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一滴の血でがんが見つかるマイクロRNAで辛い検査とサラバ

patients and doctors to shake hands

人が死亡する原因には事故であったり病気であったりと様々な理由があります。でも近年感じることとして「老衰」が原因で死亡する話を聞いたことがないように思っています。

昔は80歳も過ぎて死亡するとその多くの理由を「老衰」「歳だから」「大往生だよ」などと表現していましたが、現在では「肺炎」だったり「心不全」だったり病名を明確に表現しています。

そして「がん(がん)」が死亡理由に上げられることも多いのではないでしょうか?

今回はそんながんの検査について楽しみな話、「一滴の血でがんを発見できる最新検査」についてです。辛く嫌になる検査からさよならできるかも?

医学の進歩とがん患者の増加

日本の医療は世界においても最先端の技術を持っており、昭和の時代と比較して大きな進歩を遂げています。また日本人の寿命も世界トップクラスであり、男女共に80歳を超えています。

なぜがんによる死亡が増加しているのか?

このように医療の進歩や寿命の延びが見られる状況にあるにも関わらず、がんの増加は未だ止まっていないようです。日本では「3人に1人」と言われていたがんの発症が、最近では「2人に1人」と言われる状況になっています。

それではなぜがんの発症数や死亡が増加しているのでしょうか?考えられる理由は様々です。

  • 喫煙
  • アルコール
  • 肥満
  • 生活習慣病
  • 細菌感染(ピロリ菌など)
  • 食生活
  • その他

理由は沢山あります。しかし、これらの理由は昔から考えられている理由ばかりで、近年のがん増加との因果関係は見つからないようです。

しかし、国立がん研究センターのまとめでは2015年の予測がん罹患数(あらたにがんが発症する人数)は982,100件であり、2014年と比較して100,000件の増加となっています。

またがんが原因による死亡者数も2014年と2015年では4000人程度の増加が見られることから、上記した以外にもがんが増加している原因がありそうです。

医療の進歩とがん罹患数の増加には関係があった

医療の進歩は我々にとって頼もしくもあり、ありがたいことだと思います。しかし、医療が進歩しているのにがんの罹患数が増加しているのには納得がいかないですよね?

ちょっと疑いたくなる状況だとは思いませんか?がんを撲滅すると言ってから相当数の年月が経過しています。ちょっと疑問も湧いてきますよね。

  • がんだけいい加減な治療を行っているのでしょうか?
  • 医薬品メーカーが金儲けのために、わざとがんが治らない薬を開発していたのでしょうか?

昔ある飲み屋で近くにいた男性がこのような話を大きな声で話していました。彼の話によると「がんが治るようになると医者も製薬メーカーも儲からなくなるから、特効薬は作らないんだ。」との話でした。

まあこれは酒の席の話なので都市伝説の類ではありますが、それでも疑問は残りますよね。

でも、ご安心下さい。別に医師がサボっているのでも製薬メーカーが金儲けだけに走っているのではないようです。実は医療の進歩こそががんの罹患数を引き上げる原因だったのです。

医療の進歩ががんを特定してしまう

がんの罹患数が増加している原因には大きく2つあると言われています。

  1. 医療の進歩により寿命が延びている
  2. がん検診普及によってがんが特定しやすくなった

最初に書きましたが最近では高齢者の死亡原因を「老衰」とする例は少なくなりました。昔であれば高齢者が死亡した場合の多くが老衰で処理されていましたが、最近では細かく病名を特定しています。

また、がんは細胞が老化する高齢者に発症しやすい病気であり、寿命が延びることががんの発症を増加させていることは間違いないことと考えられます。

簡単に言いますと「他の病気を克服したことで、最終的に老化によるがんが増えている。」のです。医療の進歩で寿命が延びることで、最終的にがんで死亡するなんて皮肉なものですよね。

がん検診ががんを増加させているって本当?

