健康生活TOP 虫刺され 蚊に刺されると腫れるのはアレルギー症状!検査、治療方法は?

蚊に刺されると腫れるのはアレルギー症状!検査、治療方法は?

腕がかゆい女性

蚊に刺されると、小さく腫れてかゆみが出ます。ついつい無意識にポリポリやってしまって、傷になっちゃうこともありますね。そこからバイキンが入っちゃうこともありますから、うっかり掻き破らないように注意しましょう。

一方、蚊に刺された翌日くらいになってから、びっくりするぐらい大きく腫れたり、熱を持ったり、強いかゆみが出たりすることもあります。これにはアレルギーの性質が深くかかわっているのです。

蚊刺過敏症や蜂窩織炎の症例写真があります。苦手な方は注意してくださいね。

蚊に刺された時のかゆみはすべてアレルギー反応

蚊に刺されるとすぐに小さく腫れてかゆみが出てきます。これはI型の即時型アレルギー反応と呼ばれるものです。この時、抗原として働くのが蚊の唾液です。

蚊は非常に小さな虫で、本来は草の汁など糖質を栄養に生きています。しかし、産卵を控えた雌だけはたんぱく質が必要なので、人間の血液を求めてやってくるのです。そして、吸血の際に蚊の唾液が人間の身体に入ってかゆみを呼び起こします。

蚊の唾液によって引き起こされるかゆみは2パターン

蚊に刺されるとすぐにかゆみがやってきますが、これはそれほど酷いものではなく、小さな腫れとかゆみがあるものの、虫刺されの薬であれば何でも効くと言う程度のかゆみです。

一方、刺されてから5~6時間後から数日後くらいにやってくるかゆみは、腫れも大きく蚊に刺されたとは思えないほどひどく腫れて熱を持つ場合もあります。これは専用の虫刺されのお薬が必要になります。

そして、これはどちらもアレルギー反応なのです。ですので、多少症状がひどくても心配することはありませんし、あまりにかゆみや腫れが大きい場合には皮膚科のお医者さんへ行ってステロイド配合の塗り薬を出してもらいましょう。

ごくまれに、蚊に刺されたことに対してひどく過敏に反応してしまう、蚊刺過敏症(ぶんしかびんしょう)と言う病気もありますが、これは刺された部分のひどい腫れだけではなく、発熱やリンパ節の腫れなどの全身症状を伴うものです。

蚊刺過敏症症例写真

このように、治りかけでもこれほどひどい状態になるのが蚊刺過敏症です。詳しくはのちほどお話しします。

蚊刺過敏症のことを俗に「蚊アレルギー」と呼ぶこともありますが、これは誤解を招きますね。蚊に刺されてかゆいのは全部アレルギー反応だからです。ですので、全身症状が出た場合には蚊刺過敏症だと覚えておいて下さい。

ごくまれに蚊刺過敏症を合併することのある難病がありますが、これは日本全体でも患者数は1000人程度の非常に珍しい病気ですので特に気にすることはないでしょう。全身症状を伴っていなければ蚊刺過敏症ではありません。

蚊に刺されてすぐに痒くなるのはI型アレルギー

蚊に刺されると、すぐに小さく腫れてかゆみが出ます。手に止まった蚊を見つけて、ぺしっと叩いたら潰れて血が出てきた時「あ、食われてた」なんて思う時がありますよね。

そして、すぐに水で洗い流したら、もう小さく腫れていてかゆいと言うことがあります。これが即時型アレルギーによる虫刺されの反応です。

別名、I型アレルギーと呼ばれている物で、虫刺されによって入ってきた異物を抗原として、体内にある抗体が反応しマスト細胞や好塩基球(白血球の一つ)と結びつきます。

すると、マスト細胞や好塩基球からは生理活性物質が放出されます。その生理活性物質の一つがヒスタミンと言う炎症物質です。このヒスタミンは血管の透過性を亢進するため水分が血管からしみ出してきて腫れや水ぶくれができます。

また、毛細血管が血管が拡張しますので赤くなったり、かゆみが出たりもします。こうした反応は非常に素早く起こり、だいたい抗原が体内に侵入して10分以内で起こると考えて良いでしょう。

I型アレルギーには抗ヒスタミン薬

アレルギー反応自体はすでに起こってしまっていますので、お薬としては抗ヒスタミン薬を使います。

虫刺されのかゆみ止めとしてもっともメジャーな抗ヒスタミン薬はジフェンヒドラミンです。処方箋薬として有名なレスタミンコーワ・クリームや、市販薬かゆみ止めのトップブランド「ムヒS」(池田模範堂)の主成分もこれです。

ジフェンヒドラミンは、H1ブロッカー(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)として、ヒスタミンがH1受容体に取り込まれることを防ぐお薬で、塗り薬としても飲み薬としてもたくさん使われています。

