健康生活TOP 病院 もうすぐ定年退職の貴方へ…健康保険のことを考えていますか?

もうすぐ定年退職の貴方へ…健康保険のことを考えていますか?

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日本人で会社勤めをしている人に必ず訪れるのが定年退職です。昔は定年退職と言えば「55歳」でしたが、国の方針もあり現在では「60歳~65歳」となっています。

昔から定年退職は仕事を勤め上げた証であり、「おめでとう」「お疲れさまでした」「長年ありがとう」などとお祝いムード一色となります。

退職する当人も定年退職の1ヶ月前くらいから、何となくソワソワして仕事にも集中できません。また定年退職前には挨拶や引継ぎなど仕事以外の雑用も多くなるのです。

しかし、定年退職はこれまでの生活を一新してしまうビッグイベントです。ちゃんと考えていますか?

定年退職前にこれからの健康維持を考えよう

現在の定年退職は60歳~65歳とされていますが、この頃になると何かと身体の調子が悪い場合もありそうです。定年退職を迎える前には、これからの健康維持を真剣に考えた方が良いかも知れません。

寿命と健康寿命の違いを理解しましょう

日本は平均寿命ランキングが世界一で、男女平均では84歳となっています。男女別で見ると

  • 男性・・・80歳
  • 女性・・・87歳

となっており、世界平均の71歳と比較すると10歳以上も長生きな民族とも言えるでしょう。

しかし、平均寿命は寝たきりの人も含まれる統計であって、近年では健康寿命を重視する傾向にあります。

健康寿命とは健康状態に問題がなく、日常生活を普通に過ごせる状態を言います。家族のサポートや介護を必要としない状態であり、自分で自分のことができることが健康と言えます。

平均寿命と健康寿命に差が出るのは仕方がないことですが、その差が長くなると言うことはそれだけ「寝たきり」「介護期間」が長くなることを意味しています。

日本の健康寿命は

  • 男性・・・71歳
  • 女性・・・74歳

と言われています。平均寿命と見比べると男性は9年、女性では13年もの間、身体が不自由な状態が続くのが現実ではないでしょうか?

定年退職したら直ぐに健康寿命が終わる

国の方針により定年退職の年齢が引き上げられています。これは平均寿命が延びたこともありますが、公的年金や健康保険制度の財源確保の目的も見え隠れしています。

しかし、男性が65歳で定年退職したら健康寿命の71歳まで、僅かに6年しかありません。大人になって40年以上も働いて、6年間自由に過ごしたら身体を壊すなんて寂しい限りだと思いませんか?

しかし、これが現在の日本の現実であり、本当の姿なのです。この健康寿命を少しでも延ばすことに大切なこと、定年退職の前にこれからの健康保険について真剣に考えてみましょう。

日本が誇る「国民皆保険制度」で老後も安心

日本の社会保障制度に不満がある人も多いと思いますが、「公的健康保険制度」は世界に誇れる制度です。これは「国民皆保険制度」と呼ばれており、国民全員が健康保険に加入することを義務づけているのです。

この制度によって病気になって治療を受けても、自己負担が1割~3割(高齢者以外は3割負担)で済むことになります。10万円の治療を受けても3万円で済むのです。

この制度のおかげで我々は安心して病院へ行くこともでき、また貧富の差がない治療を受けることも当たり前のこととして感じています。それは定年退職を迎えても何ら変わらないでしょう。

特に定年退職を迎える年代になると、体力も低下してしまいます。そうなると今まで病気と縁がなかった人でも身体の不調を感じることが多くなります。そうなると定年退職後の健康を維持するためには、病気の早期発見と治療が必須です。

そしてそれを行うためには、公的健康保険が最も大切だと言えるでしょう。

健康を維持するためには健康保険を考えよう

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定年退職してからの健康を維持すためには、運動による体力増進やストレス発散は大切なものです。しかし、どんなに身体を鍛えても年齢には勝てないのが世の中の常です。

まずは病気にかかった場合の治療を念頭に入れる必要があるのではないでしょうか?

