健康生活TOP 高脂血症 酒粕の栄養でコレステロールが下がる!驚きの日本伝統食の効果効能

酒粕の栄養でコレステロールが下がる!驚きの日本伝統食の効果効能

酒粕

酒粕と言えば、粕汁や粕漬け、そのまま焼いて砂糖を振って食べても美味しいですし、アルコールが含まれるため子供には向かない甘酒の原料としても良いですね。しかしこれらはどこまで行っても食品原料としての甘酒です。

実は21世紀に入ってから、特に酒粕の機能性成分に注目が集まり、数々の研究が重ねられています。今後そうした研究から生み出された、成分を濃縮した機能性食品やサプリなども出てくるでしょうが、酒粕自体の優秀性に変わりはありません。

酒粕を上手に摂ることで、健康を増進できる部分について見て行きましょう。

酒粕は米と酵母と麹菌が集まった優れた栄養をもつ伝統食

日本酒などの清酒は酒米と水を原料にして、酵母と麹の微生物によって作られています。この時さまざまな化学反応が起こって美味しいお酒が出来上がります。

この時、発酵が終わったもろみから生酒を搾った後に残る酒粕にも、美味しくて様々な栄養素がたくさん含まれていて、清酒そのものよりもずっと身体の健康には美味しいのです。

酒粕が出来上がるまでを簡単に復習

清酒(日本酒)から見た場合、名前の通り酒粕は「搾りカス」ですが、栄養成分的に見た場合、液体の酒は「余分な液体成分」と言うことになってしまうかもしれません。こんなことを言ったらお酒が好きな人に叱られるかもしれませんね。

でも、それほど酒粕と言うのは素晴らしいものなのです。

もちろんたくさんの前処理がありますが、酒造りのメインステージは蒸したお米に麹菌を振り掛けて、でんぷんを糖化させるところから始まります。そして、その次に酵母を培養してたくさん増やします。

麹菌はアスペルギルス属の真菌、つまりカビの仲間です。コウジカビと言う呼び方をすることもあるので良く判りますね。これが米のでんぷんを糖に変えてアルコールの原料にしてくれます。さらに、精米時にわずかに残ったたんぱく質も分解します。

そして酵母の多くはサッカロミケス属の、やはりこれも真菌です。麹菌が作り出した糖分を栄養にして育ち、代謝物としてアルコールを出します。これがアルコール発酵ですね。

原料となったお米にはもちろん食物繊維も含まれていますし、さまざまな微量要素も入っています。こうしたものと、麹と酵母が集まったものが酒粕なのです。

酒粕には米や菌になかったものが含まれている

酵母や麹菌によってさまざまな代謝を受けた酒米は、もとの米の成分とは異なる物質が生まれています。その成分が私たちの身体に様々な良い働きをもたらしてくれるのです。

まず、米と言えば糖質ですが、お酒になる時に糖質が消費されてアルコールになっていますから、当然、普通のご飯よりは減っています。

また、本来酒造りに邪魔なたんぱく質も、酒粕には大量に含まれています。そして、ビタミン類も酒粕には多いものがあるのです。単純に比較すると水分量によって誤差が出るので、普通の白ご飯の水分量に換算して比較してみましょう。

栄養成分 酒粕 白ご飯
エネルギー(kcal) 193 168
糖質(g) 15.8 36.8
食物繊維(g) 4.4 0.3
たんぱく質(g) 12.7 2.5
脂質(g) 1.3 0.3
ビタミンB2(μg) 240 10
ビタミンB6(μg) 800 20
葉酸(μg) 145 3

この表は、酒粕100gを水分量60%になるように換算したものです。白ご飯の方は日本食品標準成分表で水分量60%となっていますので、そのまま掲載しました。

ご覧になってお分かりの通り、カロリーは酒粕の方が15%ほど高めですが、糖質は半分以下、ビタミンBの一部は数十倍レベルで酒粕の方が多くなっています。

ですので、あまり大量に食べたり、お砂糖を振ったりしない限り糖尿病の方でも安心して食べて頂ける食材だと言えるでしょう。ただ、アルコール分が8%程度含まれていますので、生ではビールよりは強いお酒だと思って食べて下さい。

