健康生活TOP 間質性肺炎 間質性肺炎とは?6つの原因別にみる症状と治療法、予後について

間質性肺炎とは?6つの原因別にみる症状と治療法、予後について

咳きこむ男性

長らく日本人の死因上位3位と言えば悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患でしたが、平成23年に脳血管疾患が4位となり、急増してきた肺炎が日本人の死因の第3位となりました。

2015年には年間で123,000人もの方が肺炎で亡くなられています。
(平成 27 年(2015)人口動態統計の年間推計より)

このように非常に多くの方の命を奪っている肺炎ですが、肺炎球菌が原因の肺炎は肺炎球菌ワクチンを接種することで予防し重症化することを防ぐことができます。細菌が原因の肺炎であれば、感染・発症したとしても抗生物質で治療することも出来ます。

しかし、有効な予防ワクチンも無く、抗生物質も効かないタイプの肺炎があります。それを間質性肺炎と言います。

今回は間質性肺炎について詳しく見て行きたいと思います。

肺の機能を脅かす肺炎とは?肺の構造と間質、実質の役割

肺は空気中から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する器官です。肺の構造としては主に気道と血管から構成されています。気道とは鼻や口から体内に入る空気の通り道の事を言い、その気道の先端に肺胞があります。

肺の構造と働き

肺胞はブドウの房のような形をしていて、数は約3億個あり、肺の容積の85%を占めています。

肺胞の周りにある毛細血管の中の二酸化炭素が肺胞内へ移動し、肺胞内の酸素が血液中へ移動します。このようにして肺はガス交換を行っています。

肺に炎症が起こる現象を総称して肺炎と呼びます。主な肺炎は感染性の肺炎であり、細菌やウイルス、真菌が原因となります。非感染性の肺炎としては薬剤やアレルギーなどが原因となる場合があります。

臓器は実質と間質に分けることが出来、実質とはその臓器の機能を果たしている部分であり、間質は実質以外の組織のことを言います。間質細胞は実質細胞を支える役割をしています。

肺の実質と間質の簡略図

そしてこの肺の間質が炎症を起こしている状態を、間質性肺炎と言うのです。

間質性肺炎の症状と検査でみられる特徴

間質性肺炎とは、肺胞壁や支持組織などの肺の間質に炎症が起こる疾患の総称です。炎症が続くと肺胞の壁が厚くなり、線維化を起こしてしまう場合があります。

繊維化とは、肺胞が繰り返し傷つけられ、その傷を治すため繊維物質(コラーゲンなど)が増えて肺胞の壁が厚く固くなってしまうことを言います。

肺胞の壁が厚く固くなると肺全体が固くなって膨らむことが出来なくなってしまいます。

間質性肺炎の症状

間質性肺炎では肺活量、酸素の吸収効率が低下するため息苦しさを感じたり、咳が出たりします。

間質性肺炎による息苦しさは安静にしている時にはほとんど感じません。日常生活の中でそんなにきつくない動きをした時に息苦しさを感じます。これを労作時呼吸困難と呼びます。

咳に関しては空咳(からぜき)と呼ばれる特徴的な咳が出ます。痰が出なく季節に関係なく出る咳です。

間質性肺炎の検査で見られる特徴

間質性肺炎の患者さんの胸に聴診器をあてるとマジックテープをはがす時の音に似た音が聞こえます。また、ばち指が発症しやすい傾向もあります。ばち指とは呼吸器障害が原因で起こる爪に現れる症状です。

間質性肺炎の場合、肺をX線写真でみると「すりガラス」の様な影が見えます。

間質性肺炎に特徴的な血液検査としてはSP-A、SP-D、KL-6の上昇があります。 間質性肺炎に特異的なものではありませんが、LDHや血沈の上昇も見られます。

原因別に見る間質性肺炎1.薬剤が原因の間質性肺炎

間質性肺炎は肺の間質に炎症が起こる病気ですが以下のように原因は様々なものがあります。

【間質性肺炎の原因となるもの】

  1. 薬剤性
  2. 放射線
  3. 膠原病
  4. 職業・環境
  5. 感染
  6. 明確な原因を持たないもの

それぞれについて順番に見て行きましょう。

薬の副作用によって間質性肺炎が起こることがあります。間質性肺炎を引き起こす代表的な薬剤としては以下のものがあります。

  • 抗がん剤
  • 抗リウマチ薬
  • インターフェロン製剤
  • 漢方薬
  • 解熱消炎鎮痛薬(アスピリン、サリチル酸など)
  • 抗生物質
  • 抗不整脈薬

上記のものは医師が発行する処方箋がないと使えない医療用医薬品と呼ばれる薬ですが、風邪薬のようなドラッグストアーなどで買える市販の医薬品でも起こる場合があります。

薬の副作用として起こる間質性肺炎はとても稀なものであり、必ず起こったり、高頻度に発生るするものではありません。ただ起きてしまった場合、間質性肺炎はとても注意をするべき副作用ではあります。

