健康生活TOP 蕁麻疹 突然全身がかゆい!かゆみの原因とそれぞれに適した対処法

突然全身がかゆい!かゆみの原因とそれぞれに適した対処法

突然のかゆみと言う経験は誰にでもあると思います。多いのは蚊に刺されたとか皮膚が乾燥したとか言うもので、それほど重い症状をきたすことはありません。

しかし、全身性のかゆみの中にはアレルギーによるものもありますし、全身に目に見えないサイズのダニが寄生していると言うケースもあります。

一方で、放っておいても1~2時間で赤みもかゆみも消えてしまうという、特に問題のないものも含まれます。かゆみをもたらす症状の中で最も典型的なのは、こうしたすぐに治まる蕁麻疹です。

お薬を使うのか使わないのか、受診すべきなのかどうか、適切に見極めてかゆみを治療しましょう。

物理性蕁麻疹は放っておいても問題がないことが多い

物理性蕁麻疹と言うのは、何らかの物理的刺激によって発生する蕁麻疹です。寒さにさらされたことで発生する寒冷蕁麻疹は割合よく見られますね。

あるいは、ふとかゆみを感じてポリポリ掻いたら、なぜか掻いた場所にブツブツができてしまう機械性擦過性蕁麻疹と言うものもあります。

物理性蕁麻疹は水に触れただけでも起こることがある

物理性蕁麻疹には次のようなものがあります。

症状名 特徴
機械性蕁麻疹 皮膚を引っ掻いたり擦ったりした場所に現れる蕁麻疹
寒冷蕁麻疹 寒さや冷たさに触れたときに現れる蕁麻疹で全身性と局所性がある
温熱蕁麻疹 暖かさや熱さに触れたときに現れる蕁麻疹で全身性と局所性がある
日光蕁麻疹 日光が当たった場所にだけ現れる蕁麻疹
水蕁麻疹 海水に触れた時に毛穴に一致して現れる蕁麻疹
振動蕁麻疹 振動の刺激を受けた時に現れる蕁麻疹
遅延性圧蕁麻疹 下着の締め付けなど長時間圧迫された時に現れる蕁麻疹
これらのうち、下着の締め付けなどによって起こる遅延性圧蕁麻疹は、現れてから消えるまでに、長いと数日かかる場合があります。それ以外のものは、だいたい数分から長くても2時間以内に自然に消滅します。後遺症も残りません。

原因に思い当たる節がない場合は、とりあえず我慢するか市販のかゆみ止めを塗って2時間様子を見ましょう。それで消えてしまえば物理性の蕁麻疹だったと判断してOKですし、頻繁に繰り返さないのであれば受診しなくても大丈夫でしょう。

物理性蕁麻疹とよく似た症状を出すものはあるので注意

物理性蕁麻疹と似た症状を起こすものにシイタケ皮膚炎があります。シイタケ皮膚炎ではシイタケを食べた翌日から4日後くらいに、全身に爪で引っ掻いたような発疹が現れます。ちょうど機械性蕁麻疹とよく似ているんですね。

なぜシイタケでこのような症状が起こるのかのはっきりした理由は判っていませんが、特に生シイタケを生焼けで、しかもお酒のつまみとして食べると起こりやすいようです。

とは言え、干しシイタケでも起こる例もありますし、健康食品的に干しシイタケの戻し汁を飲むのが流行ったころには良く発生したそうですので、シイタケは良く過熱して美味しく食べるだけにしておきましょう。

このシイタケ皮膚炎は、一度発生したからと言って、次にシイタケを食べた時に必ず再発するということはありません。再現性に乏しいだけに厄介ですが、シイタケをたくさん食べてこうした症状が出たら一度皮膚科を受診して下さい。

基本的には抗ヒスタミン薬を内服し、ステロイド外用薬を塗って治療します。1週間ぐらいで症状は治まるでしょう。

また、水蕁麻疹は海水で起こりやすいですが、真水で起こらないというわけではありません。そして、似たような症状を表すものにコリン性蕁麻疹があります。

コリン性蕁麻疹も名前の通り蕁麻疹の1つですが、入浴や運動、緊張などによる発汗がきっかけで起こるものです。ですので、温熱蕁麻疹や水蕁麻疹などと見分けにくいですし、これらが同時に現れることもあります。

