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膝が痛い原因は病気?関節におきる病気や症状

膝の痛みと言うと加齢によるものと決めてかかっていることが多いように思います。もちろん加齢は膝の痛みを主な症状として持つ変形性膝関節症の大きな要因ですから、加齢を否定することはできません。

しかし、変形性膝関節症を含めて、膝の痛みは若くても出る場合がありますし、その痛みが年齢を重ねてからの膝の痛みに繋がっている場合もあります。

日本人ではひざの内側にトラブルが起こりやすい

変性性膝関節症についての統計では、日本人では膝関節の内側の軟骨がすり減ることで起こる変形性膝関節症が多いことが判っています。ですので、痛みも膝の内側に出やすいのです。

膝関節の内側の軟骨がすり減ると言うことは、膝関節の内側の隙間が狭くなると言うことですから、O脚になってしまうと言うことですね。これは早い内なら保存的治療で矯正することもできるのです。

すり減った軟骨は元には戻らない

変形性関節症は軟骨がすり減ってしまっていることが原因であるのは間違いありません。しかし、痛みが出た段階で軟骨が全部なくなってしまっているわけではないのです。

どちらかと言うと、軟骨がすり減ると同時に、関節の中に炎症が起こり、関節の中の潤滑を行ったり軟骨に栄養を供給している関節液が劣化して症状を起こしている部分も少なくないのです。

特に関節液の粘り気がなくなってくると、関節の中での潤滑が上手く行かなくなります。そうなると関節の動きに不具合が発生してしまいますね。

そこで、関節の中にヒアルロン酸ナトリウムと言う物質を注射します。ヒアルロン酸は眼球や皮膚に多く含まれる物質なので、目薬や化粧品にもよく使われています。

一方で、関節液の主成分でもあるので、これを注射で補充してやることで関節の動きを良くすることができるのです。週に1回ぐらいのペースで5週くらい注射を行います。

特に初期のころの変形性膝関節症による膝の痛みには、このヒアルロン酸注射が良く効くようですね。

変形性膝関節症は遺伝的にはアジア人に起りやすい

これは膝だけではなく、変形性関節症全体に言えることなのですが、ある遺伝子の変異によって変形性関節症が起こりやすくなると言う傾向は欧米人よりアジア人の方で大きくなっています。

とは言え、例えばとても太った人と言うのはアジア人より欧米人に多いですね。そうした人は、少なくとも膝が痛む可能性はアジア人よりずっと多いでしょう。

私たち日本人が注意しておかなくてはいけないのは、肥満すると膝のトラブルに関して欧米人より不利になりやすいと言うことです。それを意識して、適切な体重を維持することで変形性膝関節症を予防しましょう。

同時に日本人に多いやせ体形も、栄養不足から筋力が落ち、関節への負荷が大きくなって変形性膝関節症を起こす恐れがあります。

BMIで見た場合、18.5kg/m2以上25.0kg/m2未満の「普通体重」の範囲にあるように気を付けて下さい。22.0kg/m2の「標準体重」を一応の目安とされるのが良いでしょう。

欧米人の体形を見ると、膝が心配になることって多いですよね。実際、膝の悪い人は少なくないと聞き及んでいます。

変形性膝関節症の改善には運動が有効

膝関節にトラブルが起こった場合、安静にして痛みが引くまで運動しないと言うことが良く見られます。もちろん半月板損傷や膝靭帯損傷と言った、手術対応になるような負傷では運動はできないことが多いでしょう。

しかし、変形性膝関節症では、激しくない有酸素運動を行うことが治療に有効であることが示されていますので、お医者さんや療法士さんの指導に従って運動を行うようにして下さい。

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半月板損傷や靭帯損傷は治療に時間がかかる

半月板損傷も靭帯損傷も、スポーツなどを行っている若い人に多く見られる負傷です。しかし、半月板は軟骨ですので加齢によって弱くなり、ちょっとした外力で損傷することもあるのです。

半月板は軟骨ですのでレントゲンには写りません。ですので、詳しい検査を行う場合にはMRIを使います。軽い損傷であればお薬とリハビリで治ることもありますが、ある程度以上重いようであれば手術で治療することになります。

