健康生活TOP 病院 これでややこしくない!生後2カ月から始める予防接種スケジュール管理

これでややこしくない!生後2カ月から始める予防接種スケジュール管理

ベッドの上の母子

親世代の私たちの子どもの頃の予防接種と比べると、現在はずいぶんと予防接種が多くなりました。赤ちゃんに負担をかけそうだし、任意接種は金額もかかるし…、と思いがちですが、将来の我が子を守るのは親自身です。

ここでは基本的なことを押さえながら、特に生まれてから就学前までに必要になる予防接種を中心に、効率良く予防接種を受けられるようにするためのポイントを、ご紹介していきます。

予防接種は生後2ヶ月から!回数や接種期間など複雑に感じる予防接種

初めての出産、初めての授乳、初めてのオムツ替え。赤ちゃんが産まれると、初めての経験をたくさん重ねますよね。

昔は大家族であったため、下の子の面倒を見る機会が多くあり、出産した後は誰に教わらなくても一通りの子育ては出来たようです。

しかし、現代は核家族化がすすみ、子育ての経験が全くない状態で自分の赤ちゃんのお世話をする人がほとんどです。実際、私もそうでした。

そして、困ったことに、我が子を産んだ瞬間から母親になるので、夫や周りの大人達は、赤ちゃんのことについて私にどうするか、当然のように聞いてくるのです。しかし、全く子育ての経験の無い私に聞かれても、どうすることが正しいのか全く分かりませんでした。

なかでも困ったことは予防接種です。

CMで「○○ワクチンは、生後2ヶ月から打てます」と流れていると、夫は「赤ちゃんのワクチンって打たなくていいの?」と聞いてくるのです。そう言われても、特に通知がきているわけでも無かったので、迷いながら私は病院へ相談に行きました。

すると、お医者さんからこんな事を言われたのです。「生後2ヶ月になったら、すぐに予防接種を始めてください!」

赤ちゃんは、6ヶ月頃までお母さんからの免疫があると言われています。しかし、予防接種はその6ヶ月より早い時期である生後2ヶ月から接種することが可能なのです。

しかし生後2ヶ月から接種できる予防接種の他にも赤ちゃんが接種できる予防接種はたくさんあります。ざっと挙げても10種類以上あり、それぞれ接種する回数や摂取する月齢、次の予防接種まで空ける期間が異なるため、かなり複雑です。

私の場合ですが、長女を出産した時と長男を出産した時では、定期予防接種に指定されている予防接種が異なっていました。そのため「2人目も同じように予防接種していけばいいや」とのんびり考えていると、危うく予防接種すべき時に出来ないなんてことになるところでした。

そこでこの記事では、予防接種のスケジュールを立てるお手伝いになるような情報をご紹介します!

なぜ予防接種が必要なのか?予防接種の目的2つ

まず、なぜ早期に予防接種を受けることが必要なのか。理由は大きく2つあります。

1.ワクチン接種から免疫を作り、病気を予防するため

病気から身体を守る免疫には2種類あり、元々身体に備わっている「自然免疫」と、特異的な病原体にかかることで、その病原体から身体をまもる抗体を作る「獲得免疫」の2種類があります。

予防接種は「獲得免疫」を作るためのものです。

生まれたばかりの赤ちゃんが、これからあらゆる病原体にさらされる前に、ワクチンを接種することで新たな免疫を獲得し、感染予防・または感染しても軽く済むようにするためのものです。

周囲にはあらゆる病原体が潜んでおり、近年はどんどん新しい感染性の病気が増えています。そのため、予防接種を受けることで防げる病気は、まだまだ少ない方なのです。また、予防接種後の副作用の出現と比較した場合、感染して重症化する確率の方が圧倒的に高いので、積極的に予防接種を受けるように、すすめられているのです。

予防接種で防げる病気は、これまで感染すると重症化したり、後遺症が残ったりする可能性が高いものばかりです。特にウイルス感染による病気にかかった場合は、治療は対症療法しかないので、やはり感染しないためには、予防することが大事になってきます。

2.予防接種することで、流行が防げるため

実際に、ワクチンが開発されている病気は、世界的に見ても流行が少なくなっています。それは、予防接種が普及しているからです。予防接種を受けることによって、赤ちゃんを病気から守るだけでなく、流行を防ぐ目的もあるのです。

