健康生活TOP 多汗症 寝汗がこんなにひどいのは病気?異常な寝汗の原因9つとその対策とは

寝汗がこんなにひどいのは病気?異常な寝汗の原因9つとその対策とは

誰でも夜間の睡眠中には寝汗をかくものですが、パジャマや布団がびっしょり濡れるほど寝汗をかくのは少し心配ですね。もしかすると大量の寝汗は何らかの病気が原因で起こっているのかもしれません。

寝汗をたくさんかく病気とは?考えられる9つの原因と寝汗の特徴、対処法について説明いたします。

誰でもコップ1杯の寝汗をかくけれど…心配なのはどんな寝汗?

実は、誰でも一晩にコップ1杯分の寝汗をかいています。コップ1杯というとけっこう大量のように感じられますが、朝までには乾いてしまうため、朝起きた時にはたいていパジャマや寝具はサラッとしているのが普通です。

しかし、朝起きた時にパジャマや寝具が汗で濡れていたり、夜中に汗びっしょりで目が覚めたりするような場合は、異常な発汗の可能性も考えられるようになります。

なぜ寝ている間に汗をかくのでしょうか。

寝汗の役割

通常の寝汗の役割は2つあります。

ひとつは、起きている時にかく汗と同様に、体温の上昇を抑える目的の汗。寝室や布団の中の温度が高い場合、寝ている人の体温が高い場合には、汗を出して体の熱を排出させます。

もうひとつは、脳の温度を下げて睡眠を深くするための汗です。私達の体は、脳の温度(深部体温)を下げることで脳を休息させる仕組みになっているため、浅い眠り(ノンレム睡眠)から深い眠り(レム睡眠)に入ろうとする時に寝汗の量が増えます。

このように、寝汗自体は気持ち良く眠って1日の疲れをリセットするために必要な存在なのです。

あまり心配いらない寝汗の特徴

では、どのような体調の時に寝汗が増えるのかというと、皆さんも経験からご存知のように「発熱時」が第一に挙げられます。

風邪やインフルエンザで発熱している時には、何度もパジャマを着替えるほど汗が出ることもありますが、寝汗をかきながら寝ると、朝起きた時に熱が下がってスッキリすることもありますね。

このように寝汗をかいたとしてもその結果、体調がすっきり回復したならば、寝汗は熱を発散させるために起こった生理的な反応なので、問題はありません。

ウイルスを死滅させるために熱を上げたり、またそのために体温が上がり過ぎるのを防ごうとして汗が出ることは、体を危険から守るために必要なことだからです。

また、月経のある女性は生理前に、妊婦さんは妊娠初期に、いつもよりも体温が0.5℃くらい高くなり熱っぽくなるので、寝汗をかきやすくなります。

これは女性ホルモンの影響によるもので、体を妊娠に適した状態にするために高めの体温が持続しているのが理由です。また妊娠中は新陳代謝が高くなるので汗をかきやすくなり、自然と寝汗も増えます。

このように寝汗の理由がはっきり分かっていて、ずっと続くものでなければ、寝汗が増えてもあまり心配はいりません。

心配な寝汗の特徴と、そこに隠れる危険な原因

ただし、暑くもなく家族は誰も寝汗をかいていないのに、一人だけびっしょりと寝汗をかいている場合はちょっと心配です。

例えば次に挙げるような寝汗があれば、体に何か問題がある可能性も考えられます。

  • 急に大量のひどい寝汗をかくようになった
  • 原因の分からない寝汗が続く
  • 敷布団やマットレスに浸透するくらい寝汗の量が多い
  • 寝汗をかいて朝起きると、ぐったり疲れている

特に、朝からいきなりぐったり疲れているような寝汗は要注意。通常なら睡眠中に前日の疲れがリセットされ、1日の中でも朝が一番スッキリしているはずだからです。睡眠中の体調が原因で異常な寝汗をかいた可能性が高くなります

もし異常な寝汗をかいていたら、次に挙げるような病気が原因に考えられます。

寝汗を伴いやすい不調 すぐ受診したい病気
  • ストレス
  • 自律神経失調症
  • 更年期障害
  • 不眠症
  • バセドウ病
  • 結核
  • 肝機能低下
  • 関節リウマチ
  • 白血病

