健康生活TOP 感染症 身近な鳥の糞からうつる感染症に注意!オウム病の予防と対処法

身近な鳥の糞からうつる感染症に注意!オウム病の予防と対処法

A pair of scarlet Macaws clean one another. Taken in Xcaret Mexico.

今回は人畜共通感染症の「オウム病」を取り上げたいと思います。その名前からオウムがかかる病気のようなイメージも強いのですが、オウム以外の鳥やヒトも感染するので、オウムを飼っていない人も感染しないよう注意する必要があります。

オウム病はどれくらい危険病気なのでしょうか。その感染源や症状の特徴、対処法について説明していきます。

インコやカナリアまで!糞便で飛沫感染するオウム病とは

オウム病はクラミジア・シッタシ(オウム病クラミジア)という細菌に感染して発症する人畜共通感染症。鳥を感染源に牛や馬などの動物、そしてヒトも感染します。

オウムだけがかかる病気かのようなまぎらわしい名前なのですが、オウムだけでなくペットのインコやカナリア、野生のドバトなどさまざまな種類の鳥から感染する病気です。

国内では過去に、鳥を展示しているテーマパークで従業員と来客が感染したり、社会福祉施設内で集団感染が起こったりしています。

上記のテーマパークでは飼育されているフクロウの糞便から、社会福祉施設ではハトが作った巣から感染源と思われる菌が確認されました。

クラミジア・シッタシの感染源の多くはオウムとインコなのですが、私達が日常生活の中でそれ以外の鳥から感染する可能性も少なくありません。

この菌は特に珍しいわけでもなく、健康な鳥もごく自然に保有している菌です。鳥の免疫力が低下した時に糞便と一緒に排泄して、周囲に感染を起こすようになってしまいます。

特に菌の含まれた糞便が乾燥して空気中にほこりとして舞い上がり、ほこりのを吸い込んだヒトが感染するケースも多くなっています。

オウムを飼っている人は、もちろん感染に注意しなければなりません。そしてオウムを飼ったことのない人もかかり、鳥と接触しなくても感染する可能性がある病気だということも頭に入れておきたいですよね。

妊婦や高齢者は特に注意!オウム病のこわい症状と治療法

ヒトがかかるオウム病は、インフルエンザに似た症状が特徴的です。菌に感染して1~2週間の潜伏期間後に次のような症状があらわらます。

  • 急な発熱
  • 38℃以上の高熱
  • 悪寒
  • 頭痛
  • 筋肉痛・関節痛
  • 全身倦怠感

…など

重度になると、肺炎、呼吸困難、意識障害などが起こる場合もあります。また血液から菌が全身にまわると、髄膜炎や膵炎などほかの器官に合併症を引き起こす可能性もあります。

発症してもたいていの場合は、クラミジア・シッタシに効果のある抗生物質を投与することで、重症に至ることなく回復することができます。

ただし妊婦や高齢者など抵抗力の弱い人は、重症に至りやすいので注意が必要です。

オウム病は適切な措置で治る

オウム病は普段あまり耳にしない病気ですよね。国内でも発症例は毎年数十件ほどと、それほど多くはない病気です。

老人・妊婦などで死亡例もあります。抗菌剤がない時代には、患者の致死率は15~20%ありましたが、現在においては適切な治療がなされれば、患者の致死率は1%未満であると考えられています。

 
死亡する可能性もゼロではありませんが、基本的にはすぐにオウム病を発見し抗生物質を投与すれば治療でき、予後も良好な病気といえるでしょう。

鳥を飼育している人もそうでない人も!オウム病を予防するために意識するべきこと

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オウム病は油断していると突然に感染してしまう可能性もありますが、正しい知識を持って鳥に接するようにすれば、感染を回避することもそれほど難しくありません。

鳥を飼育している場合

オウムやインコ、カナリアを飼育している家では、次の注意点を守って鳥に接するようにしましょう。

  • 鳥に接する前後によく手を洗う
  • 糞便をこまめに取り除き、ケージを清潔に保つ
  • 糞便に触ったらよく手を洗う
  • 鳥とキスしたり口移しでエサを与えたりしない
  • ヒトの食事を鳥と一緒に食べない
  • ヒトの布団で鳥と一緒に寝ない
  • 鳥にストレスをかけない環境で飼育する
  • 鳥には定期的に健康診断を受けさせる
  • 鳥の体調がいつもと違う場合にはすぐ動物病院を受診する

鳥を飼っていない人も注意を

鳥を飼っていない人でも時には、動物園に行って展示されている鳥と触れ合ったり、公園で人懐っこいハトに出会ったり、ペットショップで鳥を見せてもらったりする機会があるでしょう。

鳥を触った後は、必ず石けんでよく手を洗うようにしてください。また家にドバトが巣を作ってしまった場合は、清掃をこまめにして衛生を保ち、巣立ちが終わったら巣を除去しましょう。

そして道ばたなどで野生の鳥が弱っていたり死んでいたりしるのを見つけても、むやみに触ってはいけません。その鳥は病気の可能性もあります。オウム病以外の人畜共通感染症を予防する意味でも、取り扱いには十分注意しましょう。

オウム病の感染が疑わしい場合は呼吸器系へ!むやみに鳥を恐れないで

インフルエンザのような症状が起こったら、すぐ内科を受診しましょう。オウム病の感染が疑わしい場合にはなるべく呼吸器系の診察科を受診し、鳥と接触したかどうかを医師に伝えます。

鳥との接触の有無は、重要な情報です。治療をする際に、インフルエンザ用の薬はオウム病にはほとんど効かないからです。治療を誤ると、重症化する恐れがあります。クラミジアに効果のある抗生物質は複数あるので、治療することができます。

 
オウム病は身近な鳥からも感染すると聞くと不安になってしまいますが、上記のようにクラミジア・シッタシは鳥が自然に保有している細菌なので過剰に鳥を避けたり怖れたりしても、あまり意味がありません。

多くの人が、こういった病気もあるのだということを知り、鳥に対する適切な接し方を理解しておくことが大切だと思っております。

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