健康生活TOP 蕁麻疹 かゆい蕁麻疹の対処法4ステップ!原因からみる治療と薬とは

かゆい蕁麻疹の対処法4ステップ!原因からみる治療と薬とは

woman scratching the arm

老若男女を問わず多くの人に突然出る蕁麻疹。たいていは強いかゆみを伴うことが多く、かくと広がるので辛い思いをしてしまいます。

蕁麻疹を早く治すには正しい治し方を知ることが必要。蕁麻疹の応急処置と治療法、蕁麻疹に使われる薬の種類について基礎知識をチェックしておきましょう。

蕁麻疹は防御反応のひとつ!かゆみの原因はヒスタミンの作用

蕁麻疹(じんましん)は、何らかの刺激を受けた時に皮膚の表面に「膨疹」ができてしばらくすると消えてしまう一過性の皮膚病です。膨疹とは、「みみず腫れ」などのぼこぼした皮膚の膨らみのことです。

蕁麻疹はいわば防御反応の一種です。身体が刺激を受けると免疫システムが反応し、真皮の中にある免疫細胞「肥満細胞(マスト細胞)」からヒスタミンなどの化学物質を放出させます。このヒスタミンが神経や皮膚を刺激するため膨疹やかゆみが起こるのです。

蕁麻疹が起こるメカニズム

肥満細胞と聞くと「お肉?」「太る細胞なの?」とイメージされるかもしれませんが、肥満細胞という名称はその姿がブヨブヨとして見え、肥満を連想させるからであり肥満は関係ありません。

骨髄内の造血幹細胞というところで作り出される細胞の一つであり、特に血管のまわりや鼻の粘膜、気管支、リンパ節、皮膚などの様々な組織にあります。

体内に侵入してきた異物に対してこれを検知し、ヒスタミンなどの化学伝達物質を分泌することでアレルギー反応が起こります。ですので、免疫反応には大きく関係している細胞だと言えます。

肥満細胞という名前やアレルギー反応を起こすことから悪いイメージが持たれがちですが、病気などの有害なものから身体を守ってくれる重要な細胞です。

蕁麻疹はしばらくすれば自然に消失していくものですが、蕁麻疹が出た時点で適切な応急処置をしてヒスタミンのはたらきを抑えることができれば、すぐにかゆみがしずまり楽になることができます。

蕁麻疹が出ると思わずかいてしまうことが多いのですが、かくのは良くありません。かくとその刺激で蕁麻疹が広がってしまうのです。

蕁麻疹はかいて広がってしまう前にかゆみをしずめるのがポイント。基本的な蕁麻疹の応急処置の方法を覚えておくと、いざという時に役立ちますよ。

この4ステップを覚えておこう!蕁麻疹が出た時の応急処置

蕁麻疹が出たら応急処置として次の4ステップを実践しましょう。

1.冷やす

蕁麻疹が出たらすぐに患部を冷やします。冷たいおしぼりを当てると良いでしょう。患部を冷やすことでヒスタミンの分泌が抑えられ、蕁麻疹のかゆみがしずまります。おしぼりは柔らかいガーゼ・タオルがおすすめです。

