健康生活TOP 関節におきる病気や症状 膝の痛みに悩むなら!椅子や畳での膝に負担のかからない座り方

膝の痛みに悩むなら!椅子や畳での膝に負担のかからない座り方

膝が痛むという症状には様々な原因がありますが、特に肉体労働やスポーツをやっていない成人で、もっとも多いのは変形性膝関節症だと言って差し支えないでしょう。

変形性膝関節症の原因もいくつかありますが、普段からよくない生活習慣を持っていると悪化しやすいという傾向があります。特に、膝に負荷をかける時の姿勢や癖が大きな意味を持ってきます。

膝の痛みは原因を特定してから対処する

膝が痛むという症状が現れた場合、まず膝に負担をかけないようにするというのが一般的です。もちろんこれは正しい処置ですが、その段階で整形外科を受診して、原因をはっきりさせておくことが勧められます。

おそらくよほど重症でない限り、あれこれ検査された割に、痛み止めの内服薬と湿布ぐらいしか処方されなかったと、不満を覚えることになることも多いでしょう。しかし、大切なのは処方そのものより、病名をはっきりさせることなのです。

レントゲンやMRIは病院に行かないと使えないので、初診は接骨院などではなく整形外科がお勧めです。

病名がはっきりしないと治療方法を誤る

膝の痛みと言う症状に対して、それを引き起こす原因は1つではありません。整形外科は嫌だから、整骨院に行こうと考えたとしても、整形外科で病名を確定してもらっていた方が、早く適切な治療に取りかかれます。

ですので、膝の痛みで生活に支障が出るようであれば、まずは整形外科で症状を確認してもらい、原因と治療に関する情報をもらってきましょう。それでも、もっとも多いのは変形性膝関節症ですので、それについて特徴的な症状を紹介します。

変形性膝関節症とは、膝関節の中にある軟骨がすり減ることで、膝関節の内外どちらかに負荷が偏ってしまい、その結果痛みが出るものです。

初期のうちは、座った状態から立ちあがったり、立った状態から歩き出したりと言う、動作の最初の方に痛みが出ることが特徴です。この段階で受診して対策を始めると進行を抑えやすいです。

この症状の段階を過ぎて中期に入ると、膝の痛みで正座ができない・階段の昇降が困難になるなどの症状が現れてきますので、遅くともこの段階で受診して治療を開始してください。

そして、末期になるとじっとしていても膝が痛み、脚がまっすぐ伸ばせなくなり、歩くこともままならなくなります。自分で改善のための対策を行うにしても、この変形性膝関節症であると言うことは確認しておいた方が安全です。

どの治療を選ぶかは自分で判断する

この記事は病院が良いか、接骨院・整体院が良いかと言うことを決めつける記事ではありません。どちらにも期待できる効果であるベネフィットと、負うべきリスクは存在しています。

病院では、様々な研究から得られたエビデンス(医学的証拠)に基づく治療が行われますし、注射や手術と言う方法はお医者さんでないと行うことができません。だから症状が進んでいる場合には病院での治療ということになるでしょう。

一方、整骨院・整体院では身体の構造から、演繹的に治療方針を決め、保存的に治療することになりますから、怖さはありませんし効果も期待できます。しかし、注射や手術と言った治療は行えません。どちらかと言うと初期の患者さん向けです。

どちらに携わる先生方も自分たちの技術には自信とプライドを持っておられますから、時として自分たち以外を否定するような発言が見られることもあります。

でも、最終的にどんな治療を受けたいかと言うことは、自分自身の判断と責任のもと、患者自身がしっかり見極めないといけません。もちろん、途中から変更するのも患者自身の権利ですから遠慮は必要ありません。

最近では、整形外科と接骨院・整体院がタイアップしている例もよく見かけますので、そうした医療機関を利用するのも一つの方法ですね。

病名が確定すれば誤った治療が行われる危険性がごく低くなります。ですので、まずは「なぜ膝が痛むのか」を確定することがもっとも大事なんですよ。

変形性膝関節症は加齢が一番のリスク要因

変形性膝関節症と言うのは、膝関節の中にあって骨の末端を覆っている関節軟骨がすり減ることで起こります。変形性膝関節症は、太ももの骨とすねの骨がほぼ真っすぐで、膝の内側と外側に均等に荷重がかかっていると発症も進行もしにくいです。

