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目がかゆいのはクラミジアによる病気!?今も昔も不思議な感染症

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クラミジア、この名前は性感染症の名前だと思ってしまう人が大半なんじゃないでしょうか。実はクラミジアと言うのはかなり原始的な細菌のグループを指す言葉なのです。

そして、確かに近年では性感染症の中でも性器クラミジア感染症が最も多い病気なので、「クラミジア=性感染症」と思われるのも無理はないでしょう。

しかしその昔、そして現在でも開発途上国ではメジャーな失明原因の眼病の病原体なのです。そして先進国でも、異なった形でクラミジアが結膜炎を起こす原因として再び注目されてきているのです。

トラホームあるいはトラコーマと呼ばれた目の病気

性器クラミジア感染症や、かつて第四性病と呼ばれた鼠径リンパ肉芽腫、これらの原因菌はクラミジア・トラコマチスと言うものです。

細菌ではありますが、他の生物の細胞の中でしか増殖できない、ウイルスのように原始的な細菌です。このクラミジア・トラコマチスの名前から想像がつくかもしれませんね、眼病のトラコーマの原因菌でもあるのです。

前の東京オリンピックの頃までは日本でも大量の患者がいた

トラコーマは感染拡大の予防と抗生物質の投与で完全に治る病気です。しかし、戦後日本は急速に立ち上がったとはいえ、昭和30年代になっても、まだまだ日本は途上国の様相を呈していました。

昭和40年代になってようやく子供の目の病気がトラコーマから「はやり目」や「プール熱」などのウイルス性結膜炎にその中心を移しました。とは言え昭和50年代でも、まだトラコーマと言う病名はたまに耳にすることがありましたね。

現在でも途上国では一般的な眼病で、8000万人余りの患者と毎年8万人くらいの失明者を生んでいると言われています。世界保健機関WHOは2020年を目標にトラコーマの撲滅を目指していると言うことです。

基本は清潔な環境と適切な抗生物質の投与ですので、戦争状態や飢餓を防ぐことが基本になるのだと思います。

失明の恐れのあるトラコーマは、現在の日本では心配のない病気

探してみても、日本国内でのトラコーマ発生数や失明原因になった数と言うデータは見当たりませんでした。それほど少なくなったと言うことなんでしょうね。

トラコーマは患者の涙などが付着したタオルの共有などによって感染が広がります。現在、家族であっても目の具合の悪い人とタオルを共有するようなことはしなくなりましたから、日本から一気にトラコーマが減ったのでしょう。

また、目を洗う・顔を洗う・手を洗うと言う習慣と、それに使う清潔な水も問題なく供給されています。さらに、ハエが媒介することも多かったのですが、ハエ自体も日本国内では激減してますよね。

感染流行地域への渡航歴のある人は注意が必要

先にお話ししたようにハエによる媒介もありますので、清潔さに留意していても、感染流行地域へ渡航された場合には感染する可能性があります。

しかし、トラコーマ自体はやや長期にわたる抗生物質の投与できれいに治る病気ですから、渡航後など目に異常を感じたらすぐに眼科へ出かけて、途上国への渡航後に具合が悪くなったことを伝えて受診して下さい。

渡航歴をお話しされないと、眼科のお医者様が判断するときに困られるかも知れません。

性器クラミジア感染症と同じトラコマチスが目に感染して起こるクラミジア結膜炎

同じクラミジアの感染による目の病気でも、トラコーマとは異なるクラミジア封入体結膜炎と言うものが最近増えてきているようです。単純にクラミジア結膜炎と呼ばれることもあります。

これはトラコーマや性器クラミジア感染症などと同じクラミジア・トラコマチスが目に感染し増殖を始めることで起こる結膜炎です。

急性症状はかゆみに始まって、トラコーマと同じような感じですが、慢性症状が異なるため違う病気として扱われることもあります。

トラコーマよりはまだマシな目の病気

一方、クラミジア結膜炎は今でもトラコーマと同一視されている場合も少なくありません。しかし、先にお話ししたように慢性化した場合に見られる症状が異なり、全体としてトラコーマより軽症であることが多いようです。

いずれにせよ、クラミジアが目に入って起こる病気であることに変わりはありませんが、現在別の病気として扱う方向で再検討が要求されていると言う状況です。

なぜこの時代に眼病としてのクラミジア感染症が起こるのか

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トラコーマ自体は日本国内や先進国からほとんどなくなったにもかかわらず、同じ原因菌のクラミジア結膜炎がここに来て再び増加してきているのはなぜでしょう。

