるのが、スポーツに励む子供自身であっても、スポーツの練習をしている時には、自分の想像よりもはるかに強い力が体にかかっているということを理解して練習することがケガを予防するためには大切です。

野球肩を予防する3つのポイント

では、次に野球肩を予防するにはどうすれば良いか考えていきましょう。ここでは練習の内容やトレーニング法については、詳しく触れることができませんのが、練習で気をつけるポイントと練習で痛んだ肩のメンテナンス法を中心にご紹介します。

【 野球肩を防ぐための3つのポイント 】

  1. 肩の筋肉バランスを良くすること
  2. 練習後のストレッチとアイシング
  3. テーピングを正しく使うこと

まず、野球肩の症状が起こる原因から考えると、肩の筋肉の鍛え方のバランスが悪いことがあげられます。筋肉のつき方のバランスが悪いために、無理な力が関節に加わることで肩を痛めてしまうのです。

そして、肩の関節は体の中で、もっとも可動域が大きい関節なので、他の間接よりも多くの筋肉が複雑に入り組んでいます。外側にある大きな筋肉をアウターマッスル、内側にあり、肩の複雑な動きを調整している筋肉をインナーマッスルといいます。

ところが、野球少年(少女)の練習を見ていると、体の外側にある大きな筋肉、つまり胸から肩にかけての大胸筋や、肩の外側を覆う逆三角形の形をした三角筋ばかりを鍛えようとしている傾向があります。

その理由は、外側の筋肉を鍛えて大きくすることで、球を投げるスピードやバッティングのスイング速度が上がるからだと考えられるます。

しかし、アウターマッスルとインナーマッスルをバランス良く鍛えるようにしないと、関節にかかる負担や衝撃が部分的に強くなってしまうため、野球肩になってしまうのです。

こうした野球肩の発症メカニズムから考えると、野球肩を予防するために必要なことは、肩の外側にあるアウターマッスルと内側にあるインターマッスルの2つの筋肉をバランス良く鍛えることが予防のポイントということになります。

その2つの筋肉をバランスよく鍛える方法については、詳しく述べることができませんが、いわゆる筋トレとは少し違い、インナーマッスルを鍛える特別なトレーニング法を実践している人が多いようです。

これは先生やトレーナーに相談したり、自分自身でも筋肉の構造を調べてみて下さい。自分で調べて練習メニューに取り入れることは、理解の度合いが深くなるので、予防の効果も高くなります。

次に重要なポイントが練習や試合後のストレッチとアイシングです。

まず、ストレッチですが、練習前のストレッチはしっかりとやる人が多いのですが、練習後に行なう整理運動としてのストレッチは、練習の疲れのせいなのか、意味がないと思っているせいなのか、少しいい加減にしている傾向があるように思います。

しかし、練習後のストレッチは、緊張した筋肉をほぐしたり和らげたりする効果があり、筋肉の柔軟性を高め、疲労回復も早くなる効果があります。これはケガや障害の予防にもつながるので、手を抜いてやってはいけません。

また、練習後、肩のアイシングを行なうことも大切です。プロ野球の投手が試合後に肩にアイスパックを入れて固定している映像を見ることも多いと思いますが、これはアイシングをして肩の炎症や熱を取っています。

プロのようにはいかないかもしれませんが、例えば、氷嚢やビニール袋に氷を入れておき、練習後、肩にあててアイシングを行なうことくらいは学校でもできると思います。

あるいは、コールドスプレーを使い、練習の直後に肩に吹き付けるだけでも肩の炎症を和らげ、関節痛の予防につながります。プロ選手のエッセンスだけでも見習うことは、とても良いことです。

そして、ある程度熱が取れたら、今度は温めることです。お風呂にゆっくり浸かり筋肉温め柔らかくすると、壊れた筋繊維の修復が早くなり、関節痛を予防することにつながります。仕上げとして風呂上りにもう一度ストレッチを行なえば完璧です。

次にテーピングの使い方についてアドバイスします。本来、テーピングは動かすと痛い部分を固定し回復を早くするためのものです。テーピングをグルグル巻けば痛みが取れるわけではありませんし、痛いが強い時には練習するべきではありません。

テーピングは専門的な技術を要するものなので、トレーナーのような専門家が理論的に行なうことで初めて効果が現れます。自己流でグルグル巻くだけではあまり効果は期待できません。

そこでお奨めしたいのは、練習中ではなく練習後にテーピングで固定するということです。日常生活でも腕や肩を使う動作はたくさんありますが、極端に言えば、練習以外ではできるだけ方を動かさないようにしたほうが良いのです。

練習中にテーピングで痛みをごまかすのであれば、練習以外の時にテーピングで固定しておいたほうが、痛みの原因となる障害は改善されます。テーピングは、直接症状を改善させるものではなく、あくまで補助的に使うようにしましょう。

2.テニス肘(ひじ) 身体に合ったラケットを選んで負担をかけないようにしよう

錦織圭選手が世界で活躍する姿に憧れ、テニスプレーヤーになりたいという子供が急増しているようですが、テニスをする子供に多いのが「テニス肘」と言われる障害です。

テニス肘の症状とは?

