健康生活TOP 過敏性腸症候群 腹痛に悩む子供達…過敏性腸症候群は「食と生活と心」が原因

腹痛に悩む子供達…過敏性腸症候群は「食と生活と心」が原因

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「お母さん・・お腹が痛い」「え?また今日も痛いの?」

こんな会話が平日の朝、いつもの光景となっている家庭が増えてきています。過敏性腸症候群の腹痛は自分自身で心と身体のバランスがとれなくなった時におこる病気です。

大人でも心と身体のバランスを取るのは難しいものです。それが成長過程の子供でしたら、なおさら難しいでしょう。しかし、仕方ないとあきらめないでください。

食事と生活と心のあり方を見なおすことで、必ず改善することができます。

今や珍しくない子供の過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とはなんらかの原因で腸が機能的な異常をおこしてしまう病気です。機能的な異常とは、感染症や炎症や腫瘍などのハッキリとした疾患があるわけではなく、腸そのものの動きに異常があることをいいます。

過敏性腸症候群を発症している人は20代~50代の成人で10%、そして小中学生の子供でも10%~20%の割合で生活に支障が出てしまうほどの腹痛に悩んでいます。まさに大人だけでなく子供にとっても現代の大きな問題のひとつといえるでしょう。

過敏性腸症候群は現在でもハッキリとした原因はわかっていません。しかし一昔前から何が変わってしまったのかを探っていけば、おのずとその原因が見えてきます。それが「食・生活・心」の変化です。

バランスの崩壊

今や子供も大人と同じように「食・生活・心」のバランスを崩してしまっています。過敏性腸症候群の特徴はこの3つのうち「心」がもっとも大きなウェイトをしめています。

それは過敏性腸症候群の子供が腹痛を訴えるのはほとんど平日のみだということからもわかります。過敏性腸症候群の子供の大半は朝の学校に行く前に腹痛を訴え、そして不思議と休みの日には痛みを訴えてきません。

これは何も子供が学校を休みたいがために嘘をついているのではありません。過敏性腸症候群は実際に腹痛がおこり、下痢または便秘、おならなどの症状があらわれます。ですから子供達は実際に痛みに耐えて苦しい状況なのです。

ではなぜ現代の子供たちは「食・生活・心」のバランスが取れなくなり、これほど苦しむようになってしまったのでしょうか?子供を助けるために親や周りの大人たちができることは何なのでしょうか?

子供は大人と違ってまだ未熟であり、すべてにおいて社会、学校、家庭の管理下にあります。ですから、まずは子供を取りまくこれらの事柄の変化をつかむことが過敏性腸症候群を改善する第一歩となります。

では一昔前と比べて現代ではいったい何が変わってしまったのでしょうか?子供をとりまく世界を「社会」「学校」「家庭」の変化と、そしていつの時代でも心と身体のバランスを左右する「食事」について探っていきましょう。

社会の変化

日本はバブルがはじけて以来、不景気の一途をたどっています。このような不景気はどうしても社会での競争が激しくなり、そして格差を生み出すことになってしまいます。

この格差社会というのは大人だけの問題ではありません。子供は小さいながらにも敏感に自分が置かれている状況を読み取ります。たとえばランドセルひとつとっても他の友達と自分のランドセルの違いがあればそれに敏感に反応しています。

経済的な豊かさが心の豊かさに繋がるわけじゃないと知っているのは大人だけであり、子供にはまだわかりません。また親がストレスを抱えていると、たとえ大人に症状が出ていなくても子供の方に出てしまうというデータがあります。

子供の勝ち組・負け組

勝ち組・負け組という言葉をよく耳にするようになったのはまさに日本のバブル時代がはじけてからでしょう。不景気の象徴的な言葉といえるかもしれません。

今の子供の親は何とか子供を勝ち組に入れたいと必死になっているパターンと、反対に子供の教育やしつけなどには無頓着となり放棄してしまっているパターン、このふたつの差が強くなってきているように思います。

ところで、この勝ち組・負け組の、「組」という言葉に疑問を感じませんか?なぜ勝者・敗者ではなく、「組」なのでしょう。ここに今の子供たちが重圧を受けてしまっているカギがあると思います。

組とはひとりではない複数の集まりのことですよね。つまり組というのは他人と自分を比較しなければ存在しません。組に属していると感じるためには、その同じ組に属している人と同じ条件であるということが前提となるからです。

世の中のこのような勝ち組・負け組という考え方が、つねに他人と比べることが前提であり、それがモノサシであり、今ではその考え方が小さな子供にまで向けられるようになってしまっています。

そのような世の中が決めた勝ち組に子供が入れたとしても、学校を出て、社会に出て、結婚をして、そしてその後もずっと勝ち続けることが要求されます。

負け組というレッテルが貼られた子供も「自分が好きになれないという自己嫌悪感」を背負い、ストレスをずっと溜め続けることになります。

つまり世の中の勝ち組・負け組のどちらに入ってもストレスをためてしまうことになるのです。そんな意味のない枠を押し付けていることが、今の子供に重圧感を与え、過敏性腸症候群という原因のひとつとなっていないでしょうか?