寝汗のほかに気になる症状がないか自分の体を観察し、必要に応じてすぐに専門科を受診してください。

次に寝汗の原因となる不調や病気について詳しく説明していきます。寝汗のかき方もそれぞれ少しずつ違うようですよ。

続く場合は要注意!寝汗の原因で最も多い「ストレス」

寝汗の原因で多いのがストレスです。ストレスによって睡眠中に交感神経が興奮しているために発汗が促進され、寝汗が増えてしまいます。

自律神経には日中に優位にはたらく交感神経と夜間に優位にはたらく副交感神経があり、それぞれがシーソーのようにバランスを取りあいながら体の機能を調整しています。

交感神経は心身を活動モードにし、副交感神経をリラックスモードに切り替えますが、ストレスを感じると交感神経が活発にはたらくため、ストレスが強いと夜間でも交感神経が興奮したままになってしまいます。

交感神経には発汗を促進する作用があるため、ストレスを抱えている人は寝汗が多くなってしまうのです。

ストレスによる寝汗の症状

精神的なストレスを感じて交感神経が興奮していると、寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めてしまったりすることもあります。

交感神経には、ドーパミンやノルアドレナリンなど覚醒作用を持つ神経伝達物質を増やす作用があるためです。

ストレスによる寝汗の対策

日中に嫌なことがあったためにその日の晩ストレスで寝汗をかくのは、それほど珍しいことではありません。睡眠をとったことで前日のストレスが軽減されていれば、神経質にならなくても大丈夫でしょう。

しかし慢性的なストレスのせいで寝汗や嫌な夢を伴うような睡眠が長く続くならば、ストレスの原因となる問題の解決を優先し、安心して気持ち良く眠れるように努める必要があります。

「ストレスは万病のもと」と言われるように、慢性的なストレスはストレスに対抗する力を低下させ、さまざまな病気にかかりやすくしてしまうので放置は禁物。自分なりのストレス解消法を見つけ、ストレスの蓄積を防いでくださいね。

体温調節機能が低下して寝汗が増えてしまう「自律神経失調症」

女性を中心に現代人に増えているのが「自律神経失調症」です。自律神経失調症は、不規則な生活習慣やストレスによって自律神経のバランスが乱れ、体のさまざまな機能が低下してしまう病気です。

自律神経のバランスが乱れると、自律神経が司る体温調節機能も乱れ、暑くないのに寝汗をかきやすくなってしまいます。

自律神経失調症の症状

自律神経失調症の特徴は、検査をしても原因が見つからないのに、全身にそれぞれ関連性のない症状が次々と出てくるところです。寝汗のほかには、主に次のような症状がみられます。

  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 下痢・便秘
  • めまい
  • 動悸
  • 手足のしびれ
  • 微熱
  • イライラ
  • 不眠

など

自律神経のバランスが乱れていると睡眠リズムも不規則になりやすいため、睡眠の面では、寝汗に伴って寝つきが悪くなったり朝はスッキリ起きられなくなったりと、睡眠の質が下がった感じがするのも特徴です。

自律神経失調症による寝汗の対策

「寝汗をかきやすくなって体の調子もいまひとつだな」と感じたら、まず自律神経のバランスが乱れている可能性を考え、規則正しい生活を心がけて自律神経のバランスを整えるように努めましょう。

自律神経は自分の意志で直接コントロールできませんが、たとえば緊張した瞬間には交感神経によって心臓がドキドキしたり手汗をかいたりと、瞬時に体にさまざまな反応を起こします。このようにデリケートな機能なので、日頃から自律神経の機能を高めておくことも大切です。

自律神経の機能を高めるには、

  • 日中はテキパキと行動し夜はリラックスして過ごし、生活にメリハリを作る
  • 有酸素運動(ジョギング・ウォーキングなど)をして血行を促進させる
  • 腹式呼吸を行って副交感神経のはたらきを優位に導く
  • ストレッチ・ヨガをする

といった対策が有効です。

交感神経と副交感神経のどちらかが怠けることなく均衡を保ってはたらくことが理想ですが、私達はどちらかというとストレスによって交感神経に傾きやすいため、リラックスモードの副交感神経が優位にはたらくように努めると良いでしょう。

