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不妊検査の内容・費用と知っておくべき不妊治療の助成金制度

女性お腹

日本では現在、成人女性の7人に1人が不妊症と言われています。一方、結婚していて避妊せずに夫婦生活を送っていれば、半年で7割、2年で10割の確率で妊娠すると言われています。

もし、あなたが避妊せずに2年以上たっているのに妊娠していないとしたら、それはもしかしたら「不妊症」かもしれません。

もしかして私は不妊症…!?そう思ったら、まずは婦人科の門を叩きましょう。特に30代になってなかなか妊娠しないようであれば、早めに婦人科で検査をすることをおすすめします。

婦人科でどのような検査を受けるのか、知っておけば準備もできるし安心できますね。

不妊の基本的な六大検査とその費用

不妊を疑う場合には、基本的な六大検査というものがあります。その内容とおおよその費用を紹介しましょう。

1.自分で測れる「基礎体温測定」

基礎体温の検査は初診の問診の時に行われるのが一般的で、費用も保険適用内です。

ただし、病院に行く前に最低でも1周期、できれば3周期以上分の自分で測った基礎体温表を持参することが前提です。初診時に基礎体温表があれば、検診回数も時間も費用も大幅に節約できます。

基礎体温の測定からは、

  • 排卵日の予測や排卵の有無
  • ホルモン分泌のおおよその状態

が判断できます。

2.排卵期に行う「頸管粘液検査」

頸管粘液とは子宮と膣をつなぐ子宮頸管から分泌される粘液のことで、排卵期近くになると頸管粘液は透明でさらさらの状態になり分泌量が増えます。

その頸管粘液を採取して分泌量や透明度を診断し、妊娠しやすさなどを判断します。

保険適用の500円以下が一般的です。

3.子宮や卵管を調べる「子宮卵管造影検査」

月経直後に行う検査で、子宮腔内に造影剤を注入し、子宮や卵管をレントゲン撮影するものです。

子宮の形状や卵子と精子が出会う卵管に詰まりがないかなどを確認するものですが、細い卵管に造影剤が流れるので痛みを伴うことも多々あるようです。

しかし、造影剤が流れることで卵管を拡張し詰まった汚れも取る作用もあるため、検査後3~6ヶ月の間は妊娠率が上がるとも言われています。

検査費用は1000~1万5000円と幅があります。

施設によって保険の適用比率と検査の際に使用する器具や薬剤なども変わるため、事前に確認することをおすすめします。

4.子宮の異常も検査できる「経膣超音波検査」

膣内に経膣プローブという器具を挿入し、子宮や卵巣の状態を検査します。

経膣プローブ

検査ごとに使い捨てのプローブカバーを使用するので感染の恐れはありません。

  • 卵巣内にある卵胞の大きさの確認
  • 子宮筋腫や卵巣嚢腫などの異常

を診断することができます。

基本的に保険適用内の検査で、1回当たり1500~3000円が一般的ですが、これも施設よって差があります。

5.性交後の頸管粘液を調べる「フーナーテスト」

これは子宮頚管粘液の分泌が多い排卵期近くに性交し、その12時間以内の子宮頸管粘液を採取して頸管粘液内の精子の状態を調べる検査です。

  • 精子の数や運動量
  • 精子に対してアレルギー反応を起こす抗精子抗体の有無

などの確認ができます。

頸管粘液検査と同時に行われることが多く、費用は保険適用の1000円以下が一般的です。

6.男性因子がわかる「精液検査」

不妊症の原因の30~40%を占めると言われる精液の因子を調べます。もちろん男性の協力が不可欠の検査であり、病院からもらう専用の採取用容器に2~3時間以内に自主採取した精液を入れて持参するか、男性自身が来院して検査する場合もあります。

  • 精子の量や数
  • 奇形の有無
  • 運動率

などを調べる精液一般検査があります。

これには保険が適用され、1回あたり1000円前後が一般的です。

さらに高度かつ精密に検査する場合は5000円~数万円かかる場合もあります。

ここに紹介した不妊の六大基本検査は一度にすべてが行えるわけではありません。

生理の周期に合わせて行う検査もあるため、通常、すべての検査を行おうと思うと約1~2ヶ月かかります。

知っておくべき六大基本検査以外の検査

ほかにも、不妊検査で受けられるものがあります。行っているかどうかは施設に確認をしましょう。

ホルモン検査

月経がはじまってから3~5日目に行う血液検査。ホルモン値の変動が少ないこの時期に基礎値の確認をします。

また排卵の少し前の時期に行う場合もあります。卵の成熟度を示すホルモン(E2 エストラジオール)と、排卵の引き金になるホルモン(LH 黄体化ホルモン)の値を調べて、排卵時期を予想します。