一方、膝靭帯損傷の場合では、内側側副靭帯に起こった場合硬性装具と言う、膝に加わる力を分散する「動くギプス」のような物を付けて運動を行い筋力低下を防ぎます。

膝関節硬性装具の写真
(出典…膝関節硬性装具 ゲニュ アレクサ (50K13N) – オットーボック・ジャパン株式会社)

このようなものですね。学生生徒でこれを装着して通学している人をときどき見かけます。クラブ活動で怪我をしちゃったんでしょうね。そして膝靭帯損傷は、年齢を重ねた人でも基本的には事故でしか発生しません。

また、膝の重要な靭帯である十字靭帯のうち、後十字靭帯が損傷した場合も保存的に治療することが試みられますが、前十字靭帯の損傷では手術による治療になることがほとんどです。

手術対応になった場合には、リハビリ開始までは運動することはできません。

なお、若い時の半月板損傷は、歳をとってからの変形性関節症の誘因になる可能性が指摘されています。半月板損傷だけに限らず、若い時に膝を負傷したことがある人は、特に筋力を落とさないよう注意が必要です。

無理な運動は逆効果ですが、運動不足には充分注意して、膝が悪くなる前から膝痛体操などを行っておくことが勧められます。

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装具を利用した治療は初期の頃に有効

例えば、初期の頃には膝にサポーターを巻く人も多いでしょう。サポーターを着けても関節を補助することはほとんどできません。安定感が得られて不安なく歩けるようになるとか、関節を冷やさないとかで効果が得られるものです。

支柱が入って、着けることである程度は膝を安定させられるサポーターもありますので、そうしたものを利用してみるのも悪くありません。価格的には1500円~4000円レベルになるでしょう。片方ずつ購入できます。

変形性膝関節症ではO脚気味になる人が多いので、初期のうちに足底板を利用することで症状を抑えることもできます。お医者さんに相談して、適切な足底板を選んでもらって下さい。

さらに、上で紹介した膝靭帯を傷めた時の硬性装具には、変形性膝関節症に対応したものもあります。価格的には10万円を超えるものも少なくありませんが、健康保険で3割負担になる物もあります。

いずれにせよ硬性装具はお店へ出かけて行って気軽に買うような物ではありませんので、医療機関からちゃんと紹介を受けてサイズや機能などをあわせて作ってもらって下さい。

着脱がちょっと面倒かも知れませんが、安定感は抜群です。膝が不安定になる不安感はこの装具で解消可能です。但し、着けたり着けなかったりで症状が進んでしまうと、硬性装具だけでは対応できなくなり手術と言うことになってしまいます。

硬性装具も支柱入りサポーターも、治療行為であると認識してきちんと使用し、治療に取り組んで下さい。

変形性膝関節症では医療機関の指導のもと運動を続ける

現在、変形性膝関節症の治療においては、3つの「定期的な運動」が推奨されています。

  • 有酸素運動
  • 筋力強化訓練
  • 関節可動域訓練

この3つの運動です。但し、誤解してはいけないのは、スポーツのように競うための運動ではないと言うことです。有酸素運動の代表はウォーキングやジョギングですが、そうしたものは膝関節に負担を掛けることもあります。

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筋力強化訓練と言うのは、いわゆる筋トレです。しかし、膝に痛みを抱えた状態で筋トレはできませんね。ですので有酸素運動も筋力強化訓練も、症状の重さに応じてお医者さんや療法士さんから指導を受けてその通りに行って下さい。

また関節可動域訓練と言うのは、関節の動く範囲を少しでも大きくするためのトレーニングです。もちろんこれも、痛みを我慢して少しでも大きく動かすと言うことは危険です。

理学療法士の先生の指導のもと、どういったトレーニングが良いのかをしっかり学ぶ必要があります。いずれの運動も家庭内で行えるもの、外で行う場合でもゆっくりとしたものが基本となっています。