テニス肘は、正確には「上腕骨外側上顆炎」といい、テニスラケットなどでストロークをする時に、肘の関節や肘から手首にかけて外側にある筋肉に痛みが出る症状のことをいいます。

ものを持ち上げたり、つかんだりする時に肘に痛みが生じ、日常生活でも不自由な思いをすることが多くなります。

テニス肘の原因はバックハンドにある

テニス肘になる人の8割は、バックハンドの練習によって障害が起こっています。

物理的に考えると、テニスでは特にバックハンドをする時に、肘の外側の骨やじん帯に大きな力がかかるためにテニス肘の症状が起こります。

これは、バックハンドでの返球の強さを高めるための激しいトレーニングや間違ったフォームなどによって関節に無理な力が加わることが原因です。

しかし、テニス肘の根本的な原因は、ラケットのサイズや重さ、グリップの太さなどが体に合っていないことにあります。

テニス肘の予防法

テニス肘についても、トレーニング方法には言及することができませんが、テニス肘になる人の特徴は、バックハンドで球を打つとき、手だけで打っていることが多いので、体の軸を使って体全体でスイングすると衝撃を吸収でき予防につながります。

自分の体や筋力に合った適切なラケットを選ぶことで、肘に負担をかける根本的な原因を取り除くようにしましょう。

また、練習後にアイシングをすることも重要です。氷嚢など氷を入れて、十分に冷却すると炎症が和らぎ、肘の負担や痛みを軽減できます。練習後のストレッチも欠かさずに行いましょう。

3.膝の障害 オスグッド・シュラッター病 特化したサポーターでしっかり固定しよう

オスグッド病も成長期の子供に多い膝の障害です。オスグッド病は正確にはオスグッド・シュラッター病といい、走ったりジャンプしたりするスポーツに多い症状です。

オスグッド病の症状は、特に10~14歳の男子に多くみられる障害で、膝に負担がかかりやすいバスケットボールやバレーボールをする人に起こりやすいといわれています。

オスグッド病の症状とは?

オスグッド病の症状は、膝蓋骨(いわゆる膝のお皿)のすぐ下にある頸骨結節という少し出っ張った部分が、腫れたり骨が隆起して強い痛みを生じる症状が起こります。

そのため、歩いたり膝を少し曲げたりするだけでも痛みが起こります。悪化すると痛みのために正座のような膝を曲げた座り方ができなくなる場合もあります。

オスグッド病の原因は骨のひび割れ

子供の頸骨(脛の骨)はまだ成長期で柔らかく弱いので、ジャンプや屈伸のように大きな力が加わる運動をすると、骨がその衝撃に耐えることができません。

そして、膝の曲げ伸ばしをする時に、太ももにある大体四頭筋という大きな筋肉に頸骨が引っ張られるので、頸骨の表面が細かいひび割れを起こし、細かい亀裂が走るようになるため痛みが生じるのです。

オスグッド病の予防にはサポータの使用が効果的

オスグッド病の予防には「屈伸バンド」の使用が有効です。屈伸バンドは「オスグッドサポーター」と呼ばれることもありますが、頸骨の上部に巻くことで、筋肉に引っ張られる骨を固定し痛みを和らげるサポーターです。

サポーターの変わりにテーピングを巻いても良いのですが、テーピングの伸縮性が膝の曲げ伸ばしに合わなかったり、テーピングのズレが起こることも多いので、サポーターの使用をお奨めします。

痛みがある時は膝に衝撃のかかる練習を控えるか、別メニューにすることが必要です。オスグッド病が悪化すると、将来、膝の関節が曲がらなくなり、一生困ることにもなりかねません。

また、運動直後は冷やし、熱がとれたら温める、という考え方で処置をして下さい。練習前にストレッチをして大体四頭筋を十分にほぐすことも、オスグッド病の予防につながります。

どんなスポーツにおいても根本的に重要なことは・・・

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子供の体は成長の過渡期なので、骨が筋肉がとても脆い状態になっているということです。脆いということは、スポーツの練習によって骨や筋肉に障害が起こりやすいということですね。

ですから、練習をしていて関節の様子がおかしいと思ったり、痛みを感じた場合は、とにかく無理をせず、練習を休んで安静にすることや、練習メニューを替えてもらうようにすることが大切です。

そして、練習を休むのが嫌だったり、休むとサボっていると思われたりするのが嫌な子供もいるかもしれませんが、我慢して無理に練習を続けてはいけません。

これは、自分が将来大人になってからも、その後遺症が残り、そのために自分自身がとても後悔することになる恐れが高いからです。休む勇気を持つことも大切です。

実際に、プロ選手になれる素質のある人でも、子供の頃に無理に練習をしてしまったがために後遺症が残り、プロの道をあきらめざるを得なかった人はたくさんいます。そんなことにならないようにする体調管理も練習の一つなのです。

また、子供の部活動やスポーツは、精神を鍛えるという教育的な側面もあり、それも重要なことですが、あまりにも精神論を強く出しすぎる先生やコーチに対しては、障害などが起こっている時に、子供の代わりに親が間に入ってあげることも必要です。

子供がスポーツを通じて体や精神を鍛えることは、教育としても大切なことです。スポーツを通じて苦楽を友にした友人は、一生の宝にもなることでしょう。ケガや障害には、十分に気をつけスポーツに励んでほしいものですね。

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