健康生活TOP 感染症 大人の風疹は要注意!妊婦さんが知るべき先天性風疹症候群とは?

大人の風疹は要注意!妊婦さんが知るべき先天性風疹症候群とは?

「風疹」は子どもの時に感染していたり、予防接種していたりすれば、大人になって感染・発症することはありません。しかし、なかには風疹ワクチンの予防接種を受けていない方がいて、大人になってから初めて感染する人もいます。

現在は大人が風疹にかかるケースが多く、また妊娠中に風疹にかかると、おなかの赤ちゃんに障害をもたらす危険がある病気であることを、ご存知でしょうか?

妊娠中の風疹感染は何が危険なのか、妊娠中に風疹を予防するにはどうしたら良いのかを、詳しくご説明します。

知っているようで知らない?危険な風疹とは

「風疹」とは、風疹ウイルスの感染によって発症する急性の発疹性感染症です。春先から初夏にかけて多く見られます。咳やくしゃみなどを介して感染(飛沫感染)する病気です。

感染すると、2~3週間の潜伏期間を経て、首や顔に赤く小さな発疹が現れ、やがて全身に広がり、発熱やリンパ節の腫れ、関節痛なども現れます。症状自体は重くなく、3日程度で症状が落ち着くので「三日ばしか」とも呼ばれます。

風疹の症状は子どもでは比較的軽いのですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が、2000~5000人に一人くらいの割合で、発生することがあります。

一方で、大人がかかると発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、強い関節痛が出ることも多くあり、症状が重いです。

最近では、10代後半~50代前半の男性、10代後半から30代前半の女性が多く発病しています。

風疹の抗体がない人って、どんな人?

現在は、風疹の予防接種は定期接種とされています。通常は、小児科で麻疹ワクチンと合わせたMRワクチンの予防接種を2回(1歳になった頃と小学校入学前1年の間)受けるようになっています。

しかし、平成25年度の厚生労働省の調査で、20~40代の男性のおよそ12%が、風疹の抗体を持っていないということが分かっています。この数字は、他の年代よりも高い割合であり、風疹の抗体を持っていない女性よりも多い数字です。

実は、出生時期により、風疹ワクチン接種する対象などに変更があったことで、ワクチン接種をしていない方が多いという事実があります。風疹が大人に多く発症している原因と言えます。

昭和37年4月1日以前生まれの男女

定期接種が行われていませんでしたが、大半の人が自然に風疹に感染しているため、免疫があります。

昭和37年4月2日~昭和54年4月1日以前生まれの男性

当時は、中学生の時に女性のみを対象として、学校で集団接種が行われていたため、自然に風疹に感染する機会が減少しました。しかし、男性は定期接種制度が行われていないので、風疹の免疫がない人が多いです。

昭和54年4月2日~昭和62年10月1日生まれの男女

男女とも中学生の時に予防接種を受ける対象になっていましたが、中学生のときに個別に医療機関で予防接種を受ける制度に変わったため、男女ともに接種率が低いため、風疹の免疫がない人が多くいます。

昭和62年10月2日~平成2年4月1日生まれの男女

男女とも幼児期に予防接種を受ける対象となり接種率は比較的高いのですが、自然に風疹感染する機会が減少したことで、接種を受けていない人には風疹の免疫がない人が、比較的多いです。

過去に風疹にかかったことがあると思っている人の中には、実際にかかったのは、実は別の病気で、風疹の免疫がない人も少なくありません。

また、子どもの時に予防接種を受けていたとしても、体内に抗体が十分に作られていなかったり、年月が経って体内にある抗体が減少していたりして、抗体が少なくなっている可能性もあります。

風疹は、一度感染すれば二度とかからないといわれていますが、抗体の減少で再感染をする可能性があると言われています。

そのため、妊娠を希望する人や、ご家族は風疹の抗体検査を受けて、抗体の有無を確認しましょう。抗体がない・少ないようなら予防接種を受ける必要があります。

妊娠中に感染すると、赤ちゃんにどんな影響があるの?

妊娠中に風疹にかかった場合、ママ自身にはそれほど悪影響はありません。発熱や発疹が現れる程度か、まったく症状が現れない人もいます。

しかし、風疹ウイルスは胎盤を通じて、胎児にも感染してしまい、「先天性風疹症候群(CRS)」を引き起こす可能性が、非常に高いです。

先天性風疹症候群の症状とは?

