健康生活TOP 低血糖症 キレやすい頭がぼーっとする原因は低血糖?鬱に似た症状とは

キレやすい頭がぼーっとする原因は低血糖?鬱に似た症状とは

hypoglycemia woman

イライラしやすい、すぐキレる、やる気がない…といった若者が増えていると指摘されることがあります。うつ病や自律神経失調症が原因で起こっていることもあるようです。

しかし、その症状はうつ病や自律神経失調からきているのではなく、「低血糖症」で起こりやすいことも分かってきました。

どんな症状があれば低血糖症と判断できるのでしょうか。低血糖症の特徴や対処法について解説していきます。

うつ病・自律神経失調症と似ている低血糖症

低血糖症とは、血糖値(血液中に含まれる糖の濃度)が正常値よりも低下した状態のことです。

血糖値が低下した時に自律神経のバランスやホルモンの分泌が不安定になり、さまざまな症状が起こります。

低血糖症は糖尿病で血糖値を下げるインスリン注射を打っている患者に起こりやすい症状なのですが、糖尿病ではない健康な人にも起こることがあります。(今回は、健康な人の低血糖症についての説明をすすめていきます。)

一方、子どもや20代の若者、女性を中心に、ストレスから心身の不調を引き起こす「うつ病」や「自律神経失調症」にかかる人が増えているといいます。

現代病のひとつともいわれるようになったうつ病と自律神経失調症の特徴を簡単に説明しておきます。

うつ病

うつ病は、脳内の神経伝達物質のはたらきが低下することで起こる心の病気です。

主な症状は、

  • 抑うつ
  • 不安
  • 意欲の低下
  • 感情の喪失
  • 睡眠障害

などです。また精神症状だけでなく体の不調を伴うことも多いです。

ストレスが原因とも言われていますが、ストレスにものの考え方や遺伝子などの要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。

専門科は精神科。治療には薬物療法やカウンセリング・認知行動療法などが用いられます。

自律神経失調症

自律神経失調症は、交感神経・副交感神経という2つの自律神経のバランスが不安定になるために起こる症状の総称です。自律神経はデリケートで、すぐバランスが不安定になりやすいのです。

検査をしてもどこも悪くないのに、

  • イライラ
  • 倦怠感
  • 疲労感
  • 動悸
  • 肩こり
  • 睡眠障害

などの様々な症状が起こります。意欲の低下・不安といったうつ病に似た精神症状を伴うこともあります。

原因は、体質、ストレス、不規則な生活習慣、ホルモンバランスの変化などといわれています。

専門科は主に内科・神経内科など。治療には、生活リズムの改善やストレスの緩和が求められ、必要に応じて薬物療法が用いられる場合もあります。
うつ病と自律神経失調症の症状は似ていることから、互いに間違えられることもあるんです。しかし原因と治療法はそれぞれ異なります。

まずは検査を受けて的確な診断を受け、治療を受ける必要がありますよ。

さらに、うつ病や自律神経失調症の精神症状と間違えられやすいのが「低血糖症」なのです。

こんな症状がある人は、うつではなく低血糖症のほうかも?

もちろん、低血糖症とうつ病・自律神経失調症は発症のメカニズムや治療法が全く異なるので、間違えたり見逃してしまってはいけません。

次に挙げるのは低血糖症の特徴的な症状です。チェックしてみて該当する項目が複数あれば、低血糖症の可能性もあります。

低血糖症の症状

  • 甘い物やスナック菓子を毎日のように食べている
  • 清涼飲料水を飲むことが多い
  • 空腹時に冷や汗やふるえの起こることがある
  • 無性にイライラすることがある
  • 夕方に強い眠気に襲われることがある
  • 頭がぼーっとする
  • イライラしたり不安感に襲われたりした時に甘い物を食べるとおさまる
  • 動悸や頭痛が甘い物を食べることでおさまったことがある
  • 甘い物が無性に欲しくなることがある
  • 夜中に目が覚めて、おやつを食べることがある
  • 体重が増えた
  • 痩せにくくなった
  • 体重の増減が激しい
  • 血縁者の中に糖尿病患者がいる
「甘い物をたくさん摂っている」「イライラが甘い物で治る」といった特徴が、うつ病や自律神経失調症とは異なるのではないでしょうか?