外側だけ、内側だけに荷重がかかっているより摩耗が起こりにくいのは判りやすいですね。もちろんどちらに荷重がかかっても起こりやすくなるのですが、日本人では膝の内側に荷重がかかってO脚になる方向で発症することが多くなっています。

変形性膝関節症は筋肉の衰えから

加齢とともに運動不足で脚の筋力が落ちてくると、歩行や運動で脚に加わる衝撃を筋肉が和らげることができなくなって、足首・膝・股関節などの関節部分に大きな衝撃が加わります。

また、加齢によって関節軟骨の水分が失われてゆくことによって、軟骨の弾力性も衰えてくるため、加速度的に軟骨が傷みやすくなります。

軟骨はもともと血管が通っていない組織ですので、関節の中にある関節液との間で栄養や水分・老廃物のやり取りをしています。この関節液は、関節を包んでいる関節包の内側を覆っていて、血管が豊富に存在している滑膜と言う組織から分泌されます。

変形性膝関節症が進むと、この滑膜の表面も荒れてきて、関節液が異常に多く分泌されます。いわゆる「膝に水が溜まる」と言う状態ですね。

膝に水が溜まると、運動が阻害されるためそれを抜く必要があります。そして同時に、滑膜の炎症を抑えて関節液の分泌を減らさなくてはなりません。炎症を抑えることなく水を抜いてもまたすぐに溜まってしまいます。

水を抜くこと自体に炎症を加速させる要素はありませんので、いわゆる「水を抜くと癖になる」と言うことはありません。生活に支障が出ないよう、水を抜くと同時に炎症を抑える治療を行ってもらって下さい。

変形性膝関節症では畳の生活が厳しくなる

変形性膝関節症の進行を抑制するためには、正座をしないことが求められます。これは膝関節への負担が大きい座り方だからですが、変形性膝関節症が進むとあぐらもかきにくくなります。

あぐらも良く見ると膝の曲がり具合は割合大きいのです。ですから、床や畳の生活では、足を投げ出す座り方や、膝の曲げ角の浅い体育座り以外、膝に負担の大きい座り方になると言えるかも知れません。

もちろん横座りは膝だけでなく身体全体に歪みが出ますし、いわゆるあひる座り(ぺたん座り・女の子座り)も股関節に負荷がかかってO脚になる可能性があるため、変形性膝関節症・股関節症を発症・悪化させる危険性があります。

ですので、基本的には椅子の生活の方が膝への負荷が少なくて済むでしょう。もちろん掘りごたつでもOKです。また、椅子だったらどんな物でもOKと言う訳ではなく、ソファーに身体を投げ出すような、腰に負担のかかる座り方はよくありません。

腰や股関節、足首など、下肢にかかわる身体のすべての部分が変形性膝関節症の症状にかかわると考えて、できるだけ正しい姿勢を保つようにして下さい。

これは余談ですが、掘りごたつを利用する場合、2つの注意点があります。1つは掘りごたつに出入りする時に膝に大きな負荷がかかるので、できれば体重を預けられる、しっかりした手すりや杖を準備しておいた方が良いです。

もう1つは、掘りごたつの中に物を落とさないようにすることです。変形性膝関節症が問題になるような年齢の、特に女性では骨粗しょう症も問題になってくることが多いです。

腹ばいになって、掘りごたつの中に落としたものを拾おうとして、座面の角で胸を圧迫してろっ骨を折る人は意外に多いのです。掘りごたつに落としたものを拾った後、胸に痛みが出たら、一度整形外科でレントゲンを撮ってもらいましょう。

適切な運動で膝の痛みは予防改善できる

初期のうちなら、いくつかのトレーニングによって痛みを軽減し、症状の進み方を遅らせることができます。これは、変形性膝関節症の原因として、太ももの筋肉の衰えが挙げられるからです。

また、関節の動きを良くすることでも痛みを軽減し、日常の動作を楽にすることができます。

さらに、症状がない人であっても、普段からウォーキングや体操などで全身を動かす習慣を持っておくことが、変形性膝関節症の予防には役立ちます。水中歩行やゲートボールなど、比較的高齢の方を対象に行われる運動も良いですね。

