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マイナンバーの医療面メリットは?健康保険関係やデメリット

woman to pass the card at the hospital reception

2016年は日本の行政における歴史の中でも、大きな変化をもたらす年になりそうです。それは今まで行っていた地方自治体の業務を簡素化するだけでなく、私達の生活にも大きな影響を与えるでしょう。

もしかしたら今までの生活が一変してしまう可能性もあるのです。そして医療面においても今までの健康保険のあり方に変化が出てくることも指摘されています。

これが2016年から導入された「マイナンバー制度」なのです。

ご存知ですか?マイナンバー制度の知識

マイナンバー制度については政府も広報などで説明に努めていますが、まだまだその制度を理解していない人も多いようです。中には制度の運用が2016年1月から開始されていることさえも知らない人もいるようです。

そこでマイナンバー制度についておさらいしてみましょう。

マイナンバーは個人番号のことと思いましょう

マイナンバーを直訳すると「私の番号」ですが、実際には日本に居住している全ての人に振り分けられた「居住者の個人番号」と思って下さい。

マイナンバーを「国民番号」と表す人がいますが、これはある意味間違いです。それは日本国籍を持って日本に居住する日本人は勿論のこと、日本に長中期の滞在をしている外国人に対しても同様にマイナンバーが発行されるからです。

マイナンバーは日本国民だけでなく日本に住所登録している全ての人に発行される番号だったのです。

マイナンバーの目的とはいったい何だろう?

日本政府の広報ではマイナンバー制度の必要意義を3つの項目で説明しています。

  1. 行政の効率化
  2. 国民の利便性の向上
  3. 公平・公正な社会の実現

日本で身分証明と言えば何があると思いますか?「自動車免許証」「健康保険証」「パスポート」「住民票」などですが、その全てが違う番号で管理されています。これらを一元化することで行政の仕事を簡素化すると言うのです。

確かに今までの日本では自分の居住を証明するだけで「住民票」「戸籍謄本」が必要でしたが、住民票は現住所の役場、戸籍謄本は本籍地の役場でないと手に入りません。

現住所と本籍が同じ人は問題ありませんが、私などは本籍地が遠いのでいちいち面倒くさいことになっていました。

マイナンバー制度が本格稼動するとこれらの証明は、全てマイナンバーを提示することで済むことになり、いちいち謄本を取る必要もなくなるそうです。

また行政においてもマイナンバーを使用して照会することで、業務の簡素化が可能になることから様々な無駄が解消されると言われています。

これらは行政の効率を上げることで、また今まで複雑だった役場の手続きを簡素化してくれます。もう役場で面倒くさそうな役人から「あの~添付書類足りないっすよ」なんて言われなくて済むかも知れませんね。

実は利便性よりもこちらが主目的だったのかも?

マイナンバーは行政の効率を上げて、国民の利便性を向上させると言われていますが、3本柱の最後に「公平・公正な社会の実現」が掲げられています。

これはごく当たり前のことを言っているように見えますが、ここにマイナンバー導入の本当の目的が隠れていると指摘する専門家もいます。

要は国民の資産、財産を把握して税金逃れを防止することがここで言う「公平な社会」と言うことです。

マイナンバーが導入されると銀行、証券会社などの口座にはマイナンバーをリンクさせる必要があります。これにより居住者全ての財産を把握しようと言うのです。

また、納税関係の手続きにもマイナンバーが必要になることから、本業以外に行っている副業も把握することができます。

要は「お金の流れが丸裸にされてしまう。」と言うことですね。まあ一部の人には衝撃的な内容ですが、真面目に生きている我々には影響は少ないように思えますが…

マイナンバーはこれらから多くの分野で使用されることが決まっています。その中には私達の健康や医療に直結するものもあるのです。

マイナンバーは国民の全てを丸裸にする可能性を秘めた制度だったのです。

マイナンバーと健康保険との関係

マイナンバーが導入されたからと言って、いきなり大きな社会変化が起こることはないでしょう。しかし、導入が進むことで今まで出来たことに制限がかかるかも知れません。

特に医療面での変更が注目されています。

公的健康保険でマイナンバーが導入される

日本は国民全員が公的な医療保険に入る「国民皆保険制度」を導入しています。これは貧富の差もなく平等な医療を受けることが目的であり、世界に誇れる素晴らしい制度だと思います。