もちろん加熱すればアルコール分は減りますが、お子さんも食べちゃダメですよ。

思ったより酒粕は糖質少なめですね。しかも100gもの酒粕を一度に食べることは少ないでしょう。甘酒にした場合だいたい20gくらいだと思います。でも、お砂糖がたくさん入るのでそこは注意して下さい。

発酵化学の先端企業による研究結果でわかる酒粕の健康効果

それが自然な流れであることは言うまでもないことかもしれませんが、酒粕のさまざまな効用については酒造メーカーが主体になって研究を行っています。でも、実はこれにはちょっとした秘密があるんですよ。

大手酒造メーカーは、現代では酒造りはもちろんですが、バイオテクノロジーを駆使した発酵化学の先端企業だと言っても良いでしょう。

一年中お酒が仕込めてコストも低く省エネにもなる醸造法

中小の酒蔵を含めたいくつかの酒造メーカーでは、コンピュータ制御によって発酵管理が行える「高温糖化法」や「高熱液化仕込み」と言う方法で日本酒などの清酒を作っています。

エネルギー回収の設備込みで設計される発酵装置を使ったこの醸造方法は、コスト面だけでなくエネルギー効率の面からも好ましい醸造方法です。

簡単に言うと、従来酒米を蒸して仕込み始めていた物を、最初に酒米をミキサーで砕いて酒造用水と混ぜ、一気に高温にして均一化してから、麹菌と酵母を使って発酵させると言う方法です。

米の選別からお酒の瓶詰までの工程の中で、昔ながらの酒造りと違うのは、原材料を液化してから発酵にかかると言う部分だけです。

基本的には、すべての工程で液体状のものを扱うため、ムラができず味も狙った味を作りやすいと言うメリットがあります。しかもしっかり温度管理ができるので一年中醸造が可能です。

酒造りの歴史や、お酒にロマンを求める人からは、あまりにも工業的だと言う批判もあるようですが、美味しいお酒が安価に作れると言うメリットは大きいと言えるでしょう。

産業廃棄物を減らすための研究が酒粕の秘密を解き明かした

ただ、こうしたメリット一杯の高温糖化法ですが、大きな欠点が一つあります。最初に液化してから仕込みを始めるため、酒粕の質が従来のものとは変わってしまうのです。。

この醸造方法でできた酒粕は麹成分やたんぱく質の含有量が非常に多い「イーストリッチ酒粕」と言う、食用にするにはあまり美味しくない酒粕になってしまうのです。

最初の内はやむなくこれを産業廃棄物として捨てていたようですが、これでは環境にもコスト的にも良くありません。そこで様々な研究が行われ、肥料や飼料にする道が拓かれました。

そして、飼料として栄養成分を調べていたところ、旧来の物を含めて、酒粕には非常に好ましい栄養成分があることが判ってきたのです。現在では、酒粕をさらにもう一段階乳酸発酵させて、機能性成分を抽出する方法などが研究されています。

この高温糖化法を最初に開発したのは伏見の大手酒造メーカー、月桂冠です。現在では日本で2番目の酒造会社ですね。一番は灘の白鶴酒造です。

しかし、月桂冠は発酵技術で医薬品や化粧品などを開発するなど、発酵バイオテクノロジーの研究では抜きんでています。バイオで有名と言えば、宝酒造もこの高温糖化法を利用した仕込みを行っていますね。

酒粕は良質のたんぱく源でありコレステロールの抑制に役立つ

最近ではレジスタントプロテインと言う、食物繊維のようなたんぱく質が注目されています。たんぱく質でありながら難消化性で、吸収されないから炭水化物である食物繊維の持っている働きが期待できる物質です。

しかし、健康バラエティやワイドショー的な番組で良く紹介されている「酒粕のレジスタントプロテインによる効果」と言うのは、いささか単純化され過ぎた説明であるような印象を受けます。

実際に動物実験では酒粕にはコレステロールを低下させる働きがあり、体内の脂質代謝に良い影響があるのは確かです。しかし、さらに良い効果があることについてはレジスタントプロテインだけでは説明できません。

酒粕のレジスタントプロテインは消化されるようになっている

お米には3種類のグループのたんぱく質が含まれています。ます、プロテインボディIIと言う物に、2種類の貯蔵たんぱく質が蓄えられます。そのうち、全たんぱく質の60%以上を占めるのがグルテリンと言う、「消化されるたんぱく質」です。