「がん検診ががんを増加させている」と言う話を聞いたことがありませんか?これだけを聞くと「えー身体に悪い検査なの?」とか「放射線の影響じゃないの?」なんて話が出てきますが、そうではありません。

実はがん検診が普及することでがんの早期発見が一般的になり、それが理由によりがんの罹患数が増加していたのです。

日本では国の方針もあってがん検診を推進しています。これは国民の健康維持を考えているだけではなく、医療費を削減して健康保険制度を維持するための重要政策でもあります。

そのため地方自治体が行う健康診断においても「肺がん検診」「胃がん検診」「大腸がん検診」などが含まれており、多くの人が早期発見を期待できるようになっています。

がんの治療は「早期発見が第一」と言われるくらいに重要です。最近では健康診断以外においても「がんドック」が人気で、こぞって早期発見に努めているようです。

そう、がん検診ががんを増加させていると言うのは、国民の健康意識の高まりによりがん検診を受ける人が増加することで、がんの発見数が増加したことにより起きた現象だったのです。

統計上のがん罹患数増加は検診によって早期発見が増えたことも一因だと言えます。

また国への報告(登録)精度が上がったことも理由として考えられますね。

現在行われているがん検診の限界と苦痛とは

医療の進歩とは病気を治す技術が発展するだけではありません。病気を治す技術とは「医療器具の開発」「新薬の開発」がメインですが、「病気の早期発見」も大きなテーマと言えるのはないでしょうか?

現在、様々な病院でがん検診が行われていますが、そこにはある限界が指摘されています。

肺がん検診における限界とは

肺がんは男性の死亡原因のトップのがんですが、なかなか早期発見が難しいことで有名です。健康診断で採用されている一般的な肺がんの検査は「胸部単純レントゲン検査」になります。

レントゲン装置の前で「はい、息を止めて~」と言われる検査のことですね。

この検査の問題は大きく2つあります。1つ目は「レントゲンの精度」の問題です。これはレントゲン撮影時の感度によっては異常が写りにくくなるケースがあります。

また、肺がんではある程度進行したがんであれば腫瘍が白く写るのですですが、早期のがんはなかなか写りにくいのが現状のようです。

2つ目は「診断者の技量の違い」です。レントゲン撮影では写されたフィルムを確認する医師の経験や技量によって、診断内容に差が出てしまいます。経験の少ない医師が小さな腫瘍を見逃すことは、さほど珍しくないことだと思います。

このような問題を回避するために、フィルムの確認を医師2名体制で行ったり、コンピューター診断を用いたりする病院もありますが、レントゲン自体に限界があるので大きな効果は望めないかも知れません。

またレントゲン装置による放射線の被曝も大きな問題であり、過度の被爆による健康被害も懸念されているのです。

ちなみに平成22年に出された「労働安全衛生法に基づく定期健康診断における胸部エックス線検査等の対象者の見直しに関する改正について」では40歳未満の胸部単純レントゲン検査は省略してもよいとされました。

  • 労働安全衛生法に基づく定期健康診断における胸部エックス線検査等に関する規定が改正されました。
  • 胸部エックス線検査については、従来、原則すべての方に実施が義務付けられていましたが、下記のとおり、見直しを行いました。

~胸部エックス線検査の対象者の見直し~

40歳以上の方

→ 全員に実施

40歳未満の方

→ 以下のア~ウ以外の方で、医師が必要でないと認めるときは、省略することができます。

ア 5歳毎の節目年齢(20歳、25歳、30歳及び35歳)の方

イ 感染症法で結核に係る定期の健康診断の対象とされている施設等で働かれている方

ウ じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている方

これは胸部エックス線検査では肺がんの早期発見に繋がらなく、反対に過度の被爆の原因になることが危惧されることから変更されたと推測されています。

同じ放射線を浴びるにしてもCTは精度が高いので、現在では肺がん検診の主流と見ることもできますが、放射線の量はレントゲンよりも多いことが気になるところです。

胃がん検診はもっとも苦しい検査

胃がんの検診でポピュラーなのは「胃レントゲン検査」です。これは造影剤のバリウムとお腹を膨らませる発泡剤(炭酸ガス)を飲ませて、様々な姿勢でレントゲン撮影する検査です。

健康診断でこの検査が一番嫌いな人も多いのではないでしょうか?