特にヨガやストレッチには細胞に血液を送り込んで全身の機能を高め、副交感神経が優位にはたらきやすくする効果が大きいと言われます。

自律神経失調症はちょっとしたことでかかりやすい病気ですが、体に器質的な原因はないため、セルフケアで改善することもそれほど難しくない病気です。

寝汗に気付いたら、規則正しい生活を心がけると同時に、ストレスを解消したり気持ち良く眠れる環境を整える工夫を行なうだけで改善がみられます。

ただし、なんとなくスッキリしない不調が2か月以上続く場合は、内科または心療内科を受診して専門治療を受けることをおすすめします。

のぼせや寝汗が特徴!多くの40~50代が経験する「更年期障害」

女性で、40代後半に入ってから急に寝汗をよくかくようになったら、その寝汗は更年期障害の代表的な症状のひとつ「血管運動神経症状」が考えられます。

更年期障害は皆さんもよくご存知の通り、更年期と呼ばれる40代後半~50代に起こる心身の不調のことです。

原因は、50歳過ぎに訪れる閉経に向けて女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、それまで女性ホルモンによって維持されていた体の様々な機能が低下してしまうことです。

女性ホルモンが減少すると自律神経のバランスが乱れ、特に体温調節機能がスムーズにはたらかなくなって冷え、のぼせ、ほてりといった血管運動神経症状が起こりやすくなります。

更年期障害の症状

女性は若い時からホルモンの変動によって、ちょっとした不調が起こりやすいものですが、40代に入って体調に次のような変化がみられたら、その不調は更年期障害が原因の可能性が高くなります。

  • 生理の間隔が短くなったり、周期がバラバラになったりしてきた
  • 生理がすぐに終わったり経血量が少なくなったりしてきた
  • 体のあちこちに自律神経失調症のような症状が次々と出ては消えていく
  • のぼせや発汗が起こりやすい割に手足は冷えやすい
  • 理由もなくイライラしたり気分が沈んだりする

また、更年期障害に頻繁にみられる症状として、最も多い順から次のような症状が挙げられています。

  1. 肩こり
  2. 疲れやすい
  3. 頭痛
  4. のぼせ
  5. 腰痛
  6. 汗をかく
  7. 不眠
  8. イライラ
  9. 皮膚掻痒感
  10. 動悸

(参照…日本産科婦人科学会雑誌「生殖・内分泌委員会報告 : 更年期障害に関する一般女性へのアンケート調査」廣井正彦報告)

特に更年期障害では、急にカーッとのぼせたり「ホットフラッシュ」と呼ばれる顔ののぼせが起こりやすいのが特徴です。

気温や時間帯に関係なく汗をかきやすくなるので、人によっては夜間に大量の寝汗をかくこともあります。また、のぼせるのは首から上でも寝汗は下半身にかきやすい人も意外と多いようです。

更年期障害の対処法

更年期にさしかかり、さまざまな不調が起こりやすくなったら女性ホルモンのバランスが整うように規則正しい生活を心がけましょう。

症状が軽い場合は市販の漢方薬(小林製薬「命の母A」やタケダ「ルビーナ」など)を試してみるのも良いですが、症状が辛い場合には我慢しないで婦人科で治療を受けることをおすすめします。

更年期障害の治療はホルモン療法が中心です。不足しているエストロゲン(女性ホルモン)を補い、ホルモン不足で起こる不調を軽減させます。

特にホルモン療法は、血管運動神経症状の軽減によく効くので、寝汗や日中の汗で悩んでいる人は婦人科に相談してみると良いでしょう。

更年期症状を気にし過ぎると、ストレスが増えかえって自律神経やホルモンのバランスが乱れやすくなるので、趣味やストレス発散法を見つけ更年期をしなやかに乗り越えましょう。

睡眠リズムの乱れに注意!意外に寝汗をかきやすい「不眠症」

不眠症でもびっしょりと寝汗をかく場合があります。その理由は次の2つです。

  • 交感神経が優位にはたらいているために発汗する
  • 不眠症のために汗を多くかく時間帯に目が覚めてしまう

まず、不眠症の人は就寝時に深部体温が十分に下がっていないため、寝つけなくなるほか、睡眠中もレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが悪くなりがちです。体温調節がスムーズに行なわれないため睡眠中に汗をかいてしまう場合があります。