定年退職時にはこれからの健康保険を選択して

定年退職を迎える前の数ヶ月は何かと忙しい日々を過ごすと思います。仕事の引継ぎ、取引先への挨拶、飲み会などですが、何よりも大切なことを忘れてはいけません。

それがこれから加入する「公的健康保険」の選択なのです。

実は在籍していた会社を退職することで、今まで加入していた公的健康保険も変更する必要が出てきます。実際にはいくつかの選択肢を選ばなくてはいけないのですが、安易に考えると損をするケースもあるから要注意です。

退職した後に加入できる公的健康保険の選択肢は4つあります。

  1. 自治体が運営する国民健康保険に加入する
  2. 配偶者など家族の扶養となって家族の健康保険に加入する
  3. 任意継続被保険者となって現在の健康保険に留まる
  4. 制度が適用されれば特例退職被保険者制度を適用する

退職した後の収入や生活を鑑みた上で、これらの中から自分に合った公的健康保険を選ぶ必要があります。それではこれらを詳しく紹介しましょう。

前年の収入が多い人は要注意の国民健康保険

会社を退職して加入する公的健康保険としては最もポピュラーなのが「国民健康保険」です。国民健康保険は各自治体が運営している「保険組合」等で運営している公的健康保険です。

一般的には

  • 自営業や家族
  • 生活保護世帯
  • 会社の社会保険に加入していない人

など、他の健康保険に加入していない人が加入しなくてはなりません。

国民健康保険の特徴は運営が各自治体であり、保険料の計算も各自治体で違いがあることです。要は同じ収入であっても加入している国民健康保険で、保険料に違いが出るのです。

「保険料に差があると言っても僅かの差でしょう!」って思っている貴方。実は驚愕の事実がここに隠れています。

例えば全国の「一人あたりの標準化保険料算定額」を見てみると、一番高いのが「沖縄県多良間村:172145円」であり、最低は「東京都青ヶ島村:40931円」となります。

要は同じ所得があっても国民健康保険の保険料に13万円以上の差があるのです。これは地方の村の話ではなく、「北海道函館市:143517円」「千葉県浦安市:64940円」と都市部においても、約8万円の違いが出ています。

住んでいるエリアによって所得が同じでも、保険料に3倍以上の差が出てくると言う訳です。その意味からも自分の住んでいるエリアの国民健康保険料を調べることは、やっておきたい項目です。

また国民健康保険で注意したいのが、その算定基準として前年の所得が使用されます。定年退職を向かえて無収入になっても、翌年の国民健康保険の算定には前年の所得を使用します。

退職前に年収500万円あった人は、定年退職して所得が0になっても翌年は500万円の所得で計算された保険料が請求されるのです。定年退職前の所得が多い人は事前に保険料の概算を算出し、心構えをしておきましょう。

国民健康保険の不平等は解決に時間がかかる

住んでいる自治体で国民健康保険料に最大で3倍以上の差があることは、国や厚生労働省も問題視しています。その不平等の原因としては人口と税収が上げられていますが、バブル期の放漫運営の後遺症との指摘もあります。

現在、市町村単位で運営している国民健康保険を県単位にして、不平等を改善させる対策が進められています。しかし、これが現実化されても都道府県単位での不平等は残りますので、まだまだ課題はありそうです。

また、移行される時期もはっきりと確定しておらず、暫くは今の運営が続きそうです。定年退職時に国民健康保険の仕組みがどうなっているのかも注視する必要がありそうです。

配偶者や家族の健康保険に扶養として入る

定年退職を迎える時点で、同居の配偶者や子供が会社の健康保険に加入している場合、その被扶養者として加入できる場合があります。

そうなると自分の保険料を家族が勤務している会社が一部負担してくれるので、最も安くお得に公的健康保険に加入することができます。しかし、被扶養者になるにはいくつかの条件があるようです。

  • 年収が180万円未満である(60歳以上の場合)
  • 扶養する人(被保険者:配偶者、子供)の年収の半分未満である
  • 扶養が2ヶ月以上である
  • 定年退職の翌日から20日以内に手続きを行う
  • その他

この条件はあくまで例であり、実際には健康保険の運営団体によって様々な条件を付けられている場合があります。また、定年退職者の扶養を嫌がる運営団体もあることから、「加入できればラッキー」くらいに思って丁度良いかも知れません。

これからもヨロシク!本命はやはり任意継続

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「任意継続被保険者」とは今まで加入していた会社の健康保険にそのまま加入する方法です。