この検査では胃壁に腫瘍や異常な隆起がないかなどを検査します。異常が確認されると精密検査によって更に検査が行われることが一般的です。

この検査で問題なのはまずバリウムです。毎年バリウムが原因のトラブルが後をたたないそうで、バリウムとは身体の中に留まっていると固まって排出ができなくなる性質があります。

そのために検査終了時点で下剤を飲むのですが、中にはそれでも排出できない人が少なからずいます。そうなると腸の中で固まってしまい「腸閉塞」を起こす可能性もあり、手術によって取り出す必要が出てきます。

酷くなると腸が破裂して人工肛門をつけた人もいるそうです。

そして問題は放射線です。胃レントゲン検査では胸部のレントゲン検査よりも多くの放射線を浴びる必要があります。

医師の中には「日本において胃レントゲン検査による被爆で発がんしている人が相当数いる。」と指摘している人も少なくありません。それくらいに放射線の問題は危険なのです。

それでは「胃内視鏡検査(胃カメラ)」はどうでしょうか?胃カメラは胃レントゲン検査と比較して、バリウムを飲む必要もなく安全で確実な検査でしょう。

しかし、医師の技量によっては検査結果に違いがでる可能性は否定できません。私の経験ですがある病院で胃内視鏡検査を受けましたが、他の病院と比較してとても苦しく痛い思いをしました。

自宅に帰って喉を見てみると喉が傷だらけになっているじゃありませんか?しばらく喉の痛みは取れませんでした。

最近では喉の麻酔だけでなく鎮静剤を使用する病院も珍しくなくなりましたが、医師の技量によって検査結果にばらつきが出る状況には変わりはないでしょう。

大腸がん検診は不人気の検査だった

女性のがん死亡率で最も多い大腸がんは臓器の特徴から検査を避けたがる人が多いようです。

現在大腸がんの検査で一般的なのが「便潜血検査」です。これは2日間に渡り便を採取して中に含まれる血液反応を調べる検査です。この検査は大腸にできた腫瘍からの出血を調べることで腫瘍の有無を確認します。

この便潜血検査は大腸がん検査としてとても有効とされていますが、いくつかの問題点が指摘されています。

  • そもそも出血を伴う腫瘍の発見では早期とは言えない
  • 痔など他の出血でも反応してしまう
  • 女性の整理中には検査できない

確かにこの検査で大腸がんの発見率は向上していますが、それが早期発見に繋がっているとは言えない状況があったのです。

また大腸内視鏡検査は確実な検査と言われていますが、事前に下剤を服用するなど必要であり、患者に大きな負担を与えます。また中には肛門から内視鏡を入れる行為自体に嫌悪感を持っている人もおり、特に女性には辛い検査と言えます。

精密検査としてなら解りますが、健康診断として大腸内視鏡を行うことは珍しいのではないでしょうか?

現在のがん検診には一長一短がありそうです。

がんを見つけるためにがんリスクを上げていては本末転倒と言うしかありませんね…

簡単にがんを見つける検査が実用段階に!RNA検査とは

あまり患者に負担をかけないでがんを早期に見つける検査はないのでしょうか?近年ある検査法に注目が集まっています。

その検査では一滴の血液を調べるだけで様々ながんが発見できると言うのです。それが「マイクロRNA検査」です。

RNA inspection

マイクロRNAとは一体どのような物質なのか?

人間の細胞には遺伝情報を記録するためにDNAと呼ばれる核酸があります。簡単に説明するとDNAは記憶媒体なのでそれを自ら読むことはできません。

そこでDNAの内容をローディングして運ぶ働きを行う別の核酸が必要であり、これをRNA(リボ核酸)と呼ぶのです。

RNAには様々な種類がありますが、その中でもマイクロRNAと呼ばれるRNAはDNAの情報を読み取るのではなく、遺伝子の発現を調整する重要な働きを行っているとされているのです。

