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子供がプールで起こしやすい目の病気5つとその正しい対処法8つ

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学校でのプール授業やスイミングクラブでの練習。子供が元気いっぱいに泳ぐ姿はとても健康的ですね。

でもプールから帰ってきた子供の目に少し変わった様子が見られることもあります。プールで起こりやすい子供の目の病気と対処法をご紹介します。

プールで目の病気が起こる原因は消毒に使われているカルキ

子供がプールで起こしやすい目の病気の多くは、プールの消毒に使うカルキが原因で起こります。消毒のために使うカルキが病気の原因になるとは、一体どういうことなのでしょうか?

カルキに含まれる塩素に有毒性がある!

カルキは一般的な名称ですが、正確には次亜塩素酸ナトリウムといい、塩素の力で殺菌作用を発揮します。ご家庭にもあるような漂白剤や除菌剤にも利用されています。

塩素は高い殺菌作用がある反面、有毒性もあります。例えば、皆さんも経験があると思いますが、水道水をそのまま入れた水槽に金魚を入れると、金魚は死んでしまいます。これは水道水に含まれる塩素に有毒性があるためです。

同じように、カルキに含まれる塩素が人の皮膚や目に触れると、刺激が起こります。特に目は皮膚と比べればバリアー機能が弱いため、カルキの刺激がダイレクトに角膜や結膜などに伝わってしまい、様々な目の症状が起こるのです。

塩素濃度と殺菌作用

塩素は濃度が高くなるほど殺菌作用が強くなる一方、目に対する刺激も強くなります。プールを消毒するときの塩素濃度は0.4mg/L~1.0mg/Lと決められています。塩素濃度と殺菌作用の強さをまとめると次のようになります。

  • 0.1mg/L 赤痢菌、コレラ菌、黄色ブドウ球菌は死滅
  • 0.2mg/L 肺炎球菌は死滅
  • 0.25mg/L 大腸菌が死滅
  • 0.4mg/L アデノウイルス死滅

プールで使用する塩素濃度は最低でも0.4mg/Lですから、人がプールで感染しやすい病気のほとんどの細菌やウイルスを死滅させる濃度になっています。

塩素濃度の上限は1.0mg/Lですから、場合によってはその2倍以上の濃度になっているということもあります。塩素濃度が強くなれば殺菌力も強くなりますが、その分目に対する刺激も強くなるということです。

塩素は空気とも反応し目にダメージをあたえる!

塩素は直接目の刺激となるだけでなく、空気と反応してクロラミンという物質を作ります。クロラミンはアンモニアに似た刺激のある気体で、水面付近や室内プールなどに充満しています。

カルキと空気が反応してできるクロラミンの刺激も目にダメージを与える原因になります。

プールで起こりやすい主な目の病気5つ

では、実際に子供がプールで起こしやすい目の病気をみていきましょう。

1.カルキ性結膜炎

いわゆる白目の部分を結膜といいますが、結膜は眼球とまぶたの間にあって、まばたきがスムーズに行えるようにしたり、涙腺からでる涙を角膜へ届けて目を保護したりする働きをしています。

結膜は直接プールの水に触れるため、塩素の刺激で最も炎症が起こりやすいのです。これがカルキ性の結膜炎です。カルキによる結膜炎の症状には次のようなものがあります。

  • 結膜(しろめ)の部分が充血して赤くなる
  • まぶたの裏側が充血したり腫れたりする
  • 目やにが多く出る
  • 目がしみて涙が多く出る
  • まれに発熱を伴うこともある

原因はカルキの刺激によるものですが、刺激を受けた結膜は細菌などへの抵抗力が弱くなっているので、症状が悪化する恐れがあります。

2.角膜炎

結膜炎の次に多い病気は、いわゆる黒目の部分が炎症を起こす角膜炎です。角膜は目のレンズにあたる部分なので比較的強くできていますが、塩素濃度が高い場合や角膜に傷ができてしまった場合には、痛みを伴って炎症を起こします。

角膜炎の症状には次のようなものがあります。

  • 目がゴロゴロする
  • 目がしみる
  • 目が痛い
  • 涙が溢れて出てくる
  • 角膜に白っぽい点ができる
  • まぶたが腫れる

このような症状の場合は角膜炎が起こっている可能性があります。角膜炎は一度かかると治りにくく重症化しやすいので注意が必要です。

3.プール熱による症状

プール熱はアデノウイルスという夏風邪を引き起こすウイルスに感染することが原因ですが、風邪のウイルスによって目に症状が現れる1つの要因としてカルキによる目のダメージが考えられます。プール熱によって起こる目の症状は次の通りです。

  • 結膜やまぶたの裏側が充血して赤くなる
  • 目がショボショボする
  • 光がまぶしく感じる
  • 目がヒリヒリと痛み、目を開けていられない
  • まぶたが腫れる