では具体的に低血糖症とはどのような病態なのか具体的に説明していきましょう。

うつやパニック障害と間違えられることも…低血糖症の3つのタイプ

血糖値は、食事から糖質を摂取することで一時的に上昇し、活動すると糖質がエネルギーとして燃焼されて低下していきます。

血糖値は常に変動しているのですが、高すぎても低すぎても良くないため、血糖値を下げるインスリンや血糖値を上げるグルカゴンなどのホルモンを分泌して、血糖値を一定に保つようコントロールしています。

しかしこれらのホルモンの分泌が不安定になると、血糖値が下がり過ぎたり上げることができなくなったりして、低血糖症を引き起こしてしまうのです。また、低血糖症には、

  • 反応性型
  • 無反応性型
  • 乱高下型

の3タイプがあります。それぞれ特徴が異なりますので、順に説明していきましょう。

反応性型低血糖症

反応性型低血糖症は、正常な人に比べ食後の血糖値が激しく上昇し、その後一気に急降下するタイプの低血糖症です。

低血糖症の患者の中では比較的多くみられるタイプで、統合失調症やパニック障害と誤診される場合もあるようです。

まず、血糖を上げるアドレナリンやノルアドレナリンが大量に放出されます。

アドレナリンの作用として、攻撃性が増したり筋肉がこわばって険しい顔つきになったりします。また、ノルアドレナリンの作用によって、イライラしたりキレやすくなったりします。

その後、上がり過ぎた血糖値を下げるためにインスリンが大量に放出されるので、血糖値が急降下します。すると、今度はエネルギー不足から倦怠感や強い眠気に襲われるようになるのです。

無反応性型低血糖症

無反応性型低血糖症は、食後に血糖値が上がりにくいタイプの低血糖症です。

血糖値の低い状態が続くため、活動に必要なエネルギーが不足しやすく、いつも倦怠感や疲労感を伴います。

10~30代に多く、朝に弱いため不登校や会社の遅刻の原因になってしまうことがあります。また抑うつや意欲の低下があると、うつ病とも間違われがちです。

乱高下型低血糖症

乱高下型低血糖症は、血糖値がジェットコースターのように上がったり下がったりするタイプの低血糖症です。

血糖値の上がり下がりに伴って、攻撃的になったりうつ気味になったりと気分の移り変わりが激しくなるため、精神疾患を疑われることもあります。
なるほど。ここまでの説明を読んで「もしかして私も低血糖症かも?」と思った方もいるのではないかな?

しかし低血糖症かどうかは個人で判断することはできません。受診して検査を受ける必要があるので、さらに検査や治療法について説明していきましょう。

どうやって治すの?低血糖症の検査と治療について

低血糖症が疑われる場合には、内科または内分泌内科を受診すると良いでしょう。

できれば、糖負荷検査を行なっている病院がベストです。これは、空腹時の血糖値とブドウ糖を摂取した後の血糖値の変化を検査することで血糖値の異常を見つけるテストです。

低血糖症と診断されたら、医師の指示に従って食生活を改善することで血糖値をコントロールすることができます。

一般には、

  • 糖質を大量に摂取しない
  • 血糖値を上げにくい食品(低GI値食品)を選んで食べる
  • 食事は少量ずつ回数を増やしてとる

といった食生活が求められます。血糖値の変動が正常に導かれると、低血糖症の不快な症状が改善されていきます。

また、うつ病やパニック障害と誤診されて薬を投与されていた方は、薬があまり効かなかったはずですが、低血糖症の対処をすることで初めて症状が改善されるようになります。

低血糖症なりやすい人とは?こんな人は要注意

低血糖症の主な原因は糖質の過剰摂取です。特に血糖値を上昇させやすいのは白砂糖・精白米・精製した小麦粉で、ご飯やパン、スイーツやスナック菓子が大好きな人は要注意といえます。

加えて、先天的な体質や後天的な理由も血糖値の変動に影響を与えています。低血糖は、次の条件に該当する人に起こりやすいといえるでしょう。

先天的な理由

  • 遺伝的な体質
  • 消化機能が弱い
  • 貧血
  • 膵臓機能障害
  • アレルギー体質
  • 甲状腺機能障害
後天的な理由

  • 糖質の過剰摂取
  • ストレス
  • 飲酒
  • 喫煙
  • カフェインの大量摂取
  • ビタミン・ミネラルの不足
  • ハードな運動を長時間する人(急激に大量の糖質を消耗するために起こる)
先天的・後天的のいずれの理由にしても、規則正しい食生活を心がければ、低血糖症を防ぐことができるようになりますよ。

高血糖だけでなく低血糖も危険!正しい知識を理解しておこう

低血糖症について取り上げられることはあまり少ないようですが、うつ病や自律神経失調症などほかの病気と間違えられている低血糖症の人が潜在的に多く存在していると考えられています。

まれではありますが、血糖値が極端に低下するとエネルギーの枯渇から

  • 意識の混乱
  • けいれん
  • 昏睡

といった重篤な神経症状を引き起こすこともあるのです。

私達の体はそこまで血糖値が低下しないよう制御されていますが、それくらい糖質が重要なものであり、高血糖や糖尿病だけでなく低血糖も危険だということを理解していただきたいと思います。

また、キレやすい、無気力なお子さんが家庭や知り合いにいたら、食生活に目を向け、低血糖症の兆候がないか確認してみるのも良いのではないでしょうか。

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