マイクロRNAは人間だけでなく多くの生物が持っている物質で、まだ解明されていない部分も沢山あります。

またマイクロRNAは血液などの体液からも見つかり、体液中から見つかる種類は数百種類にも上がることが解っています。

マイクロRNAの種類と増加でがんを見つける

このマイクロRNAにはある特徴があることが解っています。実は身体の中にがん腫瘍ができると、一部の種類のマイクロRNAが増加するのです。

がんの種類とそれによって増加するマイクロRNAの種類を以下に紹介します。

口腔ガン マイクロRNA-200a、マイクロRNA-125a
舌ガン マイクロRNA-184a
肺ガン マイクロRNA-21、マイクロRNA-25
乳がん マイクロRNA-195
肝臓ガン マイクロRNA-500
大腸ガン マイクロRNA-17、マイクロRNA-92
その他 /

このように特定のがん腫瘍ができると、ある種のマイクロRNAが増加することが発見されています。

研究では腫瘍ができたことでマイクロRNAが増加するだけでなく、がん患者が手術により腫瘍を切り取ることで、マイクロRNAの数値が下がることも確認されています。

その意味ではがんの早期発見だけでなく治療効果を確認する上でも重要な発見だと思います。

今までも「腫瘍マーカー」などがん腫瘍の有無を調べる血液検査はありました。しかし、腫瘍マーカーではどこの部分に腫瘍があるのかを知ることはできません。

また、「PET検査」は機械が高額であり大きな病院以外には導入できないのが現実です。またPET検査は検査費用が高額なのも問題ではないでしょうか?

その意味で血液から「がん腫瘍の有無」「腫瘍の場所」まで明らかになるマイクロRNA検査は優れた検査法だと思います。

今までのがん検査は身体的な苦痛や、放射線リスクなど様々な問題を抱えていましたが、マイクロRNAによる検査ではまさしくこれらの問題から解放されるのです。

簡単確実ながん検査がもうすぐそこに

マイクロRNAを利用したがん検診の実用化は近いと言われており、一部の医療機関では乳がんや膵臓がんにおいて実用化が開始されています。

現在行われているマイクロRNAのがん検査は、まだまだ規模も小さく実用化とは言えないかも知れませんが、第一歩を踏み出したことは評価できるでしょう。

しかし、この検査にも問題がない訳ではありません。専門家の中には精度が良過ぎることである問題に懸念が集まっています。

全てのがんが見つかってしまう危険性

実は人間にできるがんには治療の必要がないものがあります。特に治療を行わなくても自然に消滅するものや、増殖を行わないでそのままで維持するがんがあるのです。

現状ではそのようながんは検査でも見つからず、その結果放置されているのですが、マイクロRNAによる検査ではその全てが発見されてしまいます。

ある意味では早期発見なのですが、いくら治療が不要と言われても見つかってしまうと治療をしてしまうのが人情ですよね。これによって過剰な治療を行うことに繋がり、かえって身体に悪影響を与えることも予想できます。

また、マイクロRNAは高い数値を出しているにも関わらず、がんの位置が解らない場合は精神的な負担も相当数出てくるのではないでしょうか?

マイクロRNAによるがん検査はとても有用ですが、私達もがんの知識を持つことが大切なのかも知れません。

全てが解ることが人間にとって良いことではないかも知れません。

知ることよりもその中身を理解することが重要なのです。

がん検診が与える負担について考えてみよう

現在行われているがん検診の多くが、レントゲン撮影装置など身体に悪影響を与えるものを使用しています。

特に女性では「肺のレントゲン撮影」「胃のバリウムレントゲン撮影」「マンモグラフィー(乳房)レントゲン撮影」など、健康診断で多くの放射線を浴びる状況になっています。

スイスではマンモグラフィー検査は発がんリスクを上げる可能性が高いことから、一般的には中止を勧告されているそうです。それくらいに大きな問題として扱われています。

しかし、がんを早期に発見するにはがん検査は不可欠なのも現実です。この板ばさみの矛盾を解決するために、マイクロRNAによるがん検査が普及することを期待したいですね。

どう考えても検査で発がんリスクが上がるのはおかしいのですから…

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