また、寝つけないのはストレスによって交感神経が興奮しているためで、夜間も交感神経が有意にはたらいて過剰な汗をかいてしまう場合があります。

さらに不眠症の人は覚醒しやすいので、ノンレム睡眠からレム睡眠に切り替わろうとして大量に発汗し脳の温度を下げる時に偶然目が覚めてしまうと、大量の寝汗にビックリしてしまうことになるのです。

不眠症の症状

寝汗のほか、次のような不眠症の症状を伴います。

  • 布団には入ってもなかなか眠れない
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 早朝に目が覚めてしまう
  • 日中に眠くて仕方ない
  • 日中に倦怠感や集中力の低下がみられる

不眠症による寝汗の対策

睡眠のリズムを整えてぐっすり眠ることで、夜間の発汗を抑えることができます。

自律神経のバランスや睡眠リズムを整えるため、日中は活動量を増やして夜はリラックスタイムを設け、メリハリのある生活を送るように心がけましょう。

また不眠症の人は体内時計が狂って夜になっても自然な眠気が訪れにくくなっている場合が多いので、体内時計を正常に導くホルモン「セロトニン」と「メラトニン」を増やすため、次の対策を行いましょう。

  • 毎日、一定のリズムを刻む運動15分以上行ってセロトニンの分泌を促進させる
  • 夕方に有酸素運動を30分程度行って自然な眠気を促進させる
  • 早起きして朝日を浴び、メラトニンの分泌を促進させる
  • 就寝の2時間前にぬる目のお風呂につかり、副交感神経を優位にする

ただし睡眠に満足できない状態が続く場合は「睡眠障害」の専門科がある病院を受診して治療を受けることをおすすめします。

睡眠障害の専門科が近くに見つからない場合は、かかりつけ医または心療内科か精神科を受診すると良いでしょう。

寝酒は睡眠を浅くしたり寝汗を増やしたりするので控えましょう。市販の睡眠導入剤は一時的な不眠にはおすすめですが、慢性的な不眠症には適していません。

どうしても眠れない場合は病院で薬を処方してもらうのが一番です。

20~50代の女性に好発!首の腫れも特徴の「バセドウ病」

首が腫れてパジャマがびっしょり濡れるほど寝汗をよくかくようになったら「バセドウ病」を疑う必要があります。バセドウ病とは、首にある甲状腺から「甲状腺ホルモン」が過剰に分泌されるために起こる病気です。

甲状腺ホルモンには新陳代謝を促進させる作用があります。そのためバセドウ病を発症すると、甲状腺ホルモンの分泌によって新陳代謝が活発になり過ぎ、エネルギーの消耗が激しくなってしまいます。

バセドウ病を発症すると、何もしていなくても運動している時のようにエネルギーを消耗するため、体温が上がって汗をかきやすくなったり疲れやすくなったりしてしまうのです。

バセドウ病の原因は、免疫システムの異常なはたらきです。外部から侵入した異物を攻撃して病気から身を守るはずの免疫が、攻撃先を自分の体に向けてしまうために起こります。

1000人に2~6人の割合で発症し、男性より女性に5倍多く見られます。

バセドウ病の症状

20~50代の女性にみられやすく自律神経失調症や更年期障害と間違えられることもありますが、甲状腺腫(甲状腺の腫れ)や新陳代謝の亢進といった特有の症状で見分けることができます。寝汗は甲状腺のある首まわりにかきやすいとも言われます。

  • 疲れやすい
  • 動悸・頻脈
  • 甲状腺が腫れる
  • 手指が震える
  • 汗をよくかく
  • 暑がる
  • 痩せる
  • 皮膚のかゆみ
  • イライラしやすくなったり落ち着きがなくなったりする

エネルギーの消耗が激しいため、きちんと食事をしていても体重が急激に減ってしまうこともあります。

バセドウ病の特徴としてよく知られる症状に「眼球の突出」もありますが、全ての人にみられるわけではなく、眼球の突出がみられるのは全体の3割程度です。一方、首の腫れはほとんどの人に見られ、バセドウ病かどうか判断する目安になります。

バセドウ病の対処法

寝汗に伴ってバセドウ病と思われる症状がみられたら、内科か内分泌科を受診してください。ピンとこない場合は、かかりつけ医または眼科や皮膚科など症状に応じた専門科に相談すると良いでしょう。