一方、プロテインボディIに蓄えられるのは非常に消化されにくいプロラミンと言うたんぱく質です。これはお米の全たんぱく質のうち、およそ20%を占めているとされています。

しかし、実際に動物実験でラットに投与したところ、消化吸収率は消化性たんぱく質で作った餌よりも5%ほど低いだけだったと言う結果が得られています。

酒粕のタンパク質は、ラットの成長試験に於ける見かけの消化率が86%とカゼインの91%に対してさほど低くなく、体重増加量にも差がなかったことから体内で利用されることが判明した。

これらのことから、酒粕中のタンパク質は、米の難消化性タンパクの濃縮物ではなく、醸造過程において米タンパクの高次構造が変化し、体内での消化酵素の作用を受けやすくなっていることが示唆された。

また、麹酵素により一部分解されたり、酵母タンパク質が加わることにより必須アミノ酸含量が変化したため、アミノ酸スコアが米より高くなっており栄養価も改善されていた。成人がタンパク源として利用する場合は酒粕のアミノ酸スコアは100となった。

(文字数と改行の関係で一部改編)

このように、酒粕に含まれるたんぱく質は、消化できなくて栄養にならないどころか、植物性にしては珍しくアミノ酸スコアが100になる、非常に優れた性質を持っていたことが判っているのです。

この研究では、先に紹介した高温糖化法による酒粕を用いていますが、昔ながらの酒粕でもたんぱく質の組成は変わりません。高温糖化法によるものの方が絶対量が多いと言うだけの差です。

しかし、カゼインと言う消化性たんぱく質よりも5%ほど消化率が低いところから見て、その分、あるいは100%との差に当たる14%ほどはレジスタントプロテインとして残っていたのかもしれませんね。

酒粕を食べるとコレステロールの状況が改善される

高コレステロールのエサをラットに与えると、成長が悪くなったのに対して、同時に酒粕を与えた群では成長が良かったと言う結果が得られています。何らかの形で高コレステロール食による害が緩和されたのでしょう。

また、酒粕を与えた群では、肝臓や血液中のコレステロール値の上昇が強く抑制されています。これは酒粕に多く含まれる食物繊維の影響も考えられます。

先に紹介したご飯との成分比較をご覧いただいても判る通り、食物繊維の占める割合はごはんの10倍以上にもなっていますし、100%玄米のご飯に比べても酒粕の食物繊維は3倍以上にもなっているのです。

食物繊維がコレステロール値を下げるメカニズムは、胆汁酸として消化液に含まれているコレステロールを、食物繊維が吸収してしまうことで再吸収を妨げることによるものです。これが一定の働きをしてくれたことは間違いありません。

植物性でアミノ酸スコアが100と言うのは驚異的です。これは麹や酵母の菌体が含まれていたり、発酵によってさまざまな化学反応が起こっているおかげなのでしょう。

酒粕のもつ肥満防止効果!善玉コレステロールを増やし悪玉を下げる

脂質の吸収を抑えるわけですから、余分なカロリーを摂らずに済みます。とてもシンプルな肥満抑制効果だと言えるでしょう。

酒粕の積極的利用法として、酒粕を乳酸菌で再発酵させて固形・粉末化した製品もありますが、これなどは胃で脂質を吸収してしまうと言う強力な肥満抑制効果があるようです。

そこまで凝ったものでなくとも、酒粕自体がもつ脂質抑制効果は、肥満を防止する優れた効果があると言えるでしょう。

酒粕は善玉コレステロールを増やす

具体的に酒粕のどの成分が有効なのかまでは分析されていませんが、酒粕を食べた実験動物はそうでない物に比べるとHDLコレステロール、いわゆる善玉コレステロールが増えることが判っています。

総コレステロールは下がっているので、いわゆる悪玉コレステロールはさらに下がっていると言うありがたい結果ですね。

この実験では、物質として特定はされていませんが、別の研究では食べるたんぱく質によって、apo A-I遺伝子の発現に変化が起き、アポリポたんぱく質A-Iを多く作るようになることが判っています。

