健康生活TOP 病院 【上手な痛みの伝え方】意外と伝わっていない!病院での問診のコツ

【上手な痛みの伝え方】意外と伝わっていない!病院での問診のコツ

問診する医師と患者

どこかが痛い場合、病院に行くとまず問診が行われますね。この問診に基づいて行う検査や処置、投薬などが決まってきます。

また、病院の検査で異常なしと言われた場合、これは骨や靭帯などに異常がないということなので、本当の原因を探してもらえるように症状を伝えることが大切です。

とくに、レントゲンやМRIなどの検査設備のない治療院では、問診をはじめ、望診や触診などで原因を突き止め、治療方針を立てなければいけません。

そこで、問診時に医師や治療師に痛みを上手く伝えるポイントを、治療師の筆者が解説します。

痛みやしびれは目に見えない…治療方針を左右する大切な意思疎通

痛みやしびれ、こりなどは患者さん本人のみにわかる感覚なので、基本的に他人にはわかりませんね。

もちろん、出血している、骨が折れている、靭帯が切れているなどの器質的な疾患の場合は、相応する痛みがあることが医師に伝わりやすいです。

ところが、

  • 外見上問題ない
  • 血液検査で異常がない
  • 画像診断で異常がない

という場合、痛みや症状の問診が診断や治療方針を決めるうえで、患者の感覚は大きなウエイトを占めます。

そのため、短時間の間に自分の症状をいかにうまく伝えるかで、治療の効果が変わってくるといっても過言ではありません。

医師にうまく痛みを伝えるポイント1.先入観をもたない

特に病院では、「風邪を引いた」「五十肩になった」「寝違えた」など、自分が病名や通称名を伝えると、そのまま検査が行われずに病名がつくことも多いようです。

しかし、風邪に似た手ごわい病気もありますし、五十肩と思ったら腱板が断裂していたなどというケースもあるので、自分で思っただけの病名でなく、まず症状と原因をしっかりと伝えることが大切です。

既往歴や持病を伝えるのは大切ですが、「いつもの偏頭痛です」「ヘルニアもちですから」といつもの痛みの再発のような先入観を持ってしまうと、新たな病気を見落とすことがあります。

偏頭痛と思ったものが脳血管障害であったり、いつもの腰椎椎間板ヘルニアの発作でなくて前立腺癌による神経圧迫であったというケースもあります。自分の考え、思いや意見を入れずにありのままに伝えましょう。

医師にうまく痛みを伝えるポイント2.的確に症状の場所を伝える

症状の場所は、指で押さえながら伝えましょう。患者さん本人も治療する側も、意外と左右を間違える事があるのです。

また、椅子に座って胸の高さの位置に腕を上げて、手や指の痛みの位置を説明する時、患者さんは「もう少し上の方に痛みがある」と言われると、医師や治療師は肘に近い側を考えます。

なぜなら、解剖的基本肢位は手のひらを前に向けて手を下げた状態で上下を言うからです。この場合患者さんの意図する上とは、指先に近い側であることが多いのです。

▼解剖学的肢位のイラスト

医学的には、指先の方を末梢、体幹に近い方を中枢といって区別します。

同様の理由で、手のひらを下に向け状態で内側・外側というのも医学的の内外とは逆になります。医学的には手のひらを上に向けた状態で内外が決まるからです。親指側、小指側と言って伝えるのがよいでしょう。

専門的には、親指側は橈骨という骨がある側ー橈側(とうそく)といい、小指側は尺骨という骨のある側―尺側(しゃくそく)といいます。

足の指も外と内の区別は第2趾の真ん中を軸として決まります。これは、治療する側でも、鍼灸のツボでは母趾の内外が逆に記載されているように逆の言い方をする場合もあります。

足の運動軸に対する内転と外転

このように、言葉だけで伝えるのは難しいです。例えば、「足の親指の2本目の指に近い側がしびれます」というように指をさしながら伝えるとよいでしょう。

急性の痛みの場合、痛みの場所は点で示せることが多く、慢性になるほど漠然として範囲が広がってくることが多いので、その範囲を示してもらうとよいでしょう。

痛みの場所を指で示す場合、親指で示しているのか人差し指で示しているのかわからないので、人差し指1本で、ポイント、または痛みの広がっている範囲を示すとわかりやすいかと思います。

医師にうまく痛みを伝えるポイント3.どんな痛みかを擬音語で伝える

主観的な要素が強い痛みというものを、治療する側と患者との間とでうまく伝え合うにはどうしたらいいのでしょうか?