学校の変化

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子供にとって学校とは勉強を学び、社会に出ていくための規律を学び、そして友達を作る大切な場です。しかし近年の少子化や家庭環境の変化で教育の仕方も変わってきました。

強く出れない教育姿勢

今は一昔前とは違い、「学校のやり方が絶対」という考え方はありません。学校に任せっぱなしということはなくなり親もドンドン教育現場に参加するようになりました。確かにそれが良い効果を生み出している面はたくさんあります。

しかし保護者である親からの監視が強いということは教師の教育の仕方も束縛を受けることになります。一昔前の学校でどこでも見られた体罰は今では絶対に許されることではありません。

もちろん無意味な体罰は良くありませんが、「叱る」と「怒る」とは違います。いじめは確かに昔からありましたが、教師が叱ることがなかなか難しい今の教育現場では、さらにいじめが増加してしまっている原因となっていないでしょうか?

スクールカースト制度

スクールカースト制度という言葉をご存知でしょうか?カーストとはインドでピラミッドの形をしている厳格な身分制度のことであり、頂点のグループに属するほど高い権利をもちます。

学校でいえばピラミッドの頂点に属するのは勉強ができるだけでなく笑いもとれるクラスの人気者、そしてピラミッドの下の階級にいくほど、勉強ができない、コミュニケーションがうまくできないタイプの子供が属することになります。

このようなスクールカースト制度は気にさえしなければ存在などしません。しかし実際は気にしてしまう子供が多く、自分自身に大きな劣等感をもつ原因となってしまっています。

家庭の変化

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では次に家庭の変化を探っていきましょう。今も昔も家庭とは子供が成長していくための土台です。

核家族・少子化

今の時代は少子化です。そんな少子化の実態は厚生省が小学生から中学生を対象に調べた児童環境調査でのデータによくあらわれています。

【よく遊ぶ友達の数】

  • 昭和61年では「2~3人」が27.2% 「6人以上」が32.4%
  • 平成3年では「2~3人」が32.5% 「6人以上」が26.7%

このようによく遊ぶ友達の数が減少してきているのがわかります。

また少子化ということは家庭内でも兄弟が少なくなってきているということですから、子供は自然とひとり遊びが多くなります。

子供は喧嘩をしながら「叩かれたら痛い」などと身をもって覚えていくものです。また上の子が下の子の面倒を見て、下の子は上の子に従うといった上下関係の規律を学んでいきます。

今の子供がコミュニケーションが苦手なのはこのような経験が圧倒的に少ないからではないでしょうか?そしてコミュニケーション不足は子供の心に大きなストレスを生むことになります。

生活のゆとりの時間が減少

女性の社会進出で共働き率がとても高くなりました。一昔前はたとえ両親が共働きであっても兄弟がいて友達も周りに多くいました。しかし先に述べたように今は本当に孤独になりがちです。

しかも忙しいのは大人だけではありません。子供も塾や習い事などで忙しく毎日の生活にゆとりがなくなってきています。

食事の変化

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過敏性腸症候群の原因を考えていく中で、ストレスと同じくらい重要なのが食事です。ここ数十年で子供の食生活は大きく変貌してきています。

ファーストフードとコンビニ食

今では都会だけでなくどこの地方にいっても見かけるファーストフード店。日本に上陸したのは1970年の初め頃でしたが、1990年代頃から都会だけでなく地方にもいっきに広がりました。そしてコンビニが全国中に広がったのもこの時期です。

子供の味覚は3才までの食事で決まると言われています。大手のファーストフード店はおまけのオモチャで子供を持つファミリー層を引き込もうと必死です。確かにファーストフードは安いし、美味しいし活用したくなりますよね。

ですがファーストフードはご存知のように健康に良い食事とはいえません。また24時間おいてあるコンビニのお弁当やサンドイッチなどは、見た目と保存のためにたくさんの添加物が入っています。

このような食べ物を体内に入れると「分解・消化・吸収」が仕事である腸に大きな負担がかかることになります。そして慢性的に弱い腸になってしまうのです。

食べ物が米や魚や野菜が中心だった昔と比べて、パンや肉を食べるようになった現代では確かに子供の体格は格段に大きくなりました。そして医療も進み、昔のように結核や感染症も見られなくなり、虫歯の発生率も減少しました。

しかし食べ過ぎによる肥満、目の使いすぎによる視力低下。運動能力は敏しょう性は向上しましたが筋力や持久力は低下してきてしまいました。

子供の塩不足

テレビなどのメディアでさかんに推進されているのが「減塩」です。しかし塩は人間の身体になくてはならないものです。身体は行動や、考えを起こしたりするのに全身にはりめぐらされた神経細胞がつねに情報のやりとりをしています。

その情報のやりとりは電気信号によってされています。塩が電気を通すのは小学校の実験などでやったのでご存知ですよね?つまり血液中の塩分が薄くなると全身の神経細胞の情報交換がスムーズにできなくなってしまうのです。