薬を使う方は間質性肺炎の初期症状を知り、もしそれらしい症状に気が付いたら早めに医師または薬剤師の先生に連絡をして早期に対処することが大切なのです。

薬の副作用が原因の間質性肺炎の初期症状

1、息切れ、息苦しさ

「あれおかしい。普段はこんなことないのに」と思うような、ちょっとした動作を行った時の予期せぬ息切れ、息苦しさを感じます。

2、空咳

痰を伴わない咳です。季節に関係なく続きます。

3、発熱

熱は出ない場合もあります。

お薬を飲んだり、注射剤を投与されている期間に「息切れ」「空咳」「発熱」が急に出たり、続くようでしたら、放っておかずに必ずお医者さんや薬剤師さんにそのことを知らせて下さい。

お医者さんに伝えるべき項目は以下のものです。

  • 症状の程度
  • 使用中の薬の種類
  • 薬の使用開始時期と期間、頻度

薬の副作用が原因の間質性肺炎の発現頻度

薬の副作用として起こる間質性肺炎はとても稀なものと言われていますが、実際の発現頻度はどの程度なのでしょうか。

間質性肺炎の鑑別自体が難しいことや、副作用として間質性肺炎が疑われたとしても、多くの場合、複数の医薬品が投与されていることが多くどの薬が間質性肺炎の原因であるのか見分けるのが難しいという現実があります。

そのため実際のところ医薬品による間質性肺炎の発現頻度は不明となっています。

平成18年11月に厚生労働省が発行した重篤副作用疾患別対応マニュアル 間質性肺炎(肺臓炎、胞隔炎、肺線維症)に間質性肺炎の発現頻度が記載されている個々の医薬品名と、最新の添付文書(平成28年7月現在)に記載されているその頻度をご紹介します。

一般名 商品名 間質性肺炎・肺線維症 発現頻度
ブレオマイシン ブレオ注射用5mg/
ブレオ注射用15mg
10%
マイトマイシンC マイトマイシン注用10mg 頻度記載なし
シクロホスファミド エンドキサン錠50mg 0.1~5%未満
シクロホスファミド 注射用エンドキサン100mg/
注射用エンドキサン500mg
頻度不明
メトトレキサート メソトレキセート点滴静注液200mg/
メソトレキセート点滴静注液1000mg
いずれも頻度不明
アミオダロン アンカロン注150 頻度不明 注1
注1)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

参照:重篤副作用疾患別対応マニュアル 間質性肺炎(肺臓炎、胞隔炎、肺線維症)

薬の副作用が原因の間質性肺炎の発生のメカニズムと発現時期

どうして薬を使うと間質性肺炎が起こってしまうのでしょうか。大きく分けて2つのメカニズムが考えられています。

1つは、薬が肺の細胞を直接傷つけることによって間質性肺炎が起こると考えられる場合です。細胞を傷つける細胞障害性の薬剤には主に抗がん剤があります。

抗がん剤による間質性肺炎は投与開始後、数週間から数年かけて発症するとされており発現時期にとても幅があります。

もう1つのメカニズムとしては、間接的に肺の細胞を傷つける場合が考えられています。

これは薬に対する免疫反応が原因と考えられているもので、抗菌薬、解熱消炎鎮痛薬、抗不整脈薬、抗リウマチ薬、インターフェロン、漢方薬などによって起こる間質性肺炎はこのタイプのものだと考えられています。

このタイプの間質性肺炎は薬の投与開始から1から2週間程度で発症することが多いとされています。

抗がん剤でも直接細胞を傷害するのではなく、その抗がん剤に対するアレルギー反応が原因で間質性肺炎を起こす場合もあります。

分子標的治療薬のゲフィチニブ(イレッサ)のように発生メカニズムが良く分かっていないものもあります。

ゲフィチニブによる間質性肺炎は投与開始4週間以内、特に2週間以内に発症することが多いと知られています。

間質性肺炎を起こすイレッサについて

間質性肺炎の副作用で多くの方がお亡くなりになり「薬害」として報道されて世間の注目を集めたイレッサについて見てみましょう。

イレッサは上皮成長因子受容体(EGFR:Epidermal Growth Factor Receptor)をターゲットにした分子標的薬であり、発売当時新しい作用メカニズムの飲み薬で画期的な肺がん治療薬としてとても期待されていました。一部では「夢の新薬」とまで言われていました。

そして新薬の場合にいつも問題になるのがドラッグ・ラグの問題です。

ドラッグ・ラグとはある薬が海外で使えるようになってから、日本で使えるようになるまでの時間の差を言います。

ドラッグ・ラグの問題があるため海外では標準的治療薬として使用されている薬が日本では使えないという問題が今でもあります。

ところがイレッサは2002年7月5日には世界に先駆けての承認となった抗がん剤でした。承認申請からわずか半年でのスピード承認でした。

そして同年7月16日には医療用医薬品としては異例の速さで発売になっています。発売後、急速に使用が広がり、一方で間質性肺炎の報告もされるようになりました。

それを受けて同年10月15日には厚生労働省からゲフィチニブによる急性肺障害、間質性肺炎についての「緊急安全性情報」が発出されています。

この「緊急安全性情報」の出された時点でのイレッサの推定使用患者数は約7,000人であり、そのうち間質性肺炎を含む肺障害の発現26例、死亡13例の報告がありました。

「緊急安全性情報」が発出され注意喚起がなされたにも関わらずその後もイレッサによる間質性肺炎による死亡の報告が続きます。

2006 年4 月26 日付厚生労働省報道発表資料の「ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数」によると以下のような数字になっています。