コリン性蕁麻疹も長くて2時間くらいまでには自然に消えますが、時として瞼や唇に腫れやむくみを伴うことがあります。頻発するとかかゆみが強いとか言う場合は皮膚科を受診して下さい。

抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬によって症状を軽減することができます。

蕁麻疹が厄介なのは、お医者さんで診察を受ける頃には症状が消えていることです。繰り返すようでしたらスマホで患部を撮影しておいて、お医者さんに見てもらうのも良いですね。

アレルギーのブツブツも刺激に誘発される蕁麻疹の一つと考えられる

物理性蕁麻疹やコリン性蕁麻疹は、物理的な刺激によって蕁麻疹が誘発されているものでしたが、アレルギーやヒスタミン食中毒によって蕁麻疹が誘発される場合も多いですね。

ヒスタミン食中毒と言うのは「サバを食べてブツブツだらけになった」と言う症状です。詳しくは別の記事をご覧下さい。

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アレルギーによる蕁麻疹はアレルゲンを見つけておくことが対策

蕁麻疹と言うことで受診した人の5%くらいがアレルギーによる蕁麻疹であったという報告があります。少ないと感じられるデータですが、アレルギーと言う病気自体が広く知れ渡った現在、皮膚症状だけでも蕁麻疹ではなくアレルギー症状として受診する人が増えたからかも知れません。

アレルギーについては非常に範囲の広いものですから、ここで詳細にお話しすることはできませんが、蕁麻疹と言う症状が出るものは、食物・接触のいずれかによるものが多いでしょう。

このタイプのアレルギーはI型アレルギーですので、アレルゲンに接触したり食べたりして数分後には反応が現れます。ですので、アレルギー反応だと判りやすいとも言えますね。

フルーツを食べた時に口の周りや中にブツブツができる口腔アレルギー症候群もこの仲間に含めても良いかもしれません。一方、マンゴーで発生するマンゴー皮膚炎はウルシ科植物によるIV型アレルギーですので少し異なります。

マンゴー皮膚炎はマンゴーを食べた翌日から数日後に症状が出始める遅発型のアレルギーです。

一方、虫や樹液にかぶれるといったものではI型(即発型)もIV型(遅発型)も存在しますので、何かに触れてブツブツが出たと言う時には、その原因物質をよく確認しておきましょう。

こうしたアレルギー性の蕁麻疹は、時として重い症状になる場合がありますので、症状が出たら受診して適切な処置を受けるようにして下さい。

蕁麻疹全般にひどい腫れが出たらすぐに病院へ

アレルギー性ばかりでなく、他のタイプの蕁麻疹でも、局所的に強い腫れが出ることがあります。これは血管性浮腫と呼ばれるもので、蕁麻疹に伴う症状の一つです。

皮膚表面に現れた時は、指で押してもへこまない、固いむくみとして現れ数日で消えることが多いものです。

ただ、これは同時に内臓にも現れていることがあり、そうした場合重い症状を引き起こすことがあります。例えば呼吸器にできると呼吸困難になったりショック症状を引き起こしたりします。

ですので、物が呑み込みにくいとか息がしにくいと言った症状のみならず、まぶたや唇がひどく腫れたと言う時なども、急いで受診されることをお勧めします。

蕁麻疹については、まだまだお話ししないといけないこともありますが、これらがメジャーなものですので一旦終わりにします。次はかゆみの対処に使うお薬について先にお話ししましょう。

かゆみの対処は抗ヒスタミン薬とステロイド外用薬がゴールデンコンビ

この2種類のお薬は皆さんがよくご存知の名前だと思います。抗ヒスタミン薬は、名前の通りヒスタミンと言う炎症関連物質の働きに拮抗するものです。かゆみ止めには外用・内服の両方で用いられます。

一方、ステロイド外用薬は副腎皮質ホルモンを人工的に合成した外用薬で、炎症物質が作られることそのものを抑制する働きがあるものです。いずれも皮膚科で処方してもらえますから、この2つを上手に使って蕁麻疹などのかゆみに対応して下さい。

抗ヒスタミン薬には第一世代と第二世代がある

ヒスタミンと言うのは、免疫反応にかかわるマスト細胞に貯蔵されている細胞間信号伝達物質の1つです。体外から炎症を起こすような物質が入ってくると、抗体の1つである免疫グロブリンE(IgE)の働きによってマスト細胞から放出されます。