乳幼児で接種する予防接種は定期接種と任意接種の2種類

予防接種には、定期接種と任意接種の2種類があります。

定期接種
定期接種は無料で接種が可能です。厚生労働省の予防接種法により市区町村で定められています。以前と比べると、ずいぶんと増えましたが、それだけワクチンの開発が発達し、流行を防ぐことができるようになったということです。

自治体から補助券などが送られてくるため、それをもって医療機関へ行くと、無料であったり金額の補助が受けられてりします。しかし、決まった月齢で接種しないと、補助がきかないこともあるので注意しましょう。

任意接種
任意接種の疾患は有料の予防接種です。個人が自費で接種するもので、受けるかどうかは親自身の判断になります。

しかし、保育園などの集団生活をされる場合、乳幼児は任意接種に挙げられる重症疾患にもかかる可能性が高いです。保育園側(園児健診される医師など)から予防接種をすすめられることもあります。しっかり確認しておきましょう。

次の予防接種ができるまでの期間は?生後2ヶ月から予防接種を受けるべき理由

予防接種は、生後2ヶ月から接種できると説明しました。そのため、赤ちゃんが生後2ヶ月になったらできるだけ早目に予防接種することをオススメします。

その理由は、予防接種は1回注射すると他の予防接種を注射できるまで何週間か期間を空けなければならないからです。

例えばBCGは、赤ちゃんの健診と共に集団接種する自治体もあるので、これを優先させようとすると、前回の予防接種は逆算して予定を組まなければならないのです。

こういったことも早目に予防接種しておけば「この予防接種をしたいけれど、期間が合わない!」なんてことが避けられます。

また、赤ちゃんの体調が悪くなり予防接種を見合わせることになっても、最初の予防接種を早目にしておけば日程調整の対応をしやすくなるのです。

次の予防接種ができるまでの期間はワクチンの種類できまる

ワクチンの種類は、

  • 生ワクチン
  • 不活化ワクチン
  • トキソイド

の3種類があります。

生ワクチンは病原体の毒性を弱めたものです。抗体ができるまでに約1ヶ月かかるため、次の予防接種は4週間以上、空けなければ受けられません。

トキソイドは病原体の毒性をなくしたものです。不活化ワクチンはそれに似ており、病原体の毒性をなくし、さらに免疫をつけるために必要な成分を取り出したものです。

そのため、この2種類については、充分な免疫を得るために、何度か受ける必要があります。

▼ワクチンの種類と次の予防接種まで空けなければならない期間

生ワクチン 不活化ワクチン トキソイド
生成方法 弱った病原体を体のなかに入れ、軽く病気にかかった状態にすることで免疫をつける 死んでいる病原体を体のなかに入れ、免疫をつける 病原体から毒素を取り出したものを体のなかに入れ、免疫をつける
開ける日数 27日 6日 6日
ワクチンの種類 BCG
MR(麻疹風疹混合)
麻疹
風疹
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
水痘(水疱瘡)
四種混合
三種混合
ポリオ
日本脳炎
インフルエンザ
ヒブ
B型肝炎
破傷風
ジフテリア

もし予防接種を計画している日にちがある場合は、約1ヶ月前までならば生ワクチンを接種することが出来ますし、1週間前までであれば不活化ワクチンやトキソイドであれば接種できるというようになります。

就学前までに受ける定期接種、任意接種の種類一覧

現在、就学前までに受ける定期接種は7種類あります。

ワクチン名 予防できる病気 ワクチンの種類
ヒブ ヒブ感染症
(細菌性髄膜炎などを引き起こすものだが、予防接種で発症がほぼ防げる)
不活化
肺炎球菌 肺炎球菌感染症
(中耳炎、細菌性髄膜炎などを引き起こす)
不活化
4種混合 ジフテリア
(重症化すると呼吸困難・神経マヒを引き起こす)

百日ぜき
(低月齢での発症では重症化しやすい)

破傷風
(傷口から侵入する細菌により、筋肉硬直・呼吸困難を引き起こす)

ポリオ
(ウイルスが脊髄の神経に侵入すると、手足にマヒを起こし、後遺症になることもある)

不活化/トキソイド
BCG 結核(低月齢での発症では重症化しやすい)
B型肝炎 B型肝炎
(母親がウイルスを保有していると、それが子どもに感染する可能性が高い)
不活化
水ぼうそう 水痘
(いわゆる「水ぼうそう」と呼ばれる病気、発疹から水疱に変わり、全身に広がる)
麻疹・風疹 はしか
(高熱・発疹を伴うウイルス性の病気、他への感染力も強い)