ただし低温が刺激となって起こる「寒冷蕁麻疹」が出る体質の人に限っては、蕁麻疹を冷やすのが逆効果となります。寒冷蕁麻疹が出た時は患部を温めてください。

2.刺激を取り除く

皮膚に触れている衣服の摩擦、ゴムやベルトの締め付けは時に蕁麻疹の刺激となり、かゆみを強くしてしまうことがあります。

蕁麻疹が出たら服のボタンやベルトをゆるめたり、木綿など肌触りの良い服に着替えたりして皮膚の刺激をなるべく取り除くと良いでしょう。

3.安静にする

蕁麻疹が出ている間はなるべく安静にして過ごしてください。体を動かすと血行が良くなってヒスタミンの分泌が促進されてしまうためです。 運動や入浴も避けてください。

4.薬で治療する

じんましんが少ない場合やかゆみがそれほど強くない場合は、かゆみ止めの外用薬を塗って家庭で様子を見ます。

広い面積に蕁麻疹が出てかゆみがひどい場合、蕁麻疹に伴ってほかのアレルギー症状が出ている場合は、すぐに皮膚科またはアレルギー科を受診して治療を受けてください。

蕁麻疹がひいた後も気をつけて!日常生活で注意したいこと

応急処置で蕁麻疹をしずめることができてもぶり返すことがあるので、蕁麻疹が出たらしばらくは次の点に注意しながら日常生活を過ごしてください。

  • なるべく安静に過ごす
  • 蕁麻疹が出た直後の入浴を控える
  • 飲酒しない
  • 激しい運動を控える

3~4日経っても蕁麻疹が繰り返されるようなら病院の治療でしっかり治すのが安心。受診し、検査を受けたり薬を処方してもらうなどの治療に切り替えましょう。

蕁麻疹の治療:原因と悪化因子を取り除く

蕁麻疹の治療法は大きく分けて

  • 原因・悪化因子の除去
  • 薬物治療

の2つになります。

蕁麻疹の根本的な治療は、蕁麻疹が出ないように原因や悪化因子(症状を悪化させる誘因)を除去することです。

薬物療法はあくまでも蕁麻疹の症状を和らげるための治療にすぎません。

しかし、診察で原因が特定できる蕁麻疹は全体の約30%、残りの約70%は原因がはっきりしない「突発性蕁麻疹」のため、一般的には薬物療法を中心に治療することが多くなっています。

原因・悪化因子の種類や除去法

蕁麻疹の原因はとても多く、患者それぞれで全く異なっています。検査をして見つかることの多い原因は食品や薬剤などのアレルギー物質、汗などで、まれですが全身的な病気が原因になっている場合もあります。

原因 種類 蕁麻疹以外の症状
食物
  • 果物
  • 野菜
  • そば
  • 甲殻類
  • 青魚

など

粘膜の腫れや腹痛、アナフィラキシーショックを伴うこともある
食品添加物
  • 保存料
  • 着色料
  • 人工甘味料

など

喘息発作を引き起こすこともある
薬剤
  • 抗生物質
  • 鎮痛剤
  • 降圧剤
重症になりやすく、アナフィラキシーショックを伴うこともある
日光 吐き気や腹痛など全身症状を伴いやすい
  • 入浴
  • 運動
  • 緊張時
皮膚がチクチクし、腹痛・下痢を伴うこともある
病気
  • 膠原病
  • 血友病
  • 白血病

など

必ず倦怠感・発熱などの前身症状を伴う

特定の原因で起こる蕁麻疹は症状が重くなることが多く、時にアナフィラキシーショックのような危険な症状を引き起こすことがあるので、速やかに適切な対処をしなければなりません。

もしも蕁麻疹の原因がはっきり分かっていれば、日常生活で原因を除去することで蕁麻疹を回避することができます。

しかし、ほとんどの人が蕁麻疹で受診して検査を受けても原因は見つからないわけです。これらは悪化因子が誘因となって起こっている突発性蕁麻疹と診断されます。

突発性蕁麻疹は比較的症状が軽く、アナフィラキシーショックを起こす心配は低いのが特徴ですが、慢性化しやすく放置していると蕁麻疹に長期間悩むことになりやすいので軽く見るのも良くありません。

突発性蕁麻疹を防いだり治したりするには、身の周りの悪化因子を除去していく必要があります。

悪化因子 種類
物理的な刺激
  • 皮膚のひっかき
  • 圧迫(ベルト・重い荷物)
  • 振動(マッサージ器など)
  • 寒暖差
精神的なストレス
体調の変化
  • 疲労
  • 風邪をひいた後
  • 月経

など

細菌感染
  • 虫歯
  • 扁桃腺
  • 副鼻腔炎

など

蕁麻疹の治療:薬物療法、病院で処方される主な蕁麻疹の薬

軽い蕁麻疹は数時間以内に自然におさまったり、市販のかゆみ止めを塗るだけでかゆみがひいたりしますが、早く蕁麻疹を治したい人は病院で内服薬を処方してもらい、体の内側から蕁麻疹の原因を取り除いてしまうことをおすすめします。

蕁麻疹の薬物療法は、「抗ヒスタミン薬」や「抗アレルギー薬」の内服が中心となります。また、かゆみが強い蕁麻疹には作用の強い「ステロイド剤」も用いられます。

第1世代抗ヒスタミン薬は、昔から広く用いられてきた抗ヒスタミン薬です。即効性があり蕁麻疹の症状を素早くしずめますが、口の乾きや眠気といった副作用が出やすいのが特徴です。

主な第1世代抗ヒスタミン薬

成分名 製品名 特徴
シプロヘプタジン塩酸塩 ペリアクチン 皮膚のかゆみを素早くしずめる
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 ポララミン 安全性が高い
ヒドロキシジン アタラックス 抗不安作用と抗ヒスタミン作用を併せ持つ