同じH1ブロッカーにはクロルフェニラミンと言うお薬もありますが、こちらは外用に使われることもなくはないのですが、主に内服薬として使われています。風邪薬にも良く配合されていますね。

刺されてから時間をおいてかゆみが出るのはIV型アレルギー

一方、刺されてから数時間~数日の時間をおいてから腫れやかゆみが出る場合があります。この場合は、すぐにかゆみが出る時と同じ程度の小さな患部である場合もありますが、広い範囲が硬く赤く腫れて強いかゆみが出ることもあります。

場合によっては患部が熱を持って痛むことすらあるのが特徴ですね。これはIV型アレルギー、別名、遅延型アレルギーと呼ばれるものです。

即時型アレルギーでは抗原が抗体と結びついてすぐに生理活性物質の放出が始まるのに対して、遅延型アレルギーではT細胞と言うリンパ球が集まってくるところから始まりますので、結構時間がかかるのです。

抗原が体内に入ってくるとT細胞と言うリンパ球がそれを処理するために集まってきます。このT細胞はマクロファージと言う白血球の一種を活性化する因子を放出して、抗原を食べて処理させると同時に、他の生理活性物質も放出します。

この生理活性物質による組織の破壊がアレルギー反応となって表れるのが遅延型アレルギーです。遅延型アレルギーは出るのも遅いですが、発症から数時間で症状が消える即時型に比べると、治るのにも数日から数週間と長期間を要します。

遅延型アレルギーでは、T細胞が抗原と出会ったことのないものであった場合症状があまり出ません。つまり、二度目に刺された時にひどくなる傾向があるとも言えるでしょう。

IV型アレルギーにはステロイド外用薬

このタイプの蚊に刺された炎症には、抗ヒスタミン薬だけでは充分な治療効果が得られません。ですので、過剰に働いている免疫を抑えるためにステロイド薬を配合した塗り薬が使われます。

良く使われるのはプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルでしょう。処方箋薬でも様々なものがありますが、先行医薬品としての商品名はリドメックスコーワ軟膏ですね。

これは5段階あるステロイド外用薬の強度の中では4番目と最もマイルドなものです。(一番下のものは、単剤としては現在存在していません。)

そのため、一般市販薬にも良く配合されていますが、ステロイドと言う名前が誤解されて「悪い薬」みたいに思い込んでいる人が多いので、PVAと言う略号で呼ばれていることが多いです。

ステロイドは、特に免疫系が暴走気味の時には特に良く効く効果的なお薬ですので、お医者さんや薬剤師さんの指導に従って上手に使いましょう。

一般薬としては、先に紹介したムヒシリーズの「ムヒアルファEX」・「液体ムヒアルファEX」に配合されています。ですので、遅延型の炎症が現れた場合で、お医者さんに出かけるほどでもないと言う場合には参考にして下さい。

「ムヒアルファEX」は第2類医薬品の指定です。このことからも、安全性は充分確認されていると言えるでしょう。

蚊に刺されてかゆいのは蚊の唾液に反応しているから

蚊の唾液にはアレルギー反応を起こす物質が含まれています。そのため、蚊に刺されるとアレルギー反応が起こってかゆみや腫れが生じることはお分かり頂けたかと思います。

でも蚊って小さいですよね。その小さい蚊の唾液ぐらいでアレルギーが起こるのでしょうか。もちろん起こります。考えてみれば花粉症の原因の花粉だってすごく小さいですよね。

蚊に刺された時のかゆみの原因は酵素だった

蚊は血を吸います。別に人間に意地悪して、痒くしてやろうと思って刺しているわけではありません、ちゃんと理由があるのです。蚊の口は非常に細い針なので、人間の血液が固まるとすぐに詰まってしまいます。

つまり血液の中にあって出血の際に血液を固める働きのある血小板の働きを妨害しなければ、口の所で血液が固まってしまって、蚊は栄養を摂ることができないと言う事なんですね

そこで蚊は口吻を人間の体に刺したら、血を吸う前に血管の中に唾液を送り込みます。この唾液にはアピラーゼと言う酵素が含まれています。アピラーゼは血液中のエネルギー物質であるATP・ADPを素早くAMPに代謝して分解してしまいます。

血小板はADPによって集まってきますので、ADPが分解されると血液は固まらなくなります。そうしておいて、蚊は自分の出したその酵素と一緒に血液を吸うと言うわけなのです。これで蚊のおなかの中でも血液は固まりません。

アピナーゼはアレルギーを引き起こす

アピナーゼは酵素です。酵素と言うことはたんぱく質でできています。たんぱく質はアレルギーの原因物質になり得るものです。しかも、人間にとって蚊の唾液の成分は異物ですから、免疫機構によって攻撃の対象になります。