報告件数 1631件
死亡者数 643件

肺がんの患者さんは、肺がんと診断された時には6~7割以上の方が進行例で手術不能の状態であると言われています。

手術が出来ない場合は化学療法という薬物治療が選択されますが、肺がんのうち約8割は抗がん剤が効きにくい非小細胞肺がんというタイプの肺がんです。

イレッサ発売当時に標準的治療とされてていた抗がん剤の治療成績は生存期間中央値で約10カ月というものでした。

一度目の抗がん剤治療が効かなくなった場合、別の抗がん剤治療に変更されますが、その当時有効とされていた2度目抗がん剤の治療成績は生存期間中央値で約7カ月です。

このような状況下で多くの肺がん患者さんがイレッサでの治療を受けることになりました。

平成18年11月に厚生労働省が発行した重篤副作用疾患別対応マニュアル 間質性肺炎(肺臓炎、胞隔炎、肺線維症)によるとイレッサの間質性肺炎等の肺障害の発現頻度は、日本人では2~4%であり死亡率は1~2%とされています。

薬の副作用が原因の間質性肺炎の治療方法

お薬の副作用が原因の間質性肺炎の治療方法は、まず原因と考えられる薬の投与をやめることです。

間質性肺炎の初期症状を見逃して薬の投与を続けてしまうと、間質性肺炎を重症化させてしまいます。早期に気付いて薬をやめることが重要です。

重症例や急速に進行する症例の場合はステロイドのパルス療法が行われます。

免疫を抑制するステロイドを感染性の肺炎で使用した場合症状を悪化させてしまうため使用されることはありません。しかし、間質性肺炎ではステロイドのパルス療法は有効です。

逆に肺炎で最も多くの割合をしめる細菌性肺炎に有効な抗生物質は間質性肺炎には無効です。

ステロイド・パルス療法とは大量のステロイドを短期間投与する方法です。早期に効果が得られ、副作用の少ない治療法です。

薬の副作用が原因の間質性肺炎の危険因子

以下のような方たちは薬剤性の間質性肺炎のリスクが高いことが知られています。

  • 60 歳以上の方
  • 肺病変のある方
  • 肺の手術歴ありの方
  • 呼吸機能が低下している方
  • 高濃度酸素の投与を受けている方
  • 肺への放射線照射を受けた方
  • 抗悪性腫瘍薬の多剤併用療法を受けている方
  • 腎障害のある方

これらの方は特に初期症状に注意をして異変を感じた場合は直ぐに医師や薬剤師の先生に連絡をして下さい。

原因別に見る間質性肺炎2.放射線が原因の間質性肺炎

放射線は放射線療法として使用されます。放射線療法は、手術、薬物療法(抗がん剤、ホルモン療法)とならんで癌に対する主要な治療法の1つです。

放射線療法と手術の2つだけががんを治癒させる可能性を持つ治療法です。放射線療法が手術と異なる点は体を切らなくてすむことです。切らずにすみますので臓器の機能や形を温存することが出来ます。

切らずにすむという点では放射線療法は患者さんの負担が少ない治療法と言うことが出来ます。このため全身状態が悪化した患者さんやご高齢の方にも適応できる治療法です。

切らずにすむ、という点では放射線療法と薬物療法は共通しています。異なる点は、薬物療法は全身療法であるのに対し、放射線療法は通常、癌だけを狙って照射する局所療法だということです。

ただし、放射線療法でも白血病などの血液がんで造血幹細胞移植の前処置として全身に放射線を照射する場合もあります。

放射線は癌細胞だけでなく正常細胞にも傷害を与えます。放射線療法は、癌細胞に比べて正常細胞のほうが回復が早いという性質を利用して、正常細胞が回復しても癌細胞がまだ回復していないタイミングを狙って複数回に分けて放射線を照射します。

このようにして癌細胞のみを死滅させます。

放射線が正常細胞に過剰な傷害を与えてしまう場合もあり、これを放射線障害と呼びます。放射線障害は早期反応と晩期反応があります。

放射線障害の早期反応は照射後早期に起こり、主なものは皮膚や粘膜の炎症と骨髄抑制です。皮膚、粘膜の炎症は2週間以内でだいたい治まります。骨髄抑制の結果、白血球が減少することがありますが問題となることはあまりありません。

晩期反応は、照射後数カ月から10数年経ってから起こります。

肺は放射線に最も反応しやすい臓器の1つあり、早期反応として肺に炎症を起こすことがありますし、晩期の反応として肺の繊維化が起こる場合もあります。

早期発見が鍵となる放射線肺炎の症状

胸部に出来た癌を放射線で治療する場合に、肺に障害を与えて起こってしまう間質性肺炎を放射線肺炎と呼びます。

これは放射線治療直後から6ヵ月以内に起こりやすいと言われています。

初期症状は他の間質性肺炎と同様に、

  • 空咳
  • 息切れ
  • 発熱

が主なものですが、無症状の場合もあります。

放射線肺炎は、軽症の場合、経過観察だけで自然に良くなる場合がほとんどであり、多くの場合は予後良好です。 ただし、炎症部位が広範囲に広がった場合は死に至る場合もあります。息苦しさなどを感じた場合は直ぐに主治医に連絡をして下さい。