風疹
(いわゆる「三日ばしか」と呼ばれる病気、妊娠中に母親が感染すると胎児に先天性風疹症候群が起こる可能性がある)

任意接種は主に2種類です。また例年、10月上旬くらいから、インフルエンザワクチンの予防接種が始まります。

ワクチン名 予防できる病気 ワクチンの種類
ロタウイルス ロタウイルス腸炎
(感染すると胃腸炎による嘔吐下痢が続き、脱水症状を引き起こす危険性が高い)
おたふくかぜ 流行性耳下腺炎
(いわゆる「おたふくかぜ」と呼ばれる病気、ムンプスウイルスの感染によって引き起こされる)
インフルエンザ インフルエンザ
(40度以上の高熱、関節痛、倦怠感などが見られ、乳幼児は脳症などの合併症を引き起こす危険がある)
不活化

自治体によっては、任意接種のワクチンについて、全額または一部公費負担するところもありますので、確認されると良いでしょう。

私の経験からですが、ロタウイルスの予防接種は生ワクチンであり、接種できる期間も短かったので、受けさせませんでした。しかし、保育園へ入園した直後に感染してしまい、嘔吐下痢からの脱水症状により、入院させることになってしまいました。

ロタウイルスワクチンは経口からの接種です。体への負担が少ないので、今思えば不活化ワクチンと同時接種しておけば良かったと思っています。

インフルエンザワクチンは13歳未満の子どもは、2回予防接種を受けます。通常2週間以上の間隔が空いていれば、次の接種が可能ですが、初めて予防接種する場合は抗体がつきにくいと言われているので、4週間程度の間隔を空けて接種するのが望ましいと言われています。

インフルエンザワクチンの金額は、各病院によって異なります。必要なワクチン確保に伴い、予約後のキャンセルができない病院があったり、親子で予防接種が受けられる病院もあったりします。問い合わせをした上で、予約されることをオススメします。

複数接種と単独摂取、それぞれのメリットとデメリット

自治体で決められている定期予防接種だけでも、かなり数のある予防接種。任意予防接種も加えると、片手では足りないほどその数は多くなります。

これらの予防接種を1本ずつ接種していると、時間もかかり計画することも非常に大変です。そのため、医療機関では「複数接種」といって、赤ちゃんの両腕や両足に注射することを勧められたりします。

単独摂取にも複数摂取にもメリットやデメリットがあるので、予防摂取の計画を立てる際に参考にしてください。

【単独摂取と複数摂取のメリット】

単独摂取
副反応がもしも起こった場合、原因のワクチンを判断しやすい
1回の注射なので、赤ちゃんへの負担が少ない
複数摂取
医療機関へ通う負担が減る
ワクチンの摂取状況の把握がしやすい
【単独摂取と複数摂取のデメリット】

単独摂取
何回も医療機関へ通わなければならない
ワクチンの摂取状況の把握が大変
複数摂取
副反応が起こった場合、原因のワクチンを判断しにくい場合がある
一度に何個もの注射をするので、赤ちゃんに負担がある

日本小児科学会が推奨する日本脳炎ワクチン早期接種

ここでひとつ、最近の話題として、日本脳炎ワクチンの早期接種推奨について取り上げます。実際に、かかりつけ医からも、予防接種受診時に聞きました。

これまで、日本脳炎ワクチンの予防接種は3歳からとされていましたが、日本小児科学会では、「日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨」をしています。

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊にさされることで感染します。日本脳炎ワクチンの普及と生活環境の改善により、日本脳炎患者発生は最近少なくなっていますが、毎年各都道府県で実施されているブタの抗体保有状況をみると日本脳炎ウイルスは西日本を中心に広い地域で確認されています。

(中略)

日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することが推奨されます。

日本脳炎にかかるリスクが高い地域にお住まいである場合は、かかりつけ医に相談されてみてはいかがでしょうか?