先天性風疹症候群を発症すると、以下のような障害が出るリスクが高まります。

  • 先天性心疾患
  • 視覚障害(白内障、緑内障、網膜症など)
  • 聴覚障害(難聴など)
  • 身体の発達の遅れ、精神遅滞

なお、風疹ウイルスが赤ちゃんに悪影響を与えるかどうかは、感染する時期によっても違います。妊娠12週未満で感染すると、赤ちゃんの大事な器官形成期にあたるので、障害を残す危険性が高まります。

この時期にママが風疹に感染すると、そのうち80〜90%は胎児にも感染し、そのうちの90%以上が先天性風疹症候群を発症すると言われています。

妊娠18週を過ぎると、胎児に感染するのは約40%に減少し、先天性風疹症候群を起こす危険性もほぼ0%近くまで低下します。

先天性風疹症候群の治療法はあるの?

残念ながら、妊娠中に風疹に感染した場合の有効な治療法は、ありません。

ママ自身の発熱や発疹は対症療法できますが、胎児の先天性風疹症候群に対しては、妊娠中に治療することは不可能です。

赤ちゃんは、生まれた後で障害の程度や成長の経過を見ながら、視覚障害や心臓の奇形の手術をしたり、難聴の治療、リハビリなどを行うしかありません。

つまり、先天性風疹症候群は発症すると対処が難しい病気です。

しかし予防接種を受けていれば、まず感染することのない病気でもあります。ママが自身の感染予防に努めることで、充分に赤ちゃんを守ることができるのです。

抗体がない場合は、どうしたら良いの?

妊娠前であれば、風疹の抗体検査を受けて、抗体がない・少ない場合は、予防接種を受けることができます。抗体ができるまでは時間がかかるため、その間のおよそ2ヶ月間は避妊する必要があります。

風疹と似た病気に麻疹(はしか)があります。

こちらも、全身性の発疹が現れる急性感染症のひとつです。風疹よりも経過が長く、2段階で高熱が出るほか、コプリック斑という特徴的な粘膜疹が出現し、全身へと発疹が広がります。

麻疹の場合は、お腹の赤ちゃんに先天性の奇形が現れることは少ない病気ですが、流産や早産のリスクが高まると言われているので、注意は必要です。

麻疹も抗体検査が可能です。現在は麻疹・風疹ワクチンを合わせたMRワクチンの予防接種が受けられます。

しかし、妊娠が判明した後に抗体がないことが分かった場合、残念ながら予防接種は受けられません。

なぜかというと、麻疹・風疹ワクチンは生ワクチンだからです。

生ワクチンというのは、病原体を弱毒化したワクチンです。つまり、少量のウイルスを直接注射することになり、その予防接種により病気を発症する可能性がゼロとは言えないのです。

また、風疹の予防接種を受けていて、妊娠が明らかになる場合もあります。しかし、それによって胎児に影響があったという報告例は、世界的に見てもありません。

過度に心配する必要はないとされていますが、産婦人科受診時には、その旨を伝えるようにしましょう。

もし、妊娠中に風疹の症状が出て、感染した可能性があると感じた時は、他の人への感染拡大を避けるために、すぐ病院に向かうのではなく、まず電話でかかりつけの産婦人科へ連絡して、対処を確認してから、受診をしましょう。

風疹の抗体がない・少ない場合、妊娠したら気をつけること!

妊娠中に抗体がないことがわかっても、風疹ワクチンの予防接種が受けられないため、風疹ウイルスに感染しないようにすることが大切です。

特に妊娠18週までは、感染後の胎児への影響が大きいため、感染予防に努めましょう。

人ごみを避ける、そして帰宅時は手洗い・うがい

風疹ウイルスは飛沫感染によって広がるため、妊娠中は感染する可能性が高い人ごみは避けるようにしましょう。外出する場合は、しっかりとマスクを着用し、帰宅したら手洗いとうがいを必ず行ってください。

家族に風疹の予防接種を受けてもらう

同居するご家族全員が、風疹の抗体を持っているかどうかの確認も大事です。特に最近は成人男性の発症が増加している病気です。

パパも含め必要であれば、ご家族にも風疹抗体検査を受けてもらって下さい。そして、必要に応じて予防接種を受けてもらいましょう。

なぜなら、風疹の抗体のない・少ないご家族が感染して、風疹ウイルスを持ち帰ってくると、感染力が強いため、ママにも感染する確率が一段と高まるからです。

妊娠中に風疹の抗体がない・少ないことがわかっても、しっかりと感染対策をしていればリスクを減らせます。ママの気持ちは赤ちゃんにも伝わると思います。悲観的に考え過ぎず、医師のアドバイスを受けながら、適切に対処しましょう。
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