経過観察中に呼吸困難が進行した場合は、ステロイドによる治療が行われる場合があります。

原因別に見る間質性肺炎3.膠原病が原因の間質性肺炎

膠原病が原因で間質性肺炎にかかる場合があります。

膠原病は複数の臓器に炎症が起こって機能障害を起こしてしまう病気の総称です。良く知られている疾患としは関節リウマチがあります。膠原病は自己免疫疾患と考えられていますが、完全には原因は分かっていません。

膠原病で肺に障害が発生する場合があり、これを膠原病肺と言います。膠原病が原因でなる間質性肺炎は膠原病肺に分類される疾患の1つです。以下に膠原病肺の種類をお示しします。

膠原病が原因で肺に障害が発生したものを膠原病肺と言います。膠原病肺と呼ばれるもには以下の種類があります。

  • 間質性肺炎
  • 気道病変
  • 胸膜病変
  • 血管病変

膠原病が原因の間質性肺炎の予後

北海道大学の栗田崇史氏が膠原病に伴う間質性肺炎の予後を検討しています。この研究は北海道大学を受診した膠原病患者さんのデータをもとに解析を行ったものです。

日本には膠原病患者さんで間質性肺炎にかかった方の大規模な疫学データが存在しないため栗田氏のデータは単施設のものとは言え貴重な情報です。

2006年9月から2009年8月に北海道大学第2内科を受診した膠原病患者さん637名のうち、胸部画像を元に166名の患者さんが間質性肺病変と診断されました。さらにその中で1年以上の診療記録があり、2回以上CT検査を受けている方が解析の対象となりました。

対象は154 名であり、うち女性116 名、男性38 名でした。観察期間の幅は12カ月から433カ月で中央値は56カ月でした。年齢は18歳から83歳で中央値は54歳でした。

中央値は平均値に似ているもので、集団の性質をあらわす時に使うものです。バラつきが大きい時は平均値では実態をうまく反映出来ない為に中央値が使われます。

例えば、10歳、11歳、12歳、14歳、83歳の5人組みがいたとします。

この場合の平均値は10+11+12+14+83=130 130/5=26 平均26歳になります。でも、実際この集団は5人のうち4人が10代前半なので平均値26歳と言われてもピンときません。

中央値は、順番に並べて行って真ん中の数字を中央値とする方法です。上記の場合ですと12歳が中央値となります。

以下が栗田氏の調査対象全体の臨床経過になります。

改善 21%
不変 59%
増悪 16%
死亡 4%

参照:膠原病に伴う間質性肺病変の予後とその予測因子 及び治療法に関する研究

膠原病が原因の間質性肺炎の症状と治療

膠原病が原因の間質性肺炎でも症状は他の間質性肺炎と同じです。空咳、息切れ、発熱が主の症状です。

軽症では症状が出ない場合もあります。膠原病の方は間質性肺炎を合併するリスクがあることを意識して、空咳、息切れなどを自覚した場合は直ぐに医師に相談するようにして下さい。

膠原病が原因の間質性肺炎は現在の医療では治癒させることは困難とされています。治療はステロイドなどの免疫抑制剤によるものが中心となります。最近ではTNFα阻害薬の登場で治療成績が格段に良くなっています。

これらの薬を用いることで、日常生活に支障のない程度に肺の炎症をコントロールすることが可能となりつつあります。

原因別に見る間質性肺炎4.職業・環境が原因の間質性肺炎

間質性肺炎の中には以下のような環境や職業が原因となる場合があります。それぞれを見て行きましょう。

  • 珪肺
  • 石綿肺
  • アルミニウム肺
  • 夏型過敏性肺炎
  • 加湿器肺、空調機肺
  • 農夫肺
  • 鳥飼病
  • きのこ栽培者肺

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:珪肺

珪肺は職業が原因で起こる間質性肺炎です。かつては「よろけ」とも呼ばれていました。この病気は結晶化したシリカの粉じんを吸い込むことで起こります。

シリカとは二酸化ケイ素(SiO2)のことで、ケイ素と酸素が結合して出来ます。とても一般的な物質であり、砂の主成分でもあります。

大理石、砂岩、土壌、モルタル、石膏、砂利などにもシリカは含まれるため、これらを粉砕した場合、シリカの粉じんが発生して作業中の方の体内に入ります。

珪肺には以下の分類があります。

慢性単純性珪肺 低濃度シリカ粉塵への曝露から10 – 30年後に発症
加速性珪肺 高濃度シリカ粉塵の曝露から5 – 10年後に発症
複雑性珪肺 進行性塊状線維症が重症化、瘢痕化した珪肺
急性珪肺 高濃度吸入性シリカ粉塵の曝露から数週間-5年で発症

珪肺は世界で最も多く見られる職業性肺疾患であり、数百年前からその存在は知られていました。鉱業が機械化されるに伴い岩粉が大量発生し、珪肺患者の増加につながりました。

その後粉塵マスクなどの予防策が取られるようになった先進国では、珪肺による死亡率は減少しています。米国における珪肺の死亡数は1968年から1999年の間に84%減少しました。

珪肺は一度かかると不可逆的に進行し改善が難しい病気です。現代の医療では完治させるための治療法はないと言われています。治療の目的は症状の緩和と合併症の予防となります。

症状を悪化させないためにはシリカに暴露しないこと、喫煙習慣のある方は禁煙が重要となります。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:石綿肺