制度は大きくわけて2つあり、会社員や公務員が加入する「健康保険」と自営業者等が加入する「国民健康保険」に分けられます。

この健康保険にもマイナンバーが導入されるのです。最終的には現在の保険証と変わってマイナンバーカードにその役割を持たせる案もあるそうです。

どうして健康保険にマイナンバーによる紐付けが必要なのでしょうか?そこには深い理由があったのです。

国民健康保険料の滞納が問題となっている

会社員の人が加入している健康保険では保険料の支払いは給料からの天引きが基本です。給与の一部から差し引かれるのですから、自分ではどうしようもありませんよね。

しかし、自営業者が加入している国民健康保険では、一定周期毎に保険料を自ら支払う必要があります。そこで保険料の滞納が生まれてしまいます。

自営業者は商売の売上から保険料を支払う必要があるのですから、売上が減少することで保険料が支払えなくなる状況が生まれてきます。中には借金の返済や仕入れ代金の決済などを優先させることもあるでしょう。

国民健康保険料よりも商売や生活を優先させることで仕方がなく滞納と言う状況が生まれてしまうのです。

また、非正規労働者も同様で社会保険に加入できない彼らは、国民健康保険に加入しなくてはいけません。しかし、時給800円程度のアルバイトでは生活するだけで精一杯。保険料を納めることができません。

そして保険料の滞納となるのです。

日本では国民健康保険加入者のおよそ20%に滞納が発生していると言われています。しかし、この中の全てが生活困窮者とは言い切れません。悪質な例も多く含まれているようです。

この問題を解決するためにマイナンバーは使用される予定です。

マイナンバーで資産と滞納状況を照らし合わせる

先ほども説明した通りマイナンバーが導入されると銀行や証券会社に預けてある資産が丸裸になってしまいます。たとえ複数の銀行に預金を分けていても、マイナンバーで紐付けされてしまうので隠すことは不可能です。

また給与や納税状況も解ってしまうので、収入も把握されてしまいます。

国民健康保険の滞納者の中には十分な資産や収入があるにも関わらず、生活困窮を訴えて滞納を続けている人が少なからずいます。マイナンバーによって彼らの資産・収入を把握して言い逃れできないようにするのです。

日本の国民皆保険制度の運用は「綱渡り状態」と言われていることを知っていますか?これは医療費の増加と保険料の減少が主な理由であり、この状況を改善させるためには不正な滞納を解消させる必要があるのです。

数年前には日本の国民健康保険制度は壊滅の危機にあるとの報道もなされていました。大きな理由は保険収支が原因による各保険組合の赤字と言われています。

不正滞納が減ることは健康保険制度を安定運用させることになり、これからも安心して医療を受けられることに繋がるのです。その意味ではマイナンバーの利用は有効と言えるでしょう。

収入がなくても資産がある人もいるはずです。健康保険料の逃げ得を許さないことで保険料収入の増加も狙いと言われています。

マイナンバー導入で医療面にメリットはあるのか?

健康保険に導入されるマイナンバーですが、本格運用した際に医療面で、どの様なメリット・デメリットがあるのでしょうか?現在検討されている内容から将来的なものを考えてみましょう。

医療情報の共有により効率的な治療を行う

今までは各病院で管理されていた医療情報(カルテ)を共有化することで、様々な病院で無駄のないスピーディーな治療が可能になります。

現状ではある病院でレントゲンを撮影していても、病院を変えると新たにレントゲンを撮影する必要があります。これでは無駄以外の何ものでもありません。

血液検査も同様で内科、耳鼻科に通っている人であれば、両方で重複した検査を行うことも珍しくはありません。そこでマイナンバーによりこの検査情報を共用して、重複した検査を行わないようにします。

また一度撮ったレントゲンやCTも複数の病院で共用化できるので、不必要な検査を省いて治療を行うことが可能です。

医療情報の共有化は治療の効率を上げるだけでなく、重複した検査が必要なくなるので医療費の削減にも繋がります。病院の待ち時間も短くなる効果も期待できますね。

遠方の病院でも安心した治療が可能に

持病を抱えている人の中には旅行に行くのが不安と感じる人が多いようです。「急に発作がでたらどうしよう」「何て説明すればいいのだろう」「同じ薬が手に入るかな?」などが不安要素ではないでしょうか?