この制度は「退職後に最大で2年間、もとの会社の健康保険に継続加入できる制度」で、この制度を利用することで現役時代と同じサービスが最大2年間受けられます。

この制度を利用する条件は以下の2点です。

  • 退職日の翌日から20日以内に申請する
  • 2ヶ月以上被保険者として加入する

任意継続被保険者となると保険運用団体が行っているサービスを、定年退職前と同じく利用できることが最大のメリットです。「健康診断」「医薬品配布」などが現役当時と同じく利用できるのですから、お得な感じがしますよね。

しかし、健康保険料には注意が必要かも知れません。定年退職前の保険料は労使折半であり、会社が半分を支払っていました。定年退職後は全てを自分で払う必要がり、保険料が上がるケースがあるのです。

保険料の算出は

  • 退職時点の月額報酬
  • 全被保険者の平均月額報酬

の低いほうで算出されます。実際には全被保険者の平均月額報酬の方が低くなることが多いため、健康保険料も高額になることは少ないようです。

加入期間が終了した時点で国民健康保険へ移行する必要がありますが、その時点では前年の所得が激減しまうので保険料にビックリすることもないでしょう。

また国民健康保険の制度も2017年を目処に改革を予定されているので、様子を見る意味でも任意継続は良い選択だと思います。

国民健康保険に移行した場合の保険料の差をよく検討して選ぶようにしましょう。

特例退職被保険者制度は大会社の特権か?

特例退職被保険者制度は厚生労働大臣の許可を受けた健康保険組合が運営する制度です。日本の中に保険運用団体の中から約70団体がこの制度を取りえています。

この制度では任意継続と違い、2年間で加入期間が終わるのでなく、後期高齢者医療制度に移行するまで加入することになります。

一度加入すると自由に国民健康保険には移れないので、加入前に十分検討することも重要です。保険料の算定は現役の被保険者の平均で決められることが多いようで、実際の所得は関係がありません。

この制度は各健康保険組合の負担が大きく、現在では限られた企業でのみ取り入れられています。自分の会社がこの制度を取り入れているのかを、定年退職前に調べておきましょう。

迷ったらまずは任意継続を柱で検討しよう!

定年退職前に色々と忙しいのは解りますが、これらの健康保険の移行は退職後の翌日から20日以内となっていることが多いようです。実際には20日間の間も無保険にはなれないので、定年退職前(退職時)には健康保険の手続きを行うことになります。

そこで迷ったら「任意継続」をオススメします。任意継続であれば急激な保険料の増額もなく、今まで通りのサービスを受けることが可能です。また、急に会社との縁がきれることもないので、安心感も生まれるのではないでしょうか?

定年退職を迎えた翌年は任意継続の方が、健康保険料が安くなるケースが多いのですが、居住エリアによって2年目以降は国民健康保険の方が安くなる可能性もあります。

とりあえず翌年は任意継続にして、2年目をどうするのかはじっくり検討するのが良さそうですね。

民間の健康保険を見直すタイミング

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公的健康保険以外に民間の医療保険に加入している人も多いと思います。現役時代は病気になって収入が減ったり、家計に負担が生じたりしないように加入しているのですが、定年退職した後の必要性には疑問が生じてしまいます。

特に年金の受給を受け始める世代では、収入が減少することはありません。従って最低限必要な医療保険に留めるほうが良いでしょう。

例えば

  • 今まで日額3万円の入院保険を1万円にする
  • 3口入っていたガン保険を1口に減らす
  • 終身保険以外の定期保険を解約する

などの見直しが有効です。配偶者や家族とよく相談をして必要のない民間保険を見直しましょう。

定年退職は人生のビッグイベントと知れ

何となく定年退職を迎えて、何となく過ごすことも問題なくできるでしょう。しかし、これからリタイヤ生活に入るにしても、まだまだ仕事を行うにしても、定年退職は人生の岐路でありビッグイベントです。

これから少しでも健康寿命を延ばして楽しい老後を迎えるかは、このビッグイベントをどう活用するかが鍵ではないでしょうか?

健康保険を考えることは、定年退職後の健康維持と生活習慣を考えるきっかけになるのです。無駄にしないで楽しいリタイヤ生活を送って下さいね。

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