石綿を吸い込むことで間質性肺炎(石綿肺)を起こす場合があります。

石綿は別名アスベストとも呼ばれている繊維状の鉱物です。保温・断熱効果に優れるということで以前は多くの建物に石綿が吹き付けられていました。

石綿は、非常に細かい繊維であり人が吸い込んでしまうと肺疾患など健康被害をもたらす場合があります。特に仕事上で石綿を10年以上吸いこんでしまった労働者が石綿による間質性肺炎を起こしやすいと言われています。

潜伏期間は非常に長く15年から20年とも言われています。石綿を吸引しなくった状況でも病状が進行してしまうことがあります。

昭和50年には石綿を建築物に吹き付けることは原則禁止となりました。その他、多くの法令で石綿の飛散、吸引防止策が定められています。

また労働基準監督署から業務上発生した石綿肺であると認定を受けた場合は労災保険で治療を受けることが出来ます。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:アルミニウム肺

アルミニウムが原因の間質性肺炎をアルミニウム肺と言います。アルミニウム肺の発症とアルミニウムの曝露量、曝露期間とは相関しないと言われており,10 年以上の期間を経て発症します。

アルミニウム肺は1940年に海外で最初の報告がされおり、その後、花火製造業者での発症例などが報告されています。

国内では1956年から2000年までに20例の報告がされています。

20例のうち全例が男性であり、年齢の幅は32歳から70歳、年齢中央値は52歳でした。アルミニウムの暴露から発症までの期間は3年から55年と幅がありますが、中央値は8年でした。

アルミニウム肺の治療には、ステロイドと免疫抑制剤が使用されますが、現段階ではアルミニウム肺の治療法は確立していません。

アルミニウム肺の経過や予後に関する報告は少なく、個々の症例で様々な経過をたどっているため、その病態は明らかになっていません。今後のデータの蓄積が必要と考えられています。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:過敏性肺炎

職業・環境が原因の間質性肺炎に分類される以下の肺炎は過敏性肺炎と呼ばれるものの一種です。

  • 夏型過敏性肺炎
  • 加湿器肺・空調機肺
  • 農夫肺
  • 鳥飼病
  • きのこ栽培者肺

過敏性肺炎とはどのような肺炎なのでしょうか。

過敏性肺炎はアレルギーが原因で起こる肺炎です。 本来は病気の原因ならなかったり毒性のないカビや動物性のタンパク質、化学物質を繰り返し吸い込むことで肺が過剰に反応するようになってしまいます。

このようにある物質に過剰に反応するようになった状態のことを感作と言います。感作された状態で、過剰反応の原因物質(抗原と呼びます)を吸い込むとアレルギー性の炎症が生じてしまいます。

肺にアレルギー性の炎症が生じると、発熱や空咳、呼吸困難などの症状が出ます。原因物質のあるところで強く症状が出て、無いところでは症状は軽くなります。

原因物質は患者さんの自宅や職場に漂っています。

治療の第一としては原因物質に体をさらさないことです。どこにいると症状が強くでるのか意識をしてみましょう。原因が分かれば原因物質を除去するか、そこを避けるようにするのが一番です。

重症の場合はステロイドによる治療が行われますし、入院を必要とする場合もあります。

アレルギーの原因物質ごとに各種肺炎を見て行きましょう。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:夏型過敏性肺炎

夏型過敏性肺炎の原因物質はトリコスポロンというカビです。トリスコポロンは腐った木を栄養に育ちます。

腐った木が身近にある環境とは、木造住宅で日の当たりや風通しが悪く、湿度と温度が高い環境が考えられます。

具体的には台所やお風呂場、洗面所、畳の下などが危険です。そこに腐った木があり、高温多湿の夏場になるとトリコスポロンが繁殖して胞子を飛ばし人の肺の中にまで潜入して行きます。

夏型過敏性肺炎は聞き慣れない病気かもしれませんが、とても身近な病気なのです。時期としては6月から10月にピークをむかえます。長い時間お家の中で家事労働をしている主婦の方に多い病気です。

症状は他の間質性肺炎と同様に空咳、呼吸困難、発熱です。これらの症状は原因物質であるトリコスポロンを吸い込んでから6-8時間後に現れます。そして旅行などで自宅を離れていると自然に治ります。

空咳、呼吸困難、発熱の原因がトリコスポロンであるかは血液検査で確認することが出来ます。

トリコスポロンが原因と分かりましたらお家をお掃除しましょう。腐った木を取り除き、畳を取り替えて、カビキラーなどでお部屋を消毒しましょう。トリコスポロンがいなくなれば症状はもう出ません。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:加湿器肺

加湿器や空調機が原因で間質性肺炎にかかることがあります。まず、加湿器肺について見て行きましょう。

加湿器肺は1970年に海外で初めて報告された疾患です。日本では1978年に阿部氏らによって報告されたものが初めての症例とされています。その後の報告数は決して多くなく、過敏性肺炎の中でも珍しい病気と考えられています。

加湿器肺はエンドトキシンという細菌が吐き出す毒素が原因ではないかと考えられた場合もありましたが、何が原因かはっきりとは分かっていません。

治療、再発にもっとも重要なことは原因となっている加湿器を使わないことです。それを使わなければ症状は良くなりますし再発することもありません。

加湿器肺は原因の加湿器を使わなければ良いのですから治療、管理は簡単です。問題は加湿器肺と診断をつけられるか、です。

薬剤性肺炎、膠原病肺炎、夏型過敏性肺炎など他の間質性肺炎に該当しない場合は、加湿器が原因ではないか、と検討してみてください。

加湿器肺は稀な疾患ですが、加湿器は定期的にチェックして清潔を保つようにしましょう。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:空調機肺

