健康生活TOP 高血圧 塩分はなぜ血圧に悪影響なの?高血圧患者が塩分を控えるべき理由

塩分はなぜ血圧に悪影響なの?高血圧患者が塩分を控えるべき理由

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今、健康のために減塩をすべきだという考え方が世界的にも広がっています。

WHOでは食塩摂取量の目標を1日5g未満と定めています。ただこの数値は日本人にとっては厳し過ぎるとして、厚生労働省は

  • 男性:8g未満
  • 女性:7g未満

を18歳以上の男女の、一日の目標量としました。(厚生労働省 – 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要:多量ミネラル)

減塩していくことで高血圧のリスクなどが減り、健康を維持していくことができるとされます。塩分の摂り過ぎは血圧を上げてしまうのです。特に高血圧の人はなるべく塩分を控えるように言われます。

では、なぜ塩分を摂り過ぎると血圧が上がってしまうのでしょうか。また、塩分を控えるためにはどんなことに気をつけるとよいのでしょうか。

血圧をコントロールしてくれる3つの調節機能

日常の生活の中で、血圧は様々な状況に影響を受けやすくなっています。時間帯によって多少違ってきますし、健康状態によっても影響を受けます。精神的なストレスがあった時にも変化しやすくなります。

ただその度に血圧が大きく変動してしまっていたのでは、体に対して負担が大きくなってしまいます。そのため私たちの体には、血圧をだいたいいつも一定の値に安定させておくための調節機能が備わっています。

主に以下の3つのシステムによって血圧は調節されています。

  • 自律神経による調節
  • ホルモンによる調節
  • 腎臓による調節

これらのシステムが互いに関係しあって心臓が血液を押し出す力に影響したり、血管を収縮したり拡張させたり、血液の量を増やしたり減らしたりといったことが体の中で起き、そして血圧を安定させています。

塩分はなぜ血圧を上げてしまうのか?そのメカニズム

塩分とは塩化ナトリウムです。ナトリウムは私たちの体にとって必要なミネラルのひとつです。体液の浸透圧を維持し、pHを正常に保ってくれます。神経の刺激を伝達したり、筋肉の収縮にも関わっています。

ナトリウムが不足すると筋肉のけいれんが起きたり、低血圧になってしまいます。逆に過剰になると呼吸が抑制されたり、重い神経症状が出たりすることもあります。

このようなことがないように、私たちの体には血液中のナトリウムの量を一定に保とうと調節するシステムがあります。

血液中にナトリウムが増えると体の中の水分が血管内に入り込み、血管内のナトリウムの濃度を下げてくれます。ただ血液の量が増えるために、血圧が上がってしまうのです。

また血管の中に取り込む水分の量を増やすために、尿の量を減らそうとする働きも起きます。尿として排泄される水分が減り、体内の水分が増えるためにむくみが出てしまったりします。

血液中のナトリウムが減った時には、これとは逆の流れになります。血液中の水分は血管の外に出て、それにより血液の量が減るために血圧は下がってきます。

ナトリウムの排泄量の調節は腎臓で行われています。腎臓は血圧が上昇してきたことに気付くと血圧を下げるホルモンを分泌します。そして尿中へのナトリウムの排泄を増やすことで血圧を下げようとします。

血圧が下がってきたときには、血圧を上げるホルモンを分泌します。そしてナトリウムの排泄を減らして血液中のナトリウム量を増やすことで血液量を増やし、血圧を上げようとします。

塩分摂取量を減らすべき?塩分感受性高血圧と食塩非感受性高血圧

このように塩分摂取量と血圧には関係があるとされます。しかし高血圧の人が血圧を下げるために塩分摂取量を減らしても、その効果が大きく出る場合とあまり変化が出ない場合があることがわかっています。

塩分感受性高血圧と言われるタイプでは塩分の影響を受けやすく、塩分摂取量を制限する食事にすると血圧が下がりやすくなります。しかし食塩非感受性高血圧と言われるタイプでは、塩分を減らしてもあまり血圧は下がりません。

これらの関係性については、まだよくわかっていないこともあります。ただ最近わかってきたことでは、食塩感受性高血圧のタイプの人はナトリウムが増えると腎臓でのナトリウム排泄のシステムがうまく働かなくなるようなのです。

ナトリウム排泄のシステムが働かなくなると、血液中のナトリウムは増えていってしまいます。血液中のナトリウムが増えてしまうと、血管内に水分が取り込まれて血液量が増えることになります。そして血圧が上がってしまうのです。

食塩感受性なのか、非感受性なのかについて、現在のところまだ検査などで調べることはできません。ただ日本人は食塩感受性タイプのほうが多いとされます。血圧を改善するためにも塩分を控えた食事にするとよいでしょう。

高血圧が招く病気・症状をあなどるなかれ!