このヒスタミンは、4種類の受容体に取り込まれる性質がありますが、H1受容体と言うものに取り込まれた時に炎症を引き起こすことが知られています。

そこで、このヒスタミンH1受容体にフタをしてしまえば炎症が抑えられますね。これがヒスタミンH1受容体拮抗薬、通称抗ヒスタミン薬なのです。

抗ヒスタミン薬には飲み薬と塗り薬があります。風邪をひいた時のくしゃみや鼻水、鼻詰まりと言ったアレルギー症状には飲み薬が、蕁麻疹などの皮膚症状には外用薬がよく用いられます。

抗ヒスタミン薬は血液脳関門を通過する第一世代のものがかぜ薬などに配合されています。このため眠気を催しやすいのですが、風邪の時にはそれが好ましい方向に働くので、その効果を狙って配合されています。

第一世代の抗ヒスタミン外用薬はジフェンヒドラミン塩酸塩(商品名:レスタミンクリーム・ジェネリックあり)が有名ですね。市販薬でもムヒを始め様々なお薬に配合されています。

一方、第二世代抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用が非常に少ないため、飲み薬として良く利用されています。代表的なものにフェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラ・ジェネリックあり)があります。

アレグラは花粉症のお薬として第1類医薬品として市販されているように、かゆみ止めとしてはあまり使われないようです。

ステロイド薬には効き目の強さが色々ある

外用のステロイド薬は、ほとんど副作用がありません。もちろん使用法を無視して長期間使ったりすると、皮膚が薄くなったり血管が浮き出ると言う可能性はあります。

ステロイド剤の外用薬は、症状のひどい時に1週間までの短期間使用して、一気に症状をよくしてしまうということが目的のお薬です。ですので、それ以降は非ステロイド系のお薬で対応してゆくことになります。

よく言われる皮膚が黒くなるというのは誤った情報ですし、糖尿病になるとかムーンフェイスが見られる、骨粗しょう症になるというのはステロイド薬の内服や点滴を長期間続けた場合にある副作用で、外用薬にはこのような副作用はありません。

外用のステロイド薬は、その強さに応じてI群(最強)~V群(最弱)の5段階に分類されています。おそらく現在では単剤のV群はないと思われます。

例えば、クロベタゾールプロピオン酸エステル(商品名:テルモベート・ジェネリックあり)はI群の最強レベルのステロイド外用薬です。

また、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(商品名:アンテベート・ジェネリックあり)はII群で、非常に強力とされるものです。

さらに、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(商品名:リドメックス・ジェネリックあり)はIII群(強力)~IV群(中程度)に分類されています。この成分は頭皮のかゆみ対策の第2類医薬品として市販されているムヒHDにも配合されています。

これらは状況に応じてお医者さんが処方されるのですが、その根拠になるもののひとつに吸収率があります。

個人的な経験で恐縮ですが、冬のアカギレがひどく、手が血まみれになるような状態で皮膚科へ行ったとき、I群のテルモベートを処方してもらいました。4日でひどい症状が治まったので、あとはヘパリン類似物質のハンドクリームに切り替えました。

これは手のひらと言うのは非常に吸収率が低いからなんですね。アレルギーテストでよく使う前腕内側の吸収率を1とした場合、手のひらは0.83しか吸収しません。

それに対して、頭皮では3.5、頬で13.0、首で6.0と言う高い吸収率があります。ですので手に使う場合は最強のステロイドを、頭に使う場合はかなり弱いステロイドを使うと言うような使い分けになるのです。

ですから、手荒れで処方してもらったステロイドが余ったからと言って、頬のニキビが炎症を起こした時に使うと言ったことは絶対にしないで下さい。

ステロイド外用薬は、短期間勝負で一気に症状を軽くするのが目的です。だらだらと使い続けるのはよくありません。

ダニの寄生による疥癬と言うかゆい皮膚病

疥癬と言う皮膚病はヒゼンダニ(疥癬虫)と言う、目に見えるか見えないかと言うサイズのダニが皮膚の角質に寄生することによって起こる、とてもかゆい皮膚病です。

あまり聞いたことがないという人も少なくないと思いますが、現在の日本でも年間8万人から15万人の感染者がいると推定されています。

健康な人なら顔や頭には寄生されにくい

健全な免疫力を持っている人であれば、数十匹以上というレベルですが、免疫力が低下している人の場合100万から200万と言う大量のヒゼンダニに寄生されることもあります。もちろんそうした場合は症状も異なってきます。