空調機が原因で肺炎を患う場合もあります。1976年にアメリカのフィラデルフィアのあるホテルで行われたアメリカ軍関連の集会が行われた際に空調機が原因で大勢の人が肺炎にかかりました。

ホテルの客、従業員、ホテル周辺にいた人など225名が当時原因不明の肺炎にかかり、34名がお亡くなりになりました。

その後の研究の結果、その肺炎はレジオネラが原因であることが分かりました。レジオネラは自然界の土や水の中にいるありふれた細菌です。

ただ、エアロゾルというレジオネラに汚染された水滴を人間が吸い込むと致死性の重篤な肺炎を引き起こすことがあります。

先程のフィラデルフィアの集団肺炎事件はホテルの空調用冷却塔の中でレジオネラが繁殖し、その水滴が周辺の空中に散布されたこと、空調機を通じてホテル内全体に拡散したことが原因であることが分かりました。

レジオネラが原因のレジオネラ症は年間にアメリカでは400~500名,ヨーロッパでは1200名の症例が報告されています。

日本では1979~1992年の13年間での報告が80例と欧米よりも少ない被害者数となっており、大規模な集団発生は起きていません。

これは1970年施行の「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」や1994年の厚生省による「レジオネラ症防止指針」により厳格なビル管理が行われているからだと言われています。

具体的には次のような対策がなされています。

  • 冷却塔の清掃(月に1回)
  • 抗レジオネラ剤,殺菌剤による菌抑制処理
  • レジオネラ属菌の定期的な測定
  • レジオネラ属菌数の評価とその対応

レジオネラ症発生予防には空調用冷却塔内のレジオネラの菌数を管理することが最も重要であり、上記のような厳格な対応を行っている日本だからこそレジオネラ症の発生が少ないと考えられています。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:農夫肺

農作業が原因で間質性肺炎を起こす場合があります。この肺炎は過敏性肺炎でありアレルギーの一種です。アレルギーを引き起こす原因物質アレルゲンは干し草やサトウキビなどに生えたカビであると考えられています。

この肺炎は農夫肺と呼ばれていて、急性型と慢性型があります。急性型の場合では原因物質の吸引後数時間で症状が発生します。

症状は他の間質性肺炎同様、空咳、呼吸困難、発熱などです。

一度アレルギーになってしまうと治すことは難しくなります。原因物質に触れないことが最も大切ですが、お仕事上それが難しい場合もあります。そのような場合は防御マスクを装着するなどして出来るだけアレルゲンに触れないように注意をして下さい。

薬物治療としてはステロイドの内服が行われますが、原因物質に触れ続けている限り症状の改善は得られず、徐々に状態も悪くなっていってしまいます。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:鳥飼病

鳥飼病とは過敏性肺炎の一種で、鳥の排泄物や羽などが原因(抗原)となる疾患です。家の中で鳥を飼っている場合などは分かりやすいですが、羽毛布団を使っている、庭の鳥小屋で鳥を飼っている、周囲に野鳩などの野鳥が多い等も原因となります。

鳥飼病は、原因を避けることで改善します。治療薬であるステロイドも良く効きます。免疫抑制剤の有効性の証明はまだ不十分ですが、ステロイドの効果が期待通りでない場合は免疫抑制剤を併用することで効果の増強が得られるとの報告もあります。

鳥飼病はこのように原因を避けたり、適切に治療をすることで改善が見込める疾患なのですが、問題があります。それは後述する特発性間質性肺炎と臨床症状がとても似ているということです。

特発性間質性肺炎とは原因不明の間質性肺炎ということです。鳥飼病の認識が医師の間に普及していないことや鳥飼病を診断する検査が特定の病院でしか行われていないということも問題です。

「鳥飼病ではないか」と思いつかなければ診断のしようもありません。鳥飼病の治療の基本は抗原隔離です。鳥飼病と気が付かず、羽毛布団を使い続けたり屋内で鳥を飼育し続けていては、いくら薬物治療を行ったとしても十分な効果は得られません。

長崎大学医学部第2 内科の中山聖子氏らは、「実際には報告されていない多くの鳥飼病患者が潜在している可能性がある.(日呼吸会誌44(8),2006.)」と問題提起を行っています。

この記事を読んで下さった方は鳥が肺疾患の原因となりうる、ということを是非ご記憶下さい。

間質性肺炎の原因になりやすい環境と職業:きのこ栽培者肺

きのこ栽培者肺はきのこ栽培に従事する人がかかる間質性肺炎で、その原因はきのこ栽培の過程で混入し繁殖した真菌(抗原)を原因とする場合ときのこそのものやきのこの胞子を原因とするものがあります。

きのこ栽培の過程で増殖をした真菌が原因の肺炎は、欧米ではマッシュルーム・ワーカーズ・ラング(ラングは肺のこと)として知られています。この原因菌は前述の農夫肺の原因菌でもあり、きのこ栽培に特有のものではありません。