抗精子抗体の有無を調べる血液検査

抗精子抗体には精子の運動性を喪失させるものや、精子の頭と頭、あるいは頭と尻尾をくっつけてしまうものなど、いろいろな種類があります。こういったものがあるか無いかを調べる血液検査です。

保険適用外なので性交後検査の結果が「不良」だった人のみに行なわれる場合が多いです。

検査の結果、抗精子抗体が認められ陽性だった場合には、体外受精による治療法しかありません。

子宮鏡検査

膣から子宮の入り口を通してスコープを入れ、子宮内腔の状態や子宮内膜の状態を確認する検査です。

出産経験のない人は子宮の頚管部が狭いため、検査前2~3時間にらラミセルという水分を吸いゆっくりと大きくなる道具を子宮の出口に入れます。

ラミセル

卵管鏡検査

カテーテルという細い管を膣から子宮や卵管に入れ、内視鏡で卵管内の状態を確認する検査です。また癒着を剥離し、通過性を改善させる治療法でもあります。

卵管が詰まっていたり狭くなっていることで、卵子や精子が卵管を通ることができない「卵管性不妊症」の人を対象に行われます。

カテーテル

クラミジア抗原・抗体検査

クラミジア菌が今現在あるかどうかを調べる抗原検査と、クラミジアの抗体があるかどうかを調べる抗体検査があります。

基本的には前者の抗原検査を受けクラミジアに感染しているかどうかを確認します。

  • 女性 子宮頚管を綿棒でこすり分泌液を採取する
  • 男性 出はじめの尿(初尿)を採取する

といった方法で行われます。

抗体検査は血液検査でクラミジア菌に対する抗体が存在するかどうかを確認するものですが、これがある場合はつまり「過去にクラミジア感染があったかどうか」が判明します。

施設にもよりますが、過去にクラミジア感染があったかどうかは不妊治療の方針を決める際に重要視されますので、不妊検査に取り入れているところが多いです。

こう書くと検査にかかる時間や手間だけでうんざりしてしまいそうですが、すべての検査は必ずしもしなくてはいけないわけではありません。

特に、まだ本格的な不妊治療を考えているわけではないけれど、ひとまず自分の身体のことを知りたいという場合。痛みを伴う子宮卵管造影検査や、検査前に性交する必要のあるフーナーテストには抵抗を感じる人も多いかもしれません。

ドクターによっては本当に必要な検査だけを行うことを方針にしている施設もあるでしょう。

主治医と相談をしてしっかり話し合い、自分の意思で受けたい検査を受けるのもいいですね。

是非受けてほしい、卵巣予備能を測るAMH検査(血液検査)

おすすめしたいのは、近年注目されてる「AMH検査」といわれるものです。

アンチミューラリアンホルモン(AMH)テストとも呼ばれる血液検査で、生理周期に関係なくいつ測ってもいい検査です。

費用は保険適用外となりますが、5000円前後で受けられるのが一般的です。

AMH検査で測るアンチミューラリアンホルモンとは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンのことです。

発育する卵子の数が多ければAMHの値は高くなり、卵巣には相当数の卵子が残されていると推測されます。逆に残された卵子の数が少なければAMH値は低くなります。

つまり、AMH検査でわかるのは「卵巣にある卵子の在庫数の目安」です。それは「卵巣予備能」とも呼ばれます。

卵巣予備能を知ることは、妊娠するために最も基本的で不可欠な卵子の数が、今自分にどれくらいあるのか知り、いつまで妊娠可能なのかを測る上での目安になるのです。

若くても卵巣予備能が低いケースは意外と多い

年齢が若いほど女性の卵子の「質」が良いということは、最近よく知られるようになってきました。

また卵子の「数」に関しても、卵子は決して増えることはなく、年齢と共にどんどん減っていくのが真実です。女性は産まれたときに約200万個の卵子をすでに卵巣内に持っていますが、思春期には約10~30万個まで減っていると言われています。

ところがAMH検査が行われるようになった昨今、その残っている卵子の数には非常に個人差があることが判明しています。

20代や30代でも、卵巣の卵子が非常に早く減ってしまい、AMH値が40代相当の数値しかないというケースは数多くあるのです。

卵巣予備能は年齢と必ずしも比例しません。それはこれまでの検査では明らかにされていなかった事実なのです。

高すぎるAMH値も不妊の原因に

では、AMH値が高ければ高いほど良いかと言うと、そうではありません。

AMH値が高いということはそれだけ卵巣内の卵子の在庫が多くて、卵巣予備能も高いと考えがちですが、AMH値が高すぎる場合には、排卵障害が起き卵巣内に多数の未成熟卵が残る多嚢胞性卵巣症候群の可能性が疑われます。