毎日プールに入る子供は目の刺激が慢性化していて、プール熱による症状が起こりやすいので、普段からの目のケアが大切です。またプール熱は第二種伝染病に指定されているので、症状が治りきるまで学校へ行くことが禁じられています。

4.流行性角結膜炎

流行性角結膜炎もプール熱と同様、アデノウイルスの感染によって起こります。プール熱との違いは発熱や咽頭の腫れなど風邪の症状がなく、目だけに限定的に症状が現れることです。

  • 結膜の充血
  • 目の痛み
  • まぶたの腫れ
  • まぶたの裏側にブツブツができる

流行性角結膜炎はプール熱の初期症状として発症する場合もあります。他の眼病との区別がつきにくく、発熱や咽頭の痛みなど他の症状が現れてないか注意して経過を観察することが大事です。

またアデノウイルスは感染力が強く、ウイルスが人の手を介して目に入るとほぼ100%感染する病気なので、他の子供に病気をうつさない配慮も必要です。

5.アポロ病

アポロ病は正確には急性出血性結膜炎といい、白目(結膜)の部分から出血が起こる病気です。アポロ病の原因はエンテロウイルスへの感染で、手足口病やヘルパンギーナなどの感染症を起こすウイルスと同じウイルスによるものです。

アポロ病の症状は次の通りです。

  • 白目(結膜)からの出血
  • 結膜の充血
  • まぶたの腫れ
  • 目やにが多く出る

アポロ病も結膜が傷ついたり弱ったりしていると症状も重症化しやすいので、普段からのカルキ対策が大切です。

プールでの目の病気の予防法!大事なポイントは8つ

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では、プールでの目の病気を予防するにはどうすれば良いのでしょうか?

1.水道水で目を洗ってはダメ!

水道水も塩素で殺菌していますが、塩素濃度は最低0.1mg/L以上が基準とされており、最低限の感染症を防げる濃度ですが、実際の水道水の塩素濃度を調べると、ほとんどが0.25mg/L~0.4mg/Lとなっています。

プールの塩素で刺激を受けた目をさらに水道水で洗うことは、カルキを目の中に押し込んでしまうようなものです。目についたカルキは涙の成分で洗い流すことができるので、カルキの入った水道水で洗ってはいけません。

2.ティッシュで目をふかない

目についた水滴を取るときにティッシュを使わないようにして下さい。ティッシュの先や細かい繊維が目に入って結膜や角膜を傷つけることがあります。目に見えないくらいの傷でも、カルキの刺激に反応しやすく、病気にもかかりやすくなります。

目の水滴を取るときは、柔らかいタオルを使ったり木綿のハンカチを使ったりして、優しくふくように気をつけましょう。

3.手をよく洗う

先ほどあげたように、目の症状はウイルスの感染による場合があります。ウイルスは感染した子供の目に手が触れて、その手から他の子供の手にウイルスがうつることで病気が流行するように拡大していきます。

プールの後だけでなく、プールに入った日は、こまめに手を洗うことを習慣にしましょう。

4.タオルの貸し借りをしない

プールで使うタオルは自分専用のものを使い、たとえ兄弟であっても共有して使わないようにして下さい。体をふくタオルと顔をふくタオルを分けるようにして、雑菌やウイルスに接触する部分を少なくすると予防につながります。

5.子供用の目薬を使用する

目の病気を予防するために、子供用の目薬を持たせるようにしましょう。子供用の目薬にはカルキの成分を中和して目の刺激を抑える効果があるので、目の病気の予防にはとても効果的です。

ただし使うときに目薬の先がまぶたやまつ毛に触れないように注意して下さい。家で目薬の使い方を練習してから、持っていくようにすると良いでしょう。

また目薬をプールサイドまで持っていくと直射日光が当たり劣化することがあるので、着替えをする部屋などから出さないようにしましょう。

6.家のお風呂での感染も注意する

プールに通っている子供がいる家庭では、家のお風呂で家族間感染することもあるので注意が必要です。バスタオルなどを共有せず、子供の目に症状がないか時々チェックして、少しでも異変があればお風呂は休ませるようにしましょう。

7.紫外線の影響に注意する

紫外線は角膜を直接傷つけるため、カルキよる刺激が強くなって目の病気が起こりやすくなります。プールは屋外にあることも多いので、休憩時間は手で目を覆って目を休めるようにしましょう。紫外線の影響を少なくする目薬の使用も有効です。

8.水中眼鏡を使用する

学校や施設によって異なりますが、水中眼鏡やゴーグルの使用ができるのであれば、できるだけ使うようにしましょう。使った後は流水でしっかり洗ってから乾燥させてください。水分が残っていると雑菌が繁殖する場合があります。

子供の発育のためにはプール授業や水泳教室に通わせるのはとても良いことだと思います。目の病気にかかり休ませてしまっては、もったいないことですね。

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