日本整形外科学会は膝を支える筋肉を鍛える運動を4種類提案しています。

  • 椅子に腰かけてつま先を立てたまま片脚の膝を伸ばし、5~10秒キープする運動
  • 足を投げ出して床に座り、膝の裏に巻いたタオルや枕を入れ、片脚を伸ばすことでそれを押しつぶし、5~10秒キープする運動
  • 横向きに寝て、上の脚を伸ばしたまま20cmほど持ち上げて5秒間キープする運動
  • 肩幅より広く脚を開き、膝の曲げ角が鈍角の時点で元に戻すスクワットを行う運動

(参考…ひざを支える筋肉をきたえましょう|日本整形外科学会 より)

こうした運動は、太ももで膝を支えている筋肉の衰えを防ぎ、膝の不安定感を軽減します。膝の不安定感がなくなると、歩行が楽になりますのでウォーキングなどによって筋力の回復が図れるという風に、良い方向の循環が始まります。

もちろん、後でお話しするサポーターなどの装具で膝を安定させながら行うのも良いでしょう。

具体的にどのくらい行うのかは、それぞれの症状に合わせてお医者さんに確認してから行ってください。

日本整形外科学会はまた、膝の関節の動きをよくする運動も3種類提案しています。

  • 足を投げ出して床に座り、片脚のかかとの下に二つ折りにしたタオルを敷いて、膝を曲げ伸ばしする運動
  • 入浴時に浴槽の中で膝を曲げ伸ばしする運動
  • 脚を伸ばして座り、つま先を伸ばして5秒キープ、つま先を反らして5秒キープする運動

(参考…ひざの動きをよくしましょう|日本整形外科学会 より)

動きをよくする運動はサポーターなどを外して行った方がいいと思われます。お医者さんとよく相談して行ってください。

お風呂の中での運動は事故に気をつけて行ってくださいね。動きをよくする運動の上2つは、基本的に同じ動きですので、浴槽が充分広くない場合は行わなくても良いですし、すべって倒れる恐れがある時も避けて下さい。

無理な姿勢は膝のトラブルの原因を増やす

変形性膝関節症は、日本人の場合O脚になる方向での軟骨の摩耗が見られることがほとんどです。つまり、膝の内側に当たる関節軟骨がすり減っていると言うことです。

これを手術で改善するときには、骨を切ってつなぎ直し、ややX脚気味にセッティングします。しかし保存的療法で治療する場合には、飽くまで脚をまっすぐにすることを意識しないといけません。

無理に膝を反対側に傾けるようなことは、かえって関節の不安定さを増してしまい、症状の悪化を招きます。

床や畳の生活は変形性膝関節症に負担がかかりやすい

変形性膝関節症で絶対に避けなければいけないのは正座です。ここで誤解してはいけないことがあります。

変形性膝関節症のある人は正座で悪化することがあるので正座してはいけませんが、健康な人が正座で膝を痛めるというエビデンスはないということです。

ですから、例えば変形性膝関節症の根本治療である手術によって「再び正座ができるようになる」と言う説明がなされることがあるのです。膝関節にトラブルがなければ正座に問題はないと言って良いでしょう。

むしろ、床や畳の生活は、立ちあがり動作などで太ももの筋肉を鍛えられるので、もしかすると変形性膝関節症の予防に役立つかもしれないのです。

変形性膝関節症の人は、症状の重さによってはあぐらをかくこともやりにくくなります。あぐらも、正座ほどではないにせよ、膝関節の曲げ角は深くなりますね。ですので、痛みがあるようならあぐらも良くありません。

さらに、いわゆる横座りも正座に近い膝の曲げ角度になります。さらに、腰に負担がかかりますからよくありません。

そして、膝がX脚気味になることから誤解を招きやすい「あひる座り」(ぺたん座り・女の子座り)も、変形性膝関節症では避けなければいけない座り方です。この座り方は健康な場合でも股関節に余計なストレスをかけてO脚を招きます。

膝のトラブルについては膝だけではなく、股関節や足首の関節などにも充分な注意を払わなくてはいけません。

このようなことから、変形性膝関節症がある人は、床や畳での生活では、足を投げ出す姿勢が最も膝に負担が少なくて安全です。座椅子などを利用するのも良いですが、腰に負担がかからないよう注意して下さい。

膝にトラブルがある場合は椅子の生活の方が安全

変形性膝関節症で痛みがある場合には、普段の生活は椅子を利用した方が良いと言えます。そして、椅子についても、深く腰掛けたときに膝の角度が直角程度になるものが良いですね。