きのこの胞子が原因の間質性肺炎が世界で最初に報告されたのは1975年でした。日本での最初の報告は1981年と言われています。

きのこの胞子を原因とする間質性肺炎(過敏性肺臓炎)の日本での報告33例を袋井市立袋井市民病院呼吸器科の宮崎洋生氏らが2008年にまとめて報告されています。

それによるときのこ栽培の仕事に従事してから発症までの期間は2カ月から48年であり、栽培形態は全例が屋内栽培でした。

きのこの胞子の大きさは5~10 μmと、とても小さいため末梢の気道まで簡単に到達することが出来ます。

そして、近年急増している屋内でのきのこ栽培ですが、これは四季に関係なく大量にきのこの栽培をすることが出来るため消費者にとっては有益ですが、従業者にとっては閉鎖空間で年中きのこの胞子にさらされる危険な環境となります。

換気設備を改良したり、作業工程を自動化すること、従業員の定期健康診断を実施してきのこきのこ栽培者肺の発症を予防することが大切です。

原因不明とされている特発性間質性肺炎の中にもきのこ栽培者肺が含まれている可能性も示唆されています。きのこ栽培に従事することが間質性肺炎を発症する原因となりうることも是非ご記憶下さい。

原因別に見る間質性肺炎4.感染が原因の間質性肺炎

感染が原因の肺炎と言いますと肺胞に炎症を起こす場合が一般的ですが、間質に炎症を起こす場合もあります。

ここでは以下の肺炎についてご紹介します。

  • マイコプラズマ肺炎
  • ニューモシスチス肺炎(旧・カリニ肺炎)
  • サイトメガロウイルス肺炎
  • 原発性インフルエンザウイルス肺炎

感染が原因の間質性肺炎:マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は、一般的な肺炎である細菌性肺炎と比べて重症化することが少なく胸部のレントゲン写真に写る状態も異なることからかつては異型肺炎と呼ばれていた時期がありました。

重症化する場合が少ないとは言っても一部の方では重症肺炎になる場合もあり、胸水貯留が見られることも決して珍しくはありません。

マイコプラズマ肺炎はオリンピックの年に流行することが知られていましたが、1990年代以降はかつてのような大流行は見られなくなっています。

流行は秋の終わりから春先にかけて見られます。小児に流行しやすく、感染者のピークは7~8歳という報告があります。

マイコプラズマ肺炎は感染患者さんの飛沫物や接触によって感染します。ただし感染には濃厚な接触が必要なため、学校などでの短時間の接触では感染が拡大する可能性は低いと考えられています。

感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は約2~3週間です。初期の症状は発熱、全身のだるさ、頭痛などです。初期症状が出てから3~5日後頃に空咳が始まります。この咳は熱が下がった後も、3~4週間つづきます。

マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することで発症します。細菌に分類されていますが、細胞壁が無い、というところが他の細菌と異なっています。

ペニシリン系やセフェム系の抗生物質は細菌の細胞壁を破壊することで細菌を死滅させますが、「肺炎マイコプラズマ」はその細胞壁が無い為、これらの抗生物質を投与しても効果は得られません。

マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質はマイコプラズマ肺炎に効果が期待できます。

マイコプラズマ肺炎のための特別な予防方法はありません。通常のようにうがい、手洗いをマメにして、すでにマイコプラズマ肺炎に掛っている人との濃密な接触を避けることが賢明です。

感染が原因の間質性肺炎:ニューモシスチス肺炎

ニューモシスチス肺炎はかつてカリニ肺炎という名前で知られていました。この肺炎は全身状態が悪いなどの理由で免疫能がひどく低下している方に発症します。

具体的には以下のような方で感染が起こりやすいことが知られています。

  • ステロイドを長期に使用している方
  • 免疫抑制剤を長期に使用している方
  • 抗TNFα抗体などの生物学的製剤を使用している方
  • 血液がん患者さん
  • 骨髄移植を受けられた方
  • 臓器移植を受けられた方
  • HIV患者さん

とても重篤な肺炎で死亡率は約30-40%という報告もあります。HIV患者さんが掛るニューモシスチス肺炎はその他のニューモシスチス肺炎よりも予後が良いと言われていますが、それでも死亡率は約10%と報告されています。

Pneumocystis jirovecii(ニューモシスチス イロベチイ)がニューモシスチス肺炎の原因です。ニューモシスチス属は以前は原虫に分類されていましたが現在では真菌であることが分かっています。

ただニューモシスチスが通常はどこに存在していて、どのように人間に感染するのかは分かっていません。ほとんどの人が子どもの頃に感染していますが、症状を発症することなく大人になっています。

上述のように免疫が低下している状態になると、肺に潜伏しているニューモシスチスが再活性化して肺炎を発症する場合があります。

その他、飛沫感染あるいは空気感染をして肺炎を発症する場合もあると考えられています。
その為院内感染の対策が重要です。

症状は他の間質性肺炎と同様に発熱、空咳、呼吸困難ですが、呼吸音が正常であることは他の間質性肺炎とことなっています。

確定診断をつけるには検査結果が出るまで時間が掛りますが、この疾患は予後不良の重篤な肺炎のため検査結果が出るのを待たずに、臨床的症状から判断して早期に治療が開始されます。