人によっては「こんなヤワな運動に効果があるのか?」と疑問に感じるぐらいかもしれません。しかし、そうした運動の繰り返しが症状の改善に繋がることは研究で明らかになっているのです。

そうした適切な運動を、長期間繰り返してゆくことで変形性関節症の進行を抑え、既に出ている症状を軽減することができるでしょう。

そして、普段から膝に負担をかける姿勢や行動をとらないように、充分注意しておくことも、特に中年以降では重要な注意ポイントだと言えるのです。

スポーツでは関節や靭帯を痛めることも結構多いのですが、若さに任せて中途半端な治療で終わらせると、歳を取ってから困るかもしれません。しっかり治しておきましょう。

変形性膝関節症の保存的治療は種類が多い

手術によらない治療を保存的治療と言いますが、変性性膝関節症では非常にたくさんの種類の治療が試みられます。すり減った関節軟骨は元に戻りませんから、その痛みを取ったり、症状の進行を抑えたりすることが目的になります。

さらには生活の品質をキープするために、動きにくさから様々な制限が出てしまうことを防ぎ、改善することも大きな目的です。

薬物療法では漢方が有効なケースもある

まず最初に、そして普遍的に使われるのがNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)です。飲み薬もありますし、湿布や塗り薬もあります。これらのお薬の目的は痛みをとることで他の治療を補助することです。

有名どころではロキソプロフェンナトリウム(商品名:ロキソニン・外用/内服あり・ジェネリックあり)やイブプロフェン(商品名:ブルフェン・ジェネリックあり)、ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン・外用/内服/坐剤あり・ジェネリックあり)があります。

これらのお薬は一部がスイッチOTC(処方箋薬から市販薬に降りてきた医薬品)として、市販薬として買い求めることもできます。それぞれロキソニンS・イブ・ボルタレンEX/ACなどの商品名で市販されています。

消炎鎮痛薬は、対症療法的に生活の品質の改善だけを目的としているのではありません。例えば運動療法を行うにしても、痛みが強ければ運動どころじゃなくなりますよね。その痛みを抑えて運動療法などをサポートするのが鎮痛薬の大きな役割なのです。

また、効き始めは遅いけれど長時間効果が続く、慢性の痛み用に使われるお薬としてメロキシカム(商品名:モービック・ジェネリックあり)と言う、1日1回の服用で良いお薬も使われることがあります。

また、水太り体質の女性には、漢方薬の防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)が処方されるケースもあります。市販薬としても水太り・腫れを伴う関節痛を効能として挙げていますが、薬価収載されていますので、病院で処方してもらうこともできます。

注射を使った治療は3種類で効果が大きい

一つは先にお話しした、ヒアルロン酸ナトリウム溶液を膝関節に注射して、関節液の粘り気を回復させる方法です。一部で有効でない人もおられますが、9割が改善すると言う報告があります。

また、炎症が激しい場合は、ステロイド薬を注射して炎症を抑える治療が行われることもあります。但し、あまり頻繁に行うとかえって症状が悪化しますので注意が必要です。

日本臨床整形外科学会では、ステロイド薬の関節内注射は、少なくとも2週間以上の間隔をあけるように推奨しています。

そして、変形性膝関節症では、関節の中の滑膜からたくさんの液体が浸み出して「膝に水が溜まる」と言う症状が起こることが少なくありません。

まず水が溜まって関節の動きが制限されたら水を抜いてもらいましょう。その水の内容を検査することで膝関節の状態を詳細に調べることができます。

水を抜いても、「クセになる」ことはありませんので安心して下さい。ただ、水が溜まる原因を取り除かないと、せっかく抜いてもしばらくするとまた溜まってしまいます。

多くの場合、水を抜いた時にステロイド薬を注射して炎症を抑えることで、水が溜まることを抑制できるようですが、これも100%ではありません。炎症を抑えきれなければ何度か水を抜くことを繰り返すかもしれません。

これは「抜いたから溜まった」のではなく、「溜まったから抜いた」と言うことなので、心配することはありません。きちんと炎症を抑える治療と並行して行っていれば問題ないのです。