大方の皆さんが見当を付けておられる通り、性感染症として広がり、眼病として発症している可能性が高いと指摘されています。

性感染症は粘膜と体液の間で感染が広がる

ご存知の通り、性感染症のほとんどは、感染している人の血液や体液が、別の人の粘膜に触れることで伝染が成立します。

ただ、病気によって体液のふれあいで簡単に伝染するものから、血液以外では感染しにくいものまで様々です。

その中にあって、クラミジアはかなり感染力が高いものですから注意が必要ですね。ただし、クラミジア自体は弱い生き物なので、クラミジアが含まれた体液が乾燥したりするとそれで死んでしまいます。

ですから、例えば感染者が触れたドアノブに触ったとか、感染者と手をつないだとか言うことで感染することはありません。しかし、エイズなどとは違い、キスで感染する可能性はありますので要注意ですよ。

この辺りが若年層にも広がっている原因かもしれませんね。

飛沫感染するのは別のタイプのクラミジア

普通ならば直接体液が触れない限り心配はありませんが、目の表面も粘膜ですから、例えばのどに感染した人が、うっかり自分の唾液の付いた手で目に触れたりすると目に伝染することはあります。

このように、クラミジアは口の中やのどに棲みつくことも判っています。この場合、のどから性器に逆感染することもあるようですね。

ならば、目から性器やのどへの逆感染と言うことがあり得るのかと思って調べてみましたが、残念ながら目の場合逆感染があるかどうかは判りませんでした。

また、新生児の病気で、感染者である母親から妊娠出産に伴って赤ちゃんに垂直感染することで発病するクラミジア肺炎と言うものがあります。赤ちゃんの病気ですが、ごくまれに免疫力が低下した成人でも発病することもあるようです。

ただ、性感染症であるクラミジア・トラコマチスによるクラミジア肺炎は、飛沫感染については全くと言っていいほど警戒されていません。ですから発病した場合でも、お医者様から指示された対応を守っておけば大丈夫です。

それに比べると肺炎を起こすクラミジアでも、クラミジア・ニューモニエ(肺炎クラミジア)は飛沫感染するタイプですし、クラミジア・シッタシはいわゆる「オウム病」の病原菌です。

しかし、これらは性感染症でもなければ目の病気を起こすこともないので、詳細はまた別の機会に譲りましょう。

クラミジアは特殊な増殖の仕方をする

クラミジアは最初にお話しした通り、他の生物の細胞の中でしか増殖できない、原始的な細菌です。

感染性を持っている時のクラミジアは基本小体と言う名前で呼ばれています。これが人間の細胞に取り付くと、細胞膜の一部を食べて中にもぐりこみます。

そしてホスト(宿主)の細胞の中で自分のための膜を張り、その中で増殖形態である網様体と言う形に変化して細胞分裂を始めるのです。この膜の中で分裂する形態は封入体と呼ばれています。

封入体の中では分裂した網様体から中間体、そして感染形態である基本小体に戻るものが増えてきます。

最初に取り付いてから1~2日で封入体の膜が破れ、さらに1日後くらいには宿主の細胞膜を破って増殖したクラミジアがあふれ出します。

この時、全部が感染形態である基本小体になっているわけではなく、中間体や網様体のまま出てくるものもあります。

クラミジア結膜炎の治療は時間がかかる

クラミジア結膜炎の治療にはマクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質、ニューキノロン系の合成抗菌薬が用いられます。

これらのお薬はまぶたの裏に塗る軟膏のことが多いですので、ちょっと使うのが難しいかもしれません。

しかも上で説明したクラミジアの増殖パターンのうち基本小体には効きません。増殖形態の網様体には有効です。そのため1か月くらいはお薬を塗らないといけません。

どうしてもまぶたの裏に軟膏を塗るのが無理な場合は1時間ごとに点眼する点眼薬もありますが、この場合さらに長い期間が必要になります。

成人のクラミジア結膜炎は、性感染症に伴うものが多いので、そちらの治療のために内服薬での治療も並行して行われます。

性器クラミジア感染症は人生を狂わせるかもしれない…!

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この「健康生活」のサイト内で性感染症に関するカテゴリを見て頂くと、10代女性に多い病気として解説が行われています。これから将来に向けてお母さんになろうと言う人に感染者が多いのは問題です。

この病気は産道感染によって赤ちゃんに伝染します。赤ちゃんに伝染した場合、肺炎か結膜炎、あるいはその両方が赤ちゃんを襲います。

クラミジアはパートナーを変えるごとに検査しなければいけません

クラミジアは感染するとどんどん身体の奥の方へ侵食してゆきますから、まず妊娠しにくくなります。そしてせっかく妊娠しても、赤ちゃんに病気をうつしたのでは悲しいですよね。

ですので、このサイトのクラミジアに関する記事を読んで頂いて、正しい知識と対策を身に付けて下さい。

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