多嚢胞性卵巣症候群は月経異常や不妊原因のひとつとして数えられる症状で、20人に1人の高頻度で現れます。

AMH値=妊娠率ではない

AMH値が表すのはあくまでも卵巣予備能、卵巣にある卵子の在庫数の目安です。

前述したように卵子の質は実年齢と比例するので、その卵子が順調に育つかどうかは年齢に相関します。

例えば、同じAMH値であれば年齢が高い人ほど卵子の質は低下して育ちにくく、妊娠する可能性は低くなります。逆に、AMH値が非常に低くてもまだ年齢が若く、卵子の質が良ければ自然に妊娠・出産する人はいます。

つまり、AMHの数値がそのまま妊娠率の高低につながるわけではありません。妊娠できるかどうかの一番の鍵は卵子の「質」という事実は変わらないのです。

AMH値を測ることは、妊娠可能な残り時間を知ること

AMH値を測る上での大きな意義は、自分の妊娠可能な残り期間を知ることです。

その期間を知ることで、不妊治療の必要性はもちろん治療の方法や治療に費やせる時間も大きく変わります。

年齢に関わらず個人差のあるAMH値は、そのままその人それぞれのライフプランの指針になります。

要するに、いつまでに子供を産みたいのか…未婚の女性であれば、いつまでに結婚していつ子供を産むのか。そういった自分の将来設計を考える上で、AMH検査はとても有効なのです。

現在、AMH検査を行っているのは不妊治療を科目に入れている施設が中心です。しかし、一般の婦人科でも早発卵巣不全の可能性の有無を診断する上での有用性が注目され、AMH検査を行う施設は年々増えています。

婦人科にかかる際には、まずはAMH検査を行っている施設かどうかを確認してみましょう。

まずは卵巣予備能を知り、妊娠できる残り期間を測り、自分に合った妊娠・出産のプランを選択してほしいと思います。

不妊治療に踏み切れず悩んでいますか?開始のタイミングは色々

不妊症の定義は、「定期的な性生活を送り、避妊などをしていないにも関わらず2年以上妊娠しない場合」とされています。

しかし、今不妊治療の件数が大幅に増えている背景には、この定義に当てはまらない多くの人が治療を行っているからかもしれません。

理由のひとつとして、女性の晩婚化が進み、女性の妊娠・出産のリミットが迫っているパターンが多いことがあげられると思います。2年待って…などと悠長なことは言っていられないわけです。

また、男女問わず体質的に妊娠しにくいと言われる人がいます。独身時代からそれが分かっていれば、妊娠後すぐに治療を始めるでしょう。

不妊だけど治療が始められない事情がある

周りを見ると、もう5年も子供に恵まれないが、治療に踏み切れない人もいます。

不妊治療をする為には定期的に産婦人科を受診しないといけません。しかし、仕事が忙しくてそれが出来ないというのです。上司に相談してみては?と提案するものの、男性の上司で打ち明けづらいということでした。

また、不妊の原因が女性、男性のどちらにあるのかを明らかにすることにためらいがある人もいます。

男性の側が不妊治療に対して消極的な夫婦もあります。そこも不妊治療に踏み込めない理由のようです。

治療開始は早いほどいい?

妊娠・出産・育児を考えると、女性の結婚年齢は若い方がいい!と三人の子育てをして思います。卵子の数も年齢とともに減少しますし、妊娠しにくい体になっていくのは避けられない事実です。

そして子育ては体力勝負であることから1歳でも若い方がいいでしょう。

不妊の原因が明らかになり、治療をしてもすぐに妊娠出来るわけではありません。後悔しないように、しっかりパートナーと話し合って、今後を決めていくことが必要です。

不妊治療助成制度の対象、金額、制限を知っておこう

厚生労働省から、「不妊に悩む方への特定治療支援事業の概要」が公開されています。

助成の対象者

特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか又は極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦

平成28年度以降の助成は妻の年齢によって異なります。

初めて助成金の申請を行った時の治療開始日の年齢が40歳未満の夫婦
平成28年度の治療開始日時点の妻の年齢が43歳未満の場合は、過去の助成回数を含めて6回までは申請が可能。43歳以上の場合は、通算助成回数が6回に達していなくても対象外となる。
初めて助成金の申請を行った時の妻の年齢が40歳から43歳未満の夫婦
平成28年度の治療開始日時点の妻の年齢が43歳未満の場合は、過去の助成回数を含めて3回までは申請が可能。43歳以上の場合は、通算助成回数が3回に達していなくても対象外となる。

対象者には1年度あたり1回15万円が給付されます。

夫婦合わせての所得が730万円未満であること、という制限はありますが、指定されている医療機関でこの給付が受けられることは知っておくべきでしょう。

指定医療機関一覧 |厚生労働省

こういった助成制度は、検査をする、あるいは治療をする医療機関でも詳しく話をしてもらえますよ。

お金のことで心配なら、是非一度聞いてみるといいですね。

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