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では高血圧を放っておくとどんなリスクがあるのでしょうか。血圧が高くなっていてもなかなか自覚症状は現れにくいものです。検査で高血圧だと指摘されないと気がつかないでしょう。

ただ高血圧いうのは、心臓が通常よりも高い圧力で血液を送り出している状態です。血管の壁には、その高い圧力がかかり続けていることになります。このようなことが長期間に及ぶと、心臓は疲れてしまいますし血管も傷ついてしまいます。

傷ついた血管に悪玉コレステロールが入り込むと動脈硬化となってしまいます。血管が詰まるために血液は流れにくくなり、ますます血圧は上がってしまいます。また血管が破れる危険性も出てきます。

具体的には高血圧によって以下のような合併症になってしまうリスクがあります。

心臓に関わる合併症

高血圧になると、心臓は通常よりもがんばって血液を送り出さなくてはいけません。そのために心臓の負担が増えています。

その負担に耐えようと心臓の壁が分厚くなる「心肥大」になることがあります。そしてがんばり続けることでオーバーワークとなり、「心不全」や「心停止」となってしまうこともあります。

また心臓に栄養を届ける大事な血管に問題が起き「狭心症」や「心筋梗塞」になってしまうこともあります。心臓のリズムが乱れる「不整脈」になってしまうこともあります。

脳に関わる合併症

高血圧によって傷ついた脳の血管に悪玉コレステロールが入り込むことで動脈硬化が起きます。それによって「脳出血」「くも膜下出血」「脳梗塞」が引き起こされることがあります。

高血圧に加えて糖尿病や脂質異常症があると、脳梗塞の危険性も高くなるとされます。

腎臓病

腎臓は血液をろ過して、体内で必要なくなった老廃物を尿として排泄する臓器です。細かい血管がたくさん集まってできているため、高い血圧がかかり続けると血管は傷ついていきます。

腎臓の血管が傷ついていても、自覚症状は現れにくいためなかなか気付きません。しかし一度傷ついた血管はもう再生することはありません。こうして、知らないうちにどんどん腎臓の機能は失われていくことになるのです。

逆に腎臓病が高血圧を引き起こすこともあります。そのためこのふたつの病気が重なることで悪循環となり、さらに症状が悪化していってしまいます。

腎臓病は自覚症状が出てからでは手遅れになっていることもあります。そうならないためには検査が大切です。特に尿検査でタンパク尿が出た場合には、必ず医師に相談するようにしてください。

目や足の血管へのリスク

高血圧は動脈硬化を引き起こします。それが目で起きてしまうと「眼底出血」となってしまうことがあります。

足に向かう血管で動脈硬化が起きると「閉塞性動脈硬化症」となります。少し歩いただけで足が痛くなってしまい、休みながらでないと歩けなくなります。そして進行するとじっとしていても痛みが出るようになります。

塩分制限のコツを紹介!少しずつでも継続が大切

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高血圧が続いていることで、全身には様々な問題が起こってきます。検査で血圧が高いと言われても痛みなどがあるわけでないため、ついつい自分は大丈夫と思ってしまうかも知れません。

しかし問題が起きてからでは遅いのです。そうなる前に、塩分を減らす食事にするなどできることをやっていってください。

現在、日本人の一日の平均塩分摂取量は

男性:11.3g
女性: 9.6g

とされます。国の定める塩分摂取の目標量は男性は1日に8g未満、女性は7g未満、そして高血圧患者の場合には、男女ともに1日6g未満が目標となっています。

少し厳しい目標値と感じられる方も多いかもしれませんが、減塩するためにこんな工夫をしてみてください。ただ最初からあまりがんばり過ぎることはありません。少しずつ慣らしていくとよいでしょう。

「かける」より「つける」

調味料は調理の時にかけたりして味付けするよりも、食卓で直接つけながら食べるほうが少量ですみます。またどれだけ使ったかということも意識できるようになるでしょう。

塩味以外をプラスする

全てが薄味のおかずでは、食事が楽しくなくなってしまうかもしれません。そのようなときには、塩味以外の味をプラスしてみましょう。

  • 辛味: 唐辛子、からし、わさび、豆板醤、ゆず胡椒など
  • 酸味: 酢、柑橘類の果汁など
  • 旨味: 昆布やかつお節のだしなど
  • コク: ごま油やバターやオリーブオイルなど
  • 香り: にんにく、生姜、青じそ、ハーブといった香味野菜やスパイスなど

これらの味がプラスされることで、料理にアクセントが出て食事の満足度も増すのではないでしょうか。

和食は意外と塩分が多い

和食はヘルシーだとして世界でも注目されていますが、実は塩分は多く使われています。健康のためにと和食メニューだけだと、意外と塩分を摂り過ぎてしまうかもしれません。

和食で使われる味噌やしょう油といった調味料にも塩分は含まれています。魚介加工品(塩鮭、塩辛、かまぼこ、魚肉ソーセージなど)にも塩分は含まれます。減塩の工夫をするようにしてください。

しょっぱくなくても塩分あり

漬け物や味噌汁などのような塩辛く感じるものでしたら、塩分のことを意識しながら食べることができるでしょう。でも実は、それほど塩辛く感じない食品にも塩分は使われています。

食パン、ベーグルなどを作る際にも使われますし、チーズなどにも含まれています。スポーツドリンクや野菜ジュースにも入っています。

食べる前に原材料の表示を見てみてください。意外なものにも含まれているかもしれません。「食塩」と書かれてなくても「ナトリウム」となっていることがあります。ナトリウム量を2.5倍すると塩分量になります。

塩分が含まれているから我慢して止めるというより、まずどのようなものにどのくらい塩分が含まれているかを意識してみるとよいかもしれません。

外食、テイクアウトなどには塩分が多く使われています。これらは少し控えたほうがよいでしょう。麺類などでは汁を残すようにしてみてください。

そして、カロリーの摂り過ぎにも気をつけましょうね。

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