病院で血液検査をして、血液中の甲状腺ホルモン値濃度が高ければバセドウ病と診断されます。

治療では、甲状腺ホルモンの分泌を抑制するため、抗甲状腺薬やアイソトープ(放射線ヨウ素)を投与して、甲状腺ホルモン値の濃度を正常範囲におさめます。また手術で甲状腺を摘出することもあります。

バセドウ病は自然に治る病気ではないため、発症後は必ず治療を続けなければなりません。

もし適切な治療を行なわずに放置すると、心臓病、高血糖、骨粗しょう症などの合併症を起こして苦しむことになってしまうおそれがあります。ただし適切な治療をしていれば症状を抑制することができ、予後も良好です。

風邪のような症状に注意!若い人に再流行している「結核」

風邪のような症状が続いてひどい寝汗が気になる場合は、風邪以外の病気を疑ったほうが良いかもしれません。例えば、結核もそのひとつに考えられます。

過去の病気と思われた結核が今また若い人の間で流行していることは、皆さんもご存知ではないかと思います。

2009年に女性のお笑い芸人が結核に感染したというニュースも衝撃的でした。厚生労働省によると、2015年には結核発生届が24,995件あったとのことです。

結核は、結核菌に感染して発症する肺の病気です。発症した人の咳などから空気感染でうつります。感染してもすぐに発症するわけではなく、数年経ってから発症することもあります。保菌者は発症しない限り、他人に菌をうつすこともありません。

結核の症状

結核が発症すると肺の症状がみられるようになります。また発熱して、とにかく寝汗がよく出るようになると言われます。汗は健康な人の汗と違ってアンモニア臭がすることもあります。

次のような症状があればすぐ受診してください。

  • 咳、微熱など風邪に似た症状が2週間以上続く
  • 寝汗をよくかく
  • 疲れやすくなる
  • 食欲不振になる
  • 痩せる

症状が進行すると、血痰や息切れが起こるようになります。できれば進行する前に結核を発見しましょう。

結核の対処法

結核は放置によって進行すると、肺以外の臓器に症状が及んで重篤な状態に陥るおそれがあります。また、2類感染症に分類され、医師から保健所へ届け出をすることが義務づけられている病気です。

結核が疑わしい場合は、すぐ最寄りの保健所に相談して、結核の診察を行っている医療機関を案内してもらいましょう。ピンと来ない場合はかかりつけ医に相談してください。

感染しているかどうかは血液検査やツベルクリン反応検査で、発病しているかどうかは痰の中の菌を調べる検査やX線検査で調べます。

治療は抗菌薬による化学療法が中心です。内服薬は半年くらい服用する必要があります。入院期間は約2ヶ月です。

「結核患者は隔離される」というイメージがあるかもしれませんが、隔離入院が必要なのは痰の中に菌が排出されている場合で、菌を排出していなければ通院治療も可能となります。

医師の指示通りに適切な治療を行えばきちんと治る病気です。ただし途中で薬の服用をやめてしまうと結核菌に耐性ができて薬が効かなくなってしまうので、最後までしっかり治療することが大切です。

戦前は死因の第1位に上がる怖い病気でしたが、現在は医療の進歩によって予防接種や適切な治療で結核から身を守ることができるようになってきています。

関節のこわばりと寝汗で気づいて!更年期に多い「関節リウマチ」

寝汗に関節の痛みやこわばりを伴う場合は、関節リウマチの疑いも考えられます。関節リウマチは自己免疫の異常で起こる病気で、約3割は発症して1~2年で症状がなくなりますが、残りの約7割は進行していきます。

原因ははっきり分かっていませんが、遺伝、ウイルス感染などが関係していると言われます。自己免疫の異常で起こる橋本病、シェーグレン症候群と合併して起こりやすいのが特徴です。

人口の1%にみられ、患者は男性より女性のほうが3倍多くなっています。

関節リウマチの症状

関節リウマチは関節の症状のほか、血管に炎症が起こって発熱し汗をたくさんかくようになる点も大きな特徴です。

ただし30~50代の女性に好発し、初期症状は自律神経失調症や更年期障害に似ていることから、最初から関節リウマチと気付かれることは多くありません。もし次のような症状があれば、関節リウマチも疑ってみたほうが良いでしょう。

  • 朝に関節がこわばる
  • 疲れやすい
  • 体が重く感じる
  • 微熱が出る
  • 汗をよくかく
  • 食欲不振になる
  • 体重が減少する
  • 貧血になる