第1世代抗ヒスタミン薬に替わって処方されるようになってきたのが第2世代抗ヒスタミン薬。眠気や口喝といった副作用が少なく抗アレルギー作用も併せ持つのが特徴です。

主な第2世代抗ヒスタミン薬

成分名 製品名 特徴
フマル酸ケトチフェン ザジテン 第2世代の中では古く使用実績が豊富
メキタジン ゼスラン 効果が持続しやすい
エピナスチン塩酸塩 アレジオン 眠気や口喝が少なく効果が持続しやすい
フェキソフェナジン塩酸塩 アレグラ 眠気や口喝がほとんどみられない

また、重症の急性蕁麻疹や抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬が効きにくい蕁麻疹の治療には、短期的にステロイド剤が用いられます。

ステロイドは体内で分泌される副腎皮質ホルモンのひとつで、免疫力を高めたり炎症をしずめる高い効果を持っています。

蕁麻疹の治療に用いられるステロイド剤は内服薬と外用薬で、主な製品にはリンデロン・プレドニゾロン・レダコートなどがあります。また急性蕁麻疹に伴う重篤なアレルギー症状にはステロイド剤の点滴が有効です。

すぐにかゆみをしずめたい時には第1世代を処方し、原因がはっきりしない蕁麻疹の治療や慢性蕁麻疹の予防的な処方には第2世代、といった使い分け方をすることが多くなっています。

ステロイド剤はここぞという時に使われます。「副作用が怖い」というイメージを持つ人も多いですが、早く治したい時には強い味方になる薬ですよ。

家庭に常備しておくと安心!市販されている蕁麻疹の薬

蕁麻疹は突然出ることが多いので、蕁麻疹のかゆみに対応してい市販薬を家庭に常備しておくと安心ですね。

市販の外用薬

薬局にはかゆみ止めの軟膏・クリームがたくさん販売されていますが、蕁麻疹用の外用薬を購入するなら、

  • 抗ヒスタミン剤配合
  • 局所麻酔薬配合
  • ステロイド配合

など、かゆみをしずめる作用が特に高い製品を選ぶと良いでしょう。

ラナケインクリーム 小林製薬株式会社

ラナケイン商品画像

抗ヒスタミン剤・局所麻酔剤が配合されており、素早くかゆみを止めたい時に適していす。

成分 はたらき
ジフェンヒドラミン
(抗ヒスタミン剤)
かゆみの発生を抑える
リドカイン
(局所麻酔剤)
知覚神経を麻痺させ、かゆみを緩和する
イソプロピルメチルフェノール
(殺菌剤)
患部周辺の雑菌の発生を抑える
トコフェロール酢酸エステル
(ビタミンE)
新陳代謝を高め皮膚の生理機能を改善する

(参照… 小林製薬 ラナケイン)

メンソレータム ジンマート ロート製薬

メンソレータム商品画像

かゆみと腫れを同時に抑え、かいて蕁麻疹が広がってしまうのを防ぎます。

成分 はたらき
ジフェンヒドラミン塩酸塩 かゆみの発生を抑える
クロタミトン
(鎮痒薬)
温感によってかゆみを素早くしずめる
リドカイン
(局所麻酔剤)
知覚神経を麻痺させ、かゆみを緩和する
l-メントール
(清涼剤)
清涼感を与え、かゆみをしずめる
酸化亜鉛
(収れん剤)
患部の腫れを抑える
グリチルリチン酸二カリウム
(抗炎症成分)
患部の炎症を抑える

(参照…ロート製薬 ジンマート)

オイラックスPZ軟膏 第一三共ヘルスケア

オイラックスPZ軟膏商品画像

アンテドラッグステロイド(皮膚の炎症をしずめる力は強く体にやさしいステロイド)が配合され、強いかゆみをしずめたい時に適しています。

ステロイド剤は長期連用すると副作用が起こりやすくなるので、連用は2週間以内にとどめてください。

成分 はたらき
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
(ステロイド剤)
かゆみと炎症をすばやくしずめる
クロタミトン 温感によってかゆみを素早くしずめる
トコフェロール酢酸エステル 新陳代謝を高め皮膚の生理機能を改善する
イソプロピルメチルフェノール
(殺菌成分)
患部を殺菌する

(参照…第一三共ヘルスケア オイラックスPZ軟膏)