少し低めの椅子を求めて、座布団などで高さ調整するのが確実です。高すぎても低すぎても膝に負担がかかります。かかとからひざ裏までの高さを計っておいて、それより微妙に低い座面高のものを求めて下さい。

ソファーのように、座面が沈み込む椅子は立ちあがる時に膝への負担が大きくなります。もし利用する場合は、ソファーの横に、立ちあがる時だけのための、歩行時よりは短めの杖を常備しておくことをお勧めします。

そして、常に端に座るようにして、ひじ掛けと杖の2か所で身体を支えるのが良いでしょう。

椅子だけの生活になると、さらに太ももの筋肉が弱ることが多いので、上で紹介した運動を行って、常に筋力をキープすることも忘れないで下さい。

膝を悪くしたら正座してはいけないけれど、正座で膝を悪くすることはないということですね。誤解のないようにしたいものです。

変形性膝関節症ではサポーターが有効

変形性膝関節症になると、膝関節を支えている筋肉が衰えると同時に、膝関節の軟骨がすり減るため膝自体が安定性をなくして、歩くときに不安が出てきます。

その時に役立つのがサポーターです。ひとくちにサポーターと言っても、いろいろな種類がありますので、症状と用途に応じて使い分けるのが良いでしょう。

最強のサポーターは硬性装具

サポーターの中には硬性装具と言って、しっかりした支柱とジョイントを、強い弾性ベルトで太ももの下とすねの上にがっちり固定するものがあります。

これは大変安定感に優れていて、痛みも大きく軽減することができる一方、着脱が少々面倒なのと価格が高いことがネックになります。

装具メーカーのオットーボックジャパンによると、医療機関などを通じて申し込めば試着することもできるようですので、着け心地などを確かめてから購入しても良いでしょう。

▼参照リンク
膝関節装具 ゲニュ アレクサ|オットーボックジャパン株式会社

結構高価なものですが、膝のサポートについては硬性装具がもっとも高い効果と安定性を持っています。この硬性装具は一例です。様々なメーカーがありますので、医療機関などを通じてパンフレットなどをもらって下さい。

協会けんぽによると、医師の指示によって購入した関節用装具については、その費用の一部が健康保険の対象になりますので、医療機関などを通じて問い合わせ確認してみて下さい。

▼参照リンク
療養費について |協会けんぽ

薬局・薬店でも買える簡易サポーター

逆に、椅子に座っている時に膝を保温し痛みを軽減すると同時に、立ちあがりの時の膝の不安定さを和らげるタイプのものもあります。これは比較的安価ですし、着脱も楽ですが、硬性装具ほどしっかりしたサポート力はありません。

最も手軽で、ある程度の効果が期待できるものは、いわゆる軟性サポーターです。膝にフィットする伸縮素材で膝関節をサポートします。

このタイプのものには、大きく分けて3つあります。1つは医療用具として作られたものです。医療用サポーターと言う名前で数千円レベルの価格で、通販などでも購入できます。

▼商品例 アマゾンの通販サイト・エルモ 医療サポーター ひざ用固定帯メッシュ 3Lサイズ
医療サポーター商品イメージ

また、薬局・薬店・通販など、様々な場所で購入できる雑貨扱いの膝用サポーターは、千数百円レベルの手軽なものですが、着脱が容易で、安価だから洗い替え用に複数購入しやすいですね。

▼商品例 バンテリンサポーター膝専用
バンテリンサポーター膝専用商品イメージ

そして、もう1つはスポーツ用のもので、これはむしろひざの負傷の回復や防止のために使われる、やや高価なものです。変形性膝関節症の人にはあまり縁がないものだと思いますが、せっかくの機会なので紹介しましょう。

▼商品例 ZAMST|ZK-7

ZAMST|ZK-7商品イメージ

サポーターも千差万別ですので、自分の生活パターンにあったものを使い分けましょう。外出が多くて硬性装具を使っている人でも、自宅でのリラックスタイムには手軽な履くタイプのサポーターも役に立ちますよ。

関節軟骨は再生しないので正しい座り方と筋力でサポート

残念ながら、現段階ではすり減った軟骨を再生することはできません。ですので、症状に応じた治療を受けながら、膝の周りの筋肉を鍛え、可動域を増やすように運動することが大切です。

その上で、正しい姿勢をキープし、サポーターなどを活用して症状が進まないようにコントロールしましょう。

キャラクター紹介
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