しかし、医療情報がマイナンバーで共有化されると、初めて行った病院でも同じ治療が可能となります。「検査内容」「診断結果」「治療方針」「薬の種類」などが直ぐに解るのですから、患者がいちいち説明する必要がありません。

これでもう安心して旅行にいけるかも知れませんね。

薬の重複を防いで安全な投薬を

現在、病院で薬を処方して貰うと、近くの調剤薬局で購入する必要があります。この時に薬剤師から提供されるものの中に「お薬手帳」がありますよね。

これは患者がどの様な薬を服用しているのかを記録して、安全な処方を行うことが目的とされています。

しかし、高齢者の中にはお薬手帳を活用してなく、また自分が飲んでいる薬さえも理解していない人を多々見かけます。よく窓口で「お薬はなに飲んでいますか~」なんて聞いていますよね。

マイナンバーによる医療情報の共有は薬の管理も含まれる可能性があります。「この患者が今どの薬を飲んでいるのか?」「今までの服用履歴は?」「薬のアレルギーは?」などが一目で解るのです。

これなら物忘れが激しい人でも安心して投薬を受けられます。高齢者になると複数の病院に通っているケースが多いのですが、マイナンバーによる医療情報の共有化によって全てを把握することが可能なのです。

セカンドオピニオンが受けやすくなる可能性が

近年、セカンドオピニオンの重要性が認められてきました。セカンドオピニオンとは一人の医師の診断だけではなく、複数の医師に診断を仰ぐことで特にガンなどの重い病気に対して行われています。

これは「医療ミスの防止」や「治療方針の選択」などに有効であり、日本でも少しずつ定着してきた医療制度です。

しかし、セカンドオピニオンを行うには始めに検査した病院から医療情報を提出してもらう必要があり、医師によっては提出を拒んだり、嫌がったりすることもあるようです。

患者の中にも医師の機嫌を損ねないように、本来権利であるはずのセカンドオピニオンを諦めてしまうことも耳にします。

マイナンバーによる医療情報の共有化ができれば、この心配はなくなります。画像データ、血液検査などの情報が共有化されているので、医師の顔色を伺って検査データを提供して貰う必要はありません。

セカンドオピニオン先でマイナンバーを告げるだけで情報は開示されるのです。また、なかなか行くことができない遠方の医師に診断を受けたい場合でも、インターネット経由で診断を受けることが可能になるかも知れません。

医療情報を共有することは沢山の可能性を生み出すことになります。

私も度々「医療情報は誰のものか?」と考えます。はたして「検査した病院のもの」でしょうか?私は「検査を受けた患者のもの」だと思っています。

しかし、現在の仕組みではこれが通用しないことは明らかです。自分の払った保険料や治療費で受けた検査情報がまともに提供されないのです。

マイナンバー導入により私達の医療情報が私達のものになることを期待したいですね。

健康保険の不正利用を防いでくれる

マイナンバーと健康保険を紐付けすることで、健康保険の不正を防止することが可能になります。現状では色々な病院に行って、同じような症状を訴えると同じ薬を入手することが可能です。

これは各病院で情報が共有されていないので仕方がないことです。中には健康保険を使用して不正に入手した薬を販売している人もおり、社会問題の一つになっています。

マイナンバーを導入すると病院で直近の通院履歴が判明するので、不正に薬を多く購入することは不可能になります。またこのような不正に協力的な病院も解明できることから、このような健康保険の不正利用は大きく減少すると考えられます。

医師から自分の医療情報を取り戻すのにもマイナンバーは有効なのです。

メリットだけでないデメリットも探ってみよう

マイナンバーで医療情報が共有化させると様々なメリットが考えられますが、デメリットもまたあるようです。

ドクターショッピングができ難くなる

日本は自由医療が基本で患者が好きな病院を選ぶことができます。一見して当たり前なように思ってしまいますが、世界的に見てとても恵まれた制度と言えます。

アメリカでは自分の加入している健康保険によって診察可能な病院が指定されてしまいます。いくら名医の在籍する病院に行きたくても、加入している保険会社が認めないと診察を受けられません。

また、イギリスや北欧などでは指定されているホームドクターの紹介状がないと、総合病院で診察は受けられません。中には電話で症状を話して必要を認められない限り、病院の予約も取れない国もあります。

日本では一部の大病院においては紹介状がないと診察料が高くなりますが、基本的には好きな病院で診察を受けることができます。「あの医者が気に食わない」などの理由で病院を変えてしまう日本は恵まれているのですね。