市販の内服薬

慢性蕁麻疹には抗ヒスタミン作用を持つ内服薬が有効です。体の内側からかゆみの元をブロックすることができます。

アレルギール錠 第一三共ヘルスケア

アレルギール錠商品画像

主成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩がアレルギー症状や蕁麻疹のかゆみを抑えます。

成分 はたらき
クロルフェニラミンマレイン酸塩
(抗ヒスタミン剤)
かゆみの発生を抑える
ピリドキシン塩酸塩
(ビタミンB6)
皮膚をすこやかに保つ
グリチルリチン酸カリウム 患部の炎症を抑える
グルコン酸カルシウム水和物 炎症を抑える

(参照…第一三共ヘルスケア アレルギール錠 )

スラジンA 佐藤製薬株式会社

スラジンA商品画像

抗ヒスタミン剤と漢方薬の力で蕁麻疹のかゆみやアレルギー症状をしずめます。

成分 はたらき
マレイン酸クロルフェニラミン かゆみの発生を抑える
dl-塩酸メチルエフェドリン
(交感神経興奮剤)
毛細血管を収縮させかゆみを抑える
いんちんこう湯 3つの生薬が蕁麻疹の炎症をしずめる

(参照…スラジンA サトウ製薬))

銘柄によって少しずつ特徴が異なるので、効能や配合成分については薬剤師に相談しながら自分の症状に合った製品を見つけてくださいね。

皮膚科の受診と検査について

蕁麻疹の正確な原因を個人の判断で特定することは不可能なので、蕁麻疹に悩んでいる人は皮膚科またはアレルギー科でアレルギー検査(血液検査、プリックテスト、皮内テストなど)を受けます。

  • 問診検査
  • アレルギー検査(免疫学的検査)
  • 皮膚スクラッチテスト
  • 皮内反応テスト
  • 血液検査
  • 皮膚パッチテスト
  • 皮膚描記法
  • 食品選択法検査
  • 試験食法検査
  • スクリーニング検査
  • 温熱負荷検査(温熱蕁麻疹)
  • 寒冷負荷検査(寒冷蕁麻疹)
  • 光過敏症検査(日光蕁麻疹)
  • 運動負荷試験(コリン性蕁麻疹)

最終的には臨床症状やそれまでの経過を見て判断されるでしょう。

しかし、これらの検査によっても、皮膚以外に目立った症状が無い場合の慢性蕁麻疹は異常が見つけられにくいという特徴があります。

皮膚科を受診する際のコツ

基本的には症状が一番強く出ている時に皮膚科を受診してください。原因や対処法、具体的な治療法をもっとも医師が判断しやすいため、誤診や「ちゃんと見てくれなかった…」という後悔や疑心が生れづらいと思います。

もし受診が不可能な場合、皮膚の写真を撮っておいて見せるという手もありです。

  • 何日から症状が現れているか
  • 一番症状が強く出た日
  • どんな症状か(痛みがある、熱を持っているなど)
  • どんな時にその症状が強まるのか

といったことをこまかくメモしておくのも大切です。皮膚科の先生が総合的に診やすくなります。

また、症状が出てから受診できる日までの間に、電話などでどういった項目を残しておくと受診時に役立つか聞いておくのも良いでしょう。

蕁麻疹と湿疹の違いとは?症状を見極めるポイント

蕁麻疹
皮膚に蚊にさされたくらいの膨らみができて、かゆみを伴います。しかし、数十分から数時間でかゆみは消えてしまうことが多いです。この膨らみは膨疹(ぼうしん)といいます。

短時間でたくさんの膨疹が全身にひろがる蕁麻疹もあります。

突然強いかゆみに襲われるので、「いつ」かゆみが出たということを思い出せることが多いです。

慢性蕁麻疹の多くは夕方から夜にかけて症状が現れ、翌朝から翌日の午前中には消えてしまいます。または夕方から現れ、また消えて、ということを繰り返します。

湿疹
赤いブツブツが現れかゆみを伴います。このブツブツは症状が進むと水疱(すいほう)になり、やがては破れて表面がじゅくじゅくの状態になります。

こういった症状を繰り返し、患部の皮膚が厚くなるのが特徴です。またか患部がかさつくのもポイントで、蕁麻疹の場合はこういった皮膚の厚化やかさつきが現れません。

また症状はじょじょに進行しますので、蕁麻疹のように「いつ」かゆみが出た!というようには思い出せない場合が多いです。

蕁麻疹は体調不良のサインということも

どの蕁麻疹も共通して、体調不良で免疫力が低下している時に発症しやすいといわれています。

特に思い当たる原因が見つからない蕁麻疹が出た時は、ストレスや疲労が溜まっている、または免疫力が低下している可能性が高いです。

応急処置や薬で蕁麻疹を治すと同時に、最近の健康状態も振り返ってみてくださいね。体調を整えるように心がけましょう。

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