予防接種のスケジュールを組む時のポイント

  • 国立感染症研究所
  • 日本小児科学会

より示されている予防接種スケジュールを載せますので、参考になさってください。パッと見ると「ややこしそう」と感じるかもしれませんが、きれいにまとめられているのでありがたいスケジュール管理表ですよ。

実際に我が子のことを思ってじっくり見てみましょう。ここから担当のお医者さんに相談するのもいいですね。

▼画像クリックで国立感染症研究所の予防接種スケジュール表が公開されているページに移動します

国立感染症研究所の予防接種スケジュール表

▼画像クリックで日本小児科学会の予防接種スケジュール表が公開されているページに移動します

日本小児科学会の予防接種スケジュール表

それでは計画的に効率よく、予防接種を受けられるようにするためのポイントを、5つご紹介します。

1.接種可能な時期になったら、早目に予防接種を受けること

生後2ヶ月になった日を「予防接種デビュー」とすると、そこから月齢に合わせてスケジュールが組めるので、分かりやすくなりますよ。

最近では、母子手帳に接種時期が示してあったり、助産師・保健師などが行う生後1カ月後の新生児訪問にて、予防接種スケジュールの立て方を指導してくださったりする場合もあります。

2.重症化しやすい疾患の予防接種を優先すること

以前は生後3カ月からのBCGでしたが、現在は生後2カ月からのヒブ、肺炎球菌から予防接種をしていきます。これらは接種開始時期によって受ける回数が変わります。早目に受けられる方が、それだけ早く抗体がつきますので、まず接種していきましょう。

3.効率良く接種できるように、可能なものは同時接種すること

先天的に病気を持っている場合を除き、基本的には赤ちゃんや親自身の負担を考慮し、同時接種可能なものは同時に接種して、受診する回数を減らしましょう。

同時接種により、赤ちゃんへの負担が大きくなるということはありません。むしろ、抵抗力の弱い赤ちゃんに早目に抗体を付けてあげるために、必要な方法と考えて下さい。

4.かかりつけ医を作り、そこで予防接種を受けること

生後1か月健診後から、かかりつけ医を見つけ、受診していくようにしましょう。お子さんの成長を見ながら、体調を把握してくれるので、接種予定当日の具合もきちんと診て、接種可能か判断してくれます。

やはり予防接種における副反応が全くないわけではありません。接種後、30分程度は院内で経過を診て下さいます。かかりつけ医でしたら、普段と違う症状にすぐに気づいて対処してくれます。

また、予防接種における最新情報についても、かかりつけ医で教えてくださいますので、スケジュールが組みやすくなりますよ。

5.体調不良で予約当日に接種できなかった場合は、そこで次の予約を取ること。

キャンセルだけしてしまうと、うっかり接種すべき予防接種の時期を逃してしまうかもしれません。その場で予約を取り直すようにしましょう。

予防接種はいつまで続く?大人でも注意が必要!

予防接種は小さな赤ちゃんがするものと思っている方も多いかと思いますが、そんなことはありません。

追加接種といって、長い期間のものだと小学校に入ってからも予防接種が必要なのです。

▼追加接種の一例

MR 小学校入学前
日本脳炎 9歳
四種混合 11歳

また、大人でも年代によっては風疹ワクチンを接種していなかったりもします。

よく「妊娠を考えているならば予防接種しているか確認した方が良い」と言われますよね。その機会を逃した方はお子さんの予防接種を機会に、ご自分の予防接種の状況を確認してみるのも良いかもしれませんね。

赤ちゃんの予防接種は早目に計画を!

予防接種は、赤ちゃんを病気から守ったり、もし病気になってしまっても重症化しないようにするものです。そのため、予防接種はした方が良いと考えるお母さんが、ほとんどなのではないでしょうか。

しかし、この予防接種には次の予防接種まで空けなければならない期間があったり、定期予防接種では接種できる月齢が決まっていたりと、把握するのに難しいことがたくさんあります。

また、どんどん予防接種も新しくなっていくので、数年前と接種するものが異なっていたり、回数が変更になっていたりします。

さらに赤ちゃんの体調に合わせて進めるので、当然予定通りに進まなかったり、接種時期が遅れそうになったりしてしまうことはよくあります。

でも万が一接種時期が遅れてしまっても、予防接種できる期間が限られているもの以外ならば接種は可能です。

できるだけ早い時期に医療機関に相談したり、情報を集めたりしながら予防接種の計画を立てることが必要なのです。

ひとりで悩まずに、かかりつけ医に相談しながら、効率良く予防接種が受けられるよう、スケジュールを組み、自分自身や赤ちゃんの負担を最小限にしていきましょう。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る