健康生活TOP 病院 外科と内科の違いとは?診療科ごとの特徴と受診科を選ぶポイント

外科と内科の違いとは?診療科ごとの特徴と受診科を選ぶポイント

風邪を引いたら内科のお医者さんの所へ行きます。転んでけがをしたら外科のお医者さんの所へ行きます。では、何か尖ったものを飲みこんでしまって、喉を切ったとしたらどちらへ行きますか?

それに、世の中にはたくさんの診療科名がありますね。眼科と言うのは判りやすくて良い診療科ですが、逆流性食道炎かなと思った時は消化器科へ行くべきか気管食道科へ行くべきか、悩んでしまいそうです。今回は内科と外科の違いから見て行きましょう。

二つに分けるなら外科が先で内科があとになる

これは外科の方が優先すると言う意味ではなく、「手術などで身体の外からのアプローチによって治療するのが外科」「それ以外が内科」と考えるのが最もシンプルだからです。

また、それぞれが完全に独立した診療科でもありません。例えばお腹の調子が悪くて内科で診てもらったら、胃がんが見つかり手術するため外科のお世話になるなどと言うことは、非常に多いケースと言えるでしょう。

逆に、腰が痛くて外科で診てもらったら、腎臓のトラブルが見つかって、内科の治療に切り替えたと言うような例もたくさんありますね。

初診はどちらでも良い

いわゆるプライマリーケアに当たる、町の開業医さんの場合「内科・外科」の看板を上げておられることも多いので、そういう場合は迷わずに済みますね。判断はお医者さんがしてくれます。

そうでない場合は、「怪我と言えるようなケース」の場合だけ外科に行って、それ以外の体調不良は内科で診てもらえば問題ありません。

ちょっと悩むのは「身体の痛み」です。この場合四肢の痛みは外科へ、背中以外の胴体と頭の痛みは内科で診てもらえば問題はありません。

複雑なのは背中の痛みです。ぎっくり腰などは外科でOKですが、背骨ではなく外側の方が痛むようであれば内科の方が良いでしょう。

そして、どちらが良いか判らなければ、内科で診てもらって、どの診療科に行けばいいのかを相談するのが適切です。

政令で決められた診療科は非常にたくさん存在する

実は診療科の看板の内容は、医療法施行令で定められているのです。これは2007年ごろまでは次のような37の診療科として分かれていました。私たちになじみがあるのはこれでしょう。

まずは内科系の診療科です。自分の病気がこの系統かなと思ったら、まずは内科の看板を上げているお医者さんに診てもらいましょう。

  • 内科
  • 心療内科
  • 精神科
  • 神経科(神経内科)
  • 呼吸器科
  • 消化器科(胃腸科)
  • 循環器科
  • アレルギー科
  • リウマチ科
  • 小児科
  • 放射線科

外科系の診療科にはちょっと意外なものも含まれている

そして外科系の診療科には次のようなものがありますが、開業医さんで初診を受ける場合、外科・整形外科を選べば間違いありません。

  • 外科
  • 整形外科
  • 形成外科
  • 美容外科
  • 脳神経外科
  • 呼吸器外科
  • 心臓血管外科
  • 小児外科
  • 皮膚泌尿器科(皮膚科・泌尿器科)
  • 性病科
  • 肛門科
  • 産婦人科(産科・婦人科)
  • 眼科
  • 耳鼻咽喉科
  • 気管食道科
  • リハビリテーション科

皮膚科から下の診療科は、「これって外科系なの?」と思うかもしれません。実際には専門性の高い診療科ですから、初診は内科でも外科でもOKで、そちらへ紹介してもらえるでしょう。

また、直接専門の病院・医院を受診しやすい性質の診療科だとも言えますね。

外科の区分で難しいのが整形・形成・美容の違い

一般人である私たちにとって、区別しにくくて悩むのが「整形外科」「形成外科」「美容外科」の3つです。ある程度以上の年齢の方であれば、整形外科と言うと美容整形を受ける病院というイメージを持っておられるかもしれませんね。

これはやむを得ないことなのかもしれません。1948年に医療法が制定された時には、診療科は内科・精神科・小児科・外科・整形外科・皮膚泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科、理学診療科(放射線科)・歯科の11種類しかなかったのです。

その後1975年に形成外科、1978年に美容外科が設定され、それぞれの分野が整形外科から移動しましたが、その頃までに中学生ぐらいになっていた人であれば、整形外科=美容整形のイメージを持ったかもしれませんね。

ところで、この3つの診療科の役割、判りますか?参考までに少し見てみましょう。

整形外科
骨や筋肉、関節、軟骨、腱などの身体を構成する部位と、それを支配する神経系などを合わせた「運動器」と呼ばれる物の、機能の異常を改善するための診療科が整形外科です。