塩不足になった子供は、免疫力が下がるので病気になりやすく、無気力になり、すぐにキレる、などの症状がおこり、身体だけではなく精神的にも弱くなってしまいます。

過敏性腸症候群から子供を守る

このように現代の子供を取り巻く背景を探っていくと過敏性腸症候群が増加してきている原因が見えてきました。では次にそれをどのように改善していけば良いのかを考えていきましょう。

食をみなおす

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子供は大人のように自分で食べるものを選ぶことができません。ですから食事を管理している親が子供の健康を左右しているといっても過言ではありません。ではどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

  • ファーストフードなどの外食はしない
  • インスタントに頼らない自炊での食事
  • 肉だけでなく魚や野菜もあるバランスのとれた食事
  • お菓子やソフトドリンクなどは控えめにする
  • ヨーグルト、納豆などの食品で乳酸菌を摂りいれる
  • 適量な塩分はしっかりと摂る

ファーストフード、インスタント食、コンビニ食などが、忙しい毎日にとても便利なのはわかります。しかし過敏性腸症候群を改善させてあげるためには、極力これらの食事は避けるようにしてください。

またお菓子やソフトドリンクに入っている白砂糖は腸をてきめんに弱くしてしまう原因となりますので控えめにしましょう。ヨーグルトや納豆に含まれている乳酸菌は腸の強い味方ですのでしっかりと摂らせてあげてください。

塩の摂り方には注意が必要です。精製された食塩は製造過程によりミネラル分が欠け落ちていますので、天日干しの自然塩を使うようにしましょう。

生活をみなおす

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子供の生活習慣も親である大人の意向が大きく左右します。子供はまだ未熟ですからしっかりと親が正しい生活習慣の流れを身につけさせなければいけません。

  • 規則正しい生活をする(同じ時間に寝て起きて食事をする)
  • ゲームやスマートフォンをしすぎないように時間を決める
  • 自分でできる身のまわりのことはさせるようにする

過敏性腸症候群に負けない丈夫な身体にするためにはまず生活のリズムパターンを規則正しくするのが基本です。

それにはゲームやスマートフォンなど子供が長時間夢中になりやすいメディアは時間を決めて、睡眠時間や、食事がきちんととれるようにしてあげてください。

生活習慣は子供の自立心を養う場でもあります。服を脱ぎっぱなしにしない、遊んだオモチャは片付けるなど、子供ができる身のまわりのことはできるだけ自分でさせるようにしましょう。

心をみなおす

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過敏性腸症候群を改善させる最大のキーポイントであり、もっとも難しいのが心の問題です。子供の心と向き合うには、まず会話をすることが基本ですが、共働きなどで忙しく時間が思うようにとれない場合はどうすれば良いのでしょうか?

じつはちょっとのことで、子供と心がつながり、そして安心させてあげれることができます。

  • 深呼吸をさせてあげる
  • 子供がもっと話したい!と思うような質問をする
  • できないことではなく、できることを伸ばしてあげる
  • 抱きしめてあげる

過敏性腸症候群に悩む子供たちは胸で浅く息を吸っていることが多く腹式呼吸ではありません。「お腹が痛い・・」と訴えてくる時は深呼吸をさせてあげましょう。痛みのあるお腹に手を一緒にあててゆっくりと深く呼吸をさせてあげます。

子供との会話の時間が忙しくて取れない場合は短時間で子供の心とつながるコツがあります。たとえば「今日は楽しかった?」と質問するよりも「今日はどんなことが楽しかった?」と聞きます。

「今日の給食は美味しかった?」ではなく「今日は給食で何が一番美味しかった?」など・・結果よりも、子供自身がひとつひとつの経験により、どう感じたのか、どう思ったのかを引き出せるような質問をしてあげましょう。

また子供が苦手とすることを克服させてあげることも大切ですが、過敏性腸症候群に悩む子供はまじめな性格が多いのが特徴です。まじめであるがゆえに自分ができないことに対しても真剣に考えてしまい何とかしなければと悩みます。

ですから、たとえば算数が苦手で国語が得意ならば、算数を頑張らせるよりも国語を褒めてさらに伸ばしてあげるようにしましょう。すべてができなくてもいい。ひとつでもいいから絶対に自信がもてるものを親が認めて伸ばしてあげてみてください。

抱きしめてあげることは言葉を超えた親と子供の一番のスキンシップです。ときには何もいわずに抱きしめてあげることが一番効果があるものです。

まずは気づいてあげてください

子供のストレスは親が気づくだけで、その治療の半分はすでに終わっているといわれています。「ただの腹痛だから」などと思わないようにしてあげてください。

ご紹介してきたように子供の過敏性腸症候群は「食・生活・心」を見なおすことで改善することができます。親にできることは、親にしかできないことでもあります。

今の子供の悩みをたとえ親であっても完璧に理解することはできません。しかしそれに気づき、何とかしてあげたい!と思う愛情が過敏性腸症候群を改善できる一番のクスリなのではないでしょうか?

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