健康生活TOP 感染症 予防接種も必要?ボランティアに行く人が注意すべき破傷風の知識

予防接種も必要?ボランティアに行く人が注意すべき破傷風の知識

ボランティア若者の写真

地震や洪水など災害の復旧・復興に力を貸すボランティアの人たちの間で破傷風の感染が増えています。なぜ、ボランティアの人たちに破傷風が拡がっているのか?どのように予防すれば良いのか?破傷風の予防法をご紹介します。

命にも関わる!破傷風とはどんな病気?

破傷風は土の中や動物の糞の中にいる破傷風菌という細菌に感染することで起こります。破傷風菌は常在菌なので基本的にはどこにでもいる細菌です。

破傷風菌に感染すると平均で8~12日の潜伏期を経て、顔の筋肉が硬直して口が開けにくくなったり、顔が引きつったりする破傷風の初期症状が現れます。

その後、筋肉の硬直が全身へ拡大し、体が弓なりに硬直することや全身の痙攣などが起こります。破傷風の症状には次のようなものがあります。

  • 皮膚がつっぱるような感覚
  • 口が開けにくくなる
  • 食べ物や飲み物が飲みにくくなる
  • 首や筋肉の硬直
  • 歩行困難
  • 痛みをと伴わない全身の痙攣
  • 体が弓なりに反る

破傷風は現在の医学でも治療法がほとんど確立されておらず、万一感染した場合には約半数の人が死亡してしまう重篤な病気です。実は破傷風菌は地球上に存在する細菌の中でも最強の部類に入ります。

しかし現在の日本では普通に生活をしていて破傷風に感染する人はほとんどいなくなりました。衛生環境が良くなったことや予防接種が普及したことが要因としてあげられます。

破傷風、聞いたことがあってもここまで怖いものだとご存知でしたか?しかも!最近感染者が急増しているのです!それはなぜか…?

破傷風感染者が急増!被災地へ行くボランティアの人は要注意!

日本で破傷風に感染する人は極めて少ないのですが、最近になり破傷風に感染する人が急増しているのが、災害の復旧や復興に力を貸すボランティアの人たちです。

被災地でのボランティア活動は、瓦礫の撤去や土嚢の設置は撤去など、土や泥、ほこりにまみれての作業を行なうことが多く、こうした作業中に泥やほこりの中などにいる破傷風菌に感染してしまうことが原因と考えられています。

もちろん、被災者自身も同様の作業を行っている場合は、破傷風への感染リスクは同様に高いといえます。

また、アメリカ疾病対策予防センター(CDC)によると、糖尿病を罹患している人は破傷風の感染率や死亡率が高くなると指摘しています。これは、糖尿病によって体の免疫力が低下することに関連していると考えられます。

糖尿病など基礎疾患を持つ人や高齢者などは破傷風の発症リスクが高くなるので、さらに十分な注意が必要です。

地震や洪水など思いもよらない災害は、いつ誰に起こっても不思議ではありません。そんな被災者や被災地の大きな手助けとなるのがボランティアの人たちの協力ですが、皮肉なことに、こうした善意の人たちに破傷風が拡がっているのです。

こういった厚意が自身の破傷風を招いてしまうのは悲しすぎますね。しっかり完遂するために、予防法を知っておく、そして実践することはとても重要ですよ。さっそく具体的にどんなことに注意すべきなのか見てみましょう。

ボランティアに参加する人のための破傷風の予防法

破傷風予防グッズイラスト

今のところ破傷風に感染した場合、有効な治療法は確立されていません。致死率も高いので、病気への抵抗力が弱い子供やお年寄りが感染すれば、命に関わります。

ボランティア活動を行なう人は、必然的に破傷風への感染率が高くなるため、十分に注意をして作業しなければいけません。破傷風の予防のためには次の点に気をつけるようにして下さい。

  • 瓦礫や土砂の撤去や運搬の際には、必ず軍手や手袋をつける。
  • 木の破片やささくれなどが手に刺さらないように十分注意する。
  • 軽いケガでも放っておかず、患部を水で洗い流し、消毒や止血など適切な処置を迅速に行なう
  • ケガをした部分に、つっぱり感がないか常に経過を観察する
  • ケガをしていなくても、手や足に傷がないか常にチェックする
  • 体のだるさや筋肉のこわばりがある場合は、無理せず速やかに作業を中止する

ボランティア活動時の心構え

ボランティア活動に参加することは、人間として尊敬に値する行動だと思います。しかし被災された人たちや地域へ何とか貢献したいという気持ちばかりが逸ると、自分自身がケガをしたり、健康を害することにつながりかねません。

そこで、ボランティア活動に参加する人が心得ておくべき行動の指針をご紹介します。

  1. 自分の健康が第一。自分がケガをしたり病気になってまで、ボランティアを行なう必要はない。まして現場でケガや病気になれば、自分が迷惑となってしまう。
  2. 作業時の服装は、作業や現場に合ったものを身に付けること。
  3. 安全のため、マスク、軍手、場合によってはヘルメットなどを準備し、ケガをしないように十分注意して作業を行なう。
  4. 応急処置は自分自身で行なうこと。被災地の応急設備は被災者用だと心得ること。
  5. 全ては自己責任。危険を判断したり、自分ができる作業でなければ、断る勇気を持つこと。
「まさか~大丈夫でしょ」という慢心が超危険なのです!自分の身は自分で守る…予防法と心構えをしっかり守って努めてくださいね。私も応援しています。

ボランティアは破傷風の予防接種を受けてから

現在では、被災地へのボランティアへ参加する場合、破傷風の予防接種をすることが奨められることが多くなりました。

一般の人は12歳のときに受ける三種混合ワクチンの予防接種に破傷風も含まれていましたが、免疫の持続期間が10年程度なので、22歳前後には予防接種の効果がなくなることになります。

ですから、20歳以上の人でボランティアに参加する人は、追加の予防接種が必要になります。追加で予防接種を受けておけば、さらに10年程は破傷風の免疫が作られ予防につながります。

報酬を得ず、善意の気持ちから人のために尽くすボランティアの精神は、人間らしいすばらしい行為だと思います。しかし、破傷風という思わぬ危険が待ち構えているのも事実です。自分自身を守るためにも、万全の対策を講じること大切です。

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