治療の第一選択薬はST合剤と呼ばれる薬剤を使用することです。このST合剤を使用すると服用後1~2週間で高頻度に発熱が見られます。第二選択薬はペンタミジンという点滴薬です。

ST合剤やペンタミジンは予防のためにも使われることがあります。

感染が原因の間質性肺炎:サイトメガロウイルス肺炎

サイトメガロウイルス肺炎はニューモシスチス肺炎と同様に免疫が低下している方に感染する日和見感染症です。

サイトメガロウイルス肺炎はサイトメガロウイルスというウイルスが原因で発症致します。

成人の80~90%の人が過去にサイトメガロウイルスに感染して抗体を獲得していると言われています。

サイトメガロウイルス肺炎に伴う症状はニューモシスチス肺炎と同じであり、主な症状は発熱、空咳、呼吸困難です。

治療はガンシクロビルという薬剤を使います。

感染が原因の間質性肺炎:原発性インフルエンザウイルス肺炎

インフルエンザに掛った後に肺炎になってしまうことがあります。

一般的にはインフルエンザウイルスに感染した後に、細菌感染を起こし肺炎を発症するということが知られていますが、インフルエンザウイルスが直接肺炎を起こす場合もあります。これを原発性インフルエンザウイルス肺炎と言います。

原発性インフルエンザウイルス肺炎はインフルエンザに続発する肺炎の中では最も重篤な肺炎です。

発生頻度に関しては「ごく稀である」とする報告がある一方、埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科 高柳昇氏らのインフルエンザ肺炎84例の検討では異なる結果が報告されています。

その報告によると27%が原発性インフルエンザウイルス肺炎、ウイルス・細菌混合性肺炎が38%であり、全インフルエンザウイルス肺炎の65%がインフルエンザウイルスによって肺炎を発症していました。

二次性細菌性肺炎はインフルエンザの症状が一旦治まってきた後に症状が再燃してくる傾向がありますのでインフルエンザ発症の早い時期から肺炎を併発する場合は原発性インフルエンザウイルス肺炎の可能性を考慮して下さい。

症状は高熱、呼吸困難、ときに酸欠によって皮膚や粘膜が青っぽくなってしまうことがあります。

原因が特定できない間質性肺炎、特発性間質性肺炎

特発性間質性肺炎とは原因を特定できない間質性肺炎のことを言い、一定の基準を満たせば医療費助成の対象となります。

医療費助成の対象となる基準等につきましては助成認定を行う各都道府県の担当窓口にお問い合わせください。

特発性間質性肺炎の初期は無症状です。その後、空咳や労作時呼吸困難などが出現します。

一般的に特発性間質性肺炎の治療は、診断後にすぐにステロイドによる治療が開始されます。その他、免疫抑制剤や抗線維化剤のピルフェニドンや抗酸化剤のN-アセチルシステインの吸入療法が行われる場合があります。

抗線維化剤のピルフェニドンは唯一、特発性肺線維症に効果が証明されている薬です。

病気が進行した場合は酸素供給装置から管を伝って酸素を取り入れる在宅酸素療法が行われます。二酸化炭素の排泄が不十分となった場合には人工呼吸器が導入されます。

肺移植も治療法の一つです。ただし、日本では2005年の時点での施行数は10例程となっています。

日常生活では、風邪などの感染予防がとても大切になります。というのも間質性肺炎が急激に悪くなるきっかけが上気道感染である場合が多いからです。

  • マスクの着用
  • 人込みを避ける
  • うがい・手洗い

こういった対応をマメに行って下さい。禁煙も重要です。

体重が増加すると呼吸困難がひどくなります。一方、体重が減少すると病気の経過がわるくなります。適正な体重を維持することも大切です。

進行性で治療抵抗性の特発性間質性肺炎では数週間で死に至るものもあります。慢性的に進行した場合は10年以上生存することも多いと報告されています。

特発性間質性肺炎は主に以下の3つに分類されています。

  • 特発性肺線維症
  • 特発性器質化肺炎
  • 特発性非特異性間質性肺炎

このうち最も治療が困難な疾患が「特発性肺線維症」です。特発性間質性肺炎は前述のように原因が特定できない間質性肺炎のことを言いますが、特発性肺線維症の患者さんの多くが喫煙習慣を持っており、喫煙との関与の可能性が指摘されています。

喫煙は、原因として明らかになっていないため、「危険因子」という扱いになっています。その他の特発性肺線維症の危険因子としてはウイルス感染や逆流性食道炎などがあります。

治療としては、特発性肺線維症で自覚症状がほとんどない方で、且つ、喫煙習慣のある方では、治療の第一は禁煙となります。その後、数カ月経過を観察します。

特発性肺線維症の平均生存期間は日本では診断されてから約5年と言われていますが、個体差が大きいため個々の患者さんの経過を予測することは非常に困難です。

原因がわかれば対処法がわかってくる!早期発見を目指してできることは

間質性肺炎は予後不良の重篤な疾患です。更に特発性間質性肺炎は国から難病に指定されている重篤な疾患です。

特発性間質性肺炎は原因の特定出来ない間質性肺炎ですが、前述のように鳥飼病やきのこ栽培者肺などのように医師でも気がつかない場合があります。

原因が分かれば対処法や治療法も変わってきます。ご自身が間質性肺炎ではないかとお疑いの方は是非心当たりの原因がないか探ってみてください。

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