なので、この酵素が蚊の口から人間に送り込まれた段階でアレルギー反応が始まると言うわけなのです。俗説で、「蚊が満腹するまで血を吸わせたら、唾液も全部吸い取って行くので痒くならない:と言うのがありますが、これは誤りです。

人間の体内にある血管には血液が「流れて」いますので、唾液を送り込まれたらすぐにある程度は周辺の組織に散らばってしまいます。ですので、そうした効果は期待できません。

蚊の体重は2mgくらいだそうです。人間の数千万分の一しかないんですね。それでもあれだけかゆいのですから困ったものです。

蚊アレルギーはアレルギーではなく感染症である

ややこしくて申し訳ないのですが、俗に「蚊アレルギー」と呼ばれている、蚊に刺されたことによって激しい症状が出てしまう「蚊刺過敏症」は放置すると死に至る感染症をベースに持つ症状です。

これは血液検査を行って、EBウイルスと言うウイルスが、免疫細胞であるT細胞やNK細胞に感染していないかどうかを見れば診断できます。場合によっては刺された後が潰瘍になっている部分の組織を採って検査することもあります。

本当の蚊アレルギーは10万人に1人以下の珍しい病気

蚊アレルギー・蚊刺過敏症は、アレルギー反応ではなく、EBウイルスと言う物に感染したことがベースにある病気です。とは言え、EBウイルスはほとんどの人が感染経験を持っていて、特に問題を起こすようなウイルスではないのです。

EBウイルスはヘルペスウイルスの一種で、現在ではヘルペスウイルス4型と言う名前に変わっています。しかし、昔の名前が広く行き渡っているので現在でも「エプスタイン・バールウイルス」略してEBウイルスの名前が広く使われています。

EBウイルスは、通常リンパ球の一つであるB細胞に感染します。そして、抗体が作られて免疫ができ、その後は特に問題を起こしません。

ところが、原因は不明ですが、同じリンパ球の一種であるT細胞やナチュラルキラー細胞に感染して増殖することで、問題のある慢性感染症を引き起こすことが、ごくまれにあるのです。

正式な病名は「慢性活動性EBウイルス感染症」です。表から見てわかる代表的な症状としては次のようなものがあります。

  • 発熱
  • リンパ節の腫れ
  • 喉の腫れ
  • 強い疲労感

これだけを見れば、他の病気と全く区別がつきませんね。それがこの病気の厄介なところなのです。ただ、この病気の合併症と言う扱いで蚊アレルギー・蚊刺過敏症が認められています。

ですので、蚊に刺されたところが毎回潰瘍になってしまうような激しい反応があり、なおかつ上のような症状が見られた場合、万が一のことを考えて受診し、血液検査を受けられることをお勧めします。受診科は皮膚科でOKです。

万が一と書きましたが、日本全体で患者さんは1000人程度ですから、万が一どころか、10万分の1以下の罹患確率ですので、本当に珍しい病気だと言えるでしょう。

しかし、全体像を見れば白血病より死に至る確率が高いとまで言われている病気です。それでも、現在では造血幹細胞移植の技術が進んできたので、助かる確率も上がっています。

とは言え、大変活躍されていた女性声優さんが2015年にこの病気で、38歳の若さで亡くなっています。この方の場合は発見が遅れたことが悲しい結果を招いてしまったようです。

難病情報センターによると、現在研究が続けられていますが、まだ難病の指定には至っていません。

無治療ないし対症療法で軽快することもありますが、根本的な治療をしない限り再燃を繰り返し、急変、または悪性リンパ腫や白血病化により、数年以内に約半数の人が、そして十数年の経過でほぼすべての人が死の転帰を辿ります。

蚊に刺されると潰瘍や全身反応(発熱やリンパ節腫大)を伴い、瘢痕を残して治癒する蚊アレルギーも、皮膚に浸潤したEBウイルス感染T/NK細胞の活性化により発症することが分かっており、慢性活動性EBウイルス感染症の類縁疾患と考えられています。

従来型の移植法では合併症のため半数近くの方が亡くなっていました。しかし強度を減じた新しい移植法では1回の移植での成功率も71%と高くなり。しかも拒絶や再発に対して2回目の移植も充分可能なため。最終的に95%の人が元気にされています。

(文字数の関係で抜粋引用)

激しい症状が出た場合は蚊以外の原因を疑う

蚊に刺されるたびに、激しく腫れて患部が崩れ、潰瘍となったあと瘢痕になるような症状が出た場合、蚊アレルギーよりも「虫刺され跡からの感染」や「別の虫による虫刺され」を疑う方が確率的には合理的でしょう。