どんな痛みかを伝えるには、「キャッ」「ジンジン」「ズキンズキン」などの擬音語(オノマトペ)で表現するのがよいでしょう。

短時間で相手によく伝わると同時に、痛みの種類の違いもうまく表現できます。感覚的なものを適切に、短い言葉で表現できるのが医療の現場で使うには適しているのです。

テレビ番組ケンミンshowでは、医師と患者さんが痛みを伝え合う手段といて、擬音語の方言を使っている姿が放映されました。

私の住む岐阜市では、動かさないでも神経がうずき、夜も眠れない状態を「やめる」「だるやめ(だるやみ)」といいます。擬音語ではないのですが、「夜中に腕がやめる」と言ってもらえば一言で伝わるのです。

日本大総合科学研究所の調査では、痛みを擬音語で表現してもらって病名と照合したところ、炎症による痛みでは「ズキズキ」が圧倒的に多く、神経が障害を受けて起こる痛みは「ジンジン」「ピリピリ」「チクチク」が多かったようです。

このほか、ぎっくり腰の時の立ち座り動作や五十肩で関節を動かしたときの衝撃痛は「キャッ」、椅子に座っているときの鈍い腰痛を「ドーン」となります。

また、筋肉が固くなって痛い「ゴリゴリ」、偏頭痛など血管の拍動痛は「ズキンズキン」など、病状から原因まで伝えることができます。

医師にうまく痛みを伝えるポイント4.痛みの性質を見極めて伝える

痛みの原因、きっかけ 筋骨格系の痛みの場合、まず、大きな外力が加わったかどうかです。

痛みの原因を伝える

筋肉骨格、および末梢神経系の痛みの場合、まず外力が加わった、繰り返し動作などによる損傷など原因がはっきりしているものがあります。

また、きっかけはあるが原因というほどのものでなく、積み重なる負担、疲労により発生したとおもえるもの、本人に原因が思い当たらないものがあります。

外力が加わった場合はその大きさが問題となります。衝撃の程度や負荷のかかり方によっては骨折や靱帯断裂なども疑われるため、受傷の原因、経緯を詳しくお伝えください。

とくに、むち打ちや尻もちに代表されるように、体のどこかに強い衝撃が入った場合、一定の時間を経たのちに症状が現れるもの、負傷場所と離れた場所に症状が出ることもありますので、心当たりがあれば必ず伝えてください。

痛みの性質(どの状態のときに悪化する、または緩和するのか)を伝える

痛みにはいろいろな性質があり、それにより推定される原因が異なり対処法もかわってきます。

  • じっとしていて痛いもの
  • 動かすと痛いもの
  • どんな時も痛みが続くもの

があります。

動くと痛い場合、動き始めが痛く動いているうちに痛みが減っていくもの、逆に動き続けることで症状が悪化するものがあります。

動きも、伸ばしていたいのと曲げていたいのでは、原因も変わってきます。腰や脚の痛みやしびれで、腰を反らして症状が増強するのは脊柱管狭窄症や腰椎すべり症が想定されます。

一方、腰を前に曲げて増強するものは、椎間板ヘルニアが疑われます。

あぐらが楽な人と正座が楽な人では、骨盤の歪み方の傾向が違います。どんな動きや体勢で痛みが増強するか、またはどんな体勢が楽かを伝えましょう。

ただ、例えば足首を曲げると言っても、甲側に曲げる背屈も、足底側に曲げる底屈もあります。また小指側・親指側に曲げる場合もあります。できるだけ具体的に伝えましょう。

温めると楽になるか、冷やすと楽になるかを伝える

よく「冷やしたほうが良いですか?温めたほうが良いですか?」と質問を受けます。これは、体に聞いてみて治療する側に伝えてください。

具体的には、お風呂で温めると痛みが楽になるか、悪化するか、変わらないか決まるのです。

温めると楽な場合は、温める治療やシップが有効となりますし、温めると悪化するものはアイシングや冷シップの適応になります。変わらない場合は、何もしなくてよいでしょう。

そのほかにも、

  • 朝晩でどちらが痛いか
  • 天候、冷えや湿気、低気圧の影響を受けるか

など、どれも原因や誘因を知ることが治療をしていく上での手がかりとなるので、できるだけ伝えるようにしましょう。

これらの状態による痛みの状況は、自分のことでもうっかり忘れてしまいがちです。痛み日記のようなものをつくってメモしておくと良いでしょう。

詳しい問診は東洋医学の長所!自分のためにもしっかり伝えよう

東洋医学は、器械や光線による検査を行わない分、西洋医学に比べて問診や触診を丁寧に行います。同じ「腰が痛い」でも筋肉の異常か神経の異常かで処置も予後も大きく変わってきます。

一般の病院の場合、はじめてその病気で病院にかかる場合、一通りの問診しか行われない傾向があります。

もちろん、症状が長引いたり他の病院で効果が上がらなかったり、悪化したりして初めて細かい問診が行われることになります。

したがって、あなた自身が一定の時間内にいかに的確に症状を伝えるかで、治療の効果や治るまでの時間が変わってくるといっても過言ではないのです。

そのためには、今回解説した治療院で行う問診に基づく症状の伝え方が参考になると思います。是非、実践してくださいね。

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