骨盤・背骨と言う身体の中心部と四肢を主な治療対象部位としています。怪我はもちろんのこと、先天性の異常、リウマチや腫瘍、骨粗鬆症から痛風まで、幅広い疾患を対象にしています。

一般に「外科のお医者さんに診てもらってくる」と言う外科の外来診療のイメージは、整形外科を指していることが多いでしょう。

形成外科
形成外科は何らかの原因によって身体に異常が生じ、変形や欠損、さらには日常生活を送る上で大きな支障になり得る見た目の悪さなどが発生したものを、手術を中心とした技術で、機能と同時に見た目も正常化させる診療科です。

判りやすい例で言うと、大やけどの跡のケロイドで、見た目の悪さだけでなくひきつれによって動きが制限されている場合に、動きの悪さと見た目の悪さを、手術によって同時に改善するのが形成外科の仕事の一例です。

機能的にも、日常生活の品質的にも、健康保険で対応できることが多いでしょう。

美容外科
美容外科で行われる手術は、自分がイメージする自分の身体に近づけるためのものです。生来の身体に不満がある場合や、加齢に伴う衰えを改善すると言うような目的で行われることが多いです。

これらは、生きて行く上での必要に迫られて行うと言う部分は少なく、むしろ贅沢なものと捉えられますから、健康保険が使えることはほとんどありません。そのため、かなり高額な処置費用が必要になります。

技術的には形成外科を土台に成り立っていますから、日本国内では日本形成外科学会の専門医認定を受けた上で、美容整形のノウハウを持ったお医者さんが当たられることになります。

海外では安価な美容整形を行っているケースもよく見られますが、どんなレベルの技術を持ったお医者さんがいるか判らないので、あまりお勧めしたくはないですね。

口の中のトラブルは歯科系のお医者さんへ

さらに、歯科系がありますが、これは悩まずに受診しやすい診療科と言えるでしょう。

  • 歯科
  • 矯正歯科
  • 小児歯科
  • 歯科口腔外科

言ってみれば、「口の中のトラブルは歯科系」と考えておけば問題ありません。

口の中に気持ちの悪い物ができたと言ったケースでは感染症のことが多いですが、歯科系のお医者さんで診てもらって、感染症の疑いがあれば内科系のお医者さんを紹介してもらえるでしょう。

どれにも属さない専門診療科

そして、気付かれたかもしれませんが、政令で指定されているこれらの診療科の中に、非常に重要な診療科が含まれていないのです。

実は、唯一政令ではなく厚生労働省令で、その診療科を特別に許可される物が「麻酔科」です。もちろん手術の際に必ず必要となる診療科ですし、外科手術を行うお医者さんとは別に、専門の麻酔医の先生がおられることで安心して手術が受けられます。

麻酔医の先生には医師免許を受けてから以降の、麻酔に関する実務経験が要求されていますので、お医者さんなら誰でも麻酔科の医師を名乗れるわけではないのです。

普段何気なく見ている病院の診療科って意外と複雑ですね。さらに、それぞれの診療科に、一般の人が判りやすいような施設名を与えたことが、かえって混乱を招いている部分もあるように感じます。

2016年12月現在の診療科は数えきれない

ここまでに紹介した診療科の名前は、2008年4月に施行された政令で大幅に変更され、非常に多くの数に分かれました。しかも、それまでにつけられた診療科の名前もそのまま使用できることになっていますので、世の中には無数の診療科の名前があふれています。

しかし、それでは患者の側の混乱を招く可能性もあるので、病院などは法律や政令の改正に伴って、より判りやすい診療科名を使うように工夫しています。

部位や患者の属性などの後ろに内科・外科を付ける

改正された政令では、例えば「消化器」の後ろに内科または外科を付けて、消化器内科・消化器外科と言う診療科を名乗ることができるようになっています。これが身体の各部位に対して名前を作れることになっているのです。

さらに、性別や小児・老人と言った、患者の属性の後ろに内科・外科を付けて診療科名を作れます。さらに特定の疾患と患者の属性を組み合わせて、小児アレルギー科とか老人皮膚科と言う診療科もあり得ます。

ただ、組み合わせが不合理なものは認められていません。例えば「心療外科」とか「整形内科」とかですね。しかし、可能である組み合わせを全部作ったら、100や200では到底及ばないほどの診療科が作れてしまいます。

それではあまりに現実的ではないので、例えば一般の開業医のクリニックなどでは、従来の名前が主流になるでしょう。そして、大病院などでも、内部的には専門性を高めてそういう診療科を作るかもしれませんが、患者向けにはもっとわかりやすい案内をするでしょう。

法律の関係で明示しにくい総合診療科

病院などは、法律や政令などで認められていない診療科名を名乗ることはできません。そのため、例えば呼吸器科を総合的に診る部署には「呼吸器センター」のような名称を付け、そこに呼吸器外科と呼吸器内科が属すると言ったような形式を採ることもあります。