一般的に見られる普通疥癬では、赤いブツブツができたり、疥癬トンネルと言う筋状の模様が見えたりしてとてもかゆいという症状がある程度です。

疥癬の診断を確定するには、疥癬虫や卵を見つけて顕微鏡で確認しなければなりません。でも、疥癬のときにできる痒くて赤いブツブツから疥癬虫がみつかることはまずありません。

疥癬虫は、最も大きな体をもつメス虫でも体長はわずか0.4 mm、しかも体の色はクリーム色の保護色になっています。目で見て皮膚のどこからか虫を見つけ出すのは、広い砂場に落としたコンタクトレンズを探すようなものです。

(中略)

Y字型の皮剥けは、水面を泳ぐ水鳥の後ろにできる末広がりの水のすじ(水尾(みお))のように見えるので、これを「水尾徴候」(‘wake sign’)と呼んでいます(図4)。

水尾型の皮剥けは、掌や足の裏のシワの上などにみつかります。水尾型の鱗屑は目に見える大きさなので、疥癬虫を探す道しるべになります。

疥癬トンネルの拡大写真

突然、皮膚にかゆみを覚えてこうした症状が見られたらすぐに皮膚科を訪れて、顕微鏡などでチェックしてもらいましょう。

疥癬は内服薬と外用薬で治療できる

内服薬としてはイベルメクチン(商品名:ストロメクトール・ジェネリックなし)が使われます。このお薬は疥癬の特効薬で、1~2回飲むだけで、外用薬を使わずにヒゼンダニを駆除することもできます。

ただ、ヒゼンダニが死滅した後で一時的にかゆみが強くなることがあります。

一方、外用薬の方でも、内服薬なしに、2回塗るだけでOKと言うお薬があります。フェノトリン(商品名:スミスリンローション5%・ジェネリックなし)と言うお薬で、1本30gを首から下の全身にまんべんなく塗り、12時間後以降にシャワーや入浴をすると言う使い方のものです。

これを1週間おいて2回行えば基本的にはOKですが、完全に駆虫できなかったり、症状が重い場合は別の対応もあり得ます。

なお、この成分を0.4%含んだ市販薬も古くから薬店で販売されていますが、これはシラミ駆除用のものですので疥癬には効きません。なお、このフェノトリンと言うお薬はピレスロイド系(除虫菊系)の殺虫剤です。

疥癬はそれほど強い伝染力を持たない

疥癬にかかっている人からうつる可能性は、皮膚同士の直接接触によるものだけです。ヒゼンダニ自体が非常に乾燥に弱い虫で、人間の身体から離れると2~3時間で死んでしまいます。

ですので、通常疥癬の場合は入院や隔離の必要はありません。ただし、ご家族に患者さんが出た場合は、念のため家族全員で受診して、対策について病院の指導を受けましょう。

一方、重症型の場合は短期間個室に入院して治療を受けることになります。ヒゼンダニの数があまりに多いので、患者さんが使った寝具やタオル類にヒゼンダニがいる可能性が高いからです。

動物にも疥癬虫は寄生します。良くある犬や猫の疥癬は人間にうつることもありますが、繁殖することは比較的少ないので、一過性過性の感染に終わることが多いです。逆に人から動物への感染もあり得ますので注意しましょう。

かゆみの原因はさまざまだが継続するかゆみは受診した方が良い

最後の説明は少し気持ちの悪いものだったと思いますが、こう言うかゆみの原因も、それほどレアケースという訳ではない確率であり得るのです。

今回は触れませんでしたが、水虫・たむしなどを含めて、全部に共通して言えるのは数日以上続くかゆみは診てもらった方が良いということです。

蕁麻疹であれば、普通は数分から2時間で消えます。長く続く蕁麻疹でも数日で治まります。それ以外の場合は、皮膚科を受診して原因を突き止め、適切な治療を受けて下さい。
かゆみと言うのは我慢できないことが多いですよね。かきむしりそうなら、様子を見ることなく皮膚科を受診するのがお勧めです。症状は変化しますから、患部の写真はあった方がいいですね。
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