関節リウマチが進行すると、関節が変形したり動かせなくなったりします。血管の炎症による合併症として皮膚の潰瘍、心筋炎などが起こりやすくなるので、適切な治療で症状をコントロールしていく必要があります。

関節リウマチの対処法

関節リウマチが疑われる場合は、リウマチの専門医がいる病院を受診します。リウマチの専門医はリウマチ科のほか、整形外科や内科にいる場合があります。

関節リウマチは、所見や血液検査の結果で診断することができます。治療は薬物療法が中心で、抗リウマチ剤やステロイド剤など進行を抑えたり痛みをやわらげたりする薬が組み合わせて処方されます。

体に負担をかけない規則正しい生活を心がけ、関節のこわばりの悪化を防ぐために無理のないリハビリテーションを行ないながら、症状をコントロールしていきます。

以前は「進行性で治らない病気」と思われていましたが、効果の高い抗リウマチ剤が出てきており、進行せずに快適に過ごせるようになった患者さんも増えてきているんですよ。

命にかかわる!ひどいだるさとあざ、出血があれば「白血病」かも

毎晩のようにぐっしょりと寝汗をかき、起きた時にぐったりと疲れている場合は要注意。

このような後味の悪い寝汗は、今回紹介している病気の中で最も命に関わりやすい「白血病」の前兆でもあるためです。

白血病は、骨髄の中にある「造血幹細胞」にがんが発生する病気です。造血幹細胞は血液中の白血球・赤血球・血小板を作るところなので、白血病は俗に「血液のがん」とも呼ばれています。

白血病は、ドラマなどから死のイメージが強い病気ですが、短期間で死に至りやすいのは「急性白血病」のほうで「慢性白血病」は進行が緩やかで薬によって長期生存が可能になってきています。

白血病の罹患率は10万人に数名とそれほど高くはありませんが、もしも「急性骨髄性白血病」を発症すると、数週間から数ヶ月で死に至ることがあるので、疑わしい症状があれば一刻も早く受診しなければなりません。

白血病の症状

急性白血病と慢性白血病、また骨髄性とリンパ性では少しずつ症状も異なりますが、白血病を発症すると白血球・赤血球・血小板の数が異常になるため、共通して血液に関する症状が起こりやすくなります。また倦怠感と寝汗がひどいのも特徴です。

  • 倦怠感が強い
  • 出血が止まりにくくなる
  • 心当たりのない紫斑(青あざ)ができやすくなる
  • 微熱が続く
  • 寝汗がひどくなる
  • 感染症にかかりやすくなる
  • 体重が減少する
  • リンパが張れる

がん化した細胞は転移しやすく、進行すると骨や関節の痛み、腹痛、頭痛など全身の症状を引き起こすようになります。

白血病の対処法

慢性白血病は無症状の状態が長く、検診の血液検査で初めて発覚することもあります。白血病が疑われる場合は血液内科またはかかりつけ医を受診しましょう。

血液検査で疑わしい場合はさらに骨髄穿刺(骨髄に針を刺して骨髄液を採取する)を行なうことで白血病と特定することができます。

治療は抗がん剤を用いた化学療法が中心で、骨髄移植を行なうとさらに生存率が高くなります。抗がん剤は副作用が強いのですが白血病には効きやすく、さらに近年はなるべく副作用を抑えながらよく効くタイプの抗がん剤も出てきています。

紫斑や歯茎からの出血、鼻血も「おかしいな」と思う初期症状のひとつです。これらの症状が起こったら放置しないで、進行する前に受診してくださいね。

寝室の環境を整えることも大切!そして嫌な寝汗は見逃さない

今回紹介した病気の中には、寝汗と一見関係がなさそうな大きな病気もありました。

しかし寝汗のほとんどは、寝室や布団が暑いために出ている自然な汗です。寝汗が気になるようなら布団・毛布・ベッドパッドや寝室の温度が暑すぎないか原因を探し、その季節に合った環境を整えましょう。

それでも家族の中で一人だけ過剰に汗をかいていたら、それはやはり何か体に問題がある可能性が高いので注意が必要です。病気でかく寝汗は疲労を伴うため、寝起きには直感的に嫌な予感がするかもしれません。その場合は迷わず受診してくださいね。

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