こうすれば患者の利便性も法律との整合性も保たれます。さらには「女性センター」のような名前で、産科・婦人科・乳腺外来・性病科など、デリケートな診療科を横断的にまとめることもあるでしょう。

そして、ずいぶん以前から関係各機関の間で検討が続いているのが「総合診療科」です。法律や政令を見る限りでは総合診療科と言う名前は見当たりませんが、実際には多くの病院で採用されています。

この診療科は、現段階では外来の初診の患者や救急患者を適切な診療科に振り分けるのが主な仕事になっているようです。病院によっては総合内科とか振り分け内科と言う名前で呼んでいることもあるようですね。

厚生労働省もお医者さんたちも、この総合診療科については、もっと診療科横断的に、一人の患者の病気を全体にわたって見通すような位置付けを検討しているようですが、まだその段階には至っていないようです。

それでも、関係する機関ががんばっているようですので、そう遠くない将来には、患者が診療科を選んでゆくのではなく、体調に問題があれば、取り敢えず病院・医院に行けばそれでOKと言う時代がやってくるでしょう。

現在は地域のクリニックで初診を受け、大きな病院へは紹介を貰って行くという、いわゆるプライマリケアが進められていますから、明らかな怪我や、歯が痛いとか目が痛いとかの専門的な部分のトラブルでなければ、「取りあえず内科」で良いでしょう。

もし最初から別料金を支払ってでも大きな病院を訪れるのであれば、総合内科的な診療科を受診すればOKですし、初診患者に対しては受付でそのように案内されるでしょう。

医療のコンシェルジュと言うか、ワンストップ型の医療と言うか、そういうものが求められます。体調の悪い時にしか病院には行かない訳ですから、そんな時に診療科の選択を検討するほど患者の側には余裕はないですよね。

入院した時の担当医の先生の診療科は気にしなくていい

不幸にして入院する羽目に陥った時、大抵はベッドのどこかに自分の名前と主治医の先生の名前、診療科、入院日などが記入された札が取り付けられます。リストバンドにも書かれていることがありますね。

その時、自分のイメージしていた診療科と、主治医・担当医の先生の診療科が異なっていることは良くあります。

不安になったらストレートに尋ねてみればいい

一つの例として考えられるのは、内科の病気で入院し、治療の一つとして手術を受けると言う流れになっていたはずなのに、主治医の先生が手術を担当する外科医になっていて不安になった、と言うケースです。

これは、術前の準備や術後の管理の関係かも知れませんし、治療の流れ自体が外科の方に重きが置かれているのかもしれません。それは、患者の側では知る由もありませんから、気になったら尋ねてみましょう。

病院にとっては自然な流れで主治医や担当医が決められていても、患者にとっては不安であると言うことは珍しくありません。大抵の場合、もっとも適任であると言う理由で選ばれているだけだとは思いますが、そのことをお医者さんの口から聞きたいですよね。

生活習慣病などでは診療科が複数にまたがる

例えば、糖尿病が悪化して、合併症の腎症と高血圧が発生して入院した場合、基本的には全部内科の先生が担当になりますが、今では診療科が分かれているため、糖尿病・腎臓病・高血圧のどの専門の先生が主治医になるかは、その時の症状の重さで決まるでしょう。

4人部屋で、みんな糖尿病で入院しているのに、合併症の内容によって、主治医の先生が4人バラバラになる可能性もないわけではありません。入院中と言うのは、うわさ話もいろいろ発生しやすいものです。

ですので、そうした事で不安になったら、入院友達に相談するのではなく、お医者さんや看護師さんに直接尋ねて、正確な情報を得るようにして下さい。

不安と言うのは体調を崩す大きな要因になります。正確な情報をもらうことはお薬をもらうのと同じくらい大切な治療だと思って、ストレートに尋ねましょう。

初診は「迷ったら内科」でOK

大病院の看板の前に立つと、圧倒されるぐらいたくさんの診療科の名前が並んでいます。しかし、あれは一種の宣伝だと受け取ってかまいません。「ウチの病院はこんなにたくさんの専門医がいるんですよ」くらいに考えておけばいいです。

私たちが受診する際には、自分で判断できるものであれば、その医院を受診すればいいです。歯が痛ければ歯科医院で良いですし、目がかすむようであれば眼科で良いです。火傷や怪我、ぎっくり腰であれば整形外科を受診するでしょう。

けれど、何らかの不調があって、何科のお医者さんへ行けば良いのか判らない場合は、内科を受診すればOKです。そういった患者の訴えを聞いて、適切な診療科へ紹介するのも内科の仕事なんです。

ですから「迷ったら内科」と覚えておいてもらえれば、初診の時に悩むことはなくなるでしょう。

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