例えば、蚊に刺された後、うっかり爪で掻いてしまい、それが傷になって細菌感染を起こす場合があります。

蜂窩織炎症例写真

こちらの画像はお医者さんの個人ブログからの引用ですが、虫刺されの傷に細菌感染が起こって蜂窩織炎と言う症状を発症されたものです。大変強い症状ですね。

蜂窩織炎は熱も持ちますし、痛みも大変強いものですが、抗生物質による適切な治療で完治します。

また、ノミやダニによる刺し傷も、かなりひどい状態になる場合があります。私事で恐縮ですが、20年ほど前に我が家で飼っていた猫2匹にネコノミがつき、それにやられたことがあります。

正直、あれほどかゆい思いをしたことはありませんし、20年経った今でも私のすねには刺された跡が残っています。さすがに色素沈着は10年余りで消えましたが、光にすかしてみると皮膚がへこんでいるのが判るんですよ。

家でペットを飼っていなくても、公園や草むらなどで刺されることがあります。ノミの場合、ひざ下ぐらいまでのジャンプ力があるので、すねあたりにできる刺し傷はノミを疑っても良いでしょう。

また、毛虫の毛によってアレルギー症状が出ることもあります。お庭やベランダの植物に毛虫がついていないかどうかを定期的にチェックして下さいね。風に乗って皮膚に付くこともあり得るのです。

蚊の出る季節は他の虫もたくさんいます。ですので、蚊に刺されたと思っていたのが、別の虫によるものだったと言うことは決して珍しくないのです。

本当の蚊アレルギーは造血幹細胞移植でしか治せない

先に引用でご紹介した通り、EBウイルスがT細胞やNK細胞に感染している人が、蚊に刺された時に発症する蚊アレルギー・蚊刺過敏症は、現段階では造血幹細胞移植以外に完治させることはできません。

また、完治させないと、それほど遠くない将来には命を落とすことも確実視されています。しかし、これも繰り返しになりますが、10万人に1人より低い確率でしか起こらない病気ですので、虫刺されのひどい物を蚊アレルギーと考えるのはやめましょう。

蚊に刺された時の治療は抗ヒスタミン薬とステロイド

最初の方で紹介したように、蚊に刺されてとてもかゆいと言うような場合は、抗ヒスタミン薬を使います。さらに症状がひどい場合にはステロイド外用薬も使われます。

ステロイド薬と言うと、世間には誤ったイメージが定着していて、そのせいでステロイド薬を毛嫌いしたり、自己流の使い方をして副作用に見舞われたりしている人が多いようです。

ステロイド薬は魔法のお薬でも悪魔の毒薬でもありません、ただの医薬品です。医薬品ですから使い方を誤れば害が出ます。これは漢方薬でも乳酸菌製剤でも、風邪薬でも、すべてのお薬に共通のルールなのです。

ステロイド薬は非常に効果の高いお薬なので、「こんなに効く薬は毒に違いない」と言う前時代的な発想で、副作用の害をあおったマスコミや医学関係者がその昔に存在したんですね。

昔の発想ですから、「中途半端に薬を使う危険性」と言う意識もなかったのでしょう。実はステロイドにせよ抗生物質にせよ「指示された量より少なく使うのも危険」と言うお薬は数多く存在します。

ですので、「ステロイドは怖いからお医者さんの指示より控えめに使おう」と言う使い方はしない方が良いですね。とは言え、外用薬の場合は「症状のひどい時だけ使う」と言う指示が出ることもあります。

つまり、漫然と使ってはいけないと言うことです。使う時にはしっかり使って症状を抑え、軽快したらすぐにストップすると言うことですね。

さらに、外用薬では吸収されやすい部位とそうではない部位がありますので、指示された部位にだけ使うと言うことも重要なルールなのです。

ステロイドは生物になくてはならない生理活性物質

ステロイド薬は副腎皮質ホルモンと言われることもありますね。ホルモンですから身体の中で情報を伝達する物質と言うことになります。身体にとって必要不可欠な物質で、それを化学的に合成したものがステロイド薬なのです。

ステロイド薬は、身体の中で免疫や炎症を抑制する働きを持っています。これらを抑制すると、目的外の部分で感染しやすくなると言う欠点があります。ですので、ステロイド薬は指示された通りに正しく使わないといけないのです。

また、外用薬の場合、皮膚が白くなったり塗ったところに毛が生えたりすると言うケースもあります。内服薬の場合はさらにさまざまな副作用があります。

しかし、それでも期待される効果の方が大きい場合には、副作用に注意しながら投与されると言うことになるのです。そして、外用薬の場合、副作用は少なめですので、お医者さんの指示に従って適切に使えば心配ありません。

かゆみ止めのステロイド外用薬は、先に紹介したように、第2類医薬品の一般市販薬としても販売されているほど安全性の高いものですから、毛嫌いすることはないと思いますよ。
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