膝の傷みにもブロック注射が効く

どんな治療を尽くしても痛みが抑えられない場合は、内太ももに「伏在神経ブロック注射」と言う注射を行うこともあります。

超音波エコーで神経の位置を確認するエコーガイドを使って正確に注射するもので、できれば麻酔科・ペインクリニックと整形外科の連携ができるところで行ってもらうのが良いでしょう。

他の条件にもよりますが、ここまで悪化した痛みを持っている場合、手術による治療が視野に入ってくるかもしれません。

お薬が有効なケースは多いのですが、内服・外用・注射など、いずれの物であっても長期連用は別のトラブルを引き起こしかねません。お薬を使っているうちに運動などで改善を目指しましょう。

手術療法はいくつかあるが効果とリスクを考えて選ぶ

変形性膝関節症の手術は大きく分けて4種類ありますが、1つは若い人に対象が限定されるものですので、実際には3種類と言っていいでしょう。

手術にはそれぞれ得られる効果であるベネフィットと、手術に伴う危険性であるリスクがありますので、事前に行われるお医者さんによる説明をよく理解したうえで手術に臨んで下さい。

関節を残す手術は長期的には再手術のリスクが高い

まず、膝の損傷が少ない場合は関節洗浄やデブリードマンと言う傷んだ組織を切除する手術が行われることがありますが、この手術については効果の有無について議論があるところです。

もしかすると、効果が見られなかったり、一時的に効果が見られても比較的短期間で症状が戻ってくるかもしれません。

また、高位脛骨骨切り術と言う手術では、O脚になっているのを、脛骨の上の方を切断して繋ぎ直し、X脚気味にすることですり減っていない関節の外側の軟骨に負荷を分散して痛みを取り除くものです。

この手術が上手く行くと、自分の膝関節が温存されますから、手術前にできていたことは手術後にもできる可能性が期待できます。

一方、この手術で完全に痛みが取れないことも割合起こります。それは適切な角度に治せなかったと言うことで、残念ですがこれは受け入れなければならないリスクの一つです。

さらに、術後10年以上で再発することもあります。その場合は再手術を行って人工関節への入れ替えを行うことになるでしょう。

そして、もう一つの手術はその人工関節置換術です。人工関節は年々良いものができてきていますので、かなり好ましい手術だと言えるものの、例えば人工関節の可動域の問題で、術後正座ができなくなるなどのリスクが伴います。

また、20年以上経つと1割ぐらいの人に人工関節のゆるみが起こって、固定し直すための再手術が必要になるケースもあります。とは言え、この手術を行う人の状況を考え合わせると、ほとんどの場合一生使えます。

将来のテクニック、モザイクプラスティ

モザイクプラスティと言うのは軟骨が欠損した場所に、同じ関節の中から少し軟骨を取ってきて移植し、それによって硝子様軟骨が作り出されることで組織を修復すると言う技術です。

今のところ、損傷部分が小さいことや患者の年齢が50歳以下ぐらいとある程度若いことが必須の条件ですので、変形性膝関節症の治療には使えません。

しかし、将来的に可能性がある技術なので、ここで参考までに紹介しておきます。実際、少し前までは40歳以下でないと無理だと言われていたのに、51歳の女性で上手く行った症例も報告されています。

その治療がさらに進んだ物が、患者の軟骨細胞を培養して細胞シートを作り、関節に移植すると言う再生医療も臨床治験のレベルに入っています。もしかするとiPS細胞による再生と言ったことも将来的には夢ではないのかもしれませんね。

当面は技術改良が進んだ人工膝関節置換術が有効な治療方法になると言えるでしょう。でも医療は日進月歩ですから、5年くらお経ったら、また大きく状況が変わっているかもしれません。

膝の痛みは生活習慣から来ていることも多いので気長に改善を

膝の痛みと言うのは、多くの場合変形性膝関節症が原因で、それは悪い歩き方や運動不足から来ていることも少なくありませんし、若い時のけがの後遺症かも知れません。

いずれにせよ、膝を大切に使うには一生、運動習慣や体重の維持、健康的な食生活などが欠かせないのです。

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