アポリポたんぱく質A-IはHDLコレステロールのメインになるパーツです。ですので、こうした働きによって善玉コレステロールが増えている可能性があります。

要らない物は捨ててくれる酒粕

先の動物実験では、糞の中には予想されたほど胆汁酸は多く含まれていませんでした。つまり、コレステロール値を下げる働きはそれによるものだけでは説明がつかないのです。

さらに糞を分析すると、コレステロールとして排泄されている物がカゼインを餌にしたグループより多くなっていたことから、コレステロールそのものの吸収を抑える働きもあることが判りました。

そして、糞の中に含まれる脂質を調べると、カゼインを餌にしたグループよりはるかに多くなっていました。つまり、コレステロールだけではなく、中性脂肪も吸収しにくくなって排泄されていたと言うことです。

この他にも、メカニズムが明らかになったわけではありませんが、血液中だけではなく肝臓でのコレステロールも少なくなっていたことから、体内でコレステロールを合成する働きを抑制している可能性も示唆されています。

このように、余計な資質を吸収させないことで体内の脂質バランスを良い状態に保ち、肥満も防止してくれると言うわけなのです。

酒粕の持つ効果は、たんぱく質によるものが大きいことがここでも見て取れますね。炭水化物である食物繊維の働きと合わせて、非常に優れた食品だと言えるでしょう。

酒粕は一工夫するとさらに美味しい!上手に使うコツとおすすめレシピ

酒粕ジュース写真

酒粕自体は8%くらいのアルコールを含んでいますから、お酒が苦手な人や、アルコールを制限しないといけない人にはそのままでは口にすることができません。

しかし、比較的簡単にアルコールを飛ばしてしまうこともできますので、一工夫して酒粕を食卓に乗せましょう。

簡単便利な粕汁と万能な酒粕クリーム

酒粕のアルコール分は、水と合わせて沸騰させ、2~3分煮切ったら飛んで行ってくれます。そういう意味で冬場の定番料理、粕汁は便利ですね。

大さじ1杯のみりん、しょうゆ、みそにだしのもとを加え、鮭やお肉、根菜などが柔らかくなるまで煮込み、最後に150gくらい(お好みで)の酒粕を溶かしたら粕汁の完成です。

中には、粕汁にしてもお酒に香りやアルコールの残り香が気になると言う人もいます。そういう場合には、一晩おいて煮返せばOKです。

とは言え、真夏の粕汁とか、冬場でも毎日粕汁と言うと少々辛いものがあります。

そういう場合に便利なのは、酒粕で作った万能クリームです。酒粕を1.4倍くらいの水を入れて馴染ませ、甘味と酸味を好みで付けて加熱しながら練り上げるだけです。この加熱時間でアルコールを飛ばします。

出来上がったら冷蔵庫で冷やしておいて、ヨーグルトやジュースに入れて食べれば、毎日手軽に摂ることができます。

甘酒などの甘味はエリスリトールでも良い

例えば酒粕の甘酒を作ろうと思った時、どうしても砂糖が必要になりますね。でも、そうなると糖質が多すぎて毎日飲むにはためらわれると言う方も少なくないでしょう。

市販の合成甘味料を使ってももちろんOKですが、そうしたものも嫌だと言う方は、エリスリトールをお求めになればいいと思います。通販などでも良く売ってますよ。

普通、甘酒を作る時は酒粕の7割程度のお砂糖を入れて、酒粕の7~8倍程度の水に煮溶かします。一方、エリスリトールはお砂糖の7割ぐらいの甘味しかありませんので、酒粕と同量入れて作るとちょうどいいかと思います。

試してみて好みの甘さを探してください。エリスリトールもブドウ糖を発酵させて作っているので人工甘味料と言えば言えるのですが、リンゴやナシに含まれる甘味成分でもありますので、天然の甘味料を人工的に作っただけと考えて良いでしょう。

エリスリトールはカロリーゼロですし血糖値も上昇させません。しかもキシリトールなどの他の糖アルコールとは異なり、お腹が緩くなることもあまり起らない甘味料です。

夏場には少し多めに作って、冷蔵庫で冷やしておいても美味しいかもしれませんね。

酒粕は二つの菌による並行複発酵と言う過程を経た発酵食品です。ですので、プロバイオティクスとしての要素があると言う風に考えられるようになってきているようですね。
キャラクター紹介
ページ上部に戻る