しかし、マイナンバーによりこれが難しくなる懸念が指摘されています。例えば先ほども書いた「あの医者が気に入らない」「この診断はおかしい」などの理由で病院を変えることは珍しくはありません。

中には午前中にA病院で診察を受けて、内容が気に入らないから午後からB病院に行く人もいるでしょう。これは「ドクターショッピング」と言って、要は自分の気に入る医師や病院を探す行為なのです。

医療情報が共有化されると午後に行ったB病院では午前中にA病院で診察を受けた情報が把握できます。そこでB病院では診察を断ったり、薬の提供を拒否したりする可能性があります。

確かにドクターショッピングは褒められる行為ではありませんが、ある意味で医療の自由が減少することにも繋がるかも知れません。

情報の流出がもっとも危険だった

マイナンバーによる情報共有は先ほども説明した通り、その人の資産や納税状況など個人情報の全てが含まれています。そこに医療情報も入るのですが、場合によっては医療機関で個人情報が流出してしまう可能性があります。

また、医療情報をマイナンバーに紐付けすることで、過去の健康状態や病歴などの流出の可能性もあります。

例えば納税の必要から会社にマイナンバーを提供した結果、今までの病歴が会社に筒抜けになることも想定されます。

実はマイナンバーと医療情報を紐付けしているのは「アメリカ」「韓国」「北欧」などです。反対に分けているのが「イギリス」「ドイツ」「フランス」です。

イギリスなどで紐付けが行われていない理由はやはり「プライバシーの保護」であり、アメリカなどでは情報漏えいの問題が多く発生しているようです。

ある日ハッキングにより自分の医療記録がインターネットに公開されるような事態は避けて貰いたいものです。

日本医師会は反対の立場だった

推進しているように感じている「日本医師会」は、実はマイナンバーと医療情報を連携させることに反対の立場をとっています。反対する理由を主なものを紹介します。

  • 医療情報の漏洩は人権侵害に繋がる可能性がある。
  • 病歴を隠すことができずプライバシーが保護できない。
  • 医療情報の共有は不可能と考えている。
  • 膨大な費用が必要になる。
  • その他

まず医師会が反対している理由で「人権侵害」の問題があります。一見してマイナンバーと人権侵害の関係が見え辛いのですが、そこには深い懸念があるようです。

近年の医療の進歩は遺伝子レベルの医療に進化しています。いわゆる「ゲノム医療」ですね。

ゲノム医療では画一された医療ではなく、各個人ごとに遺伝子レベルでの治療が必要になります。そして医療情報の中にも遺伝子に関する情報が多く含まれることが想定されています。

この遺伝子情報が漏洩すると将来的な病気のリスクなどが晒される可能性があります。これによって差別やプライバシーの侵害行為が起こる可能性は十分に予測できます。

遺伝子情報は個人にとっては「究極の個人情報」と呼ばれています。それを安易に共有化したデータに含ませて良いのかが問われているようです。

また反対する理由として大きいのが「不可能ではないか?」との意見が多いことです。その理由には実際に情報を共有化するには、多くの病院をネットで繋ぎ管理を行う必要があります。

日本人は「医者は頭が良くて何でもできる」みたいな感情を持っていますが、医師も人の子でありコンピュータが苦手な人も多くいます。

そのような医師は未だに紙のカルテに手書きで記載しているのですが、それを変えることは大変困難だと言うのです。また、共有化のシステムを導入するにも莫大な負担が必要であり、それを捻出できない病院も少なくないでしょう。

そして維持費です。当初の導入は補助などでできたとしても、システムには保守が必要です。定期的なメンテナンスやソフトのアップデートなどさまざまな維持費が必要になります。

個人病院の重い負担になることも指摘されています。そして「医療情報共有化の必要性を感じている医師が少ない」のも理由とされていますが、これはやり方を変えたくない人間の本音かも知れませんね。

どうも行政と医師会の対立が起きているようですね。

たしかに年配の個人病院の医師には、カルテのIT化を行うことは難しいことだと思います。

はたしてどの様な決着となるのでしょうか?

マイナンバーと医療面の連携はメリットも大きいですが、反面デメリットも大きいようです。また、実際に運用する日本医師会が反対の立場なのですから、このまま素直に移行するとは思えません。

国民の中にも賛成派と反対派が生まれて来るでしょうが、現在まだそこまで大きな議論にはなっていないようです。

私的には制限を付けた連携は必要なのではないかと感じています。皆さんも患者の立場から考えてみては如何でしょうか?

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